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未来への誓い
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治療の最終段階に入ったリディアは、セドリックに最後の解毒剤を渡した。
彼の体内から毒がすべて排出されるまで、あと数日のことだった。
「これで最後です」
リディアは薬の瓶を手渡しながら説明した。
「あと三日飲み続ければ、完全に回復します」
セドリックは黙って頷いた。
最近、彼は以前より無口になっていた。
エレノアの裏切りが彼に暗い影を落としたのかもしれない。
「お前に恩返しができていない」
セドリックは突然言った。
「何か望むものはないか?金か、地位か……」
リディアは微笑んだ。
「必要ありません。私はただ、薬師として仕事をしたまでです」
「そんなはずはない」
セドリックは立ち上がり、窓辺へと歩いた。
「お前は命の危険を冒して私を救ってくれた。単なる仕事以上のことをしてくれた」
リディアは黙って立っていた。
彼女が望むものは、彼にはあげられないものだと知っていた。
「明日には私の荷物をまとめて、王宮を去ります」
リディアは静かに告げた。
「街の薬草店に戻り、以前の生活を続けます」
セドリックは振り向き、彼女をじっと見つめた。
「それが……お前の望みか?」
リディアは答えられなかった。
彼女の本当の望みを口にすることはできなかった。
「明日、正式な別れの挨拶をします」
そう言って、リディアは部屋を出た。
リディアが自室に戻ると、メイラが待っていた。
「リディアさん、大変です!」
メイラは動揺していた。
「エレノア様が牢から脱走したんです!」
リディアは驚いて尋ねた。
「どうやって?」
「彼女は賄賂で看守を買収したようです。そして……」
メイラの声は震えていた。
「彼女はあなたを探していると聞きました。復讐するつもりだと……」
リディアは深呼吸をして冷静さを取り戻した。
「騎士団には知らせたの?」
「はい、今、王宮中を捜索しています。でも……」
その時、窓ガラスが砕け散る音がした。
振り向くと、エレノアが弓を構えて立っていた。
彼女の美しい顔は憎悪で歪んでいた。
「あなたのせいで全てが台無しになったわ」
エレノアは低い声で言った。
「せめてあなたを道連れにしてやる」
メイラは悲鳴を上げた。
リディアは彼女を後ろに下がらせ、エレノアと向き合った。
「エレノア令嬢、これ以上罪を重ねても何も変わりません」
「うるさい!」
エレノアは矢を放った。
リディアはかろうじて身をかわしたが、矢は彼女の腕をかすめ、血が流れ出した。
「もう逃げられないわ」
エレノアは再び弓を構えた。
その時、部屋のドアが勢いよく開き、セドリックが駆け込んできた。
「エレノア、やめろ!」
エレノアはセドリックを見て一瞬躊躇したが、すぐに矢を彼に向けた。
「あなたも同罪よ、セドリック。私の人生を台無しにした」
「お前自身が選んだ道だ」
セドリックは冷静に言った。
「降参しろ。もう逃げ場はない」
「私にはまだこの矢が残っている!」
エレノアは叫び、セドリックに向かって矢を放った。
リディアは咄嗟にセドリックの前に飛び出し、矢を受け止めようとした。
しかし、セドリックも同時に身を投げ、リディアを突き飛ばした。
矢は二人の間をかすめ、壁に突き刺さった。
その瞬間、王宮の騎士たちが部屋に殺到し、エレノアを取り押さえた。
彼女は絶叫しながら抵抗したが、武器を奪われると力なく泣き崩れた。
「あなたたちは幸せになんかなれないわ……」
エレノアは最後に呟いた。
「身分の違う二人に未来なんてない……」
騎士たちがエレノアを連れ出した後、部屋には重い沈黙が流れた。
セドリックはリディアの腕の傷を見て眉をひそめた。
「医師を呼ばねば」
「大丈夫です」
リディアは小さく笑った。
「私自身が薬師ですから」
彼女は自分のポーチから軟膏を取り出し、傷に塗った。
「なぜ私の前に飛び出したんだ?」
セドリックは静かに尋ねた。
「命を危険にさらすようなことを」
リディアは俯いた。
「反射的に……」
「嘘をつくな」
