クロスオーバーKAGURAZAKA

琉斗六

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とある緊縛師の独白。

6.

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 初めてショーのアシスタントを彼に務めさせた日。
 あまりにもこちらの期待通りに……、否、期待以上にステージをこなした彼に、私は堪え切れずに彼を楽屋で犯した。
 楽屋と言ったところで、要するに従業員用のロッカールームだ。
 大きな声を立てれば、直ぐにも表に聞こえてしまう。
 拘束されたまま、私に声を立てるなと言いつけられた彼は、わざとより深い快感を与えようと強い刺激を加える私の責めに、命令通り声を上げず、泣きながらイカされた。
 身体をガクガクと震わせながら、追い詰められた苦しさと与えられる強すぎる刺激に泣きながら、散々焦らされた熱を放つ彼の美しさは、正に神々しかった。
 ショーは、相変わらず先に客の立候補を募る方法を取っていたが、希望者が出なかった時に数回彼を出演させたら、すっかり名乗り出るものはいなくなった。

 回を重ねる毎に、彼はステージのノウハウを覚え、自ら ”いかに美しく縛られるか” を考案してくる。
 そんな風に言うと、なんだか酷いナルシストのように聞こえるが、彼のそれは自分の美醜は全く考えておらず、縄の位置や一本一本をいかにきちんと揃えて縛るかだの、結び目の位置やら、縄を打つ部位やらを、実に綿密に考えて、図解付きの計画書まで作ってくる。
 その、どこかズレた熱意に、本当は私を笑わせようとしているのかと思ったほどだ。
 ステージを引き受けてから今まで、ショーを楽しんだ事などほとんど無かったが。
 彼は私までも、心底楽しませてくれる。

 サクリファイスで海獣に供されるアンドロメダ姫の如く、両腕と両足を大きく広げた姿で拘束された彼の窄みに、くだんのやたらに長さのあるバイブレーターを突き立てる。
 もちろんその日の ”綿密な打ち合わせ” の中に、そんな項目は無い。
 だが、こうした予定に無い唐突な行動であっても、彼は無様な悲鳴など上げたりはしない。
 常連の一部は、私が彼に対して手を抜いていると疑ったが、そうした飛び入りの客が無茶な責めを行っても、彼は見事に耐え抜いた。
 店では、彼が責め苦に耐え切れずに悲鳴を上げるかどうかが、賭けの対象にまでなったほどだ。
 ローションをたっぷり塗りつけたバイブレーターを、彼は客の前で取り落とすような失態をしたりしない。
 そんな ”アクシデント” をも耐えて、更に決められたプレイをこなす彼の姿に、客は大喜びだった。
 唯一、彼が苦手にしているプレイは、スパンキングだ。
 それすらも、彼は悲痛な叫びを喉の奥に無理矢理抑えこんでみせたが、トラウマを猛烈に刺激されるそのプレイだけは、ガラス細工のような瞳に涙を溢れさせる。
 しかし、その嗜虐心を大いにそそってくれる涙に、客は更に盛り上がるのだった。
 彼の痛々しさと妖艶さのないまぜになった色香に、客だけでなく私もいつしか酔いしれていた。

「今日も、とても良かったよ」

 オフィスに戻ったところで、彼の身体を覆っていた薄衣を剥ぎ取る。
 初日は堪え切れずに楽屋で犯してしまったが、あんな場所で彼を抱いていたら、いつか必ず誰かの目に触れてしまう。
 SMショーの演目ならともかく、私に抱かれている時の彼の可憐な様子を、他の誰かに見せるなんてとんでもない。
 なので、ショーの前にオフィスで金属製のリングカフと貞操具を装着させ、薄衣を一枚羽織らせてほぼ全裸の身体を隠し、そのまま店に出掛け、ショーが終わったら同じように薄衣で緊縛している縄を隠してオフィスに戻るようにしていた。
 もちろん、公道で薄衣を履いだら犯罪になるが、そんな布切れ一枚で隠されている状況は、性的興奮を煽ったし、移動中に彼の耳元で意地の悪い言葉攻めをする事で更に彼を追い詰める事が出来た。

