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第1章 引きこもりニート
死神の出立
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「……と以上があの自堕落なクソニートに関する情報でございます。」
調った執務室の椅子に腰掛けながら、死神は部下からの報告を聞いた。
「ふむ、噂に違わぬうつけだな。」
「はい、調査を行いながら私自身動揺を隠せませんでした。」
「確かに我が主が何とかしてこいと我に泣きついてきた訳が分かる。」
「正確にはドルデ様に泣くくらいなら自分の失敗を取り戻して来い。と言われただけでは?」
部下からのツッコミを華麗にスルーしながら死神は手元の資料に目を落とす。
「49歳男性、名前は三枝尚貴、趣味は……」など長々と書かれているそれを読みながら面倒くさがりのこの死神は早くもこれからの仕事の大変さに気が滅入りそうになっていた。
「ねえ、クルト、お前代わりに行っt……」
「ダメです。」
「じゃ、じゃあ……」
「後で行くからお前が先に行ってくれ……と?どうせ来ないでしょうに。ダメに決まってるじゃないですか。」
ちくしょう、言おうとしてることの先回りをすんなよ……死神はボヤきながらも、真面目に荷造りをするのだった。
--------------------
「ふぅ……」
溜め息をつきながらクルトは近くの椅子に腰掛ける。
先程、彼女の主である死神は今しがた地上に向けて出発した。
「あの御方が居ないとこんなにも静かなのですね。」
誰に言うでもなく、彼女はポツリと呟く。
「本当に我儘で真面目で、そしてとてつもなく面倒臭い……」
彼女が死神の配下になったのは今回の仕事のお目付け役に任じられたからだ。
彼女は1ヶ月前の出来事を思い出す。
「死神の元に行ってくれないか?」
最初この命令を受けた時、ポーカーフェイスを保っていたものの正直彼女は乗り気ではなかった。
「それがご命令とあらば……」
「無論、命令だ。お前には死神の監視を行ってもらう。」
「監視……ですか。」
補助ではなく、監視。
彼女はそこに違和感を覚えた。
「そうだ。やつには謀反の疑いがある。」
その言葉に彼女は思わず顔を上げる。
魂の管理者が謀反とは笑えない冗談である。
「証拠は……」
「ここにある。」
ドルデが手元にあった紙を投げて寄越す。
そこには天使と親しげに話す死神の姿がしっかりと写っていた。
現実に戻ってきた彼女は自らの頬を叩き、気合いを入れ直す。
そして、部屋の中を見回す。
あることに気づいた。
「あの人、ゲーム類全部持っていきやがった。」
調った執務室の椅子に腰掛けながら、死神は部下からの報告を聞いた。
「ふむ、噂に違わぬうつけだな。」
「はい、調査を行いながら私自身動揺を隠せませんでした。」
「確かに我が主が何とかしてこいと我に泣きついてきた訳が分かる。」
「正確にはドルデ様に泣くくらいなら自分の失敗を取り戻して来い。と言われただけでは?」
部下からのツッコミを華麗にスルーしながら死神は手元の資料に目を落とす。
「49歳男性、名前は三枝尚貴、趣味は……」など長々と書かれているそれを読みながら面倒くさがりのこの死神は早くもこれからの仕事の大変さに気が滅入りそうになっていた。
「ねえ、クルト、お前代わりに行っt……」
「ダメです。」
「じゃ、じゃあ……」
「後で行くからお前が先に行ってくれ……と?どうせ来ないでしょうに。ダメに決まってるじゃないですか。」
ちくしょう、言おうとしてることの先回りをすんなよ……死神はボヤきながらも、真面目に荷造りをするのだった。
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「ふぅ……」
溜め息をつきながらクルトは近くの椅子に腰掛ける。
先程、彼女の主である死神は今しがた地上に向けて出発した。
「あの御方が居ないとこんなにも静かなのですね。」
誰に言うでもなく、彼女はポツリと呟く。
「本当に我儘で真面目で、そしてとてつもなく面倒臭い……」
彼女が死神の配下になったのは今回の仕事のお目付け役に任じられたからだ。
彼女は1ヶ月前の出来事を思い出す。
「死神の元に行ってくれないか?」
最初この命令を受けた時、ポーカーフェイスを保っていたものの正直彼女は乗り気ではなかった。
「それがご命令とあらば……」
「無論、命令だ。お前には死神の監視を行ってもらう。」
「監視……ですか。」
補助ではなく、監視。
彼女はそこに違和感を覚えた。
「そうだ。やつには謀反の疑いがある。」
その言葉に彼女は思わず顔を上げる。
魂の管理者が謀反とは笑えない冗談である。
「証拠は……」
「ここにある。」
ドルデが手元にあった紙を投げて寄越す。
そこには天使と親しげに話す死神の姿がしっかりと写っていた。
現実に戻ってきた彼女は自らの頬を叩き、気合いを入れ直す。
そして、部屋の中を見回す。
あることに気づいた。
「あの人、ゲーム類全部持っていきやがった。」
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