My Sweet Teddy bear

琉斗六

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 翌朝、俺はレンの腕の中で目を覚ました。

「おはよう。よく眠れたみたいだな」
「ん…?」

 顔を上げると、レンと目があった。
 近付いてくる唇に、俺は目を閉じて応える。

「起きれるか?」

 問われて、俺は身体を起こそうとしたけれど、どうにも力が入らない。

「うん、良いよ。無理しなくても。…昨日は、シノさんがあんまり可愛いから、調子に乗りすぎた」
「だから、途中でやめろって言ったのに。どうすんだよ、スタジオ行かなきゃ…」
「大丈夫、シノさんが寝てる間にショーゴさんに電話して午後から行くって言ってあるから」

 レンは身体を起こすと、側のローブを羽織ってベッドを降りていく。

「ショーゴ、なんか言ってた?」
「バカって言われた」
「チェッ」

 俺は、広いベッドの上にある枕を集めて、どうにか身体だけは起こした。

「メシ、適当なんで良いだろ?」

 キッチンとおぼしき方向から、レンの声。

「うん、良いよ。別になんでも」

 上の空で答えを返し、俺はそこにあった煙草に火をつけて、ぼんやりと天井を見上げた。
 罪の意識、なんてモノは無い。
 誘ってきたのはレンで、俺じゃない。
 確かに俺は、レンの下心を知っていたけれど。
 しかしこうなってしまった理由の大半は、帰って来ないハルカにあるのだから。
 俺に非があるワケが無い。
 それにしても、翌日腰が立たなくなるなんて、久しく無かった事だ。
 ハルカ以外の人間との行為で、レン以上に俺の方が調子に乗りすぎたのかもしれない。
 考えてみれば、ハルカが俺に「大丈夫」と言ってくれたあの時から、俺はハルカ以外の人間に身体を開いていないのだ。
 部屋にハルカが必ず居てくれるという安心感から、俺は当然、誰かを誘うという行動に出ていなかった。
 しかし、それ以前は俺が声をかけなくっても、結構どこかしらから誘われたりもしていたように思う。
 とすると、レンの言っていた『ハルカのガード』ってヤツは、冗談ではなかったのだろうか?
 セックスなんて、たかがセックスだろうに…。
 生理的欲求を処理する為の行為であって、大した意味もありゃしない。
 それにそんなに拘って、一体なんだと言うんだろう?
やっぱり俺には、ハルカという人間が良く解らない。
 それにしても。
 何となく面倒くさかったのも手伝って、こんな風にレンの所に泊まってしまったが。
 もしかしてハルカが戻ってきた時、モメるのか?
 それを考えたら、俺は少しだけウンザリした。
 レンは、いつものテディベア達と違って事ある毎に顔を合わす、バンドのメンバーだ。
 帰ってきたハルカが気付かなかったら、ハルカの神経の方が事切れてるって位に、多分この状況は隠しようがない。
 そして俺自身、隠すつもりもなかった。
 無駄な努力なんて、しないに越した事はないんだ。
 それに、モメたらモメたで、なるようにしかならない。
 モメ事が発生して、一番ウンザリするのはショーゴの説教だけど、それはもういつもの事だし。
 俺は煙草を灰皿に押しつけると、再び身体をベッドに潜り込ませて目を閉じてしまった。
 面倒事が巻き起こる以前から想定して何かを考えるのなんて、愚の骨頂だ。
 なってしまった事は、考えたって仕方がないのだから。
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