「ステージでいっぱいイイコトしてもらったのに、リングでイケなくて辛かっただろう? 淫乱なキミの事だ、本当は皆の衆目の中で、はしたなくイキまくりたかったろうにね」
「そんな事はありません!」
「隠さなくて良いよ。ここには残念ながら私しかいないけれど、キミのはしたない様子を全部見ててあげるから」

 最初のうちはエナメルのボンデージを着せていたけれど、ある程度、彼が緊縛される事に慣れたところで、基本的に縄と貞操具以外の装着はするのを止めた。
 確かに黒のエナメルボンデージを着せていると、彼の白い肌が際立って見えるが、しかし彼のこのほっそりとした身体つきと、不思議に漂う色香の艶かしさは、着衣が少ないほどに際立つのだ。
 リングカフと金属製の貞操具で性器を拘束され、手塩にかけて磨きぬめぬめと黒光りしている縄で身体の自由を奪われている彼の姿は、それだけで嗜虐心をそそる。
 ステージでは、黒い布で目隠しをしているが、このオフィスではそれすらも取り払う。
 苦悶の表情を浮かべる彼の顔を、あんなつまらない布で覆い隠す必要など無い。

「さあ、ちゃんとまっすぐ立ちなさい。私に良く見えるように……ほら」

 そう命じられてしまったら、彼には逆らう選択肢は無い。
 後ろ手に拘束されたまま、両足を広げて背中を伸ばし、正に ”人” の字を体現するような姿勢で、ピタリと立っている。

「ふふ、やっぱりキミは淫乱だよ。ワザと嫌がったりして、私の気を惹こうとしているんだね。でも、本音は恥ずかしい姿を見られたいんだろう? ステージで使ったあのバイブ、挿れてあげるから。たくさん楽しみなさい」

 細長いバイブレーターにたっぷりローションを塗り込め、彼の窄みにいきなり乱暴に捩じ込んだ。

「んうっ!」
「乱暴にされると、たまらないんだろう? でも、裂けたら衛生管理が面倒だからね。キミは本当はローションなんて塗らずに、引き攣るように無理矢理押し込めて欲しいんだろうが、そこまでは…ねえ」

 窄みから半分はみ出したままのバイブを掴み、スイッチを探すふりをしながらわざとグリグリ動かした。

「ふうんっ」
「待ちきれないんだね。スイッチを探しているだけだよ。わざわざ、はしたなくて恥ずかしいコを楽しませてあげてる訳じゃない」
「ご…ごめんなさい…」
「酷い淫乱だよ、キミは。ちょっとの刺激も見逃さないで、全部快感にしてしまうんだからねえ」

 酷い言葉でなじりながら、私はバイブレーターのスイッチをいきなり一番強い振動でONにした。

「ひぐうっ!」

 彼の身体が、ビクッと強張る。
 しかし快感と羞恥に苛まれながらも、彼は命じられた通りの姿勢を保ち、戦慄くように震えながらも決して崩折れなかった。
 全く言葉通り、鋼の精神力を持っている。

 実を言えば、SMショーはこちらが思っていたほどには、彼にインパクトを与える事は出来なかった。
 少々ズレた熱意…と言ったが、図案入りの企画書を持って来る程度に、ステージを客観的に捉えているのが、なによりの証拠だろう。
 もしもなにがしかのインパクトを与える事が出来ていたら、トラウマを撫でられた時のように、もっと否定的な態度になっていたに違いない。
 だが、この部屋で行う、レッスンと言う名のM調教は、かなりの効果を与えられている。
 特に彼は、直に私に触れられている時よりも、こうしたオモチャで嬲られるのが、かなり堪えるように見えた。

