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シアンの婚約者編
幕間:フレイミーの独白
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我がヨアンナ家は、王家の政治を支援する十二の貴族のうちの、一番の力あるとあの方は、ある日こう言ってくださいました。
「会わせたい人がいる」
と。
私が会いたいと思う人、お慕い申し上げたい方は、若き国王陛下ただ一人。
なのに、その陛下が、私に会わせたい人がいる、とおっしゃっている。
どなたなのか全く想像ができない。
それに、陛下と常に一緒でいられる実感さえあれば、ほかは何もいりません。
例え陛下とどんなに距離が離れていようとも。
「フレイミー。面識はないと思うが、見たことはあると思うよ? 私の戴冠式の時は、列席してくれたね? ……私の告白の後に続いて、場内に入ってきた仲間達……こういう言い方は、実は好きではないのだが、魔物達は覚えているかな?」
魔物は魔物でしょうに。
それ以外の言い方は思い浮かびません。
それはそうと。
「珍しい種族の魔物が勢ぞろいって感じでしたわね。それは覚えてます」
「その最後に入ってきた人間は覚えているかな?」
えっと……人間の男女が入ってきたのは覚えているけど……。
「ミナミ・アラタ、という、元旗手だった異世界の人間。この世界に残って、国民の一人になってくれた人であり、私も彼の仲間の一人になったんだ」
あぁ、そうだった。
旗手をしてた人っていう紹介は聞きました。
って、異世界の人?!
って、そうでした。
旗手と呼ばれる異能力を持つ人達は、すべて異世界から召喚された者達ですもんね。
で……え?
仲間?
彼が陛下の仲間になったのではなく、陛下が彼の仲間になった?!
な……なぜ、そんなことに……。
一国を背負うお方ともあろう者が、何たる軽率な……!
「……本当は、側近になってほしかったんだけどね。彼は素晴らしい男だよ」
そういう陛下の顔を見て驚いた。
無邪気に喜ぶ子供を連想してしまう。
私と二人きりの時間を過ごしたことは、それはもう数えきれないくらいある。
けど、こんな表情を見せたことはなかった。
※※※※※ ※※※※※
陛下と最初に出逢ったのは、子供の頃。
基本的な学問や魔術を学ぶ施設の、高貴族学舎初段部。
貴族と王族が通う学舎だけど、基本的にはその区分で分けられるため、王族の方々を見ることはたまにしかない。
もちろん言葉を交わすこともできないし、覚えてもらうなんてこともまず無理。
友人達との会話では、王族の誰と一緒に遊びたいか、という話が一番盛り上がった。
もちろん私達はまだ十歳に満たない年。
将来誰と結婚するかなんてことは、まだ真剣に考えられる年齢じゃない。
それでも王族の誰かを見かけただけでも舞い上がっていた。
けれど私達の立場、私達の一族の立場は、幼いながらも弁えていた。
王家をお支えする。ただそれのみ。
ゆえに、武力、魔力が高くなければ、王家の何の役にも立たない。
だから、まずは自らを鍛えることに専念する。
いくらプライドが高くても能力が低いままなら、王家への貢献がどんなに多くても非情に切り捨てられるから。
それに、理由はまだある。
能力の低い格下の貴族たちや、魔力も武力もほとんどないいわゆる下級国民は、王家や私達ともども、人を食べ物とする魔物達に命を狙われる。
そんな、力なき者達を守るのは、より力のある者がすべき役割。
下級国民、などというが、決して見下したり辱める意味合いはない。
私達のように力のある者達が守るべき対象を、分かりやすく表現しただけのことだし、それも私達の役目の一つ。
ただそれだけのこと。
他人の足を引っ張って、自分が一番の実力者になった、と喜んでる場合じゃないし、預けられる権力を自慢する場合でもない。
私達は、私達の誇りにかけて、その役目を全うする。
