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炎に寄り添う水の温もり
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夜が深まり、エリシア王国の国境近くに広がる平原に、騎士団の野営地が設けられた。篝火が赤々と燃え、兵士たちの低い話し声が響く。ミリアは白いローブに身を包み、馬車から降りてあたりを見回した。初めて見る戦場の気配に、彼女の胸は不安で締め付けられた。
「こっちだ、巫女」
ダリウスの声が鋭く響き、ミリアは彼の背中を追った。赤銅色の髪が篝火に照らされ、鎧の炎の紋章が不気味に光る。彼は地図を広げた卓に近づき、騎士たちに指示を飛ばしていた。
「カルディア軍は夜明けに村を襲う。斥候の報告だと、数は三百。俺たちが迎え撃つ。お前は後方で水を操れ」
ミリアは地図に目を落とし、小さく頷いた。村を守るためなら、と決めたはずなのに、手が震える。ダリウスが彼女の様子に気づき、眉を寄せた。
「怯むな。敵を殺せとは言わん。足止めでいい」
「分かってます。でも……うまくできるか」
「できなきゃ死ぬだけだ」
ダリウスの冷たい言葉に、ミリアは唇を噛んだ。彼の瞳には苛立ちが浮かんでいるが、その奥に何か別の感情がある気がした。彼女は目を逸らし、ローブの袖を握り締めた。
夜が明け、戦が始まった。カルディア軍の兵士たちが叫び声を上げ、平原を駆ける。ダリウスが剣を抜き、炎を放つと、赤い火柱が敵の前線を焼き払った。ミリアは後方で息を整え、両手を広げた。彼女の周りに青い光が集まり、空気が湿気を帯びる。
「水よ、お願い……」
ミリアの祈りに応えるように、地面から水が湧き上がり、敵の足元を泥濘に変えた。馬が足を取られ、カルディア軍の動きが鈍る。だが、ダリウスの炎が勢いを増し、村の畑にまで燃え移りそうになった。
「ダリウス、火が!」
ミリアが叫ぶと、彼が振り返る。彼女は水を呼び、炎の上に雨を降らせた。火がシュウシュウと音を立てて消え、ダリウスが一瞬目を丸くした。
「余計なことを……いや、悪くない」
彼は小さく呟き、再び剣を振るう。ミリアの水が敵を足止めし、ダリウスの炎が決定的な打撃を与える。二人の力が噛み合い、カルディア軍は混乱に陥った。やがて敵は退却し、村は守られた。
戦後、騎士団が野営地に戻ると、ミリアは疲れ果てて地面に座り込んだ。ダリウスが近づき、彼女を見下ろした。
「お前、意外とやるな。初めてにしては上出来だ」
「ありがとう……でも、怖かった」
ミリアが膝を抱えると、ダリウスは一瞬言葉に詰まり、彼女の隣に腰を下ろした。篝火が二人の顔を照らし、静寂が訪れる。ミリアが小さく尋ねた。
「ダリウスは怖くないの? いつも戦ってるみたいだけど」
「慣れただけだ。怖がる暇があったら剣を振る」
彼の声は淡々としていたが、どこか硬い。ミリアは彼の瞳を見た。鋭いけれど、寂しげだ。彼女は勇気を振り絞って聞いた。
「どうしてそんなに戦うの? 騎士団長なら、もっと楽に暮らせそうなのに」
ダリウスが目を細め、篝火を見つめた。長い沈黙の後、彼は口を開いた。
「……昔、家族を火事で失った。俺が村にいた時だ。炎が全てを飲み込んで、助けられなかった。あの日から、神も運命も信じなくなった。俺にはこの炎しかない。それで守れるなら、戦うだけだ」
ミリアは息を呑んだ。彼の言葉には深い傷が滲んでいた。彼女は膝に置いた手を握り、静かに言った。