 バイブレーターやローター、低周波治療器や、もっとあからさまなSMプレイのために開発された電気を与える道具など、そういったオモチャで無理矢理に感じさせられ、その姿を素面の私に眺められる事が、彼の羞恥を一番逆撫でるのだ。
 大鏡の前で、己の足の間から淫猥なオモチャがあからさまに見えるようにされ、後ろ手に拘束された姿を、直視するように強要されている。
 そのシチュエーションだけでも彼には耐え難いのだろう。
 必死になって感じまいとしても、無機物のオモチャは容赦のない快感を彼の身体に送り込む。
 振動で抜け落ちていくバイブレーターを留めようと力を込めれば、否応なくその振動をより強く感じる事になる。

「は…ああ……っ」

 身体のあらゆる筋肉をビクビクと引きつらせながら、彼は必死に射精を堪えている。
 その耐え難い責苦に、彼はとうとう涙を零した。

「そんなに我慢をして、いやらしいな。快感をより深く楽しみたいんだね? 悪いコだ」
「んんっ!」

 慌ててかぶりを振る彼に、私は彼の尻からバイブを引き抜いた。

「ひゃうんっ!」
「大丈夫、お預けにした訳ではないよ。でもいやらしい聖一クンがもっと楽しみたいとねだるから、サイズのもっと大きい、イボイボのたくさん付いたえげつないヤツに代えてあげようね」
「や…そんな!」

 更にグロテスクなオモチャを手に取り、私は彼の目の前にそのバイブを差し出した。

「舐めなさい」
「あ……、せんせぇ、こんなに大きいの、無理です」
「舐めなさい、聖一クン」

 びくりと身体を竦ませて、彼は恐々そのグロテスクなオモチャを舐めた。

「もっと、ちゃんと全部舐めるんだ。キミが本当は淫乱でいやらしいコだって、私は知っているんだから。隠さずたっぷり頬張りなさい」

 開かれた口の中に、その醜怪なオモチャを無理に押し込み、私はそれで彼の口腔を存分に犯した。

「そうそう。本当は大好きなんだろう? コレで体内をグリグリかき回されるのを期待して、乳首もペニスも堅く勃起してるね。じゃあ、あんまり焦らさないで、挿れてあげようね」

 辛そうに涙ぐんでいる様子に満足して、私は彼の背後に回る。

「欲しいんだろう? 身体を屈めて、お願いしなさい」

 頭を撫でながら前屈みの姿勢をとらせ、バイブレーターの先端を彼の窄みにあてがった。

「せんせぇ…、お願い…です…」
「どんなお願いかな?」

 鏡に映った彼の顔は、恐怖に怯えている。
 その様子から、彼がこの責苦から解放して欲しいと願い出たいのだと察した。
 そんな興ざめの言葉聞きたくなかったから、私は改めて彼の背中を優しくさすり、窄みにあてがったバイブレーターをピタピタと振った。

「嘘はダメだよ、聖一クン。キミの身体がどれほど淫乱ではしたないか、私はちゃんと知っているんだ。コレが欲しくてたまらないんだろう? なら、きちんとお願いしなさい」

 促され、彼は絶望的な顔になる。

「挿れて…ください…」
「大きくてイボイボのたくさん付いたヤツを、いっぱいに頬張りたいです。だろう?」

 彼はかぶりを振った。

「きちんとお願いしなさい」

 こんな物で嬲られ、無理矢理達せられる姿を視姦される羞恥など、耐え難いに違いない。
 だが、今や身体の中を狂おしいまでの熱で責め苛まされているのもまた、耐え難いだろう。
 彼は数秒の長い逡巡の後に、ようやく口を開いた。

「せんせぇ…、お…大きくてイボイボのたくさん付いた……エッチなオモチャを、私のいやらしい穴に挿れてください……っ!」
「ははは、やっぱりキミは、慎みが無いね。いやらしい穴に挿れて…なんて、そんなはしたない言葉は教えていないよ」

