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第4話 炎の余韻――鍛錬の門
しおりを挟む焔丸の足音が、地獄本部の回廊に鈍く響いていた。作戦室の扉を閉めた瞬間、胸の護符が再び熱を帯びた。千年前の記憶――親父、両面宿儺の笑顔。村の老人から聞いた話、紅蓮の語り。すべてが、焔丸の血に染みつくように鮮やかだ。宿儺は生前、呪いの王として君臨した男。結合双生児の異形の体を持ち、平安の時代に無数の呪霊を屠った。24d448 だが、その強さの裏に、二度の「きっかけ」があったという。裏梅という少女の声、そしてもう一人の影。結局、宿儺は強さを選び、指二十本に自らを封じ、永遠の眠りについた。b47c6d それでも、守る心は残った。鎮守山の祈り、あの嵐の夜の誓いのように。
焔丸は息を吐き、拳を緩めた。外は地獄の宵闇。転送門の残光が、倉庫街を赤く染めている。撤収作業の喧騒が、すでに始まっていた。
撤収の炎煙
地獄・修羅衛本部の地下倉庫は、戦いの残骸で埋め尽くされていた。重厚な鉄の棚に、焦げた斧や曲がった槍、黒く染まった呪符の束が山積み。空気は熱く、重い。鎮守山の瘴気が、まだ微かに残る臭いを放っている。焔丸は第一班の荷物を引きずり、汗を拭った。鬼装ギア《紅蓮羅刹》のコアを慎重に外し、点検台に置く。表面に残る黒い煤――外道の核を砕いた時の証だ。
「くそっ、この煤、しつこいぜ。炎で焼いても落ちねぇのかよ」 焔丸がぼやきながら、布でゴシゴシ擦る。隣で茨姫が刀《業鬼》を磨いていた。刃に刻まれた青い霊光が、倉庫の灯りを反射して揺れる。彼女の扇は埃を払う道具に変わり、優雅な仕草で作業を進める。
「焔丸様、そんなに乱暴に擦ると、ギアの霊核が傷つきますわ。わたくしが浄化の術をかけましょうか?」 茨姫の声は穏やかだが、目には疲労の影。鎮守山の乱戦で、彼女の斬撃は数十体の外道を両断した。背中の傷は浅いが、焔丸の拳が守ったおかげだ。
「いや、いいよ。お嬢様は自分の刀を優先しろ。俺の炎は、こんな煤くらいで消えねぇさ」 焔丸がニヤリと笑うと、茨姫も扇で口元を隠し、くすりと応じる。 「ふふ、光栄ですわ。ですが、連携の証ですもの。一緒に片付けましょう」
そこへ、ドカドカと重い足音。牛頭鬼が斧を肩に担ぎ、倉庫に飛び込んでくる。体躯は岩のようにどっしり、角が天井を擦りそう。後ろに馬頭鬼がついてくる。槍を逆手に構え、姉御らしい鋭い視線で周囲を睨む。牛頭と馬頭――地獄の双璧、修羅衛の古株姉貴たち。牛頭の斧は山を裂き、馬頭の槍は風を切り裂く。今日の鎮守山でも、彼女たちの援護がなければ、第一班は核に辿り着けなかった。
「ガキども、グズグズすんじゃねぇ! 撤収は戦いの後始末だ。親父の山を取り返せたんだ。それで御の字だが、油断すりゃ次は地獄の門が開くぜ」 牛頭の声が倉庫に響き、皆の背筋を伸ばす。彼女は斧を棚にドンと立てかけ、第二班の荷物を確認し始める。馬頭が静かに槍を磨きながら、若手たちに目を配る。
「牛頭の言う通りだ。第二班の皆も、手を抜くな。蘭、苑――お前らの呪符、在庫は?」 馬頭の言葉に、女学院の双子剣士、蘭と苑が慌ててノートをめくる。彼女たちは符を腰のポーチに詰め替え、息を弾ませる。
「馬頭姉さん、消費は予定通り20枚です! 残り50枚、補充完了。電撃符が一番減りましたけど、次は効率化します!」 蘭が元気に答え、苑が頷いて補足。 「ええ、核の防衛波で結界符が5枚飛んじゃいました。でも、挟撃のタイミング、完璧でしたよね!」
