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邪なるモノか聖なるモノか
幕間:ナルの評判
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ナルが俺達に加わって十日くらい経った。
他の連中と一緒に、冒険者相手に集団戦の訓練の基立ちをしてるんだが……。
「なぁ、アラタ。相談、つーか、助言なんだがよ」
と、握り飯を買いに来た冒険者の数人が唐突に俺に話しかけてきた。
長閑な昼下がり。
昼飯食って、昼休み時間をのんびり過ごし、午後の働く時間は店の脇に据え置いているベンチでごろ寝。
俺の仕事の今日のノルマは終わったしな。
のんびりしてたって、誰からも文句は言われない。
これが屋内だったら、間違いなく引きこもり生活とそんなに変わらんような気がする。
が、そこにそんな風に声をかけられた。
「……んぁ? ……寝入りっぱなに話しかけてくんじゃねぇよ……」
安眠妨害も甚だしい。
目が覚めたら、いかつい野郎ども……まぁ女性も数人はいたが。
あんまり見ない顔だ。
が、集団戦には何度も申し込みをしているらしい。
「暢気でいいな、アラタは。って、そうじゃなく」
「あ?」
「あいつらのリーダーはお前だろ。だったらお前に直接申し出るしかねぇよな」
こいつら全員一組のグループだと思ってた。
だが違った。
何組かのグループの代表者たちの集団ってことらしい。
それを聞いただけだと、冒険者の組合が俺に何かの要望を申し出に来た、みたいな大層な話に聞こえる。
何かの組織を作り、その要職についてほしい、なんてのはまっぴらごめんだぞ?
シアンには散々振り回されっぱしなだったんだからな。
確かにあの防具にはかなり世話になった。
が、俺が要望したんじゃなく、シアンが押し付けてきたものだ。
世話になった、のはあくまで結果論。
断るのと拒絶するのでは意味がまるで違うからな。
それはともかく。
「いや、お前を責めるつもりはまったくねぇよ? 要望っつーか……お願いに来たんだ」
と一人が開口一番そう言ってきた。
ということは、俺に何かミスがあって、その揚げ足取りとかマウントをとろうとか、そういうことじゃないんだな?
ちったあ安心したが、じゃあ何しに来たんだ?
「ナルっつったか? 新しい仲間の」
胸に膨らみがある女性用のフルアーマー。
汚れ一つもない白銀の輝きが、何となく神々しさを感じる……とは、あいつを初めて見た冒険者らの感想。
そんなもんかね。
だがそんなことを口々に言うそいつら、騙されてないか?
なんせ中に人はいない。
俺ら以外の人の前では、その兜の目や口の部分は絶対に開けようとしない。
それが尚更ミステリアスに感じさせられるんだろうな。
普通に会話もできるし。
ところがその正体は回復術士をしていた人間の女性の霊。
それがその鎧に宿って、自分の体のように動かしている。
種族は幽霊でいいんじゃないかと思うんだが、デュラハンに分類、認識されてる。
「あ、あぁ。あいつがどうかしたか?」
「あぁ。あのさ……」
しばらく言いにくそうにしていたが、ようやく話し始めたその内容は……。
※※※※※ ※※※※※
「どりゃあ!」
「甘いっ!」
「隙あり!」
「と思うやろ? あんたはんを本命視してんのは、こっちやで!」
とある冒険者パーティの集団戦の特訓の場面。
武器と武器、あるいは武器と防具がぶつかり合い、その金属音が絶え間なく辺りに響く。
その途中で魔法を放つ音や光が入り込む。
集団戦の基立ちはコーティ、ミアーノ。
そして……。
「させないっ! 援護射撃!」
「うおっ!」
時々、冒険者らは基立ちらを戸惑わせ、慌てふためかせる一撃を放つことがある。
まともに食らっても大したダメージはないのだが、それでも驚きを隠せないことは、一度の集団戦の特訓の中で一度や二度ではない。
ミアーノに向かって飛んでくる弓矢の数は、同時に五本。
人間離れした技を、人間の冒険者が繰り出してくる。
ミアーノは、自分の体に刺さっても問題ないとは思ってはいる。
