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王宮動乱編
集団戦の人気がおにぎりを上回る その6
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「ゼェ……ゼェ……あんなに……魔法……ぶっ放して……そっちは……よく……疲れませんね……」
「アラタのおにぎりのおかげかな」
「マッキー……さん……。俺……たち、だって……ゼェ……あの人の、おにぎり……ゼェ……ゼェ……食ってるの、に……」
「アンテナの感度が違うから、でしょうか?」
「ア、アンテナ? どういう……ハァ、ハァ……ことですか?」
「受け入れる体質の違い、といったところでしょうか。でもアラタさんのおにぎりを食べて回復効果を感じられるなら、回復目的で摂取しても無駄じゃありませんよ? アラタさん、ただいま戻りました」
「アラタぁ、ンーゴはあそこでそのまま晩飯までいるってさー。ライムとテンちゃんとミアーノはまだ訓練続いてるからあとになるかもー」
集団戦の訓練を始めてから、仲間達と冒険者達の距離感が急に縮まったような気がする。
仲がいいのは悪いこっちゃないけども。
仲間が一人に冒険者多数なら、相性が悪けりゃコテンパンにやられたりするかもしれん。
そこで、体の一部をアイテムとして奪われたりするんじゃなかろうか、などと心配したこともあった。
だがこの訓練は、基本的にこっちは三人以上で一組になる。
そんな心配もする必要もない。
それは本人達もそうだろう。
まぁそのおかげで、冒険者達とコミュニケーションが成立できるようになったんだろうなと。
「はい、ご苦労さん。えーと、相手はパーム、シッカー、カブツ、フォー、ユウトの五人だな? 今回で……前回はここ、初めてだったんだな。それが半月前か。前回は効果十分だったんだな」
正直驚いた。
初心者レベルの冒険者達にしては、二回目の今回までの間が短い。
連中にとって一番の難問は、やはり費用だろうな。
申し込みに必要な料金を貯めるには、普通は一ヶ月くらいはかかるらしい。
半月で訓練に取り組めると言うことは、その何日も前に申し込んでなきゃならん。
つまり、一回目の訓練から二回目の申し込みまでの間にその料金を工面できたということだ。
一回目の訓練は相当しごかれ、彼らの能力が期待以上に伸びたんだろう。
その後の仕事の報酬もしっかりと受け取り、今回の申し込みに至った、と。
「師匠が優秀だからですよ。俺ら自身は……特別ってわけじゃないっす」
「フフン。もっと誉めなさい」
「いや、コーティさん達のことじゃなくて……」
「あ″ぁ″?!」
コーティ……。
新人相手に凄むなよ……。
みんなドン引きだぞ?
「え、エージさん達ですよ。師匠達もアラタさん達のお世話になったって……。」
「へー。そうだったんだ。てことは、シュルツさんの孫弟子かあ」
ヨウミ、よく覚えてんな。
シュルツのことは覚えているが、そうだったっけか。
「え?」
「ひょ、ひょっとして、あ、あの豪吠のシュルツ?!」
「ごーはい?」
なんだそれは?
「二つ名のことか? それはほとんど知らんが……。ま、戻ったら確認すりゃいいさ。にしても、あいつらが弟子をねぇ」
って、その話をしてぇんじゃねえ!
「それはおいといて、祝い金一人二千五百円な」
「え?」
「前回は、一人五千円に、このフル装備だったのに……」
お前らなぁ……。
「前回は支払いは三万円で、しかも丸一日だったろ? 今回は半日。しかも仕事受けて報酬もきちんと貰えたんだろうが。受取金額増やしたきゃ仕事しろ!」
師匠がいて、仕事の実績があるなら、甘えが許される時期はもう終了だろ。
新人と呼ばれる時期は、もう卒業してもいい。
それ位の実力は十分にある。
「でも師匠達からも、これからは俺達だけで判断して行動してもいいんじゃないかって言われてて」
冒険者としての成長は、訓練とか仕事の回数や期間は問題じゃねぇんだなぁ。
※※※※※ ※※※※※
そして晩飯の時間。
「今日もみんな、お疲れ」
「お疲れ様でしたー!」
相変わらず疲れてるのは俺だけらしい。
が、疲れてなくても休みは与えてやらにゃなぁ。
ということで、明日は集団戦はオフ。
「ところでさー、シアンは今度はいつ来るの?」
「何? ヨウミ、気になるの?」
「違う違う。親衛隊の人達も来るでしょ? そしたら人が増えて楽しいじゃない」
「並ぶ料理の数も種類も増えて、楽しみよねー」
「え? コーティ?」
「みんなから一口ずつ貰えるからねー。ま、アラタのおにぎりには敵わないけど」
「ちょっとコーティ、それって食い意地はってない?」
「そりゃあ俺も楽しみだでや。おかずの交換でなあ。あ、オメェはただでもろてるんやろ? サミーよぉ」
「ミッ」
なんか、酷い会話を聞いた気がする。
聞かなかったことにしよう。
「しょーがないなあ、みんな。で、シアン達はいつ来るの?」
しょーがないなあ、ですますのか。
まあいいけどさ。
……いいのか?
「次は明後日だったか? そんな連絡が来たが、あいつらにだって突然入る仕事はあるだろ。ここに来た日が次に来る予定日だった、つー解釈してろ」
「何そのややこしい物言い。よく分かんないこと言わないでよ」
よ―するに、結果論ってことだ。
分かるか?
