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41-敵味方
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社務所に戻って。食事を摂りもう一度風呂を浴びて布団に入って。
そうやって夜のルーティンをこなしても、いつまでたっても陽向は眠れなかった。
一日が濃厚過ぎた。
花桃の拒絶、拒否に伴い上がった杼ねの後代候補となる人間の名前。
文字にしてみればたったそれだけなのに、何もかもが全部陽向の心に圧し掛かった。
頭が破裂しそうにいたい。
心臓が鼓動を嫌がるほどに早鐘を打つ。
全てが陽向のせいだと責めさいなむ。
震える身体を抱きしめて、目だけ閉じて布団をかぶって。
そうしている間に夜が明けていた。
一睡もできないまま朝のルーティン開始のアラームを聞いたのは、人生で初めてのことだった。
布団を出て、嫌がる身体を無理に動かして水を浴びて。そんな気分だからと上から下まで真っ黒な服を身に着ける。眠っていない影響か、玄関から出たあと妙にしっかり鍵をかけたかを確認してから神社の清掃にとりかかる。
いつもの手入れの賜物か、今日はそんなに掃除しなくても汚れはなさそうだった。
掃き清めた木の葉をコンポストに捨てて。掃除道具を片して。
社務所に戻るその道すがら、ふと拝殿に目をやった。
買った時のまま、荘厳な姿で拝殿はそこにある。中も定期的に清掃しているから清潔なままだ。
そこに誰がおわすのかわからぬままずっと維持してきたけれど。
(あなたは、オレがお嫌いだった……のかな)
陽向は心の中で問いかける。
ここ数日で知ったことが重たすぎる。初めから知っていたら関わらなかったのにというレベルで辛すぎた。
それでも、血のつながらない家族との暖かい10年間を与えてくれたのもこの神社だ。
今まで見せてくれた幸せな夢のツケを支払えというのなら、せめて陽向の命で賄わせてほしかった。
(どうしてオレじゃダメなんですか?)
杼ねは陽向ではダメだと言っていた。
要求された人を渡せないのなら、代わりに志蔵を差し出せという。
同じ使い潰すためだけの代替品なら陽向でいいではないか。
なのにどうして? 陽向の何が悪くて拒絶されているのか。陽向には理解できなかった。
じゃり、と、参道のほうから音がする。
こんな朝から誰だろう? 陽向は足音のする方へ振り返った。
そこには様々な物資をくくりつけたマウンテンバイクを押して歩いてくる男がいた。おそらく成人するかどうかくらいの歳の子で、細身に見えるが脚の筋肉はしっかりしているのが解る。神社への訪問客というよりは、マウンテンバイクで山の中を駆けていたらたまたまたどり着いた珍客というほうが近そうだ。
彼はやたら興味ありげに神社を見回していたが、拝殿の前に陽向がいるのに気づくとパッと喜色を浮かべて駆け寄ってきた。
「ねね、ここの神職さんです?」
「え……」
「俺ね、全国各地チャリで走り回って神社巡るの好きなん! ここ、地図に載ってなかった神社よな? どんな神社なん? 聞いてええ?」
「ええ……」
若いが故かキラキラした目でガンガングイグイくるその子に気圧され、陽向が半歩下がる。
陽向のことなど気に留めることもなく、男は堂々と参道の石畳にマウンテンバイクを停めると、携帯端末を取り出した。
「なな、写真撮ってええ? ええよな? めっちゃ撮りたいねん!! かまへん?」
「え? え??」
「ありがとう! 撮らせてもらうな!!」
彼は満面の笑みを浮かべてありがとーー! と叫ぶと、あろうことか陽向の肩を抱いて自撮りを始めた。呆気にとられているうちに何枚か撮られ、ハッとした陽向は男の手から逃れた。
「あ、あの!! あの、あの!!」
「え? どないかしたん?」
「こ、ここ、は」
「ココアくれるん?」
「ちゃう、ちゃんと聞いて!」
「あ、はい」
陽向が頼むと、彼は突然スンとして姿勢を正した。テンションの乱高下に陽向は風邪をひきそうだった。
「ここは、数年前買い取って以降は個人宅で、神社じゃないんです。私有地です。申し訳ないのですが、退去お願いします」
「まじ……か」
見つけた。
声には出さなかったが、彼の唇はそうハッキリと動いた。ということは彼は神社の関係者なのだろうか。
彼には何か裏がある。だがそれが陽向にどうかかわるかなんて知ったことではない。
とりあえず彼のハイテンションに巻き込まれて頭がパーンする前に彼には退去してもらうことにした。
「お引き取り願います」
「え……あ、はい。ごめーん、まさか神社型の個人宅がこんなところにあるとは思わなくって」
「?」
「おじゃーしあしたー! ごめんねマジで。迷い込んだのはガチで事故なんよ」
「う、うん」
彼はマウテンバイクに付けてあるスタンドを蹴り、車体を連れて歩き出した。彼がちゃんと出てくれるのを確認するため鳥居まで陽向も同行する。
彼は鳥居で立ち止まり、陽向に笑顔を向けた。
「またお邪魔するね」
「……」
「そんな、こんといてみたいな顔したら嫌なんやで。俺らはもう友達やろ?」
「……」
陽向が軽く睨むと、彼はあははと笑った。
「ほなね」
彼がバイクを押しながら歩き始める。嵐のような訪問者が出て行ってくれたことに陽向は胸を撫でおろした。
が。
(……え?)