 カァッと顔を赤らめた彼の表情に、私は満足以上の得難い高揚感を覚えながら、彼の唾液で濡らしただけのオモチャを、ヒクヒクと震えている彼の窄みにねじ込んだ。

「あああっ!」

 身体を仰け反らせ、悲鳴と共に彼は熱を放っていた。

「おやおや? コレでたっぷり慰めてもらいなさいとは言ったけど、挿れただけでイッて良いなんて、言ったかな?」
「ご…ごめんなさ…」

 私は彼にみなまで言わさず、挿入れたばかりのバイブのスイッチを入れた。

「ひうっ!」
「姿勢を崩して良い…とも言ってないよ」
「ご…ごめんなさ…ごめんなさ…っ!」

 ブルブル震えながら、彼は健気に姿勢を戻す。
 一度、堰を切ってしまえば、堪える事はもう出来ない。
 体内に穿たれたバイブレーターは、彼の窄みを限界まで押し広げ、容赦の無い刺激を送り込み続けている。
 彼は身体を震わせて、二度、三度と続け様に射精していた。
 伸びた背筋の美しさも、華奢なうなじの繊細さも、全てのバランスが素晴らしい。

「せっかく私がご褒美をあげると言ったのに。でも、キミがわざわざ粗相をしたのは、欲しいのがご褒美じゃなくてお仕置きだからなんだろう? 淫乱ではしたない身体は、ご褒美の生温い刺激じゃ物足りないから、恥ずかしげもなくお仕置きをねだってるんだ。ちゃんと、お見通しだよ」
「ち…違います…っ!」
「見え透いた嘘を吐いて…」

 鞭を手に取り、私は彼の白い尻に赤い痕が残るように一撃を与えた。

「ひゃん!」
「ふふ、欲しかったお仕置きが貰えて、よっぽど嬉しいようだね。本当に救いようがない淫乱だ」
「ごめんなさ…、せんせぇ、ごめんなさい…。ちゃんと…ちゃんとしますから…。レッスンを…続けてくださ…んあ…あ…っ!」

 泣きながら懇願する彼は、この甘い責苦の赦しを請うのかと思いきや、その謝罪は見捨てられる恐怖に怯えたものだった。
 顎に手を掛け、私は彼にキスをした。
 必死に応えようとしているのは、なんとかして私の機嫌を取ろうとしている様にも感じられる。
 薄い舌を絡め取って、やんわりと歯を立ててやると、彼の表情はこころなしうっとりとしたように見えた。

「もちろん、レッスンをやめたりなんてしやしないさ。キミのそのはしたない身体を、ちゃんと調教するのが私の勤めだからね」

 再びバイブに手を掛けて、今までになく大きなサイズのそれを、容赦なく彼の体内で暴れさせる。

「あ! ああっ!」

 彼は、何度目かも分からない絶頂に達し、ヒクヒクと性器を震わせる。

「悪いコだね、こんなオモチャでこんなにイキまくって。本当にいやらしくてはしたない身体だ。いくらイキまくって良いと言われても、少しは遠慮や慎みがあるものだよ? この大きくてイボイボのついたご褒美が、たまらなく気持ち良くて、よほど気に入ったとみえる」
「ちが…、違います…っ!」
「じゃあ、どうしてそんなにペニスを堅くしてるんだい? イクのも何回目かな? オモチャがあれば満足なんだろう?」
「そ…、そんなんじゃなくて…」
「じゃあ、バイブの振動をもうちょっと強くしてみようか?」
「だめ!」
「なぜ? 強くされるともっと良くなって、もっといっぱいイッちゃうからかな?」
「違います!」

 私はバイブの振動を一気に最大レベルに上げた。

「ひゃああんっ!」

 ガクガクと膝を震わせ、それでも彼は同じ姿勢のまま立っていた。
 ショーのステージで吊るされたまま、イク事を許されずに散々甘い責苦を受けた身体で、彼がこの衝撃に耐え忍ぶとは思っていなかった私は、そこでバイブレーターの刺激にもう射精も出来ない性器をヒクつかせている彼に、感銘すら受けていた。