分かんねぇか。
「アラタのおにぎりのおかげかな」
「マッキー……さん……。俺……たち、だって……ゼェ……あの人の、おにぎり……ゼェ……ゼェ……食ってるの、に……」
「アンテナの感度が違うから、でしょうか?」
「ア、アンテナ? どういう……ハァ、ハァ……ことですか?」
「受け入れる体質の違い、といったところでしょうか。でもアラタさんのおにぎりを食べて回復効果を感じられるなら、回復目的で摂取しても無駄じゃありませんよ? アラタさん、ただいま戻りました」
「アラタぁ、ンーゴはあそこでそのまま晩飯までいるってさー。ライムとテンちゃんとミアーノはまだ訓練続いてるからあとになるかもー」
集団戦の訓練を始めてから、仲間達と冒険者達の距離感が急に縮まったような気がする。
仲がいいのは悪いこっちゃないけども。
仲間が一人に冒険者多数なら、相性が悪けりゃコテンパンにやられたりするかもしれん。
そこで、体の一部をアイテムとして奪われたりするんじゃなかろうか、などと心配したこともあった。
だがこの訓練は、基本的にこっちは三人以上で一組になる。
そんな心配もする必要もない。
それは本人達もそうだろう。
まぁそのおかげで、冒険者達とコミュニケーションが成立できるようになったんだろうなと。
「はい、ご苦労さん。えーと、相手はパーム、シッカー、カブツ、フォー、ユウトの五人だな? 今回で……前回はここ、初めてだったんだな。それが半月前か。前回は効果十分だったんだな」
正直驚いた。
初心者レベルの冒険者達にしては、二回目の今回までの間が短い。
連中にとって一番の難問は、やはり費用だろうな。
申し込みに必要な料金を貯めるには、普通は一ヶ月くらいはかかるらしい。
半月で訓練に取り組めると言うことは、その何日も前に申し込んでなきゃならん。
つまり、一回目の訓練から二回目の申し込みまでの間にその料金を工面できたということだ。
一回目の訓練は相当しごかれ、彼らの能力が期待以上に伸びたんだろう。
その後の仕事の報酬もしっかりと受け取り、今回の申し込みに至った、と。
「師匠が優秀だからですよ。俺ら自身は……特別ってわけじゃないっす」
「フフン。もっと誉めなさい」
「いや、コーティさん達のことじゃなくて……」
「あ″ぁ″?!」
コーティ……。
新人相手に凄むなよ……。
みんなドン引きだぞ?
「え、エージさん達ですよ。師匠達もアラタさん達のお世話になったって……。」
「へー。そうだったんだ。てことは、シュルツさんの孫弟子かあ」
ヨウミ、よく覚えてんな。
シュルツのことは覚えているが、そうだったっけか。
「え?」
「ひょ、ひょっとして、あ、あの豪吠のシュルツ?!」
「ごーはい?」
なんだそれは?
「二つ名のことか? それはほとんど知らんが……。ま、戻ったら確認すりゃいいさ。にしても、あいつらが弟子をねぇ」
って、その話をしてぇんじゃねえ!
「それはおいといて、祝い金一人二千五百円な」
「え?」
「前回は、一人五千円に、このフル装備だったのに……」
お前らなぁ……。
「前回は支払いは三万円で、しかも丸一日だったろ? 今回は半日。しかも仕事受けて報酬もきちんと貰えたんだろうが。受取金額増やしたきゃ仕事しろ!」
師匠がいて、仕事の実績があるなら、甘えが許される時期はもう終了だろ。
新人と呼ばれる時期は、もう卒業してもいい。
それ位の実力は十分にある。
「でも師匠達からも、これからは俺達だけで判断して行動してもいいんじゃないかって言われてて」
冒険者としての成長は、訓練とか仕事の回数や期間は問題じゃねぇんだなぁ。
※※※※※ ※※※※※
そして晩飯の時間。
「今日もみんな、お疲れ」
「お疲れ様でしたー!」
相変わらず疲れてるのは俺だけらしい。
が、疲れてなくても休みは与えてやらにゃなぁ。
ということで、明日は集団戦はオフ。
「ところでさー、シアンは今度はいつ来るの?」
「何? ヨウミ、気になるの?」
「違う違う。親衛隊の人達も来るでしょ? そしたら人が増えて楽しいじゃない」
「並ぶ料理の数も種類も増えて、楽しみよねー」
「え? コーティ?」
「みんなから一口ずつ貰えるからねー。ま、アラタのおにぎりには敵わないけど」
「ちょっとコーティ、それって食い意地はってない?」
「そりゃあ俺も楽しみだでや。おかずの交換でなあ。あ、オメェはただでもろてるんやろ? サミーよぉ」
「ミッ」
なんか、酷い会話を聞いた気がする。
聞かなかったことにしよう。
「しょーがないなあ、みんな。で、シアン達はいつ来るの?」
しょーがないなあ、ですますのか。
まあいいけどさ。
……いいのか?
「次は明後日だったか? そんな連絡が来たが、あいつらにだって突然入る仕事はあるだろ。ここに来た日が次に来る予定日だった、つー解釈してろ」
「何そのややこしい物言い。よく分かんないこと言わないでよ」
よ―するに、結果論ってことだ。
分かるか?
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