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16.結末
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ミスティとクリスを救出したエルドは、二人をブリュンヒルデへと連れて行った。
レフュージの敷地は、もとは王家の狩猟地として使われていた、広大な丘陵地帯である。
表向きは研究棟や病院施設といった平和利用の建物が点在しているが──
その地下では、この50年、死者蘇生のためのあらゆる実験が繰り返されてきた。
眉唾物の言い伝えから、魔導科学に基づく怪しげな方法まで、少しでも足がかりがあれば、そのための専用施設を地下に新設し、50年の歳月を掛けて拡張してきたのだ。
結果、地下の研究区画は、アリの巣穴のごとく複雑に広がっていた。
さらに、それぞれが異なる時代や理論体系のもとに建てられていたため、整備基準も安全対策も統一されていない。
そもそもこの施設群にとって、火災など "証拠を消すための好都合な現象" でしかなかった。
当然、消火システムなど備えられているはずもなく、延焼は加速度的に広がっていった。
火災の一報を受け、施設内で暮らしていた元・騎士たち──つまりは、レフュージの真の目的を知らない者たちは、地下にある施設の存在など知る由もない。
よって、通常の手順での消火活動にあたっていた。
しかし次々と "関係ないはずの棟" から延焼の報が相次ぎ、現場はたちまち混乱に陥った。
みるみる火の手が広がり、人々は成すすべもなく逃げ惑っていたが。
そこに上空から、ヴァルハラの空挺母艦 "ブリュンヒルデ号" を筆頭に、ワルキューレシリーズの救援部隊が現れた。
森の誓約によって、戦場以外で命が危険にさらされた時に現れる。
人間が野人などと呼称し蔑んでいても、生命である限り平等に扱う森人。
その機影を見た時に、その場にいた全員が「この混乱に、希望の天使が現れた」と、そう感じたに違いない。
ブリュンヒルデで現場に降り立ったエルドとフィルは、ミーミルの指揮の元、火に巻かれた人々の救出と、ミスティの捜索に向かった。
ヴァルハラの装備には、生命や魔力を探知する "魔導探知網" がある。
そして、ミスティの魔力は、ネクシオンで有るがゆえに人間のそれとは違う。
それにより、エルドはミスティの居場所を正確に把握できたのだ。
「無事でしたか! ……えっ? クリス?」
ブリュンヒルデには、シェイドも同行していた。
「すまん。俺がダスクのふりをしていた」
「じゃあ、ダスクは……?」
「ああ、大丈夫。ダスクは別の任務で、潜入捜査中だ。ルミナリアとレフュージの繋がりを洗ってる。俺は仕込みの時間が足りなかったから、ダスクの名前を又借りしたのさ」
「生きてるんですか?」
「当然!」
シェイドは、ホッと胸をなでおろした。
「でも、浮遊城の自爆に、最後まで残っていたんですよね? どうして無事だったんですか?」
「そりゃ、ミスティを運んだ偽棺筐で脱出したのさ」
「待ってください。クレイドルは傷病者を運ぶために、微力の浮遊術が付いてますが、浮遊城から地上まで落ちて、無事でいられないでしょう?」
「中身が序列2位の蒼穹の騎士じゃなけりゃな」
クリスはウィンクをする。
唖然となったシェイドは、しかしすぐに呆れた笑顔になった。
「それも閃光の騎士様の計画だったんですか? でもひどいなぁ! 僕は秘書も兼ねていたのに、なにも教えてもらえないなんて!」
「敵を欺くには、まず味方から……は、グリント様の得意な作戦の一つだろう」
ニヤリと笑ったクリスは、以前に同じようにグリントに騙されたことがあるのを、シェイドには黙っていた。
レフュージの敷地は、もとは王家の狩猟地として使われていた、広大な丘陵地帯である。
表向きは研究棟や病院施設といった平和利用の建物が点在しているが──
その地下では、この50年、死者蘇生のためのあらゆる実験が繰り返されてきた。
眉唾物の言い伝えから、魔導科学に基づく怪しげな方法まで、少しでも足がかりがあれば、そのための専用施設を地下に新設し、50年の歳月を掛けて拡張してきたのだ。
結果、地下の研究区画は、アリの巣穴のごとく複雑に広がっていた。
さらに、それぞれが異なる時代や理論体系のもとに建てられていたため、整備基準も安全対策も統一されていない。
そもそもこの施設群にとって、火災など "証拠を消すための好都合な現象" でしかなかった。
当然、消火システムなど備えられているはずもなく、延焼は加速度的に広がっていった。
火災の一報を受け、施設内で暮らしていた元・騎士たち──つまりは、レフュージの真の目的を知らない者たちは、地下にある施設の存在など知る由もない。
よって、通常の手順での消火活動にあたっていた。
しかし次々と "関係ないはずの棟" から延焼の報が相次ぎ、現場はたちまち混乱に陥った。
みるみる火の手が広がり、人々は成すすべもなく逃げ惑っていたが。
そこに上空から、ヴァルハラの空挺母艦 "ブリュンヒルデ号" を筆頭に、ワルキューレシリーズの救援部隊が現れた。
森の誓約によって、戦場以外で命が危険にさらされた時に現れる。
人間が野人などと呼称し蔑んでいても、生命である限り平等に扱う森人。
その機影を見た時に、その場にいた全員が「この混乱に、希望の天使が現れた」と、そう感じたに違いない。
ブリュンヒルデで現場に降り立ったエルドとフィルは、ミーミルの指揮の元、火に巻かれた人々の救出と、ミスティの捜索に向かった。
ヴァルハラの装備には、生命や魔力を探知する "魔導探知網" がある。
そして、ミスティの魔力は、ネクシオンで有るがゆえに人間のそれとは違う。
それにより、エルドはミスティの居場所を正確に把握できたのだ。
「無事でしたか! ……えっ? クリス?」
ブリュンヒルデには、シェイドも同行していた。
「すまん。俺がダスクのふりをしていた」
「じゃあ、ダスクは……?」
「ああ、大丈夫。ダスクは別の任務で、潜入捜査中だ。ルミナリアとレフュージの繋がりを洗ってる。俺は仕込みの時間が足りなかったから、ダスクの名前を又借りしたのさ」
「生きてるんですか?」
「当然!」
シェイドは、ホッと胸をなでおろした。
「でも、浮遊城の自爆に、最後まで残っていたんですよね? どうして無事だったんですか?」
「そりゃ、ミスティを運んだ偽棺筐で脱出したのさ」
「待ってください。クレイドルは傷病者を運ぶために、微力の浮遊術が付いてますが、浮遊城から地上まで落ちて、無事でいられないでしょう?」
「中身が序列2位の蒼穹の騎士じゃなけりゃな」
クリスはウィンクをする。
唖然となったシェイドは、しかしすぐに呆れた笑顔になった。
「それも閃光の騎士様の計画だったんですか? でもひどいなぁ! 僕は秘書も兼ねていたのに、なにも教えてもらえないなんて!」
「敵を欺くには、まず味方から……は、グリント様の得意な作戦の一つだろう」
ニヤリと笑ったクリスは、以前に同じようにグリントに騙されたことがあるのを、シェイドには黙っていた。
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