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●第三話 アトリエ「ファルム」、開業いたします
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壺になって帰ってきた姉。
その姉、ノーラに叱られてきっちりコップ一杯の薬湯を飲んでから約二時間。
リーシアはテーブルの上のお皿に視線を落とした。
「ねえ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
「目玉焼きって、卵と油しか使わないよね」
「基本は、そうね」
「なのにどうして何回やっても黒焦げになっちゃうのかな?」
「うーん」
普段ははきはきとものを言うノーラも、これには言葉を濁すしかなかった。
お皿の上には、真っ黒焦げにできあがった目玉焼きが載っている。しかも、それはひとつではない。テーブル一面に並べられていた。
二時間のあいだ目玉焼きに挑戦してみたが、やはりだめなようだ。
リーシアには、目玉焼きすら作る才能がない。
「火加減も間違えたりしてないのよねぇ。どうしてなのかしら」
「やっぱりアトリエ再開するのって無理なのかなぁ」
はぁ、とため息をついたリーシアに、ふとノーラが提案した。
「ね、わたしのこの壺で挑戦してみない?」
「えっ?」
「もしかしたら壺との相性なんてものもあるのかもしれないし。ほら、いまのわたしのこの壺も錬金術用の壺だし」
「そっか、壺との相性か……考えたことなかったな」
盲点だった。
確かにリーシアは、両親とノーラが使ってきた専用の壺しか試してみたことがない。
ほかに錬金術ができる工房も壺もないのだから、当たり前といっては当たり前なのだが。
「いまお姉ちゃんが憑りついてる?かもしれない壺って、お姉ちゃんが自分で作ったやつだよね?」
「そうね、錬金術で作ったやつね」
錬金術用の壺は錬金術じゃないと作れないから、とノーラ。
「でもいまはお姉ちゃんが憑りついてる?かもしれないんだよね? 使っちゃって大丈夫かな? お姉ちゃんまで素材の中に混ざっちゃったりしない?」
「たぶん大丈夫だと思うわ。さすがに混ざったりはしないでしょう、憑りついてるだけなんだから。封印されてるかもしれないとしても、壺そのものには影響ないと思うわ」
「ふむ」
いまこの壺にいちばん詳しいのは、いろんな意味でノーラだ。
そのノーラが「大丈夫」と言っているのだから、信じてみよう。
「よし、やってみる!」
元からリーシアはポジティブなほうだ。物事のだいたいは前向きに考える。
リーシアはレシピ本を片手に、卵と適量の油を「ノーラ壺」に入れた。
ノーラ壺はちいさいが、卵と少量の油くらいは入れることができた。
錬金術には、火を使用しない。素材を投入し、どんなものを完成させたいかを強く念じるだけで、あとは壺が仕上げてくれる。
逆に雑念が入ったりすると失敗する確率が多いから、錬金術は基本、ひとりでするものとされている。
少なくとも両親もノーラも、そうしていた。
リーシアも、ひとりのほうが集中できるからいつも練習でもそうしていた。
いまは姉もいる状態だが、姉は極力気配を消してくれるようにしていたし、リーシアも集中力があるほうだったからたいして気にはならない。
今回リーシアが挑戦しているのは、「すぐに力が強くなる目玉焼き」だった。
もちろん、一時的にではあるが、成功すれば筋力がアップするはずだ。
目玉焼きという簡単なものであれば五分ほどが限界だが、酒場でよく見かける力比べのときなど、よく活用されている。
腕相撲なんかや取っ組み合いというものだから、うまく目玉焼きが作用すれば一瞬でけりがつく。
目玉焼きはけっこう需要があるのだ。
まもなくして、ノーラ壺からジュージューと音がし、いい香りがしてきた。
ここまでは、いままで使っていた壺とおなじだ。
リーシアは、集中力をますます高め、強く念じ続ける。
力が強くなる目玉焼き、力が強くなる目玉焼き──
まもなくして、チン、とかわいらしい音がした。
ものが完成しましたよ、と壺が教えてくれているのだ。
ここまでも、これまでと一緒だ。
錬金術用の壺は、品物が完成すると中央部分に窯のように穴が開く。その中に仕上がったものがおさまっているのだが、錬金術師はそれを、これも専用のパーラーと呼ばれるもので取り出す。
パーラーはピザを取り出すものと一見おなじもので、フライ返しのような形をしている。
これは錬金術が使えるようになれば壺と同様にサイズを変えられるのだが、リーシアはまだそこまで到達していないので、できあがるものによっていろんなサイズを使い分けている。
壺もパーラーも錬金術でできており、魔法で仕上げがしてあるので、通常どんなことがあってもたいていは壊れたりしない。どんなに熱いものや冷たいものを取り出してもびくともしない。
ノーラ壺も中央部分が窯のように開き、できあがったものを見ることができた。
「あっ!?」
覗いてみたリーシアは、思わず声を上げていた。
心なしか、いままで作ってみた目玉焼きよりもちゃんとした色のような……!
いままでの目玉焼きはこうして覗いてみただけでも全体的に黒っぽかった。
だけどこれは黒っぽくない! どちらかといえば白っぽい!