中途半端な気持ちで、その役目に就くなんてことはできない。
子供の頃から、家族からそんな風に教わってきたし、そういう気構えが小さい頃から生まれている。
高貴族学舎中段部へは、十五才になる年に入学する。
その年齢に達すれば初段部の生徒はみんな入学できるかといえば、そうではない。
いくら能力が高くてもそんな志が欠片もない者は、ただの貴族が入る学舎に編入となる。
人を妬むような醜い心を持つ者からは、落ちこぼれなどと言われるかもしれない。
しかし私達は、そんな者達を構ってられない。
初段部卒業間近の頃に、人を襲う魔物の雪崩現象と泉現象のことを教わるからだ。
王家と国のために活動する。
そんな曖昧な思いが、具体的に何をどうするべきか、という考えに変わるきっかけでもあり、進学するための強く大きい理由にもなる。
中段部に入学してからは、王家の方々と机を並べて様々なことを学ぶ機会が増え始める。
初段部時代の私達は、王家の方々に対し、憧れの思いばかり持っていた。
しかしそういうことを知ってからは、そんな浮かれた思いはほとんど消える。
王家の方達と、国の将来や国民への思いを一になっていくから。
この段階でも卒業間近になると変化が訪れる。
その方々から、ようやく学友と呼ばれるようになる。
それまでは、私達は王家の方々の名前と顔を知っているけれど、逆に私達は面識もないような扱いをされていた。
中段部で適性が判明し、将来の進路を定める。
そこを卒業すると、一年間の実践養成部に入り、卒業と同時にその進路先で即戦力として社会に出る。
十二貴族の、殿下に近い年頃の女性……私も含めて、心ある者は殿下と将来を誓い合う候補の名乗りを上げる。
一緒になりたいから、という理由では弾かれる。
殿下のそばにいることで、殿下からの指示を受けてすぐに行動に移ることができるから。
人の心とは複雑なもので、言いたい事、伝えたい事があっても、そのまま言葉に出ることが難しいことはよくある話。
そんなときには、その口調や表情、身振り手振りでいろんなことを察することができる。
だからこそ殿下から、心を許せる存在と思われたい。
ところがこの国に一大事が起きた。
国王を、お慕い申し上げているエイシアンム殿下が幽閉した、という事件。
殿下の身に一体何があったのか。
ところが心配する時間は長くはなかった。
間もなく、十二貴族に対して殿下直々の説明があった。
殿下が行われたことは、ある意味革命。
しかしその説明のどこにも、私利私欲は見られなかった。
それどころか、そのお顔にはもの悲しさがありありと見て取れた。
国王、そして実の父親に手をかけた者であるからして、冷たい表情しか見せないとばかりに思っていた私達は、そのお顔にも驚いた。
けれども、国王の政治の手腕には強引すぎるところも多くなり、王家を支える私達からも疑問の声が増していたのは事実。
その風貌、思想、行動は、学生時代とほとんど変わらない。
殿下の、昔から変わらない人柄とその理由を知り、これまで以上に王家、殿下を支えようという意志は強くなった。
※※※※※ ※※※※※
けれど殿下は、学友や私達にすら見せない、感情豊かな表情を見せている。
しかも、元旗手という、この国に愛着があるかどうか、この国にいることに誇りを持っているかどうかも分からない男に。
いや、あるわけがない。
もしあったのしたならば、この国のこんな最果ての村に引きこもったままなどあり得ない。
旗手をやめた経緯は聞いている。
戴冠式での、新国王、エイシアンム陛下の演説や、魔物達とかの二人の説明も聞いている。
あの話では、元国王の、やや強情なところによる被害者であることには同情を禁じ得ない。
しかしこの現状は、それに甘んじているとしか思えない。
そんな人物に、何ゆえこのような珍しい種族の魔物が慕っているのか。
まったく持って理解できない。
それにしても……陛下は人が良すぎます。
大体、私達にもそこまで警戒心を解くようなそぶりはしたことないではありませんか。
