21 / 86
web版設定第二章
1
しおりを挟む
あの告白騒動から3日が経った。
あの後、おれから離れたくないと駄々をこねるレイヴァン様をアレク王子がヘッドロックして学園へ強制連行して行った。
どうやらおれが倒れた?と聞きつけて学園から抜け出して来ていたらしい。
なんだかんだと兄弟仲良くないみたいな雰囲気出してるけど、多分あのレイヴァン様をヘッドロック出来るのはアレク王子くらいだろう。レイヴァン様も本気で抵抗してなかったし。おれからしたら十分仲良いのに不思議だな。
そういえば引きずられて行くレイヴァン様が3日後必ず戻るって言ってたから、きっと今日帰って来るはず。
と言うことは、だ。今夜おれはレイヴァン様に…。しかもあの人おれの事す…好き…っ、らしいし…っ…あの、あー…っ緊張してきた。
「手が止まってるよマシロ君」
「うわっ!あ、ごめんなさい…っ」
そうだ、今カール様の研究室の整理を手伝ってる最中だった。
慌てて持っている本を棚に入れていく。
お城に居てもやることがなく、暇を持て余していたおれにカール様が提案してくれたんだ。
…貴重な資料もおれには到底理解できないものだから手伝いにピッタリだって。やかましいわ。
幸い文字は何となく読めるから、主に出しっぱなしになってる本を戻したり、バラバラに重なってる書類をかき集めたりしかしてないけど、それでもカール様的には助かるそうでお駄賃までくれる。
少ないけど、って言われるけど普通に多い。おれが王都に高級ハイエリクサー買いに来た時に持ってた全財産より余裕で多い。…貧富の差をまじまじと感じてしまう。だがありがたく頂いている。お金、大事。
次に戻す本と同じジャンルを探すと、棚の上の方だ。
ギリギリ届くか届かないかの位置に一瞬考えるが、踏み台をわざわざ持って来るのも面倒でつま先で立って頑張る。
入りそうで入らない。意地になって本棚にへばりついていると、後ろに大きな気配が覆い被さってきてすっと本が押し込まれた。
「こら、横着しないの」
耳の真後ろからカール様の声がする。
「それとも…」
ぐっと身体を密着され、本を仕舞うのに伸ばしていた手をそのまま握り込まれる。まるで本棚とカール様の間に閉じ込められるように後ろから押し付けられて熱が近くなる。
「こういうの、待ってた?」
「待ってません!てか近いです!」
どこでスイッチ入ったの!?その色気を仕舞って下さい…っ!
「いやー言ってみるものだね。こんな可愛い助手が私のためにせっせと働いてくれて、本当に健気で研究も捗るよ」
「そ、それは良かったですね…ははっ、うひぃ…っ」
ちょ、お、お腹…っ、手が!ふへぇ…っ!?
「研究は趣味みたいなものだから特に苦ではないけど、それでも癒しは必要だよね」
「あ、あのカール様、手が、くすぐったいんですけど…あの…あ、あっ服に入って…っ、ちょっと…っセクハラ反対!」
「おや失礼。つい触りたくなっちゃって。でも、マシロ君だって人の事言えないでしょ?」
「はぁ…はあ!?どう言う意味?」
何とか手が服の中から出ていったと思ったら、今度は顎を掴まれて軽く後ろを向かされた。
鼻と鼻が触れてしまうんじゃないかという近さから顔を覗き込まれてビクッとする。
「さっきやらしい事考えてたでしょ?」
ばれていたことに動揺して身体が強張った。するとそんなおれに満足そうににっこりとカール様が笑う。
「マシロ君のエッチ」
言われた言葉に顔が熱くなる。
「ふえっだ、だって…、今日は3日目だし…っ」
「わあ、真っ赤。可愛い。ふふっ、そうだね。今日はレイヴァン殿下との日だものね。でもまだ夜まで時間があるのにもうその時の事考えてたの?今は私と2人きりの時間なのに?妬けちゃうな」
「そんな事言われても…っ」
「そうだ、同意があればいいってルールだし、殿下に会う前にこの瞳青くしちゃわない?」
「え“っ!?それは、だめだと…」
「いやー正直私も鬱憤が溜まっててね。だってお預け何回喰わされたか知ってる?顔を合わす度に瞳の色変えてるしさ、本当にいい加減にして欲しいよ」
「え?あの、ごめんなさい…」
「だからちょっとくらい青くしてもいいよね」
「それはダメだと思う」
流石に茶色から青になってたらレイヴァン様もブチギレちゃうんじゃないかな。
「んーダメか。マシロ君は真面目だね。まあそこがいいんだけど。じゃあ代わりにデートしようよ」
「デートぉ?」
「そう。どうせまだレイヴァン殿下は帰ってこないだろうし、城下町デートしよう。それくらいならいいだろ?」
デートは置いといて、城下町!え、行きたい!行きたい!