「水は癒すものだよ。私にはそう教えられてきた。あなたの炎も、誰かを守るなら、きっと温かいものになる。癒しが届けばいいのにって思う」
ダリウスが彼女を振り返る。ミリアの青い瞳は真っ直ぐで、篝火の光を映していた。彼の胸が小さく揺れたが、すぐに目を逸らし、立ち上がった。
「癒しなんて要らん。俺は戦うだけだ。お前は休め。明日はもっと厳しいぞ」
彼が背を向け、テントに向かう。ミリアは彼の背中を見送り、心の中で呟いた。
「でも、あなたの瞳、寂しそうだったよ」
夜が更け、星空が野営地を包んだ。ミリアは毛布にくるまり、眠りに落ちる。夢の中で、炎と水が交じり合い、奇妙な調和を描いていた。
翌日、騎士団は次の村へ向かった。カルディア軍の動きが激しくなり、斥候が新たな襲撃を報告する。ダリウスはミリアを呼び、再び共闘を命じた。今度は川沿いの村で、敵の数が前回の倍だ。ミリアは緊張しながらも、彼の隣に立つ。
戦が始まると、ダリウスの炎が川辺を焦がし、ミリアの水が敵を押し流す。二人の連携は昨日よりスムーズで、騎士たちも驚きの声を上げた。だが、敵の弓兵がミリアを狙い、矢が彼女の肩をかすめる。血が滲み、ミリアが膝をつくと、ダリウスが叫んだ。
「下がれ!」
彼が炎を放ち、弓兵を焼き払う。ミリアは肩を押さえながら立ち上がり、水で敵の動きを抑えた。戦が終わり、ダリウスが彼女に近づく。
「怪我は?」
「少しだけ。大丈夫」
ミリアが笑うと、ダリウスは眉を寄せた。
「笑うな。無茶をするなって言っただろ」
「でも、村を守れたよ。一緒に」
その言葉に、ダリウスは目を逸らし、小さく頷いた。彼の苛立ちは薄れ、代わりに何か温かいものが胸に芽生えていた。ミリアもまた、彼の強さに隠れた優しさを感じていた。
夜の野営地で、二人は再び篝火の前に座った。ミリアが肩の傷を水で癒すと、ダリウスが静かに言った。
「お前の水、確かに役に立つ。癒しだけじゃないな」
「あなたの炎も、ただ怖いだけじゃないよ。守る力だね」
二人の視線が交わり、初めて笑みが浮かんだ。星空の下で、炎と水の間に小さな理解が生まれた。
「こっちだ、巫女」
ダリウスの声が鋭く響き、ミリアは彼の背中を追った。赤銅色の髪が篝火に照らされ、鎧の炎の紋章が不気味に光る。彼は地図を広げた卓に近づき、騎士たちに指示を飛ばしていた。
「カルディア軍は夜明けに村を襲う。斥候の報告だと、数は三百。俺たちが迎え撃つ。お前は後方で水を操れ」
ミリアは地図に目を落とし、小さく頷いた。村を守るためなら、と決めたはずなのに、手が震える。ダリウスが彼女の様子に気づき、眉を寄せた。
「怯むな。敵を殺せとは言わん。足止めでいい」
「分かってます。でも……うまくできるか」
「できなきゃ死ぬだけだ」
ダリウスの冷たい言葉に、ミリアは唇を噛んだ。彼の瞳には苛立ちが浮かんでいるが、その奥に何か別の感情がある気がした。彼女は目を逸らし、ローブの袖を握り締めた。
夜が明け、戦が始まった。カルディア軍の兵士たちが叫び声を上げ、平原を駆ける。ダリウスが剣を抜き、炎を放つと、赤い火柱が敵の前線を焼き払った。ミリアは後方で息を整え、両手を広げた。彼女の周りに青い光が集まり、空気が湿気を帯びる。
「水よ、お願い……」
ミリアの祈りに応えるように、地面から水が湧き上がり、敵の足元を泥濘に変えた。馬が足を取られ、カルディア軍の動きが鈍る。だが、ダリウスの炎が勢いを増し、村の畑にまで燃え移りそうになった。
「ダリウス、火が!」