が、それでは集団戦を申し込んだ彼らの訓練にはならない。
だからこそ、驚きの声をあげたのだが、それを遮ったのはナル。
その白銀の鎧で、その弓のすべてを防御。
「そこだぁっ!」
とは言っても、何の動きもなくすべての矢を払うことはできない。
屋が飛んできた方向に対して半身になって、左腕を肩から回して薙ぎ払う。
しかしその場に踏ん張ることが前提。
つまりその場から動かずに、というか、動けない。
動けない目標に狙いを定めるのは簡単で、男剣士が飛び掛かりながら、両手剣を肩口から振りかぶって斬りかかった。
間違いなく必中。
ナルの顔はその男に向けられるが体勢は備えられず。
鎧以外の防具は所持していないナルは、その攻撃をまともに受けるのだが……。
「うあっ!」
頑丈である。
耐久力を比べるなら、巨大なワーム族のンーゴが圧倒的に高い。
しかし、単純な硬さでいうなら、絶対的に硬く変化するライムの方が上だが、常に硬度が高く一定に保たれてるという条件を付けるなら、ナルが他の追随を許さない。
金属製の鎧だから、ということもあるが、そこに魔力が込められていたら尚更だ。
その男剣士は跳ね返される。
もちろんナルはその場から動かないまま。
硬さや頑丈さと軽重は、必ずしも因果関係にない。
だが普通に考えれば、全身鎧くらいの重さはそれくらいの勢いでぶつかってきても、吹っ飛ばされるどころかよろめくことすらない。
しかも痛みも感じないとなれば、物理攻撃にはほぼ無敵。
戦闘時においては、あとは攻撃力や命中率は果たしてどうか? といったところである。
ところが、である。
「……あ……あの……痛くありませんでしたか?」
「え?」
ナルも、冒険者を鍛えるための特訓の一つ、ということは分かっていた。
分かった上で集団戦の基立ちに参加していた。
ところがである。
「……だ、大丈夫ですか? 立てますか?」
「……あの……えっと……」
尻もちをつく剣士に、静かに歩み寄り、しゃがむ。
目線の高さをなるべく近づけて、その剣士の身を案ずる。
労わってくれるのはありがたいし、その優しさもうれしいのだが、現在集団戦の特訓で、意外と高い申し込み料を支払って、しかも時間制限つき。
時間を惜しみ、できるだけ回数をこなし、経験を積みたい冒険者側。
それに応じるこちら側。
しかしナルは、生前回復術士という経験が、死後もなお忘れずに、そしてその精神も染みついているようで、戦闘状態を心身共に解除してしまう。
もちろんナルに悪気があるわけもない。
が、相手が怪我をしていたとしても、その回復能力は、霊となりデュラハンとなった彼女にはない。
「……ま……守って差し上げましょう……か?」
「え? いや、ちょっと待て」
冒険者らが狼狽えるのも無理はない。
冒険者らは、彼女が今の姿になる前は呪いの防具と呼ばれていた、という事実は知らないし、その防具から今のフルアーマーに憑りついたという経歴も知らない。
知っていたとしたら、彼女の言う『守る』の意味は理解するだろうし、知らなかったとしたら、基立ちからいきなり手当をしてもらうとかこっち側になることを指すわけだから、この特訓の場を乱し、中断させることにほかならない。
大金払って時間制限ついて、そして無理やり止められた、となれば、そりゃ抗議もしたくなるというものだろう。
しかしその文句を誰に向けたらいいか分からない。
そして一回の特訓で何度もそんな場面に出くわすパーティもいるし、そんな体験をしたパーティも数えきれないほどあるという。
※※※※※ ※※※※※
「……という事情なんだ。優しい気持ちってのは分かるしありがたいしうれしいんだがよ」
「お……おう……。そりゃ、悪いこと、したな」
「対応してくりゃ、別に謝るほどのことじゃねぇし、きにすることでもねぇよ。よろしく頼むわ」
「お……おぅ……」
いや、謝るしかなかろうが。
もちろんナルには、集団戦から外れてもらうか時間目一杯集団戦に集中してもらうかの二者択一をしてもらうが。
でもそんなに物理攻撃が効かないどころか跳ね返されるってんなら、外れてもらった方が良さそうかなぁ……。