……いえ、ちょっと待ってください……。
名案が浮かびましたわ。
これなら……誰も損はしないはず。
陛下と懇意にしているその男にも、きっと。
「会わせたい人がいる」
と。
私が会いたいと思う人、お慕い申し上げたい方は、若き国王陛下ただ一人。
なのに、その陛下が、私に会わせたい人がいる、とおっしゃっている。
どなたなのか全く想像ができない。
それに、陛下と常に一緒でいられる実感さえあれば、ほかは何もいりません。
例え陛下とどんなに距離が離れていようとも。
「フレイミー。面識はないと思うが、見たことはあると思うよ? 私の戴冠式の時は、列席してくれたね? ……私の告白の後に続いて、場内に入ってきた仲間達……こういう言い方は、実は好きではないのだが、魔物達は覚えているかな?」
魔物は魔物でしょうに。
それ以外の言い方は思い浮かびません。
それはそうと。
「珍しい種族の魔物が勢ぞろいって感じでしたわね。それは覚えてます」
「その最後に入ってきた人間は覚えているかな?」
えっと……人間の男女が入ってきたのは覚えているけど……。
「ミナミ・アラタ、という、元旗手だった異世界の人間。この世界に残って、国民の一人になってくれた人であり、私も彼の仲間の一人になったんだ」
あぁ、そうだった。
旗手をしてた人っていう紹介は聞きました。
って、異世界の人?!
って、そうでした。
旗手と呼ばれる異能力を持つ人達は、すべて異世界から召喚された者達ですもんね。
で……え?
仲間?
彼が陛下の仲間になったのではなく、陛下が彼の仲間になった?!
な……なぜ、そんなことに……。
一国を背負うお方ともあろう者が、何たる軽率な……!
「……本当は、側近になってほしかったんだけどね。彼は素晴らしい男だよ」
そういう陛下の顔を見て驚いた。
無邪気に喜ぶ子供を連想してしまう。
私と二人きりの時間を過ごしたことは、それはもう数えきれないくらいある。
けど、こんな表情を見せたことはなかった。
※※※※※ ※※※※※
陛下と最初に出逢ったのは、子供の頃。
基本的な学問や魔術を学ぶ施設の、高貴族学舎初段部。
貴族と王族が通う学舎だけど、基本的にはその区分で分けられるため、王族の方々を見ることはたまにしかない。
もちろん言葉を交わすこともできないし、覚えてもらうなんてこともまず無理。
友人達との会話では、王族の誰と一緒に遊びたいか、という話が一番盛り上がった。
もちろん私達はまだ十歳に満たない年。
将来誰と結婚するかなんてことは、まだ真剣に考えられる年齢じゃない。
それでも王族の誰かを見かけただけでも舞い上がっていた。
けれど私達の立場、私達の一族の立場は、幼いながらも弁えていた。
王家をお支えする。ただそれのみ。
ゆえに、武力、魔力が高くなければ、王家の何の役にも立たない。
だから、まずは自らを鍛えることに専念する。
いくらプライドが高くても能力が低いままなら、王家への貢献がどんなに多くても非情に切り捨てられるから。
それに、理由はまだある。
能力の低い格下の貴族たちや、魔力も武力もほとんどないいわゆる下級国民は、王家や私達ともども、人を食べ物とする魔物達に命を狙われる。
そんな、力なき者達を守るのは、より力のある者がすべき役割。
下級国民、などというが、決して見下したり辱める意味合いはない。
私達のように力のある者達が守るべき対象を、分かりやすく表現しただけのことだし、それも私達の役目の一つ。
ただそれだけのこと。
他人の足を引っ張って、自分が一番の実力者になった、と喜んでる場合じゃないし、預けられる権力を自慢する場合でもない。
私達は、私達の誇りにかけて、その役目を全うする。
中途半端な気持ちで、その役目に就くなんてことはできない。
子供の頃から、家族からそんな風に教わってきたし、そういう気構えが小さい頃から生まれている。
高貴族学舎中段部へは、十五才になる年に入学する。
その年齢に達すれば初段部の生徒はみんな入学できるかといえば、そうではない。
