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紅丸編
行商人とのコンタクト その14 通話機は玩具じゃねぇ!
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シアンはこのあと、ミアーノとンーゴにも通話機を渡してた。
ミアーノはともかく、ンーゴは使えるのか?
と思ったら、いきなり口の中に入れた。
「ちょっ! ンーゴ! 食べ物じゃないって!」
「あれ? 私にかかって……あ……ンーゴさんからです。はい……はい、分かります」
口の中で操作が可能のようだ。
しかもクリマーと通話をしている。
何と言うか……。
「ん? あたしにも……あ、テンちゃん?!」
「えへへ。羽根で操作できるよー。ヨウミにかけたけど、通じたよね?」
いつの間に通話機に触ってたんだこいつ。
俺にもかかってきたが……ライムからだ。
ライムは体内に入れて操作してたが……。
「あ、メッセージ届いてる」
「誰から?」
ライムの奴、文章まで書けるのか。
モーナーは通話機を使って、マッキーとクリマーの三人で会話をしている。
「みんな、使えてるようだな。有効に活用してくれ」
流石にサミーは使えない。
それはしょうがないな。
それにしても……ケータイつーより、スマホっぽいな。
タッチパネルだしな。
だが余計な機能はついてなさそうだ。
通話、メッセージ送受信、テレビ電話っぽいことができるんだな。
グループ通話に留守番電話か。
電話以外は、時計にアラーム。
計算機とかはないんだな。
ま、シンプルが一番いい。
しかし……つくづく内部構造、どうなってんだろうな。
スマホだって分からんが。
「じゃあ今日はこの辺で」
「シアン、タダ飯、ありがとねー」
おいテンちゃん、物の言い方な。
※※※※※ ※※※※※
シアンが王宮に戻るのを見て、俺達も解散。
つっても、洞窟に戻ったのは俺だけ。
テンちゃんが、久しぶりにみんなをお腹に乗せて寝るとわがままを言い出した。
宿泊施設には不満を持ってたようだし、今夜一晩くらいは好きにさせるか、と許可したら、ミアーノとンーゴ以外の全員がテンちゃんのお腹を枕にしやがった。
随分狭苦しく見えたが、それもそのはずだ。
サミーもずいぶん大きくなった。
つってもライムの大きさにはまだまだ届かないが。
平穏が一番何よりなんだが、やはりどうにもあの声が気にかかる。
どうしたものか。
幸いやっとかなきゃならないおにぎり作りの仕事がある。
ぼんやりしながらでもできることでもあるし、自問自答しながら……ん?
「通話機の通知機能? 何だ?」
メッセージが届いてる。
ヨウミからだ。
直接喋ったらいいだろうに。
「えーと? 『心配事があるなら何でも言いなね? まだ体調悪そうだから早く寝なさい』……って、お前は俺のかーちゃん……」
……母親からもそんなこと言われた記憶がないな。
言われたことはあったかもしれんが……。
って、また通知機能?
何なんだよ。
「次は誰……ライムか。『キニカカルコト、アッタ? ソウダンアルナラ イツデモノルヨ?』って……何で文面まで片ことなんだよ! 訳分らんわっ」
でも、ヨウミの指摘よりも的を射てる。
流石、とでも言おうか?
それにしても何でわざわざカタカナっ……て、また通知だ。
遊び過ぎだぞお前らっ。
「あーっと……『大丈夫ですか? 具合が悪かったら休む方がいいですよ。みんなでカバーしますから』って、クリマー……じゃなくてマッキーかよ! 普段の口調と文面、違い過ぎるわ! ん?」
続けざまにメッセージが。
「えーっと……『早く寝なさい』……。こっちがクリマーか。なんだかな……。……メッセージ、どんどん来てるじゃねぇか。まったくあいつらはぁ」
しょーがねぇ奴らだ。
「『いつもより多めに水分摂ってから寝ろや。いつもより水分足りねぇような気がしたからよ』……。うん、ミアーノだな。分かってた。次がモーナー。『大丈夫か? 悩み事があるって顔してたぞ。みんな心配してたし、みんなアラタのこと好きっぽいから、アラタもアラタのこと大事にしないとダメだからな? 今から一人で何か仕事しようとしてるだろ。危険なことはやめとけな? 早寝早起きも……』って長すぎるわ!」
テンちゃんは、みんなの休日の移動なら任せて、と。
ンーゴからは、普段のおにぎりのお礼のメッセージだ。
まったく……。
お前らこそ、とっとと寝ろっての!
一人一人に返事出してられるかよ!
……あ、まとめてみんなに返事出せたりもするんだ。
でもみんなに同じ返事出せねぇよな。
……面倒だから、これでいいや。
「『あぁ、お前らもとっとと寝ろ』……っと。で、送信っと」
ったくどいつもこいつも、日中は減らず口叩いたりしてて、通話機じゃこれかよ。
みんな揃って面倒くせぇ奴らだよ。
……俺も面倒くせぇ体質になってきたな。
目がなんか、急に熱くなってきやがった……。
こんなんじゃあ、この後の仕事、できねぇじゃねぇか……。
ミアーノはともかく、ンーゴは使えるのか?
