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シアンの婚約者編
フレイミーの素性 その2
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仲間はみんな、希少種の魔物だ。
フレイミーは、そのみんなを引き取りたいという。
そればかりか、おにぎりの店も管理するという。
どういうつもりだ?
「……お前ら、それを希望してんのか?」
と、仲間らに聞いてみた。
「そんなの、あるわけないでしょうが」
コーティの一言をきっかけに、全員が一斉にかぶりを振った。
「たしかにい、こないだの会話はあ、楽しかったけどお……」
「あたし達だって寝耳に水だよ」
「そもそも、どっからそんな発想が出てくるの? フレイミー」
マッキーの疑問ももっともだ。
が、呼び捨てするほど親しくなったのか?
あれだけの短時間で?
何というコミュニケーション力!
「まず、あたし達人間と魔物達との距離感を縮めるため」
「距離感?」
なんじゃそりゃ?
「そして、希少種の魔物の保護よね。希少種ってことは、突然変異によるものか、あるいは種族の個体数が減っていったってことでしょ? いずれにせよ、保護すべき貴重な存在だと思うんです。それは、私の元でなら実現できるの。もちろんみんなが希望してくれれば、だけども。来てくれるわよね?」
みんなは困惑しながらお互いに見合っている。
フレイミーの暴走が先走り過ぎてる感がある。
会話して仲良くなったからといって、人んちに招かれたくらいならお邪魔はするかもしれんが、寝食を共にする生活をするって……。
そう考えられる頭の中の仕組みは見てみたい気がするな。
まぁフレイミーへの何だかんだは置いといて。
「お前ら、そういう約束してたのか?」
「するわけないじゃん!」
「遊びに行ってみたい気はするけどねー」
速攻コーティの否定がやってきた。
みんな、テンちゃんみたいに好奇心はあるようだが。
「え? だって、こんな暮らしづらそうなところよりは、安心してゆっくり暮らせる場所の方がいいでしょ?」
確かに、住まいの天井、壁、床は頑丈だが、部屋の扉が取ってつけたような簡単な作り。
防音設備もないし、ドアと床や壁、天井の間には隙間があり過ぎ。
フレイミーの言う通り、貴族の屋敷の方が、多分居心地はいいとは思う。
俺はというと……。
雑な作りの方が、いざ引っ越しってときになったら、住まいに特に執着しないだろうからすぐ引っ越す決断を下しやすい、と思ってる。
それにだ。
「俺は別に、お前らが過ごしやすいところで生活するってのも悪くないと思うんだが」
こいつらなしじゃ何もできない俺、なんて、誰からも思われたくないしな。
けど……。
「どんな所でも平気よ? アラタと知り合う前は、おそらくは誰も想像できないほど不遇な生活してたしね」
マッキーの言葉に頷く一同。
そりゃあ……まぁ……うん。
「それにさあ、アラタのおにぎりがあれば、今よりひどい環境でも平気だよねー?」
「それな」
うん……まぁ……知ってた。
「こないだ食べたあのおにぎり? 特に美味しいとは思えなかったけど」
フレイミーも食ってたのか。
まぁ……味は度外視で作ってるからな。
具は普通に入れてやってるけどさ。
「まあ普通の人間にゃあ分からねえべな。魔法使う人だら分かるべぇどもな」
「私も魔法は使えるんだけど? 確かに魔力の回復には相当効果はありそうだけど、味はねぇ……」
非常食にグルメ並の品質を求めんじゃねえよ。
溺れるものは藁をも掴む。
その藁にホバリング機能を求める遭難者なんかいるかよ。
「味なんか問題にしませんよ。魔力を即座に回復できるかどうかが問題なんですから」
「そうそう。アラタのおにぎりと豊かな生活を比べたら、断然おにぎりの方がいいに決まってる」
毒を吐かないコーティに、ようやく慣れたかな。
それでも受け止めようによっては辛辣に思えなくもない。
「アラタノオニギリイガイ、イラナーイ」
ライムの方がきつくないか?