セドリックは彼女の顎をそっと持ち上げ、目を見つめた。
「本当の理由を教えてくれ」
リディアは深呼吸をし、ついに心の内を明かした。
「あなたを失いたくなかったから……私は……あなたを愛しているから」
セドリックの表情が和らぎ、彼は微笑んだ。
「そうか……私も同じだ」
「でも、私たちは……」
リディアは言いよどんだ。
「身分が違う?」
セドリックは静かに言った。
「私は王太子で、お前は薬師。それがどうした?」
「王国の慣習では……」
「慣習など変えればいい」
セドリックは断言した。
「私は次期国王だ。愛する女性と結婚する権利くらいある」
リディアは驚いて瞠目した。
「結婚……?」
「そうだ」
セドリックは彼女の手を取った。
「リディア・フォスター、私の妃になってくれないか?」
リディアは言葉を失った。
これは夢のようだった。
王太子の求婚……しかし、彼女の心は確かだった。
「でも、王族や貴族たちは反対するでしょう」
「彼らには説明する」
セドリックは力強く言った。
「お前は王国を救った英雄だ。そして、何より……お前は私の命の恩人であり、私の心を射止めた唯一の女性だ」
リディアの目に涙が浮かんだ。
「私には王妃としての教養も作法も……」
「それらは学べる」
セドリックは彼女を抱きしめた。
「だが、お前の誇り高さ、勇気、そして優しさは生まれながらのものだ。それこそが真の高貴さだと私は思う」
リディアはついに微笑んだ。
「はい、喜んでお受けします……セドリック」
初めて彼の名前を呼んだリディアに、セドリックは優しく口づけた。
三ヶ月後、アスティア王国は王太子と薬師の結婚式で沸いていた。
最初は異例の結婚に批判的だった貴族たちも、リディアの機知と優しさに徐々に心を開いていった。
そして何より、セドリックが彼女と共にいる時の幸せそうな表情が、彼らの心を動かした。
レオン王も最初は渋っていたが、息子の固い決意と、リディアが王国を救った功績を認め、ついに結婚を認めた。
「リディア、私の娘よ」
結婚式の日、レオン王は彼女に言った。
「あなたは身分は低くとも、その心は誰よりも高貴だ。息子を幸せにしてくれたまえ」
リディアは深々と頭を下げた。
「全力を尽くします、陛下」
結婚式は国中から祝福を受け、華やかに執り行われた。
リディアは純白のドレスに身を包み、セドリックの隣に立つと、まるで生まれながらの王妃のような威厳を放っていた。
式の最中、彼女は自分の小さな薬草店を思い出した。
あの日、王宮からの使者が訪れなければ、彼女の人生はどうなっていただろう。
運命とは不思議なものだと、彼女は思った。
「何を考えている?」
セドリックは小声で尋ねた。
「私たちの出会いについて」
リディアは微笑んだ。
「あなたの病が私たちを結びつけた皮肉について」
セドリックも微笑み返した。
「最悪の事態から最高の幸せが生まれた。これも運命だろう」
結婚から一年後、リディアは王妃としての役割を見事に果たしていた。
彼女は民間出身の強みを活かし、庶民の声に耳を傾ける政策を推進した。
また、彼女の薬の知識は王国の医療制度を大きく改善し、民衆の健康状態を向上させた。
彼女は宮廷で最初の困難な時期を乗り越え、今では王国で最も敬愛される人物の一人となっていた。
貴族たちも彼女の知恵と公正さを認め、尊敬の念を抱くようになった。
ある日、リディアが王宮の自分の薬草園で働いていると、セドリックが訪ねてきた。
「まだ薬師の仕事を続けているのか」
セドリックは微笑みながら彼女に近づいた。
「一度薬師は、生涯薬師です」
リディアは植物の葉を優しく撫でながら答えた。
「これは私の本質ですから」
セドリックは彼女を後ろから抱きしめた。
「それこそが私がお前を愛する理由だ。決して自分を見失わない強さと誇り」
リディアは夫の腕の中で身を翻し、彼を見上げた。
「私たちの物語は、本当に童話のようですね」
「いや」
セドリックは頭を振った。
「童話よりも素晴らしい。なぜなら、これは真実の愛の物語だからだ」
彼らは互いを見つめ、笑みを交わした。
誇り高き薬師と王太子の恋は、すべての障害を乗り越え、そして今、二人は共に輝かしい未来へと歩みを進めていた。