と思ったら、いきなり口の中に入れた。
「ちょっ! ンーゴ! 食べ物じゃないって!」
「あれ? 私にかかって……あ……ンーゴさんからです。はい……はい、分かります」
口の中で操作が可能のようだ。
しかもクリマーと通話をしている。
何と言うか……。
「ん? あたしにも……あ、テンちゃん?!」
「えへへ。羽根で操作できるよー。ヨウミにかけたけど、通じたよね?」
いつの間に通話機に触ってたんだこいつ。
俺にもかかってきたが……ライムからだ。
ライムは体内に入れて操作してたが……。
「あ、メッセージ届いてる」
「誰から?」
ライムの奴、文章まで書けるのか。
モーナーは通話機を使って、マッキーとクリマーの三人で会話をしている。
「みんな、使えてるようだな。有効に活用してくれ」
流石にサミーは使えない。
それはしょうがないな。
それにしても……ケータイつーより、スマホっぽいな。
タッチパネルだしな。
だが余計な機能はついてなさそうだ。
通話、メッセージ送受信、テレビ電話っぽいことができるんだな。
グループ通話に留守番電話か。
電話以外は、時計にアラーム。
計算機とかはないんだな。
ま、シンプルが一番いい。
しかし……つくづく内部構造、どうなってんだろうな。
スマホだって分からんが。
「じゃあ今日はこの辺で」
「シアン、タダ飯、ありがとねー」
おいテンちゃん、物の言い方な。
※※※※※ ※※※※※
シアンが王宮に戻るのを見て、俺達も解散。
つっても、洞窟に戻ったのは俺だけ。
テンちゃんが、久しぶりにみんなをお腹に乗せて寝るとわがままを言い出した。
宿泊施設には不満を持ってたようだし、今夜一晩くらいは好きにさせるか、と許可したら、ミアーノとンーゴ以外の全員がテンちゃんのお腹を枕にしやがった。
随分狭苦しく見えたが、それもそのはずだ。
サミーもずいぶん大きくなった。
つってもライムの大きさにはまだまだ届かないが。
平穏が一番何よりなんだが、やはりどうにもあの声が気にかかる。
どうしたものか。
幸いやっとかなきゃならないおにぎり作りの仕事がある。
ぼんやりしながらでもできることでもあるし、自問自答しながら……ん?
「通話機の通知機能? 何だ?」
メッセージが届いてる。
ヨウミからだ。
直接喋ったらいいだろうに。
「えーと? 『心配事があるなら何でも言いなね? まだ体調悪そうだから早く寝なさい』……って、お前は俺のかーちゃん……」
……母親からもそんなこと言われた記憶がないな。
言われたことはあったかもしれんが……。
って、また通知機能?
何なんだよ。
「次は誰……ライムか。『キニカカルコト、アッタ? ソウダンアルナラ イツデモノルヨ?』って……何で文面まで片ことなんだよ! 訳分らんわっ」
でも、ヨウミの指摘よりも的を射てる。
流石、とでも言おうか?
それにしても何でわざわざカタカナっ……て、また通知だ。
遊び過ぎだぞお前らっ。
「あーっと……『大丈夫ですか? 具合が悪かったら休む方がいいですよ。みんなでカバーしますから』って、クリマー……じゃなくてマッキーかよ! 普段の口調と文面、違い過ぎるわ! ん?」
続けざまにメッセージが。
「えーっと……『早く寝なさい』……。こっちがクリマーか。なんだかな……。……メッセージ、どんどん来てるじゃねぇか。まったくあいつらはぁ」
しょーがねぇ奴らだ。
「『いつもより多めに水分摂ってから寝ろや。いつもより水分足りねぇような気がしたからよ』……。うん、ミアーノだな。分かってた。次がモーナー。『大丈夫か? 悩み事があるって顔してたぞ。みんな心配してたし、みんなアラタのこと好きっぽいから、アラタもアラタのこと大事にしないとダメだからな? 今から一人で何か仕事しようとしてるだろ。危険なことはやめとけな? 早寝早起きも……』って長すぎるわ!」
テンちゃんは、みんなの休日の移動なら任せて、と。
ンーゴからは、普段のおにぎりのお礼のメッセージだ。
まったく……。
お前らこそ、とっとと寝ろっての!
一人一人に返事出してられるかよ!
……あ、まとめてみんなに返事出せたりもするんだ。
でもみんなに同じ返事出せねぇよな。
……面倒だから、これでいいや。
「『あぁ、お前らもとっとと寝ろ』……っと。で、送信っと」
ったくどいつもこいつも、日中は減らず口叩いたりしてて、通話機じゃこれかよ。
みんな揃って面倒くせぇ奴らだよ。
……俺も面倒くせぇ体質になってきたな。
目がなんか、急に熱くなってきやがった……。
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