貴族の裕福な生活なんか目じゃないってなもんだ。
「なっ……! 私の厚意を無下にするつもり?」
「つーかよお、味だけのことを言っても、カレーうどんにだって負けるで?」
「か、かれーうどん? って、何ですの?!」
何という庶民派。
ミアーノの言うことに、誰も異議を申し出ないとは!
「おい、ミアーノ。基本的には、カレーにはライスだぞ?」
「あぁ?! いくらアラタが相手でも、譲れん物もあるっちゅーんことも知っとけよ?!」
おっといかん。
あれのことをほったらかしにするのはちとまずいぞ?
「ちょっと待て、ミアーノ。こんな寒い季節なら、カレーを語るより鍋料理の方が有意義だろ」
そう。
鍋料理が恋しい季節ではないか!
体も心も温まる鍋料理は外せん!
「え? あぁ、まあ、そうだどもよ、でも一年中食えるもんでねぇべ?」
む……。
それは……確かにそうだが。
な、なら……。
「なら、ラーメンはどうよ? 夏でも熱いラーメンを食いたくなるときもあるぞ?」
「いやいや、何を誤魔化しとんや、アラタ。カレーうどんが一番うまいっちゅー話で、それよりもうまい、いつでも食えるもんを挙げようとしとんやろ? 鍋も悪かぁねぇけどよぉ」
し、しかしだな、ミアーノ。
……あれ?
何か忘れているような……?
「貴族の安定した裕福な暮らしを、なぜそんな料理と一緒にして比べられなきゃいけないのかしら?」
おっといかん。
こいつのことを忘れてた。
……いかん、と言うことでもないか?
「いや、その豊かな暮らしとやらとアラタのおにぎり、どっち取る? っちゅー話やろ?」
「どうしておにぎりと天秤にかけられなきゃならないんですの?! というか、どこからかれーうどんとやらが出てきたんですの?!」
彼女、カレーうどんを知らないのか?
「味がどうのゆーとったやろ。味の良し悪しだけを言や、もっとうまいもんはあるっちゅーとっからや」
なんか、すげーグダグダな会話になっちまってんなぁ。
フレイミーは、そのみんなを引き取りたいという。
そればかりか、おにぎりの店も管理するという。
どういうつもりだ?
「……お前ら、それを希望してんのか?」
と、仲間らに聞いてみた。
「そんなの、あるわけないでしょうが」
コーティの一言をきっかけに、全員が一斉にかぶりを振った。
「たしかにい、こないだの会話はあ、楽しかったけどお……」
「あたし達だって寝耳に水だよ」
「そもそも、どっからそんな発想が出てくるの? フレイミー」
マッキーの疑問ももっともだ。
が、呼び捨てするほど親しくなったのか?
あれだけの短時間で?
何というコミュニケーション力!
「まず、あたし達人間と魔物達との距離感を縮めるため」
「距離感?」
なんじゃそりゃ?
「そして、希少種の魔物の保護よね。希少種ってことは、突然変異によるものか、あるいは種族の個体数が減っていったってことでしょ? いずれにせよ、保護すべき貴重な存在だと思うんです。それは、私の元でなら実現できるの。もちろんみんなが希望してくれれば、だけども。来てくれるわよね?」
みんなは困惑しながらお互いに見合っている。
フレイミーの暴走が先走り過ぎてる感がある。
会話して仲良くなったからといって、人んちに招かれたくらいならお邪魔はするかもしれんが、寝食を共にする生活をするって……。
そう考えられる頭の中の仕組みは見てみたい気がするな。
まぁフレイミーへの何だかんだは置いといて。
「お前ら、そういう約束してたのか?」
「するわけないじゃん!」
「遊びに行ってみたい気はするけどねー」
速攻コーティの否定がやってきた。
みんな、テンちゃんみたいに好奇心はあるようだが。
「え? だって、こんな暮らしづらそうなところよりは、安心してゆっくり暮らせる場所の方がいいでしょ?」
確かに、住まいの天井、壁、床は頑丈だが、部屋の扉が取ってつけたような簡単な作り。
防音設備もないし、ドアと床や壁、天井の間には隙間があり過ぎ。
フレイミーの言う通り、貴族の屋敷の方が、多分居心地はいいとは思う。
俺はというと……。