他の連中と一緒に、冒険者相手に集団戦の訓練の基立ちをしてるんだが……。
「なぁ、アラタ。相談、つーか、助言なんだがよ」
と、握り飯を買いに来た冒険者の数人が唐突に俺に話しかけてきた。
長閑な昼下がり。
昼飯食って、昼休み時間をのんびり過ごし、午後の働く時間は店の脇に据え置いているベンチでごろ寝。
俺の仕事の今日のノルマは終わったしな。
のんびりしてたって、誰からも文句は言われない。
これが屋内だったら、間違いなく引きこもり生活とそんなに変わらんような気がする。
が、そこにそんな風に声をかけられた。
「……んぁ? ……寝入りっぱなに話しかけてくんじゃねぇよ……」
安眠妨害も甚だしい。
目が覚めたら、いかつい野郎ども……まぁ女性も数人はいたが。
あんまり見ない顔だ。
が、集団戦には何度も申し込みをしているらしい。
「暢気でいいな、アラタは。って、そうじゃなく」
「あ?」
「あいつらのリーダーはお前だろ。だったらお前に直接申し出るしかねぇよな」
こいつら全員一組のグループだと思ってた。
だが違った。
何組かのグループの代表者たちの集団ってことらしい。
それを聞いただけだと、冒険者の組合が俺に何かの要望を申し出に来た、みたいな大層な話に聞こえる。
何かの組織を作り、その要職についてほしい、なんてのはまっぴらごめんだぞ?
シアンには散々振り回されっぱしなだったんだからな。
確かにあの防具にはかなり世話になった。
が、俺が要望したんじゃなく、シアンが押し付けてきたものだ。
世話になった、のはあくまで結果論。
断るのと拒絶するのでは意味がまるで違うからな。
それはともかく。
「いや、お前を責めるつもりはまったくねぇよ? 要望っつーか……お願いに来たんだ」
と一人が開口一番そう言ってきた。
ということは、俺に何かミスがあって、その揚げ足取りとかマウントをとろうとか、そういうことじゃないんだな?
ちったあ安心したが、じゃあ何しに来たんだ?
「ナルっつったか? 新しい仲間の」
胸に膨らみがある女性用のフルアーマー。
汚れ一つもない白銀の輝きが、何となく神々しさを感じる……とは、あいつを初めて見た冒険者らの感想。
そんなもんかね。
だがそんなことを口々に言うそいつら、騙されてないか?
なんせ中に人はいない。
俺ら以外の人の前では、その兜の目や口の部分は絶対に開けようとしない。
それが尚更ミステリアスに感じさせられるんだろうな。
普通に会話もできるし。
ところがその正体は回復術士をしていた人間の女性の霊。
それがその鎧に宿って、自分の体のように動かしている。
種族は幽霊でいいんじゃないかと思うんだが、デュラハンに分類、認識されてる。
「あ、あぁ。あいつがどうかしたか?」
「あぁ。あのさ……」
しばらく言いにくそうにしていたが、ようやく話し始めたその内容は……。
※※※※※ ※※※※※
「どりゃあ!」
「甘いっ!」
「隙あり!」
「と思うやろ? あんたはんを本命視してんのは、こっちやで!」
とある冒険者パーティの集団戦の特訓の場面。
武器と武器、あるいは武器と防具がぶつかり合い、その金属音が絶え間なく辺りに響く。
その途中で魔法を放つ音や光が入り込む。
集団戦の基立ちはコーティ、ミアーノ。
そして……。
「させないっ! 援護射撃!」
「うおっ!」
時々、冒険者らは基立ちらを戸惑わせ、慌てふためかせる一撃を放つことがある。
まともに食らっても大したダメージはないのだが、それでも驚きを隠せないことは、一度の集団戦の特訓の中で一度や二度ではない。
ミアーノに向かって飛んでくる弓矢の数は、同時に五本。
人間離れした技を、人間の冒険者が繰り出してくる。
ミアーノは、自分の体に刺さっても問題ないとは思ってはいる。
が、それでは集団戦を申し込んだ彼らの訓練にはならない。
だからこそ、驚きの声をあげたのだが、それを遮ったのはナル。
その白銀の鎧で、その弓のすべてを防御。
「そこだぁっ!」
とは言っても、何の動きもなくすべての矢を払うことはできない。
