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目を合わせたい
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祖父母の家の倉庫にあった日本人形。
私は、そのお人形が大好きだった。
幼かった私は、透明なガラスのケースに入れられた、高さ30センチほどの黒髪で赤い着物を着たその日本人形をずっと眺めていた。
そこまで人形やぬいぐるみが好きな子供ではなかったのだが、その日本人形だけは特別だった。
祖父母の家に行くと、倉庫に直行して、薄暗い倉庫の日本人形の前にずっと座って人形と顔を突き合わせていた。
そして、こう思うのだ。
「お人形さん、私と目を合わせてください。」
日本人形は、私と同じ目線に置いてあるにも関わらず、絶対に目が合わないのだ。
私は、祖父母の家に行くたびにずっと日本人形を見ていた。
ある時、祖母が、日本人形を見つめる私を見つけた。
「人形と目を合わせないで!」
と一言叫んだ。
聞いたこともないような大声だった。
「取り込まれるから、目を合わせちゃダメよ。」
祖母は、一言そう言った。
それを最後に、倉庫には鍵がかかった。
私は、以来、日本人形を見ていない。
でも、今でも思う。
あの人形と目を合わせたい、と。
私は、そのお人形が大好きだった。
幼かった私は、透明なガラスのケースに入れられた、高さ30センチほどの黒髪で赤い着物を着たその日本人形をずっと眺めていた。
そこまで人形やぬいぐるみが好きな子供ではなかったのだが、その日本人形だけは特別だった。
祖父母の家に行くと、倉庫に直行して、薄暗い倉庫の日本人形の前にずっと座って人形と顔を突き合わせていた。
そして、こう思うのだ。
「お人形さん、私と目を合わせてください。」
日本人形は、私と同じ目線に置いてあるにも関わらず、絶対に目が合わないのだ。
私は、祖父母の家に行くたびにずっと日本人形を見ていた。
ある時、祖母が、日本人形を見つめる私を見つけた。
「人形と目を合わせないで!」
と一言叫んだ。
聞いたこともないような大声だった。
「取り込まれるから、目を合わせちゃダメよ。」
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でも、今でも思う。
あの人形と目を合わせたい、と。
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