「聖一クン、隠さないで言ってごらん。本当は、バイブが大好きなんだろう?」
「ち…違いますっ!」
「違わない。はしたない淫乱で、その上、嘘吐きなのかい? バイブでこんなにイキまくってて、ローションでヌルヌルのバイブをしっかり咥えこんで離さなかったじゃないか。キミはバイブが大好きな、淫乱ではしたないマゾなんだよ」
「…バイブは……いやぁ……」
「後ろを嬲られるのが大好きなんだろう?」
「いや…だ……」
「現に、こうして後ろを犯されるだけで、イキまくっているじゃないか。キミが慎みを覚えるためには、まずはキミがはしたないド淫乱だって認めなきゃ。後ろを嬲られて、犯されるのが大好きだって、はっきり自覚をしなさい」

 意外にも、彼がどうしても同意しない事に、私は微かな苛立ちを覚えた。

「う…後ろの穴、弄られる…のは……す…好き……、好きだ…けど…バイブは、い…や…」

 彼の答えに、私はようやく合点がいった。
 つまり、彼は人肌の温もりが恋しくて、誰かに抱かれる事を肯定するのは抵抗が無い…どころか、むしろそのためなら望まぬ行為も受け入れてしまうほどに餓えているのだ。

「聖一クン。それは、バイブが好きよりもっといやらしくて、えっちで、はしたないって、解ってる?」

 私の問いに、彼は諦めたような顔で頷いた。

「わか…ってます……」
「じゃあ、ちゃんと言ってごらん。聖一クンはとってもえっちでいやらしくて、はしたない悪いコですって。先生ので、してくださいって」
「わた…私は、とてもえっちでいやらしくて、はしたない悪いコで……。せんせぇに、…て欲しくて……」
「なんだい? 聞こえないよ?」
「こんな…オモチャは……いや…。せ…せんせぇ…、せんせぇのが……ひぁあぁっ! …オモチャ…いや…ぁ」
「ダメだよ。ちゃんと全部、言わなきゃ」
「せんせぇの……欲し……っ!」

 ボロボロ泣きながら、彼は羞恥に身をよじり、私に向かって叫んだ。
 そんな言葉を口にするのは、彼にはどれほどの決意が必要か、私はこの時にはもう充分理解していた。
 散々イかされた性器は、それでもなお続く精神的な追い打ちに、ビクビク震えている。
 私は彼の身体を拘束していた縄を外し、縄目の痕が痛々しく残る白い肌を撫でた。

「欲しいのだろう?」

 髪を撫で、促すと、彼は私のスラックスの前を寛がせ、性器を薄い舌で丁寧に舐め始める。
 口淫のテクニックも、もちろん指導はしているが、彼は教わる以上に自分で研究もしているのだろう。
 思わず呻きそうになるほどだった。

「では、後ろからしてあげようね」

 四つん這いになり、尻を高く上げさせて、私は彼に奉仕されてそそり立ったペニスを、バイブレーターですっかり解された彼の窄みに当てがった。

「ああっ…! あ……っ」

 彼の尻を掴み、彼の都合も様子も構わずに、自分の快感だけを求めて突き上げる。
 彼の悲鳴が、更に私の嗜虐心をくすぐってくれた。
 輝きを持たない原石を、珠玉の宝石に磨き上げ、それを完全に手中に収めた満足感に酔いしれながら、私は彼を存分に犯した。
 本来なら相手の身体を思いやり、コンドームを使用するのが礼儀だが、今や彼は私の欲望のペットだ。
 体内に好き放題に精液を注ぎ込み、気が済むまで何度でも犯す。
 注ぎ込んだ精液が窄みから溢れ、室内に粘着質で淫猥な音が響き、彼の内腿をしとどに濡らした。
 この極上の身体を繋ぎ止めておくのに、手練手管は必要無い。
 ただ、ほんの少しの父性を滲ませた愛情を感じさせるだけで良いのだ。

