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●7月_勉強会3
しおりを挟む夕方ごろに起きると、湊さんも少しぼんやりしていたが起きて来た。
薬はちゃんと効いたからか、
ヒートの熱は微熱程度まで落ち着いたようだった。
結局門限があるからなんとかで、湊さんは帰ってしまった。
テスト前はほぼ自習期間で授業に出席しなくて良くなるタイミングだったから、
ヒート期間中、湊さんは僕の部屋で休んでるか、一緒に勉強するか、時々ヒートを落ち着かせるために求めあったりもした。
正直、夕方ごろとか薬が1番効いてる時はツンツンしてるけど、
なんか日が経つごとに懐かれているというか、帰る時に少し寂しそうな顔をすることが増えた気がする。
それに、ヒートで熱っぽい時はデレデレで本当に可愛いし、
事あるごとに、キスも少し恥ずかしがりながらおねだりしてくるのもほんと天使かと思うほどだった。
強い方の薬も取り上げちゃったから、結局僕のところに来るしかなかったのもあるかもしれないが、
それじゃあ寂しいから候補にあげないことにしよう。
健気な湊さんは、
彼のヒートに付き合わされて、僕の勉強の邪魔にならないかと言い出したから取り上げてしまった。
ああ見えても、湊さんはかなり頑固なところもあるみたい。
そしてヒートが落ち着いた翌日にちょうどテスト期間が始まった。
時間割が合わなかったのもあるし、なんか湊さんが少し後ろめたそうに顔を逸らすから、多分わざと僕を避けてテストに集中していたようだった。
そのまま夏休みに入るまで、放課後に湊さんと過ごすチャンスはなかった。
でもあんなに充実した勉強会のおかげで、テストはかなり順調に進んだ。
夏休み前日に張り出された結果は、全教科良好。僕の奨学金問題も当分は大丈夫そうだ。
共通テストの上位の順位はあまり変わっておらず、今年度は生徒会メンバーの変更なしと掲示されてた。
あと半年湊さんと会える口実が保障しれた安堵に満たされ、僕は無事夏休みを迎えた。
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