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シェイドと落ち合う手前でヴィクトリアと別れた。
「ミスティ! 無事に再会出来て嬉しいよ!」
「シェイド、心配をかけてすまなかった」
謝罪すると、シェイドは少し驚いた表情を見せた。
「どうしたんだ?」
「いや、いつもなら "不死身を心配するな" って言うだろう?」
「ああ……そうだったな……」
シェイドもまた、地味なツナギ姿になっている。
最初は疑問に感じたが、レフュージの大修道院が見えてきた辺りで腑に落ちた。
要は、そこで働く引退騎士たちが、その服装で労働に従事していたからだ。
ミスティはヴィクトリアから渡された身分証を出し、シェイドに渡す。
「じゃあ僕は、二階の魔導データルームに」
「うん。僕は地下の保存庫だ。……そういえば、ダスクと連絡は取れたのか?」
「いや。一応きみがヴァルハラに保護されたことと、レフュージに潜入することは、暗号通信で送っておいたけど、返信はなしだ」
「そうか……。とにかく、行こう」
辺りは夕暮れている。
この時間を選んだのは、昼夜交代制の勤務が切り替わるタイミングだからだ。
二人は騎士たちに紛れ、研究棟の中へと入っていった。
シェイドは魔導エレベーターに乗り込み、さり気なく職員たちとともに二階へ。
ミスティは集団から離れ、人気のない非常階段へと進んだ。
潜入前にヴィクトリアに教えられた通り、棟内は監視カメラが至る所に設置されていた。
だが、それらの監視網をくぐり抜けるための手順もまた、ヴィクトリアから伝授されている。
ほんの一瞬の "影" に紛れるだけで、警備の目をすり抜けることは可能だった。
保存庫の入口は、渡された偽装身分証をかざすとすんなりと開いた。
中に入ると、暗かった屋内に明かりが灯る。
──血液サンプルと言っても、大量ではないはずだ。
ならば、ひっそり運べる程度の小さなケースに収められているだろうと想像していた。
──冷凍室の一番奥、魔導ロックが掛かった特別な保存庫と聞いていたが……。
冷気の中に立ちすくんだまま、ミスティは僅かに眉をひそめる。
──どうして、保存庫の奥に "部屋" がある?
ヴィクトリアの説明から、いわゆる "金庫" 程度のものをイメージしていた。
だが実際に目の前に現れたのは、まるで冷凍倉庫の奥に作られた "別の研究室" のようだった。
人が出入りするための扉が設けられている。
それは "中に、何かがある" ことの明確な証だ。
驚きを覚えつつも、ここで引き返すわけにはいかない。
ミスティは扉に近付くと、ミーミル製の偽装手袋をはめて、魔力認証の石板にそっと触れる。
浮遊城にもあった、決まった魔力パターンでのみ開く扉は、人間の技術では、現状、最高セキュリティの魔導ロックなのだが。
──こんなに簡単に突破出来るのか……。
そもそもネクシオンであるミスティの魔力は、魔人に近いパターンをしている。
だがミーミルから渡されたこの手袋は、本人の持つ魔力パターンを、石板に登録されているパターンに偽装できるものなのだ。
音もなくロックが外れ、扉は静かにスウッと開く。
踏み込んだ瞬間、ミスティはギョッとした。
「ミスティ! 無事に再会出来て嬉しいよ!」
「シェイド、心配をかけてすまなかった」
謝罪すると、シェイドは少し驚いた表情を見せた。
「どうしたんだ?」
「いや、いつもなら "不死身を心配するな" って言うだろう?」
「ああ……そうだったな……」
シェイドもまた、地味なツナギ姿になっている。
最初は疑問に感じたが、レフュージの大修道院が見えてきた辺りで腑に落ちた。
要は、そこで働く引退騎士たちが、その服装で労働に従事していたからだ。
ミスティはヴィクトリアから渡された身分証を出し、シェイドに渡す。
「じゃあ僕は、二階の魔導データルームに」
「うん。僕は地下の保存庫だ。……そういえば、ダスクと連絡は取れたのか?」
「いや。一応きみがヴァルハラに保護されたことと、レフュージに潜入することは、暗号通信で送っておいたけど、返信はなしだ」
「そうか……。とにかく、行こう」
辺りは夕暮れている。
この時間を選んだのは、昼夜交代制の勤務が切り替わるタイミングだからだ。
二人は騎士たちに紛れ、研究棟の中へと入っていった。
シェイドは魔導エレベーターに乗り込み、さり気なく職員たちとともに二階へ。
ミスティは集団から離れ、人気のない非常階段へと進んだ。
潜入前にヴィクトリアに教えられた通り、棟内は監視カメラが至る所に設置されていた。
だが、それらの監視網をくぐり抜けるための手順もまた、ヴィクトリアから伝授されている。
ほんの一瞬の "影" に紛れるだけで、警備の目をすり抜けることは可能だった。
保存庫の入口は、渡された偽装身分証をかざすとすんなりと開いた。
中に入ると、暗かった屋内に明かりが灯る。
──血液サンプルと言っても、大量ではないはずだ。
ならば、ひっそり運べる程度の小さなケースに収められているだろうと想像していた。
──冷凍室の一番奥、魔導ロックが掛かった特別な保存庫と聞いていたが……。
冷気の中に立ちすくんだまま、ミスティは僅かに眉をひそめる。
──どうして、保存庫の奥に "部屋" がある?
ヴィクトリアの説明から、いわゆる "金庫" 程度のものをイメージしていた。
だが実際に目の前に現れたのは、まるで冷凍倉庫の奥に作られた "別の研究室" のようだった。
人が出入りするための扉が設けられている。
それは "中に、何かがある" ことの明確な証だ。
驚きを覚えつつも、ここで引き返すわけにはいかない。
ミスティは扉に近付くと、ミーミル製の偽装手袋をはめて、魔力認証の石板にそっと触れる。
浮遊城にもあった、決まった魔力パターンでのみ開く扉は、人間の技術では、現状、最高セキュリティの魔導ロックなのだが。
──こんなに簡単に突破出来るのか……。
そもそもネクシオンであるミスティの魔力は、魔人に近いパターンをしている。
だがミーミルから渡されたこの手袋は、本人の持つ魔力パターンを、石板に登録されているパターンに偽装できるものなのだ。
音もなくロックが外れ、扉は静かにスウッと開く。
踏み込んだ瞬間、ミスティはギョッとした。
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