「聖一クン、後ろを犯されてそんなに乱れては、はしたないよ」
「ごめ…ごめんなさ……っ!」
「仕方がないね。声を抑える努力をしなさい。キミは私にしてもらっているんだ。はしたなく腰を振るような淫乱は、バイブがお似合いだよ。もっと慎み深く、情けをかけてもらっている自覚を持ちなさい」
「せんせぇ…」

 よほどひどく責められなければ、もう簡単にはイケないほどになっているのに。
 焦らされて、私が満足するまで弄ばれても、彼はジッと声すら堪えている。
 ねちねちと乳首を捏ね、彼の身体の敏感な部分を遠回しに嬲り、決定的な刺激を与えないまま、私は何度目かの熱を彼の体内に注ぎ込んだ。
 ショーから始まって数時間、ただひたすらこちらの都合だけでイカされ続けたり、全くイク事を許されないような事を繰り返されても、彼は私に身を任せている。

「今度イッたら、今日はもうイケそうもないね?」
「は…はい…」
「聖一クンは本当にはしたないから、お行儀のレッスンなのにイキまくってしまったからね。もっと、慎みを覚えなくちゃダメだね」
「せんせぇ…」
「自分で自分のを抑えて、私が良いと言うまでイッてはいけないよ。私が終わる前にイッたら、そのはしたないキミのペニスを折檻しなければならなくなる。分かるね? 私だって、聖一クンのペニスを鞭で叩くような事は、したくないんだから」

 耳元で囁くと、彼は頬を赤らめて目を伏せた。
 こう言えば、彼は必ず私よりも先にイク。
 私の言葉の表面的な意味ではなく、その裏に隠した真意を、彼はきちんと読み取る事が出来るからだ。
 案の定、瞬く間に彼の性器から最後の一雫のような精液が溢れた。

「あ……」
「よほど、打たれたいようだ」
「せんせぇ、ごめんなさい! 勘弁してください!」
「ダメだよ、聖一クン。言っても分からないなら、身体で覚えなさい。さあ、お仕置きを受ける姿勢を取って」

 私が身体を離すと、彼は背中を綺麗に弓なりにしならせ、完璧な姿勢でブリッジをする。
 緊縛ショーで散々痛めつけられてなお、この姿勢を取れる者などそういない。
 私はバラ鞭を手に取ると、彼の性器に打撃を加えた。

「ひうんっ!」
「いけないな、聖一クン。お仕置きの時に声を上げてはいけないと、何度言い聞かせていると思うんだい?」
「ご…ごめんなさいっ!」
「悪いコだ」

 更に続けざま、鞭を三回振るう。
 彼は、必死に声を堪えた。

「お仕置きの後は、どうするんだい?」
「あ……いたらない私に、ご教示いただきまして、ありがとうございます」
「よく出来ました」

 先ほどまでの打撃よりも強く、彼の性器を鞭で叩く。

「ひうっ!」

 その痛みに、彼は意識を手放した。
 ぐったりと床に手足を広げ、髪と同じプラチナブロンドの陰毛の間から、赤く腫れた性器が覗いている。
 やや童顔で、全体に華奢な身体つきをしている彼は、こうして意識を無くしていると少年にすら見える。
 私は彼の身体を抱き上げると、バスルームに運んだ。
 少なめに湯を張ったバスタブに彼の身体を降ろし、汚れた身体を清める。

「あ……」

 身体を清めながら、未だふっくらと勃っている乳首を弄ばすと、彼は意識を取り戻した。

「気を失っていても、ここをこんなに堅くしていて、聖一クンの身体は本当に淫乱でいやらしいね。あんなに鞭でお仕置きされたのに、ペニスがもうこんなにはしたなく勃起しているし」
「ああっ…!」

 石鹸の泡で滑った手で、痛々しく腫れた性器を掴むと、彼は苦痛に顔を歪めた。

「あんなにレッスンしたのに、まだ物足りないんだね」
「ち…違いますっ!」
「明日はお勤めがお休みだから、ハメを外したいんだろう?」
「せんせぇ、私は本当にもう今夜は…」
「いやらしくてはしたない聖一クンには、私の体力では付き合いきれないな」