雑な作りの方が、いざ引っ越しってときになったら、住まいに特に執着しないだろうからすぐ引っ越す決断を下しやすい、と思ってる。
それにだ。
「俺は別に、お前らが過ごしやすいところで生活するってのも悪くないと思うんだが」
こいつらなしじゃ何もできない俺、なんて、誰からも思われたくないしな。
けど……。
「どんな所でも平気よ? アラタと知り合う前は、おそらくは誰も想像できないほど不遇な生活してたしね」
マッキーの言葉に頷く一同。
そりゃあ……まぁ……うん。
「それにさあ、アラタのおにぎりがあれば、今よりひどい環境でも平気だよねー?」
「それな」
うん……まぁ……知ってた。
「こないだ食べたあのおにぎり? 特に美味しいとは思えなかったけど」
フレイミーも食ってたのか。
まぁ……味は度外視で作ってるからな。
具は普通に入れてやってるけどさ。
「まあ普通の人間にゃあ分からねえべな。魔法使う人だら分かるべぇどもな」
「私も魔法は使えるんだけど? 確かに魔力の回復には相当効果はありそうだけど、味はねぇ……」
非常食にグルメ並の品質を求めんじゃねえよ。
溺れるものは藁をも掴む。
その藁にホバリング機能を求める遭難者なんかいるかよ。
「味なんか問題にしませんよ。魔力を即座に回復できるかどうかが問題なんですから」
「そうそう。アラタのおにぎりと豊かな生活を比べたら、断然おにぎりの方がいいに決まってる」
毒を吐かないコーティに、ようやく慣れたかな。
それでも受け止めようによっては辛辣に思えなくもない。
「アラタノオニギリイガイ、イラナーイ」
ライムの方がきつくないか?
貴族の裕福な生活なんか目じゃないってなもんだ。
「なっ……! 私の厚意を無下にするつもり?」
「つーかよお、味だけのことを言っても、カレーうどんにだって負けるで?」
「か、かれーうどん? って、何ですの?!」
何という庶民派。
ミアーノの言うことに、誰も異議を申し出ないとは!
「おい、ミアーノ。基本的には、カレーにはライスだぞ?」
「あぁ?! いくらアラタが相手でも、譲れん物もあるっちゅーんことも知っとけよ?!」
おっといかん。
あれのことをほったらかしにするのはちとまずいぞ?
「ちょっと待て、ミアーノ。こんな寒い季節なら、カレーを語るより鍋料理の方が有意義だろ」
そう。
鍋料理が恋しい季節ではないか!
体も心も温まる鍋料理は外せん!
「え? あぁ、まあ、そうだどもよ、でも一年中食えるもんでねぇべ?」
む……。
それは……確かにそうだが。
な、なら……。
「なら、ラーメンはどうよ? 夏でも熱いラーメンを食いたくなるときもあるぞ?」
「いやいや、何を誤魔化しとんや、アラタ。カレーうどんが一番うまいっちゅー話で、それよりもうまい、いつでも食えるもんを挙げようとしとんやろ? 鍋も悪かぁねぇけどよぉ」
し、しかしだな、ミアーノ。
……あれ?
何か忘れているような……?
「貴族の安定した裕福な暮らしを、なぜそんな料理と一緒にして比べられなきゃいけないのかしら?」
おっといかん。
こいつのことを忘れてた。
……いかん、と言うことでもないか?
「いや、その豊かな暮らしとやらとアラタのおにぎり、どっち取る? っちゅー話やろ?」
「どうしておにぎりと天秤にかけられなきゃならないんですの?! というか、どこからかれーうどんとやらが出てきたんですの?!」
彼女、カレーうどんを知らないのか?
「味がどうのゆーとったやろ。味の良し悪しだけを言や、もっとうまいもんはあるっちゅーとっからや」
なんか、すげーグダグダな会話になっちまってんなぁ。
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○○○
旧版を基に再編集しています。
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この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
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