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紅丸編
トラブル連打 その1
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「あのアトラクション施設の船、今度はどこに行くんだろうね」
「あれだけじゃなく、ショッピングの船もレストランも、ここら辺に停泊してるんでしょ?」
「一斉にい、移動するってえ、言ってたよねえ」
休暇組の三人の会話が弾んでる。
「宿泊施設もあったけど、止めた方がいいよ」
その三人に水を差すのはテンちゃん。
「どうして?」
「利用者、多かったんでしょ?」
「なにかあ、あったのかあ?」
テンちゃんが沈んだ声で、どんな思いで宿泊したかを三人に伝えている。
「……うん……まぁ……そんなこともあるよ」
「テンちゃんだしね……ま、次は、何とかしてもらえればいいね……」
慰めようにも、適当な言葉が見当たらないマッキーとクリマー。
「そりゃあ、テンちゃんだけだあ」
モーナーは的確だな。
テンちゃんがさらに凹んだ。
「そのベッドお、体を横にできるう、広さだったんだろお?」
「……うん……」
「なんでえ、そのテンちゃんのお腹にい、アラタ達をお、寝せなかったんだあ?」
「あっ!」
やっぱ、馬鹿天馬じゃねぇか……。
マッキーもクリマーもため息ついてるし。
しょうがねぇな。
にしても、モーナーはやっぱり機転が利くなぁ。
「ミュウミュウ、ミャアァ~」
サミーは小さくても、優しいな。
テンちゃんの鼻先ぺろぺろ舐めてる。
慰めてるつもりなんだろうが、見ている俺らが癒される。
「うん、うん……。ありがとね、サミー……」
「ミュウ~」
微笑ましいんだが、テンちゃんの凹んでる理由を思うと、なんだかなぁ。
「でもみんなしてアスレチック系に興味持ち始めたっぽいけど、買い物とかはいいのか? ここから離れちゃいるが、船が出ちまうと同じ物欲しい時ゃもっと遠くに出かけなきゃならなくなるぞ?」
「買い物は更にお金使っちゃうからね。いくらアラタが援助してくれたって、限度はあるでしょ?」
ヨウミに気遣われた。様な気がする。
気のせいか?
「体の鍛錬はあ、普段もできなくはないけどお、面白そうだしい、楽しそうだしなあ」
「そういう楽しさって、お金じゃ買えないものね」
「リスクのない気晴らし。入場料も高くないし」
まぁ、それで互いの交流がさらに深まるってんなら、こっちは何も言うことはないさ。
「あれ? サミーも行きたいの?」
ヨウミの驚いた声。
サミーに行きたそうな様子もなかったから、考えてもいなかった。
「え? サミー……って……なんでそこ?」
テンちゃんの首の後ろにしがみついている。
ということは……。
「テンちゃんと一緒に、三人を送りたい、と?」
「ミャアァァ」
猫よりも鼻が突き出ている顔で、機嫌のいい元気な鳴き声を聞かせてくれる。
そういうことなら問題ないか。
サミーが一番懐いてるのは、俺を外すとテンちゃんだし、テンちゃんもこの三人を降ろすとすぐに戻ってくる。
往復してかかる時間は、多分二時間もかからないだろう。
昼飯は、マッキーとクリマーとモーナー以外の全員、でいいな?