日影と露草――鬼神育成高等学校の双斧使いと鎖鎌使い――が、互いの武器を交換して点検する。日影の双斧は刃こぼれが激しく、露草の鎖鎌は酸の染みが残る。
「姉貴、日影の斧、重傷だぜ。核の守りが固ぇの、何だったんだろうな」 露草が鎖を巻き直しながらぼやく。日影が斧を肩に担ぎ、笑う。 「まあ、俺の連撃で二体粉砕したんだ。御の字さ。馬頭姉さんの槍捌き、見習うぜ。あの突きで酸を弾いたの、鳥肌もんだった」
支援班の面々も加わる。女学院の魔導士二人、霧華と雪乃が結界玉を光らせて瘴気を除去中。育成校の射撃手、若い鬼の少年・雷鳴が銃身を拭く。
「魔導士姉さんたちの結界、なかったら全滅でしたよ。俺の援護射撃も、タイミングばっちりでしょ?」 雷鳴の言葉に、霧華が微笑む。 「ええ、あなたの弾丸が外道の弱点を突きましたわ。雪乃の氷術と相まって、完璧な連携。鎮守山の勝利は、皆の力です」
雪乃が氷の欠片を指で弾き、頷く。 「焔丸様の炎拳が、氷を溶かして蒸気爆発を起こしましたわ。あの核、砕けた瞬間……美しかったです」
撤収作業は、淡々と進む。装備の分類、傷の応急処置、報告書の記入。焔丸はギアのコアに護符を一瞬押し当て、熱を感じる。親父の山――鎮守山を取り返せた。それで、確かに御の字だ。村の澄んだ川、子供たちの笑顔。老人の涙。すべてが、胸に温かく残る。だが、地獄の鬼として、満足は許されない。外道の背後にいた“誰か”の影が、焔丸の心に棘を刺す。
牛頭が作業の終わりを告げ、皆を促す。 「よし、これで片付いた。牛頭と馬頭の姉貴たちも一緒に帰るぜ。食堂で祝杯だ。親父の遺産を守った夜だ、存分に楽しめ」
馬頭が槍を棚に収め、珍しく柔らかい笑みを浮かべる。 「ふん、甘い酒は抜きだ。若手ども、明日から鍛錬の日々が戻る。覚悟しとけよ」
皆の笑いが、倉庫に広がる。疲れた体に、達成感が染みる。焔丸は茨姫と並んで歩き出す。背後で、牛頭と馬頭の姉貴たちが荷物をまとめ、静かに見守る。
食堂の宴――御の字の夜
地獄本部の食堂は、いつも通り熱気で満ちていた。長い木のテーブルに、獄炎鍋がずらり。鬼の肉と地獄野菜を煮込んだスープは、赤く煮えたぎり、魂酒の瓶が並ぶ。湯気が立ち昇り、戦いの疲れを溶かすように香る。焔丸たちは席に着き、牛頭が大皿を空にする勢いで鍋をすくう。
「食え食え! 人間界の米もよかったが、地獄の飯はこれだぜ。親父の山を取り返せた御の字の味だ!」 牛頭の声に、皆が箸を動かす。焔丸は熱々の肉を頬張り、目を細める。 「うめぇ……鎮守山の後じゃ、格別だな。茨姫、お嬢様も食えよ。柔らかい肉、選んどいたぜ」
茨姫が扇を脇に置き、箸でつまむ。 「ありがとうございます、焔丸様。この熱さ、戦いの炎を思い起こしますわ。村の宴の山菜汁も美味でしたが、地獄の獄炎鍋は格別です」
馬頭が静かに酒を注ぎ、第二班に目をやる。 「蘭、苑――お前らの符爆裂、核の弱点を抉ったな。よくやった」 双子が目を輝かせ、盃を掲げる。 「馬頭姉さん、ありがとう! 次は電撃の連鎖で、もっと派手にいきます! 苑、乾杯!」
苑がグラスを合わせ、笑う。 「ええ、蘭のタイミング、完璧だったでしょ? 日影兄さんたちの斧鎌連撃も、ド迫力!」
日影が双斧を模した仕草で肉を突き刺す。 「はは、姉貴の槍に追いつくには、まだまだだぜ。露草、お前の鎌刈り、背後からサクッと決まってたよな」
