MAESTRO-K!

琉斗六

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ポッキーの日

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「なあ、レン。ポッキーの日って知ってっか?」
「知らない~」

 タブレットでスポーツ中継を見ていた俺は、上の空な返事で顔を上げもしなかった。

「今日、ポッキーの日なんだよ」
「そうなんだ~」

 しびれを切らしたのか、シノさんは俺の耳を掴むと、グイッと引っ張った。

「あだだだだっ!」
「ほら、ポッキー」

 シノさんは持っていたポッキーを、俺の口にとすっと挿す。
 そして、おもむろに反対側に口を寄せ、俺がどぎまぎするのを確かめてから、前歯でパキッとポッキーを折った。

「なにこれっ?!」
「ん? だって、チョコのトコしか食べたくないんじゃもん」

 けけっとシノさんは笑ったけど、これって絶対、俺がきちんと返事をしなかったコトへの仕返しだよなぁ…。
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