「行く!」
「決まりだね」
ちゅっ
一瞬唇を掠め取られてカール様が離れていく。
その後ろ姿がウキウキしていて、キスされたんだと思い至る。
「カール様ぁ…っ!」
「早くおいで。置いていくよ」
油断も隙もない…っ。
あの後、おれから離れたくないと駄々をこねるレイヴァン様をアレク王子がヘッドロックして学園へ強制連行して行った。
どうやらおれが倒れた?と聞きつけて学園から抜け出して来ていたらしい。
なんだかんだと兄弟仲良くないみたいな雰囲気出してるけど、多分あのレイヴァン様をヘッドロック出来るのはアレク王子くらいだろう。レイヴァン様も本気で抵抗してなかったし。おれからしたら十分仲良いのに不思議だな。
そういえば引きずられて行くレイヴァン様が3日後必ず戻るって言ってたから、きっと今日帰って来るはず。
と言うことは、だ。今夜おれはレイヴァン様に…。しかもあの人おれの事す…好き…っ、らしいし…っ…あの、あー…っ緊張してきた。
「手が止まってるよマシロ君」
「うわっ!あ、ごめんなさい…っ」
そうだ、今カール様の研究室の整理を手伝ってる最中だった。
慌てて持っている本を棚に入れていく。
お城に居てもやることがなく、暇を持て余していたおれにカール様が提案してくれたんだ。
…貴重な資料もおれには到底理解できないものだから手伝いにピッタリだって。やかましいわ。
幸い文字は何となく読めるから、主に出しっぱなしになってる本を戻したり、バラバラに重なってる書類をかき集めたりしかしてないけど、それでもカール様的には助かるそうでお駄賃までくれる。
少ないけど、って言われるけど普通に多い。おれが王都に高級ハイエリクサー買いに来た時に持ってた全財産より余裕で多い。…貧富の差をまじまじと感じてしまう。だがありがたく頂いている。お金、大事。
次に戻す本と同じジャンルを探すと、棚の上の方だ。
ギリギリ届くか届かないかの位置に一瞬考えるが、踏み台をわざわざ持って来るのも面倒でつま先で立って頑張る。
入りそうで入らない。意地になって本棚にへばりついていると、後ろに大きな気配が覆い被さってきてすっと本が押し込まれた。
「こら、横着しないの」
耳の真後ろからカール様の声がする。
「それとも…」
ぐっと身体を密着され、本を仕舞うのに伸ばしていた手をそのまま握り込まれる。まるで本棚とカール様の間に閉じ込められるように後ろから押し付けられて熱が近くなる。
「こういうの、待ってた?」
「待ってません!てか近いです!」
どこでスイッチ入ったの!?その色気を仕舞って下さい…っ!
「いやー言ってみるものだね。こんな可愛い助手が私のためにせっせと働いてくれて、本当に健気で研究も捗るよ」
「そ、それは良かったですね…ははっ、うひぃ…っ」
ちょ、お、お腹…っ、手が!ふへぇ…っ!?
「研究は趣味みたいなものだから特に苦ではないけど、それでも癒しは必要だよね」
「あ、あのカール様、手が、くすぐったいんですけど…あの…あ、あっ服に入って…っ、ちょっと…っセクハラ反対!」
「おや失礼。つい触りたくなっちゃって。でも、マシロ君だって人の事言えないでしょ?」
「はぁ…はあ!?どう言う意味?」
何とか手が服の中から出ていったと思ったら、今度は顎を掴まれて軽く後ろを向かされた。
鼻と鼻が触れてしまうんじゃないかという近さから顔を覗き込まれてビクッとする。
「さっきやらしい事考えてたでしょ?」
ばれていたことに動揺して身体が強張った。するとそんなおれに満足そうににっこりとカール様が笑う。
「マシロ君のエッチ」
言われた言葉に顔が熱くなる。
「ふえっだ、だって…、今日は3日目だし…っ」
「わあ、真っ赤。可愛い。ふふっ、そうだね。今日はレイヴァン殿下との日だものね。でもまだ夜まで時間があるのにもうその時の事考えてたの?今は私と2人きりの時間なのに?妬けちゃうな」
「そんな事言われても…っ」
「そうだ、同意があればいいってルールだし、殿下に会う前にこの瞳青くしちゃわない?」
「え“っ!?それは、だめだと…」
「いやー正直私も鬱憤が溜まっててね。だってお預け何回喰わされたか知ってる?顔を合わす度に瞳の色変えてるしさ、本当にいい加減にして欲しいよ」
「え?あの、ごめんなさい…」
「だからちょっとくらい青くしてもいいよね」
「それはダメだと思う」
流石に茶色から青になってたらレイヴァン様もブチギレちゃうんじゃないかな。
「んーダメか。マシロ君は真面目だね。まあそこがいいんだけど。じゃあ代わりにデートしようよ」
「デートぉ?」
「そう。どうせまだレイヴァン殿下は帰ってこないだろうし、城下町デートしよう。それくらいならいいだろ?」
デートは置いといて、城下町!え、行きたい!行きたい!
「行く!」
「決まりだね」
ちゅっ
一瞬唇を掠め取られてカール様が離れていく。
その後ろ姿がウキウキしていて、キスされたんだと思い至る。
「カール様ぁ…っ!」
「早くおいで。置いていくよ」
油断も隙もない…っ。
366
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防
藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。
追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。
きっと追放されるのはオレだろう。
ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。
仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。
って、アレ?
なんか雲行きが怪しいんですけど……?
短編BLラブコメ。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。