ミリアが叫ぶと、彼が振り返る。彼女は水を呼び、炎の上に雨を降らせた。火がシュウシュウと音を立てて消え、ダリウスが一瞬目を丸くした。
「余計なことを……いや、悪くない」
彼は小さく呟き、再び剣を振るう。ミリアの水が敵を足止めし、ダリウスの炎が決定的な打撃を与える。二人の力が噛み合い、カルディア軍は混乱に陥った。やがて敵は退却し、村は守られた。
戦後、騎士団が野営地に戻ると、ミリアは疲れ果てて地面に座り込んだ。ダリウスが近づき、彼女を見下ろした。
「お前、意外とやるな。初めてにしては上出来だ」
「ありがとう……でも、怖かった」
ミリアが膝を抱えると、ダリウスは一瞬言葉に詰まり、彼女の隣に腰を下ろした。篝火が二人の顔を照らし、静寂が訪れる。ミリアが小さく尋ねた。
「ダリウスは怖くないの? いつも戦ってるみたいだけど」
「慣れただけだ。怖がる暇があったら剣を振る」
彼の声は淡々としていたが、どこか硬い。ミリアは彼の瞳を見た。鋭いけれど、寂しげだ。彼女は勇気を振り絞って聞いた。
「どうしてそんなに戦うの? 騎士団長なら、もっと楽に暮らせそうなのに」
ダリウスが目を細め、篝火を見つめた。長い沈黙の後、彼は口を開いた。
「……昔、家族を火事で失った。俺が村にいた時だ。炎が全てを飲み込んで、助けられなかった。あの日から、神も運命も信じなくなった。俺にはこの炎しかない。それで守れるなら、戦うだけだ」
ミリアは息を呑んだ。彼の言葉には深い傷が滲んでいた。彼女は膝に置いた手を握り、静かに言った。
「水は癒すものだよ。私にはそう教えられてきた。あなたの炎も、誰かを守るなら、きっと温かいものになる。癒しが届けばいいのにって思う」
ダリウスが彼女を振り返る。ミリアの青い瞳は真っ直ぐで、篝火の光を映していた。彼の胸が小さく揺れたが、すぐに目を逸らし、立ち上がった。
「癒しなんて要らん。俺は戦うだけだ。お前は休め。明日はもっと厳しいぞ」
彼が背を向け、テントに向かう。ミリアは彼の背中を見送り、心の中で呟いた。
「でも、あなたの瞳、寂しそうだったよ」
夜が更け、星空が野営地を包んだ。ミリアは毛布にくるまり、眠りに落ちる。夢の中で、炎と水が交じり合い、奇妙な調和を描いていた。
翌日、騎士団は次の村へ向かった。カルディア軍の動きが激しくなり、斥候が新たな襲撃を報告する。ダリウスはミリアを呼び、再び共闘を命じた。今度は川沿いの村で、敵の数が前回の倍だ。ミリアは緊張しながらも、彼の隣に立つ。
戦が始まると、ダリウスの炎が川辺を焦がし、ミリアの水が敵を押し流す。二人の連携は昨日よりスムーズで、騎士たちも驚きの声を上げた。だが、敵の弓兵がミリアを狙い、矢が彼女の肩をかすめる。血が滲み、ミリアが膝をつくと、ダリウスが叫んだ。
「下がれ!」
彼が炎を放ち、弓兵を焼き払う。ミリアは肩を押さえながら立ち上がり、水で敵の動きを抑えた。戦が終わり、ダリウスが彼女に近づく。
「怪我は?」
「少しだけ。大丈夫」
ミリアが笑うと、ダリウスは眉を寄せた。
「笑うな。無茶をするなって言っただろ」
「でも、村を守れたよ。一緒に」
その言葉に、ダリウスは目を逸らし、小さく頷いた。彼の苛立ちは薄れ、代わりに何か温かいものが胸に芽生えていた。ミリアもまた、彼の強さに隠れた優しさを感じていた。
夜の野営地で、二人は再び篝火の前に座った。ミリアが肩の傷を水で癒すと、ダリウスが静かに言った。
「お前の水、確かに役に立つ。癒しだけじゃないな」
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