111 / 196
王女シェイラ=ミラージュ
シェイラのノート:何でも書いていいって言うから、思いっきり書いてみた
しおりを挟む
時々コウジと喧嘩をする。
私が悪いって自覚することはある。
でもね……。
お米を研ぐと、米粒が欠けたり割れたり、おにぎりを握る時、ご飯粒同士がくっつかずに手のひらにくっついたり、握れたと思ったら、指の間からご飯がムニューって出てきたりする。
もっとさぁ……。
手取り足取り教えてくれてもいいじゃない。
ただ言葉だけで説明して終わりなんだもの。
でも食べ物を粗末にしないってことで、私におにぎりの作り方を教えるのは諦めて、私と交代。
できあがったおにぎりは、食べた人からはあまりいい感想もらえなかった。
でもやらかしたのは私だからね……。ごめんなさい。
でも、謝りたくないときもある。
「傷だらけでようやくこの部屋に来ることができて、けど碌な治療受けられないのは問題なんじゃないの?!」
「ここは病院でもなくホテルでもなく、酒場でもない。何度も言ってるだろ? 何度同じ会話すりゃ気が済むんだよお前はっ!」
分かってるよ、そんなこと。
病院にしちゃ不衛生だし、ベッドとかの寝具はないし。
ホテルにしてもそう。
「お酒があったらなぁ」
なんて愚痴も聞こえてくるくらいだから、酒場のように陽気に騒ぐところでもないことくらい分かるわよ。行ったことないけど。
でもさ、苦しんでる人達を、少しでも早く楽にしてあげたいじゃない?
いや、楽にって……逆方向のことじゃないから。
少しでも早く怪我が治ってほしいって思うもんでしょ?
おにぎりの時間以外は自分から動こうとしないんだもん、コウジってば。
人じゃないでしょ、あいつっ。
「治療してやりたいなら勝手にやりゃいいさ。けど一回やったなら、相手がどんなに気に食わない奴でも全力で治療に当たれ。一人も漏らすな」
……できるわけないじゃない。
冒険者達の出入りが激しい時は、こっちの動きがついて行けない時があるし、なぜか私の魔力の光はおにぎりにしか影響しないんだもの。
「俺にとっちゃ自宅の一室。だがこいつらにはただの安全地帯。何度も同じことを言うが、ここはただ体を休めるだけの場所。握り飯はおまけ。だから一日二食なんだよ」
冒険者達にはおまけでしょうけど、コウジにとっちゃ重労働よね。
……確かにその上でここに来る人達に漏れなく手当てするっていうのは無理か。
「俺は神でもないし救世主でもない。けど、誰かに親切にして誰かに不親切にするっていう差別はしたくない」
つっけんどんな態度でも、みんなに同じ態度をとることで平等に接しているってことになるらしいんだって。
それが逆に安心感を与えるって言ってた。
「あいつは手厚い治療を受けてるのに、それよりも俺の方が重傷なのに気にも留めてくれない、って思われたら、誰だって不安に思うだろ? 冒険者同士でそこからいがみ合いが生まれるかもしれない」
怪我の治療は冒険者達の協力だけで何とかしてもらうんだって。
それで苦楽を共に共有してもらうほうが、誰もがここにいる間の居心地がいいんじゃないかって。
考えすぎだと思うけどなぁ。
そんな事言ったら、
「世の中には、子供なら知らないことがまだまだいっぱいあるもんだ」
だって。
まぁこの部屋の主はコウジだから、言うことには従うけどさ。
「あれもこれも、といろいろ手を出すと、後で手に負えなくなることが山ほどある。責任者じゃなければいろいろと言いたいこともあるだろうが、責任者になるとしたくてもできないことも増えてくるんだよ」
目と気を配ると、そんなことが増えるんだって。
何よ、大人ぶっちゃって。
……まぁコウジは大人みたいだけどね……。
私が悪いって自覚することはある。
でもね……。
お米を研ぐと、米粒が欠けたり割れたり、おにぎりを握る時、ご飯粒同士がくっつかずに手のひらにくっついたり、握れたと思ったら、指の間からご飯がムニューって出てきたりする。
もっとさぁ……。
手取り足取り教えてくれてもいいじゃない。
ただ言葉だけで説明して終わりなんだもの。
でも食べ物を粗末にしないってことで、私におにぎりの作り方を教えるのは諦めて、私と交代。
できあがったおにぎりは、食べた人からはあまりいい感想もらえなかった。
でもやらかしたのは私だからね……。ごめんなさい。
でも、謝りたくないときもある。
「傷だらけでようやくこの部屋に来ることができて、けど碌な治療受けられないのは問題なんじゃないの?!」
「ここは病院でもなくホテルでもなく、酒場でもない。何度も言ってるだろ? 何度同じ会話すりゃ気が済むんだよお前はっ!」
分かってるよ、そんなこと。
病院にしちゃ不衛生だし、ベッドとかの寝具はないし。
ホテルにしてもそう。
「お酒があったらなぁ」
なんて愚痴も聞こえてくるくらいだから、酒場のように陽気に騒ぐところでもないことくらい分かるわよ。行ったことないけど。
でもさ、苦しんでる人達を、少しでも早く楽にしてあげたいじゃない?
いや、楽にって……逆方向のことじゃないから。
少しでも早く怪我が治ってほしいって思うもんでしょ?
おにぎりの時間以外は自分から動こうとしないんだもん、コウジってば。
人じゃないでしょ、あいつっ。
「治療してやりたいなら勝手にやりゃいいさ。けど一回やったなら、相手がどんなに気に食わない奴でも全力で治療に当たれ。一人も漏らすな」
……できるわけないじゃない。
冒険者達の出入りが激しい時は、こっちの動きがついて行けない時があるし、なぜか私の魔力の光はおにぎりにしか影響しないんだもの。
「俺にとっちゃ自宅の一室。だがこいつらにはただの安全地帯。何度も同じことを言うが、ここはただ体を休めるだけの場所。握り飯はおまけ。だから一日二食なんだよ」
冒険者達にはおまけでしょうけど、コウジにとっちゃ重労働よね。
……確かにその上でここに来る人達に漏れなく手当てするっていうのは無理か。
「俺は神でもないし救世主でもない。けど、誰かに親切にして誰かに不親切にするっていう差別はしたくない」
つっけんどんな態度でも、みんなに同じ態度をとることで平等に接しているってことになるらしいんだって。
それが逆に安心感を与えるって言ってた。
「あいつは手厚い治療を受けてるのに、それよりも俺の方が重傷なのに気にも留めてくれない、って思われたら、誰だって不安に思うだろ? 冒険者同士でそこからいがみ合いが生まれるかもしれない」
怪我の治療は冒険者達の協力だけで何とかしてもらうんだって。
それで苦楽を共に共有してもらうほうが、誰もがここにいる間の居心地がいいんじゃないかって。
考えすぎだと思うけどなぁ。
そんな事言ったら、
「世の中には、子供なら知らないことがまだまだいっぱいあるもんだ」
だって。
まぁこの部屋の主はコウジだから、言うことには従うけどさ。
「あれもこれも、といろいろ手を出すと、後で手に負えなくなることが山ほどある。責任者じゃなければいろいろと言いたいこともあるだろうが、責任者になるとしたくてもできないことも増えてくるんだよ」
目と気を配ると、そんなことが増えるんだって。
何よ、大人ぶっちゃって。
……まぁコウジは大人みたいだけどね……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
438
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる