23 / 97
昼休み【有希】
僕は友達がいない。
だから、教室にあまり居場所がない。
特に昼休み。
昼休みには、教室に居場所が全く無くなってしまう。
でも、僕は生徒会に入ってから、【生徒会室】という居場所を見つけた。
あそこは本当に人が来ない。
ほとんど物置としてしか使われていない旧校舎の一教室の3階にあるからだ。
1階ならば、部活動の部室や物置として使っている教室もあるし、2階は用務員の人たちが頻繁に出入りしているようだ。
でも、3階は違う。
生徒会があれば、生徒会室は生徒で一杯になるけれども、何もない日なんて全く人が来ない。
こんな薄暗い旧校舎の薄暗い生徒会室に寄りつく人間なんて普通はいない。
でも、僕には最高の居場所。
人が溢れている、昼休みになっても誰も居ないって落ち着く。
僕は、いつも通り、昼休みに入るとすぐにスーパーで特売だった4個入り100円のメロンパンと水の入った水筒、暇つぶしに図書室で借りたよくわからない薄めの本を手に持って、生徒会室に向かった。
相変わらず、誰もいない旧校舎。
僕は、淡々と階段を登り3階に上がった。
生徒会室の思い扉を開けると、会議の時に使っている長机に白くて小さい紙切れが置いてあるのに気がついた。
それから、遠目でもわかる、『山田くん』の文字。
誰からの手紙かすぐにわかった。
「先輩の字だ。」
メモに駆け寄り、内容を見る。
『山田くんへ
放課後、ここで待ち合わせたいです。』
先輩から僕への置き手紙だ。
先輩の綺麗な字を見て心が、ジーンと熱くなる。
(…先輩。僕も会いたいです。先輩、大好きです。)
前にも、先輩が置き手紙をしてくれた事がある。
先輩は、トップ進学クラスだし忙しいから、会えない代わりに、生徒会室に置き手紙をしてくれる。
生徒会の仕事のお願いだったこともあるけど、『昨日はお疲れ様』とか『手伝ってくれてありがとう!』、『明日の生徒会は16時から!』とか、いろんな事を置き手紙にしてくれる。
もちろん、今は、僕の大切なコレクション。
実は先週、先輩の家に泊まってから、ちょっと先輩に、そっけない態度をとっていた。先輩にズブズブに甘えてしまうのが怖くて、先輩の事しか考えられなくなるのが怖くて、すぐにやってくるお別れが怖くて…。
わざとじゃないけど、冷たかったと自覚している。
そんな情けない僕。
情けない僕なのに、先輩は優しく歩み寄ってくれる。
置き手紙見つめていると、優しい気持ちになる。
涙が出そうなくらい、嬉しい。
もう先輩と離れたい、今なら忘れられるって思っていたけれど、僕にはそんな事できない。
先輩、もちろん会いに行きます。
僕は、広い生徒会室の隅っこの床に座って、メロンパンを一つだけ取り出す。
先輩からの置き手紙をじっくり見ながら、僕は昼食のメロンパンを一つだけ食べた。
今日はお金が無いから一つだけしか食べないのだけれども、それ以上に今日は胸がいっぱいで食欲がない。
先輩に会えるからかなぁ。
僕は、メロンパンを食べ終わってから、壁に寄りかかって、先輩の家での出来事を思い出していた。
そんなつもりはなかったけど、勝手に股間が盛り上がってきてしまう。
「先輩、会いたい…。」
でも、こんなところで自分を慰めるなんてできない。
制服のズボンの上から少しだけ擦ってみる。
気持ちいい…。
でも、このくらいの刺激じゃいつまで経っても、達することはできない。
それなのに、先輩を思い出すだけで幸せな気持ちになる。
先輩、本当に大好き…。
硬くなったモノをどうしたらいいかわからないまま、僕は昼休みの終わりを迎えてしまった。
(1秒でも早く放課後になりますように。1秒でも長く先輩と一緒にいられますように。)
僕は、先輩の事ばっかり考えながら、午後からの授業を受けた。
あなたにおすすめの小説
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!