この星でいきぬく!

來帝

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亡くなった友と仲間

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「お母さまが最も得意とする火系上位魔法。」
「僕たちは抵抗することもできないままダイチの死を見るだけなのにゃ・・・」
「そうね・・・どうにかできるのならしたいけど打つ手がないわ。うぅ・・ひぐっ・・・」
「ロロ姉さま・・・泣いちゃだめなのふにゃぁ~あああああああ。」
「お前達。よくぞ異形の者の最後を看取ったね辛かっただろうがこれも必要なことだとわかっておくれ。」

族長はそう言い残してその場を立ち去る。猫族の民もゾロゾロと各自の家に戻ってゆく。広場に残ったのはロロとネリーそしてゼハーだけだった。

「ロロ様、ネリー様。このような掟さえなければ族長も異形の者を快く迎えたであろうということはお忘れのないように。」
「ひっくっ。わかっています。わかっていますが!!納得できません!!なぜ・・・なぜ掟に縛られないと生きていけないのでしょう。我らが猫族は。」
「ぐすっ・・。ゼハーの言いたいことはわかるけど、掟がないと僕たちは本当に生きていけないのにゃ!?」
「そ、それは・・・。」

ロロとネリーの問いに対して返す言葉がないゼハー。ゼハー自身も掟の内容には疑問を抱いてはいたが隊長という立場がある以上それを口にするのは間違っていると自分に言い聞かせてきた。何しろ部下に示しがつかなくなってしまうからだ。この猫族を率いているのはあくまでも族長であるエイム・フロス・フルーメでゼハーではない。

族長が黒と言えば黒、白と言えば白なのだ。これが猫族の縦社会の厳しい定めである。
双子は仲間が死んだ場所へとゆっくり運ぶ。

「ねぇ、ネリー。ダイチと初めて会った時の事覚えてる?」
「覚えてるにゃ。ロロ姉さまと一緒に殺そうとしたけど逆に帰り打ちにあったにゃ。」
「そのあとに、でーーーかい船に案内されて神龍様と出会って、食事をしたにゃ。」
「そうね。神龍様と仲良しそうにしてるダイチを見てびっくりしたわ。まるで恋人のように接してるんですもの。」
「そのあとに全員自己紹介とか言い出したダイチに本気なの?ってびっくりしたわ。」
「そうにゃ!結局自己紹介して神龍様にはラナと呼ぶようにと言われてしまったのにゃ~。畏れ多くてとても呼べそうになかったにゃ。」
「・・そうだったわね。短い間なのに思い出が沢山できるとは思ってもなかったし。守り人だから気を許せるのはネリー貴女だけだだとずっと思ってた壁が崩れていったわ。」
「そうにゃ。僕もロロ姉さまだけしか信頼できないと思ってたのにいつの間にかダイチが僕たちの中にいるんだもの。里に戻らなければそのまま一緒に冒険へでるものだと思ってたにゃ。」

ネリーは今は亡き友の残骸を拾いあげて抱きしめた。ロロはそんなネリーを抱きしめ悲しいけど声は押し殺してポロポロと涙を流して友の記憶を封印していく。そして気持ちを割り切るために小さなお墓を作った。

あれからあっという間に1週間が過ぎロロとネリーの守り人の戦士としての任命式が始まるのであった。
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