 実際、彼はもう今夜、これ以上の責苦には耐えられないだろう。
 しかし、私が少しばかり呆れ顔で、突き放すような言葉を口にすると、彼はたちまち狼狽えた。

「せんせぇ、ごめんなさい。私の身体が……い…いやらしくて、はした……なくて……」
「そうだね、本当にキミははしたないよ。ステージに、レッスンに、お仕置きまでしてもらって、まだ物足りないなんて。どんなに淫乱ではしたないか、自分でも分かるね?」
「は……はい……」

 痛々しい性器と乳首を、私はヌルヌルと弄ぶ。
 際限なくセックスを強要されているのに、彼はそれを全部自分の所為だと信じて疑わない。
 私はシャワーを捻り、彼と自分の身体を洗い流した。

「こちらにおいで」

 再び部屋に戻ると、私は新たなオモチャを手に取った。
 ピンポン玉くらいの大きさの球体がいくつも連なっているそれは、先頭の玉がローターになっている。
 彼は明らかにギョッとした。

「身体を屈めて、お尻をこちらに向けなさい」

 私の手元を見つめたまま凍りついている彼に、私は鞭を手に取ると彼の尻を容赦なく叩いた。

「ひうっ!」
「キミのはしたない身体に、私が付き合ってあげているんだよ? 手間をかけさせないでくれないか?」
「ご…ごめんなさい」

 彼は身を屈め、尻を突き出した。
 先頭のローターから、連なる球体を遠慮会釈なく彼の窄みにグイグイと押し込める。

「せ…せんせぇ…っ!」
「本当にいやらしい身体だね。こんなはしたないオモチャに感じて、悦んだりして」
「ち…違いますっ!」
「そんな言い訳をしても、キミの身体が悦んでるのは、一目瞭然だよ」

 圧迫感に戸惑っているのが見て取れたが、そんな事は全く無視して、言い掛かりのような説教をすると、彼は恥じ入ったように目を伏せて、理不尽な行為を甘んじて堪えた。
 長く連なっていた球体の全てを彼の体内に捩じ込み、私は乱暴にローターのスイッチを入れる。

「ひゃうんっ!」
「はしたなくよがっていないで、これを身に付けなさい」

 レザー製のボンデージを投げ渡す。
 本来なら、ボンデージを先に着用し、それからローターやらの責め具を着けていくのがセオリーだ。
 責め具で煽られている状態で、普通に身に付けるのも手間の掛かるボンデージを着るのは、至難の技だろう。
 だが、彼にとって、私に命じられた言葉は、絶対だ。
 局部だけが丸出しの、実にえげつないその服を、私がジロジロと遠慮の無い視線で見つめる中、彼は丁寧に身に付けていく。
 途中、いくつか細かいベルトやらボタンやらを扱わなければならないところで、私はローターの振動をランダムに変えた。
 その度、指先を震わせて、彼は作業を滞らせ、そうして彼がモタつくと、私は彼の尻を鞭で叩いた。
 白い肌に、黒いボンデージとガーターベルトが卑猥に際立つ。
 彼のペニスは、更に痛々しくそそり立っていた。

「今夜は泊まっていくだろう? さあ、ベッドに行こうか」

 促して、私は部屋の照明を落とし、寝室のベッドにたまらなく可愛らしいペットを連れて横たわった。
 ぴったりと寄り添わせると、彼は体内のローターの振動に、ヒクヒクと震えている。
 散々鞭を加えられたペニスも尻も、ヒリヒリと彼の神経を刺激しているに違いない。
 さりげなく背中から尻のラインを撫で回すと、痛みを耐えるように深く息を吐いた。
 私の胸元に置かれた手をぎゅうっと握りしめ、全身をフルフルと震わせている。
 私はローターのリモコンをランダムモードにセットして、腕の中で震えている可愛らしいペットの存在に満足を覚えつつ目を閉じた。
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悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

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