露草が鎖のように箸を絡め、頷く。 「ええ、射撃手の雷鳴兄さんの援護が、動きを止めてくれたおかげ。ズドン! って音、心地よかった」
雷鳴が照れくさそうに頭をかき、銃型のフォークで突く。 「いや、魔導士姉さんたちの結界がなければ、酸に溶かされてたよ。霧華姉さんの青白い陣、雪乃姉さんの氷壁……最高の盾だった」
霧華が優しく微笑み、雪乃が氷のように冷たい酒を勧める。 「皆さんの攻撃が、結界を活かしてくれましたわ。焔丸様の崩炎撃で、蒸気爆発が起きた瞬間……山が震えましたね」
雪乃の言葉に、焔丸が拳を握る。 「ああ、あの核の顔ども、嘲笑ってやがったぜ。ドゴォン! と砕いた時、親父の炎が宿った気がした」
牛頭が盃を打ち鳴らし、声を上げる。 「乾杯! 鎮守山外道殲滅、完遂! 親父宿儺の祈りの山を守ったぜ。御の字の勝利だ!」
皆のグラスが重なり、食堂に響く。笑い声、歌声。牛頭が古い鬼の歌を歌い出し、馬頭が低くハミングで合わせる。姉貴たちの存在が、宴を温かく包む。焔丸は酒を傾け、護符を胸に感じる。千年前、宿儺は村人たちに頭を下げられた。怖い顔のまま、笑って。「オレがいるんだ、大丈夫だぜ」――その言葉が、焔丸の耳に蘇る。684f6e
宴は深夜まで続き、皆の頰が赤らむ。茨姫が焔丸にそっと囁く。 「焔丸様、明日から鍛錬ですわね。牛頭姉貴と馬頭姉貴の特訓……楽しみです?」 焔丸が肩をすくめ、笑う。 「楽しみってか、生き残るのが先だぜ。でも、親父の血が騒ぐ。強くなるよ、お嬢様もな」
牛頭が立ち上がり、締めくくる。 「よし、解散! 牛頭と馬頭の姉貴たちも一緒に帰るぜ。回廊で待ってる。グズは置いてくからな」
馬頭が槍を手に、皆を促す。 「休め。だが、夢の中でさえ鍛錬だ。鎮守山の満足は、一夜限り」
皆が食堂を後にする。焔丸は茨姫と並び、牛頭・馬頭の背中を追う。姉貴たちの足取りは重いが、確か。地獄の回廊に、笑いの余韻が残る。
鍛錬の門――炎の再燃
翌朝、地獄の鍛錬場は霧に包まれていた。広大な地下ドーム、天井から滴る溶岩の雨が、地面を熱くする。牛頭と馬頭の姉貴たちが、中央の岩盤に立つ。牛頭の斧が地面を叩き、衝撃波が霧を払う。馬頭の槍が空を指し、風を切る音が響く。
「起きろ、ガキども! 鎮守山の勝利で満足すんじゃねぇ。親父の山を取り返せた御の字だ。だが、地獄の鬼は止まらねぇ。鍛錬の日々が戻るぜ!」
牛頭の号令に、焔丸たちが駆けつける。ギアを纏い、武器を構える。茨姫の刀が光り、蘭・苑の符が青く輝く。日影の斧、露草の鎌、雷鳴の銃、霧華・雪乃の結界玉。皆の目には、宴の疲れなどない。炎が宿る。
馬頭が槍を構え、静かに命じる。 「第一セット、個人技。焔丸――紅蓮羅刹、炎拳100連発! 茨姫――業裂、舞100回!」
焔丸が角を伸ばし、炎を纏う。拳が岩盤を叩く。ドゴン! ドゴン! 地面が割れ、溶岩が噴き出す。 「一発目! 二発目! ……百発目ッ!」
茨姫が舞い、刀を振るう。ザシュ! ザシュ! 半月の斬撃が霧を切り裂く。 「壱ノ型……参ノ型……完遂ですわ!」
牛頭が斧で受け止め、評価。 「焔丸、熱いが散漫だ。拳の集中を核に想像しろ。茨姫、優雅だが遅い。外道の群れを想定せよ」
次に第二班。蘭・苑が符を展開。 「双子雷陣――発動!」 バチバチッ! 電撃の網がドームを覆う。日影・露草が突進。 「双斧連撃!」「鎖鎌刈り取り!」 ガキン! ズシャ! 斧と鎌が交錯、岩を粉砕。
