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トラック運転手の怖い話
しおりを挟むアメリカの某所の単独事故多発地帯がある。
それは田舎の単なる一本道の道路。
単独事故を起こしたドライバーたちは皆、車を横転させたり、何かにぶつかったりして1人残らず亡くなっていた。
一本道なので見通しがよく、なぜこんなに激しい事故が多いのか、誰もが不思議がっていた。
ある日の深夜のこと。
1人の男性アメリカ人のトラック運転手は、仕事でその事故多発地帯をトラックで走っていた。
彼がその道を走るのは初めての事だった。
彼は、初めての道なのでトラックを慎重に走らせていた。と言っても、真っ直ぐな道路で特に何か気をつけることがない。強いていうならば、田舎なので、飛び出してきた動物を轢き殺さない様に気をつけるくらいだ。
深夜ということもあり、道路を走っている車は全くいない。
淡々と、彼は道路を走らせた。
『この先事故多し。減速せよ。』
田舎の風景の中に、物騒な看板が立っていた。噂には聞いていたが、こんな看板が立っていたのをこれは知らなかったので少し驚いて、スピードを落とした。ここはそれだけ事故が多いのだ。
「こんな道で事故をするものかな?」
そんなことを思っていた矢先。
「あなた、今日はどこへ行くの?」
右から美しい女性の声が聞こえた。
驚いて、誰も居ないはずの助手席を見ると、そこにはガリガリの女性が眉間に皺を寄せて苦しそうにこちらを見ていた。
「ねえ。あなたも行ってしまうの?」
目を血走らせた女性がこちらに身を乗り出してくる。
あまりの恐怖に、トラック運転手の彼は運転を誤り、道路を大幅に外れてトラックは横転してしまった。
後日、奇跡的に生還した男性アメリカ人トラック運転手は、事故の原因を「女の霊」であると語る。この件で、この場所でどうしてここまで激しい事故が起こるのか、住民たちは原因を知ることになったのだった。
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