風が薬草園を抜け、花々の甘い香りを運んでいった。
王国の歴史に新たな章が始まろうとしていた。
彼の体内から毒がすべて排出されるまで、あと数日のことだった。
「これで最後です」
リディアは薬の瓶を手渡しながら説明した。
「あと三日飲み続ければ、完全に回復します」
セドリックは黙って頷いた。
最近、彼は以前より無口になっていた。
エレノアの裏切りが彼に暗い影を落としたのかもしれない。
「お前に恩返しができていない」
セドリックは突然言った。
「何か望むものはないか?金か、地位か……」
リディアは微笑んだ。
「必要ありません。私はただ、薬師として仕事をしたまでです」
「そんなはずはない」
セドリックは立ち上がり、窓辺へと歩いた。
「お前は命の危険を冒して私を救ってくれた。単なる仕事以上のことをしてくれた」
リディアは黙って立っていた。
彼女が望むものは、彼にはあげられないものだと知っていた。
「明日には私の荷物をまとめて、王宮を去ります」
リディアは静かに告げた。
「街の薬草店に戻り、以前の生活を続けます」
セドリックは振り向き、彼女をじっと見つめた。
「それが……お前の望みか?」
リディアは答えられなかった。
彼女の本当の望みを口にすることはできなかった。
「明日、正式な別れの挨拶をします」
そう言って、リディアは部屋を出た。
リディアが自室に戻ると、メイラが待っていた。
「リディアさん、大変です!」
メイラは動揺していた。
「エレノア様が牢から脱走したんです!」
リディアは驚いて尋ねた。
「どうやって?」
「彼女は賄賂で看守を買収したようです。そして……」
メイラの声は震えていた。
「彼女はあなたを探していると聞きました。復讐するつもりだと……」
リディアは深呼吸をして冷静さを取り戻した。
「騎士団には知らせたの?」
「はい、今、王宮中を捜索しています。でも……」
その時、窓ガラスが砕け散る音がした。
振り向くと、エレノアが弓を構えて立っていた。
彼女の美しい顔は憎悪で歪んでいた。
「あなたのせいで全てが台無しになったわ」
エレノアは低い声で言った。
「せめてあなたを道連れにしてやる」
メイラは悲鳴を上げた。
リディアは彼女を後ろに下がらせ、エレノアと向き合った。
「エレノア令嬢、これ以上罪を重ねても何も変わりません」
「うるさい!」
エレノアは矢を放った。
リディアはかろうじて身をかわしたが、矢は彼女の腕をかすめ、血が流れ出した。
「もう逃げられないわ」
エレノアは再び弓を構えた。
その時、部屋のドアが勢いよく開き、セドリックが駆け込んできた。
「エレノア、やめろ!」
エレノアはセドリックを見て一瞬躊躇したが、すぐに矢を彼に向けた。
「あなたも同罪よ、セドリック。私の人生を台無しにした」
「お前自身が選んだ道だ」
セドリックは冷静に言った。
「降参しろ。もう逃げ場はない」
「私にはまだこの矢が残っている!」
エレノアは叫び、セドリックに向かって矢を放った。
リディアは咄嗟にセドリックの前に飛び出し、矢を受け止めようとした。
しかし、セドリックも同時に身を投げ、リディアを突き飛ばした。
矢は二人の間をかすめ、壁に突き刺さった。
その瞬間、王宮の騎士たちが部屋に殺到し、エレノアを取り押さえた。
彼女は絶叫しながら抵抗したが、武器を奪われると力なく泣き崩れた。
「あなたたちは幸せになんかなれないわ……」
エレノアは最後に呟いた。
「身分の違う二人に未来なんてない……」
騎士たちがエレノアを連れ出した後、部屋には重い沈黙が流れた。
セドリックはリディアの腕の傷を見て眉をひそめた。
「医師を呼ばねば」
「大丈夫です」
リディアは小さく笑った。
「私自身が薬師ですから」
彼女は自分のポーチから軟膏を取り出し、傷に塗った。
「なぜ私の前に飛び出したんだ?」
セドリックは静かに尋ねた。
「命を危険にさらすようなことを」
リディアは俯いた。
「反射的に……」
「嘘をつくな」
セドリックは彼女の顎をそっと持ち上げ、目を見つめた。
「本当の理由を教えてくれ」
リディアは深呼吸をし、ついに心の内を明かした。
「あなたを失いたくなかったから……私は……あなたを愛しているから」