ドキドキしながらパーラーを慎重に使って目玉焼きを取り出すと──
「できてる!」
「やったわね、リーシア!」
パーラーの上には、おいしそうに湯気が立った、食べごろの目玉焼きが焼きあがっていた。
「さ、確認してみて! ちゃんと筋力がアップするようになっているのか!」
「うん!」
リーシアは目玉焼きを新しいお皿の上に移し、ナイフとフォークを持つ。
一部分を切り取ると、中はとろとろにおいしそうな半熟だ。
ふうふうして少し冷まし、ぱくりとひと口。
目玉焼き特有の甘さがじんわりと舌を包み込む。半熟部分がとろけて舌全体を覆っているようだ。
「おいしい……! ちゃんとおいしくできてる!」
もぐもぐと咀嚼し、ごくりと飲み下す。
なんだか力がみなぎってきた気がする。
用意していた瓦十枚を、丁寧に床にセッティングする。
目玉焼きがうまくできたときのために用意していた瓦だ。
「リーシア、いきまーす!」
「割れろ、瓦!」
ノーラの声援を受け、リーシアは瓦めがけて一息に手刀を振り降ろした。
ガシャァン! バキバキバキッ!
派手な音がして、見事に瓦十枚は粉々に割れた。
それどころか、リーシアの手は床にまで穴を開けていた。
もちろん、リーシアの手には傷ひとつない。
「お姉ちゃん!」
「リーシア!」
リーシアは手を床から引っこ抜き、ノーラ壺を抱きしめた。
「やった! やったよ! お姉ちゃんのおかげで初めて錬金術、成功した!」
「いいえリーシア、あなたにはやっぱり才能があったのよ! 壺との相性が悪かっただけだったのね! いままで気づかなくてごめんなさい!」
「ううん、お姉ちゃんが気づいてくれなかったらわたしずっとそのままだったと思う! ほんとにありがとう! これでアトリエを開業できるよ!」
イメージでは笑顔で抱き合っているつもりだが、これが錬金術用の壺でなければ一時的にパワーアップしたリーシアの筋力で粉々に砕けていたに違いない。
だけど、いまのふたりにはそんなことにも気づく余裕がなかった。
うれしさと希望に満ちあふれていた。
翌朝から、アトリエ「ファルム」に看板が飾られた。
雑貨屋さんで購入した黒板の看板で、白いチョークで大きく「アトリエ『ファルム』、開業します」と書かれている。
そしてその脇にちいさく、「初心者ですががんばります! 新店主 リーシア・ウィンストン」と添え書きがされていた。
その姉、ノーラに叱られてきっちりコップ一杯の薬湯を飲んでから約二時間。
リーシアはテーブルの上のお皿に視線を落とした。
「ねえ、お姉ちゃん」
「なぁに?」
「目玉焼きって、卵と油しか使わないよね」
「基本は、そうね」
「なのにどうして何回やっても黒焦げになっちゃうのかな?」
「うーん」
普段ははきはきとものを言うノーラも、これには言葉を濁すしかなかった。
お皿の上には、真っ黒焦げにできあがった目玉焼きが載っている。しかも、それはひとつではない。テーブル一面に並べられていた。
二時間のあいだ目玉焼きに挑戦してみたが、やはりだめなようだ。
リーシアには、目玉焼きすら作る才能がない。
「火加減も間違えたりしてないのよねぇ。どうしてなのかしら」
「やっぱりアトリエ再開するのって無理なのかなぁ」
はぁ、とため息をついたリーシアに、ふとノーラが提案した。
「ね、わたしのこの壺で挑戦してみない?」
「えっ?」
「もしかしたら壺との相性なんてものもあるのかもしれないし。ほら、いまのわたしのこの壺も錬金術用の壺だし」
「そっか、壺との相性か……考えたことなかったな」
盲点だった。
確かにリーシアは、両親とノーラが使ってきた専用の壺しか試してみたことがない。
ほかに錬金術ができる工房も壺もないのだから、当たり前といっては当たり前なのだが。
「いまお姉ちゃんが憑りついてる?かもしれない壺って、お姉ちゃんが自分で作ったやつだよね?」
「そうね、錬金術で作ったやつね」
錬金術用の壺は錬金術じゃないと作れないから、とノーラ。
「でもいまはお姉ちゃんが憑りついてる?かもしれないんだよね? 使っちゃって大丈夫かな? お姉ちゃんまで素材の中に混ざっちゃったりしない?」
「たぶん大丈夫だと思うわ。さすがに混ざったりはしないでしょう、憑りついてるだけなんだから。封印されてるかもしれないとしても、壺そのものには影響ないと思うわ」
「ふむ」
いまこの壺にいちばん詳しいのは、いろんな意味でノーラだ。
そのノーラが「大丈夫」と言っているのだから、信じてみよう。
「よし、やってみる!」
元からリーシアはポジティブなほうだ。物事のだいたいは前向きに考える。
リーシアはレシピ本を片手に、卵と適量の油を「ノーラ壺」に入れた。
ノーラ壺はちいさいが、卵と少量の油くらいは入れることができた。
錬金術には、火を使用しない。素材を投入し、どんなものを完成させたいかを強く念じるだけで、あとは壺が仕上げてくれる。