屋が飛んできた方向に対して半身になって、左腕を肩から回して薙ぎ払う。
しかしその場に踏ん張ることが前提。
つまりその場から動かずに、というか、動けない。
動けない目標に狙いを定めるのは簡単で、男剣士が飛び掛かりながら、両手剣を肩口から振りかぶって斬りかかった。
間違いなく必中。
ナルの顔はその男に向けられるが体勢は備えられず。
鎧以外の防具は所持していないナルは、その攻撃をまともに受けるのだが……。
「うあっ!」
頑丈である。
耐久力を比べるなら、巨大なワーム族のンーゴが圧倒的に高い。
しかし、単純な硬さでいうなら、絶対的に硬く変化するライムの方が上だが、常に硬度が高く一定に保たれてるという条件を付けるなら、ナルが他の追随を許さない。
金属製の鎧だから、ということもあるが、そこに魔力が込められていたら尚更だ。
その男剣士は跳ね返される。
もちろんナルはその場から動かないまま。
硬さや頑丈さと軽重は、必ずしも因果関係にない。
だが普通に考えれば、全身鎧くらいの重さはそれくらいの勢いでぶつかってきても、吹っ飛ばされるどころかよろめくことすらない。
しかも痛みも感じないとなれば、物理攻撃にはほぼ無敵。
戦闘時においては、あとは攻撃力や命中率は果たしてどうか? といったところである。
ところが、である。
「……あ……あの……痛くありませんでしたか?」
「え?」
ナルも、冒険者を鍛えるための特訓の一つ、ということは分かっていた。
分かった上で集団戦の基立ちに参加していた。
ところがである。
「……だ、大丈夫ですか? 立てますか?」
「……あの……えっと……」
尻もちをつく剣士に、静かに歩み寄り、しゃがむ。
目線の高さをなるべく近づけて、その剣士の身を案ずる。
労わってくれるのはありがたいし、その優しさもうれしいのだが、現在集団戦の特訓で、意外と高い申し込み料を支払って、しかも時間制限つき。
時間を惜しみ、できるだけ回数をこなし、経験を積みたい冒険者側。
それに応じるこちら側。
しかしナルは、生前回復術士という経験が、死後もなお忘れずに、そしてその精神も染みついているようで、戦闘状態を心身共に解除してしまう。
もちろんナルに悪気があるわけもない。
が、相手が怪我をしていたとしても、その回復能力は、霊となりデュラハンとなった彼女にはない。
「……ま……守って差し上げましょう……か?」
「え? いや、ちょっと待て」
冒険者らが狼狽えるのも無理はない。
冒険者らは、彼女が今の姿になる前は呪いの防具と呼ばれていた、という事実は知らないし、その防具から今のフルアーマーに憑りついたという経歴も知らない。
知っていたとしたら、彼女の言う『守る』の意味は理解するだろうし、知らなかったとしたら、基立ちからいきなり手当をしてもらうとかこっち側になることを指すわけだから、この特訓の場を乱し、中断させることにほかならない。
大金払って時間制限ついて、そして無理やり止められた、となれば、そりゃ抗議もしたくなるというものだろう。
しかしその文句を誰に向けたらいいか分からない。
そして一回の特訓で何度もそんな場面に出くわすパーティもいるし、そんな体験をしたパーティも数えきれないほどあるという。
※※※※※ ※※※※※
「……という事情なんだ。優しい気持ちってのは分かるしありがたいしうれしいんだがよ」
「お……おう……。そりゃ、悪いこと、したな」
「対応してくりゃ、別に謝るほどのことじゃねぇし、きにすることでもねぇよ。よろしく頼むわ」
「お……おぅ……」
いや、謝るしかなかろうが。
もちろんナルには、集団戦から外れてもらうか時間目一杯集団戦に集中してもらうかの二者択一をしてもらうが。
でもそんなに物理攻撃が効かないどころか跳ね返されるってんなら、外れてもらった方が良さそうかなぁ……。
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旧版を基に再編集しています。
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