セドリックの表情が和らぎ、彼は微笑んだ。
「そうか……私も同じだ」
「でも、私たちは……」
リディアは言いよどんだ。
「身分が違う?」
セドリックは静かに言った。
「私は王太子で、お前は薬師。それがどうした?」
「王国の慣習では……」
「慣習など変えればいい」
セドリックは断言した。
「私は次期国王だ。愛する女性と結婚する権利くらいある」
リディアは驚いて瞠目した。
「結婚……?」
「そうだ」
セドリックは彼女の手を取った。
「リディア・フォスター、私の妃になってくれないか?」
リディアは言葉を失った。
これは夢のようだった。
王太子の求婚……しかし、彼女の心は確かだった。
「でも、王族や貴族たちは反対するでしょう」
「彼らには説明する」
セドリックは力強く言った。
「お前は王国を救った英雄だ。そして、何より……お前は私の命の恩人であり、私の心を射止めた唯一の女性だ」
リディアの目に涙が浮かんだ。
「私には王妃としての教養も作法も……」
「それらは学べる」
セドリックは彼女を抱きしめた。
「だが、お前の誇り高さ、勇気、そして優しさは生まれながらのものだ。それこそが真の高貴さだと私は思う」
リディアはついに微笑んだ。
「はい、喜んでお受けします……セドリック」
初めて彼の名前を呼んだリディアに、セドリックは優しく口づけた。
三ヶ月後、アスティア王国は王太子と薬師の結婚式で沸いていた。
最初は異例の結婚に批判的だった貴族たちも、リディアの機知と優しさに徐々に心を開いていった。
そして何より、セドリックが彼女と共にいる時の幸せそうな表情が、彼らの心を動かした。
レオン王も最初は渋っていたが、息子の固い決意と、リディアが王国を救った功績を認め、ついに結婚を認めた。
「リディア、私の娘よ」
結婚式の日、レオン王は彼女に言った。
「あなたは身分は低くとも、その心は誰よりも高貴だ。息子を幸せにしてくれたまえ」
リディアは深々と頭を下げた。
「全力を尽くします、陛下」
結婚式は国中から祝福を受け、華やかに執り行われた。
リディアは純白のドレスに身を包み、セドリックの隣に立つと、まるで生まれながらの王妃のような威厳を放っていた。
式の最中、彼女は自分の小さな薬草店を思い出した。
あの日、王宮からの使者が訪れなければ、彼女の人生はどうなっていただろう。
運命とは不思議なものだと、彼女は思った。
「何を考えている?」
セドリックは小声で尋ねた。
「私たちの出会いについて」
リディアは微笑んだ。
「あなたの病が私たちを結びつけた皮肉について」
セドリックも微笑み返した。
「最悪の事態から最高の幸せが生まれた。これも運命だろう」
結婚から一年後、リディアは王妃としての役割を見事に果たしていた。
彼女は民間出身の強みを活かし、庶民の声に耳を傾ける政策を推進した。
また、彼女の薬の知識は王国の医療制度を大きく改善し、民衆の健康状態を向上させた。
彼女は宮廷で最初の困難な時期を乗り越え、今では王国で最も敬愛される人物の一人となっていた。
貴族たちも彼女の知恵と公正さを認め、尊敬の念を抱くようになった。
ある日、リディアが王宮の自分の薬草園で働いていると、セドリックが訪ねてきた。
「まだ薬師の仕事を続けているのか」
セドリックは微笑みながら彼女に近づいた。
「一度薬師は、生涯薬師です」
リディアは植物の葉を優しく撫でながら答えた。
「これは私の本質ですから」
セドリックは彼女を後ろから抱きしめた。
「それこそが私がお前を愛する理由だ。決して自分を見失わない強さと誇り」
リディアは夫の腕の中で身を翻し、彼を見上げた。
「私たちの物語は、本当に童話のようですね」
「いや」
セドリックは頭を振った。
「童話よりも素晴らしい。なぜなら、これは真実の愛の物語だからだ」
彼らは互いを見つめ、笑みを交わした。
誇り高き薬師と王太子の恋は、すべての障害を乗り越え、そして今、二人は共に輝かしい未来へと歩みを進めていた。
風が薬草園を抜け、花々の甘い香りを運んでいった。
王国の歴史に新たな章が始まろうとしていた。
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