支援班が援護。雷鳴の銃が鳴る。ズドン! 霧華の結界が青く輝き、雪乃の氷が敵影を凍らせる。 「援護射撃、命中!」「氷壁展開!」
馬頭の槍が一閃、皆の攻撃を弾き返す。 「いい動きだ。だが、連携が甘い。挟撃のタイミングを0.5秒早く!」
鍛錬は朝から夕暮れまで。休憩の合間、水を飲み、互いにアドバイス。焔丸が茨姫に。 「お嬢様の斬撃、速くなったな。俺の炎と合わせりゃ、無敵だぜ」
茨姫が扇を振る。 「ええ、焔丸様の拳が、わたくしの背中を守りますわ」
牛頭が焔丸の肩を叩く。 「ガキ、親父の血だ。宿儺はな、毎日千回の斬撃で鍛えた。炎を操るのに、魂を燃やしたぜ。お前も、そうなる」
馬頭が加わる。 「二度のきっかけ――裏梅と、もう一人。宿儺は選ばなかったが、お前は違う。守る強さを、掴め」
焔丸は拳を握り、頷く。護符が熱い。千年前の王、呪いの頂点。8e737f その過去が、焔丸の未来を照らす。
夕方、鍛錬終了。体は痛み、汗で服が張り付く。だが、心は軽い。牛頭と馬頭の姉貴たちが、皆を見回す。 「今日のところは上出来だ。明日もだ。牛頭と馬頭の姉貴たちも一緒に帰るぜ。飯食って、休め」
皆が笑い、回廊を戻る。鍛錬の日々が、日常に戻る。鎮守山の勝利は、始まり。次なる影――“誰か”を追う時。
次なる影の予感
数日後、作戦室。紅蓮覇鬼が地図を広げる。新たな赤黒い斑点――冥府の門近く、外道の活動。 「“誰か”の痕跡だ。術師の影。宿儺の時代から続く、呪いの糸」
焔丸たちが集まる。牛頭が斧を握り、馬頭が槍を構える。 「行こうぜ。親父の誓いを、繋ぐ」
鍛錬の炎が、再び戦火へ。地獄の守護者たち――千年の記憶、魂の焔。御の字の余韻は、強さの糧となる。
焔丸は拳を掲げ、ニヤリ。 「上等だ。親父、見てろよ。俺たちの番だぜ」
冥府の門の秘密
地獄本部の鍛錬場から作戦室への回廊は、いつもより重い空気に満ちていた。焔丸の拳に残る熱は、朝の百連発の余韻。牛頭姉貴の斧が叩きつけた岩盤の裂け目が、足元で鈍く疼くように感じる。護符の温もりは、鎮守山の記憶を呼び起こすが、今は別の影が胸にのしかかる。紅蓮覇鬼の呼び出し――「冥府の門の秘密」。外道の活動が、門の近くで活発化しているという報告。鎮守山の勝利は、嵐の前の静けさだったのか。
作戦室の扉をくぐると、いつもの赤黒い地図が卓に広がっていた。だが、中央に新たな投影――冥府の門のシルエット。巨大な黒い拱門、表面に刻まれた無数の呪符が脈動し、周囲の瘴気が渦を巻く。紅蓮は背に赤槍《獄炎破》を預け、腕を組んで立っていた。眼光は炎の如く鋭いが、今日は静かな苛立ちが混じる。茨姫が扇を畳み、牛頭と馬頭の姉貴たちが後ろに控える。第一班と第二班の面々――蘭、苑、日影、露草、雷鳴、霧華、雪乃――も揃い、息を潜める。
「諸君。鎮守山の外道は、氷山の一角だった。あの瘴気の源は、冥府の門だ」 紅蓮の声が低く響く。地図の門がズズン……と震え、皆の背筋を震わせる。 「門とは、地獄と現世の結界。千年前、宿儺が祈りを捧げた鎮守山はその要石。だが、門には“秘密”がある。――裏門だ」
焔丸の目が見開く。護符が熱く脈打つ。親父の記憶、嵐の夜の鎮守山。宿儺が外道を屠った後、空を見上げて笑った顔。その裏に、こんな影が?
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