いくら能力が高くてもそんな志が欠片もない者は、ただの貴族が入る学舎に編入となる。
人を妬むような醜い心を持つ者からは、落ちこぼれなどと言われるかもしれない。
しかし私達は、そんな者達を構ってられない。
初段部卒業間近の頃に、人を襲う魔物の雪崩現象と泉現象のことを教わるからだ。
王家と国のために活動する。
そんな曖昧な思いが、具体的に何をどうするべきか、という考えに変わるきっかけでもあり、進学するための強く大きい理由にもなる。
中段部に入学してからは、王家の方々と机を並べて様々なことを学ぶ機会が増え始める。
初段部時代の私達は、王家の方々に対し、憧れの思いばかり持っていた。
しかしそういうことを知ってからは、そんな浮かれた思いはほとんど消える。
王家の方達と、国の将来や国民への思いを一になっていくから。
この段階でも卒業間近になると変化が訪れる。
その方々から、ようやく学友と呼ばれるようになる。
それまでは、私達は王家の方々の名前と顔を知っているけれど、逆に私達は面識もないような扱いをされていた。
中段部で適性が判明し、将来の進路を定める。
そこを卒業すると、一年間の実践養成部に入り、卒業と同時にその進路先で即戦力として社会に出る。
十二貴族の、殿下に近い年頃の女性……私も含めて、心ある者は殿下と将来を誓い合う候補の名乗りを上げる。
一緒になりたいから、という理由では弾かれる。
殿下のそばにいることで、殿下からの指示を受けてすぐに行動に移ることができるから。
人の心とは複雑なもので、言いたい事、伝えたい事があっても、そのまま言葉に出ることが難しいことはよくある話。
そんなときには、その口調や表情、身振り手振りでいろんなことを察することができる。
だからこそ殿下から、心を許せる存在と思われたい。
ところがこの国に一大事が起きた。
国王を、お慕い申し上げているエイシアンム殿下が幽閉した、という事件。
殿下の身に一体何があったのか。
ところが心配する時間は長くはなかった。
間もなく、十二貴族に対して殿下直々の説明があった。
殿下が行われたことは、ある意味革命。
しかしその説明のどこにも、私利私欲は見られなかった。
それどころか、そのお顔にはもの悲しさがありありと見て取れた。
国王、そして実の父親に手をかけた者であるからして、冷たい表情しか見せないとばかりに思っていた私達は、そのお顔にも驚いた。
けれども、国王の政治の手腕には強引すぎるところも多くなり、王家を支える私達からも疑問の声が増していたのは事実。
その風貌、思想、行動は、学生時代とほとんど変わらない。
殿下の、昔から変わらない人柄とその理由を知り、これまで以上に王家、殿下を支えようという意志は強くなった。
※※※※※ ※※※※※
けれど殿下は、学友や私達にすら見せない、感情豊かな表情を見せている。
しかも、元旗手という、この国に愛着があるかどうか、この国にいることに誇りを持っているかどうかも分からない男に。
いや、あるわけがない。
もしあったのしたならば、この国のこんな最果ての村に引きこもったままなどあり得ない。
旗手をやめた経緯は聞いている。
戴冠式での、新国王、エイシアンム陛下の演説や、魔物達とかの二人の説明も聞いている。
あの話では、元国王の、やや強情なところによる被害者であることには同情を禁じ得ない。
しかしこの現状は、それに甘んじているとしか思えない。
そんな人物に、何ゆえこのような珍しい種族の魔物が慕っているのか。
まったく持って理解できない。
それにしても……陛下は人が良すぎます。
大体、私達にもそこまで警戒心を解くようなそぶりはしたことないではありませんか。
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旧版を基に再編集しています。
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