逆に雑念が入ったりすると失敗する確率が多いから、錬金術は基本、ひとりでするものとされている。
少なくとも両親もノーラも、そうしていた。
リーシアも、ひとりのほうが集中できるからいつも練習でもそうしていた。
いまは姉もいる状態だが、姉は極力気配を消してくれるようにしていたし、リーシアも集中力があるほうだったからたいして気にはならない。
今回リーシアが挑戦しているのは、「すぐに力が強くなる目玉焼き」だった。
もちろん、一時的にではあるが、成功すれば筋力がアップするはずだ。
目玉焼きという簡単なものであれば五分ほどが限界だが、酒場でよく見かける力比べのときなど、よく活用されている。
腕相撲なんかや取っ組み合いというものだから、うまく目玉焼きが作用すれば一瞬でけりがつく。
目玉焼きはけっこう需要があるのだ。
まもなくして、ノーラ壺からジュージューと音がし、いい香りがしてきた。
ここまでは、いままで使っていた壺とおなじだ。
リーシアは、集中力をますます高め、強く念じ続ける。
力が強くなる目玉焼き、力が強くなる目玉焼き──
まもなくして、チン、とかわいらしい音がした。
ものが完成しましたよ、と壺が教えてくれているのだ。
ここまでも、これまでと一緒だ。
錬金術用の壺は、品物が完成すると中央部分に窯のように穴が開く。その中に仕上がったものがおさまっているのだが、錬金術師はそれを、これも専用のパーラーと呼ばれるもので取り出す。
パーラーはピザを取り出すものと一見おなじもので、フライ返しのような形をしている。
これは錬金術が使えるようになれば壺と同様にサイズを変えられるのだが、リーシアはまだそこまで到達していないので、できあがるものによっていろんなサイズを使い分けている。
壺もパーラーも錬金術でできており、魔法で仕上げがしてあるので、通常どんなことがあってもたいていは壊れたりしない。どんなに熱いものや冷たいものを取り出してもびくともしない。
ノーラ壺も中央部分が窯のように開き、できあがったものを見ることができた。
「あっ!?」
覗いてみたリーシアは、思わず声を上げていた。
心なしか、いままで作ってみた目玉焼きよりもちゃんとした色のような……!
いままでの目玉焼きはこうして覗いてみただけでも全体的に黒っぽかった。
だけどこれは黒っぽくない! どちらかといえば白っぽい!
ドキドキしながらパーラーを慎重に使って目玉焼きを取り出すと──
「できてる!」
「やったわね、リーシア!」
パーラーの上には、おいしそうに湯気が立った、食べごろの目玉焼きが焼きあがっていた。
「さ、確認してみて! ちゃんと筋力がアップするようになっているのか!」
「うん!」
リーシアは目玉焼きを新しいお皿の上に移し、ナイフとフォークを持つ。
一部分を切り取ると、中はとろとろにおいしそうな半熟だ。
ふうふうして少し冷まし、ぱくりとひと口。
目玉焼き特有の甘さがじんわりと舌を包み込む。半熟部分がとろけて舌全体を覆っているようだ。
「おいしい……! ちゃんとおいしくできてる!」
もぐもぐと咀嚼し、ごくりと飲み下す。
なんだか力がみなぎってきた気がする。
用意していた瓦十枚を、丁寧に床にセッティングする。
目玉焼きがうまくできたときのために用意していた瓦だ。
「リーシア、いきまーす!」
「割れろ、瓦!」
ノーラの声援を受け、リーシアは瓦めがけて一息に手刀を振り降ろした。
ガシャァン! バキバキバキッ!
派手な音がして、見事に瓦十枚は粉々に割れた。
それどころか、リーシアの手は床にまで穴を開けていた。
もちろん、リーシアの手には傷ひとつない。
「お姉ちゃん!」
「リーシア!」
リーシアは手を床から引っこ抜き、ノーラ壺を抱きしめた。
「やった! やったよ! お姉ちゃんのおかげで初めて錬金術、成功した!」
「いいえリーシア、あなたにはやっぱり才能があったのよ! 壺との相性が悪かっただけだったのね! いままで気づかなくてごめんなさい!」
「ううん、お姉ちゃんが気づいてくれなかったらわたしずっとそのままだったと思う! ほんとにありがとう! これでアトリエを開業できるよ!」
イメージでは笑顔で抱き合っているつもりだが、これが錬金術用の壺でなければ一時的にパワーアップしたリーシアの筋力で粉々に砕けていたに違いない。
だけど、いまのふたりにはそんなことにも気づく余裕がなかった。
うれしさと希望に満ちあふれていた。
翌朝から、アトリエ「ファルム」に看板が飾られた。
雑貨屋さんで購入した黒板の看板で、白いチョークで大きく「アトリエ『ファルム』、開業します」と書かれている。
そしてその脇にちいさく、「初心者ですががんばります! 新店主 リーシア・ウィンストン」と添え書きがされていた。
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