まぁミアーノとンーゴはいつものように俺のおにぎりなんだが。
「じゃ、行ってくるねー」
「私達もお土産、買ってきますね」
「いってきまあす」
「おう。みんな通話機持ってるな? それと、お前らの帰り、向こうを出る時間は今と同じってことでいいな?」
帰りの確認もしとかんと。
「通話機は……うん、みんな持ってます。テンちゃんも」
「うん。明日と明後日、二泊の予定にするから、帰りは二泊した朝に向こうを出るね」
「テンちゃん、そこら辺ちゃんと三人から話聞いとけよ?」
「分かってるよー。心配いらないって」
心配なんだよ、お前だから。
「サミーも落とされるなよ?」
「ミャアア」
元気いいな。
ちょっとばかりの空の旅、だな。
「じゃあ送ってくるねー」
「おう、行ってら」
「みんな、気を付けてねー」
「イッテラッシャイー」
いつも通りの、誰かの休暇の日。
見送った後もいつも通り。
留守の俺達はおにぎり作りと販売だ。
天気もいいし、また自称ファンクラブ会員どもが殺到するんだろうな。
だが残念。
今日はヨウミとライムだけ。
連中には、今日は外れの日ってとこかな。
「あれだけじゃなく、ショッピングの船もレストランも、ここら辺に停泊してるんでしょ?」
「一斉にい、移動するってえ、言ってたよねえ」
休暇組の三人の会話が弾んでる。
「宿泊施設もあったけど、止めた方がいいよ」
その三人に水を差すのはテンちゃん。
「どうして?」
「利用者、多かったんでしょ?」
「なにかあ、あったのかあ?」
テンちゃんが沈んだ声で、どんな思いで宿泊したかを三人に伝えている。
「……うん……まぁ……そんなこともあるよ」
「テンちゃんだしね……ま、次は、何とかしてもらえればいいね……」
慰めようにも、適当な言葉が見当たらないマッキーとクリマー。
「そりゃあ、テンちゃんだけだあ」
モーナーは的確だな。
テンちゃんがさらに凹んだ。
「そのベッドお、体を横にできるう、広さだったんだろお?」
「……うん……」
「なんでえ、そのテンちゃんのお腹にい、アラタ達をお、寝せなかったんだあ?」
「あっ!」
やっぱ、馬鹿天馬じゃねぇか……。
マッキーもクリマーもため息ついてるし。
しょうがねぇな。
にしても、モーナーはやっぱり機転が利くなぁ。
「ミュウミュウ、ミャアァ~」
サミーは小さくても、優しいな。
テンちゃんの鼻先ぺろぺろ舐めてる。
慰めてるつもりなんだろうが、見ている俺らが癒される。
「うん、うん……。ありがとね、サミー……」
「ミュウ~」
微笑ましいんだが、テンちゃんの凹んでる理由を思うと、なんだかなぁ。
「でもみんなしてアスレチック系に興味持ち始めたっぽいけど、買い物とかはいいのか? ここから離れちゃいるが、船が出ちまうと同じ物欲しい時ゃもっと遠くに出かけなきゃならなくなるぞ?」
「買い物は更にお金使っちゃうからね。いくらアラタが援助してくれたって、限度はあるでしょ?」
ヨウミに気遣われた。様な気がする。
気のせいか?
「体の鍛錬はあ、普段もできなくはないけどお、面白そうだしい、楽しそうだしなあ」
「そういう楽しさって、お金じゃ買えないものね」
「リスクのない気晴らし。入場料も高くないし」
まぁ、それで互いの交流がさらに深まるってんなら、こっちは何も言うことはないさ。
「あれ? サミーも行きたいの?」
ヨウミの驚いた声。
サミーに行きたそうな様子もなかったから、考えてもいなかった。
「え? サミー……って……なんでそこ?」
テンちゃんの首の後ろにしがみついている。
ということは……。
「テンちゃんと一緒に、三人を送りたい、と?」
「ミャアァァ」
猫よりも鼻が突き出ている顔で、機嫌のいい元気な鳴き声を聞かせてくれる。
そういうことなら問題ないか。
サミーが一番懐いてるのは、俺を外すとテンちゃんだし、テンちゃんもこの三人を降ろすとすぐに戻ってくる。
往復してかかる時間は、多分二時間もかからないだろう。
昼飯は、マッキーとクリマーとモーナー以外の全員、でいいな?
まぁミアーノとンーゴはいつものように俺のおにぎりなんだが。
「じゃ、行ってくるねー」
「私達もお土産、買ってきますね」
「いってきまあす」
「おう。みんな通話機持ってるな? それと、お前らの帰り、向こうを出る時間は今と同じってことでいいな?」
帰りの確認もしとかんと。
「通話機は……うん、みんな持ってます。テンちゃんも」
「うん。明日と明後日、二泊の予定にするから、帰りは二泊した朝に向こうを出るね」
「テンちゃん、そこら辺ちゃんと三人から話聞いとけよ?」
「分かってるよー。心配いらないって」
心配なんだよ、お前だから。
「サミーも落とされるなよ?」
「ミャアア」
元気いいな。
ちょっとばかりの空の旅、だな。
「じゃあ送ってくるねー」
「おう、行ってら」
「みんな、気を付けてねー」
「イッテラッシャイー」
いつも通りの、誰かの休暇の日。
見送った後もいつも通り。
留守の俺達はおにぎり作りと販売だ。
天気もいいし、また自称ファンクラブ会員どもが殺到するんだろうな。
だが残念。
今日はヨウミとライムだけ。
連中には、今日は外れの日ってとこかな。
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