遠ざかっていく彼とすれ違った人がいた。器用にバイクを押しつつ携帯端末を操作する彼はその人物の危険性に気付いていない。その人物も彼の存在は目に入っておらず真っ直ぐに陽向を目指して歩いてくる。ならば今は騒ぐべきではないと判断し、陽向は人物の注視に全力を注いだ。
花桃くゆりだった。
彼女は包丁を片手に鳥居に近づいてくる。陽向は確実に珍客がくゆりの視線から切れたのを確認して後退る。
くゆりが鳥居の下で立ち止まる。その目は明らかに血走っており、陽向を標的にしているのが明確に分かる。致死者と正対した時ですら感じたことのない恐怖に陽向の心が竦む。
けれど怯えている場合じゃない。ここで自分を守れるのは自分自身しかいないのだ。くゆりの一挙手一投足に集中してどう逃げるかを考える。
「うわああああああああ」
獣のような咆哮を上げてくゆりが走り出した。距離を詰めた彼女は振りかぶった包丁をめちゃくちゃに振り回す。陽向はただひたすら後退りながら凶刃から逃れる。
「うわあ、ああああ!! ああああああ」
くゆりは泣きながらさらに陽向を追い立てる。陽向はなんとか隙をついて、包丁を持つくゆりの手首を掴んだ。
「やめ、て!」
「うるさいわよ!!」
「!!」
叫ぶと同時にくゆりの脚がひなたのみぞおちに突き刺さる。強烈な一撃を浴びた陽向は耐えきれず吹っ飛ばされた。起き上がろうとした陽向の上にくゆりがまたがり、包丁を逆手に持ち替えて振り下ろす。陽向は包丁が喉に突き刺さるより前になんとかくゆりの手を捕らえた。
「なに、す、んの」
「あんたでしょ!! あんたなんでしょあたしの赤ちゃんになんかしたの!!」
「赤ちゃん……?」
くゆりが体重をかけてくる。陽向は包丁の切っ先が首に当たらぬよう軌道をそらす。気づいたくゆりは再び包丁を振り上げようとするが、陽向がなんとか動きを妨害する。
「やっとできたのよ。やっと来てくれた赤ちゃんなのよ!! なのに、あんたがなんかしたんでしょ? 奇形だって言われたわ! 堕ろせって言われたのよ!!」
「できるわけ……」
「狙うならあたしでよかったでしょ!! どうして赤ちゃんになんかしたのよ!! 答えて!! 答えなさいよ!!」
「!!」
緊張した陽向の手がくゆりの手から外れてしまった。瞬間、包丁が一気に陽向に迫る。
包丁は陽向の首の僅か1cm横に突き刺さった。恐怖で震えながら、同時に逃げるチャンスだと冷静な頭が判断を下す。
だがどう逃げたものか。陽向にのしかかるのが男なら思い切り蹴とばして転がしてやれるが、くゆりはその腹に子供を孕んでいる。乱暴なことはできない。
咄嗟に思い付いたのは包丁の処分だった。陽向は包丁の持ち手を抑え、それを執念深く握るくゆりの手をバチンバチン叩いた。
「痛いのよ!!」
くゆりが包丁から手を離し思い切り手を振り上げる。
「やめなされ!!」
彼女の脇にしわがれた両腕が差し込まれる。腕の主はくゆりをホールドすると無理やり後ろに引きずりながら立ちあがらせるように陽向の上からくゆりをどかした。
くゆりが肩越しに腕の主を睨みつける。
くゆりを止めてくれたのは山路のじーさんだった。恰好からして町内清掃のお迎えに来ようとしていたようだ。
「放しなさいよ!! あんたには関係ないでしょ山路の叔父さん!!」
「やめなさい、やめなさいくゆりちゃん!!」
「放して! 放してよ!!」
陽向はどうしていいか解らずただ震えていた。だが、ふと視界の中に包丁が残っているのに気づく。
(あれをくゆりがまた手にしたら……)
今しがたまでくゆりの目には陽向しか映っていなかった。だが今は山路のじーさんが見えてしまっている。
陽向は包丁を拾い上げると、拝殿の下に向かって投げつけた。高床式で上げているおかげで包丁は拝殿の床下部分に綺麗に収まる。
「陽向! くー姉!」
「北條!!」
2つの声と3つの足音が駆けつけてくる。2つはくゆりの傍で止まり、もう1つは陽向を立ち上がらせて背中に庇った。与一だった。
与一は肩越しに振り返り、陽向を見る。
「無事か陽向」
「……ん」
陽向が頷くと少しだけホッとした顔で頷いてくれた。
2人の前ではいまだにくゆりが獣じみた声で吠え続けている。殺してやる、殺してやる!! その言葉が陽向の恐怖をあおり続ける。諫めている声は松葉のものだ。与一と2人、駆けつけてくれたようだ。
そんな時だった。
パン、と、皮を張る音がした。その音がくゆりの叫び声を止めた。
静かになった。陽向は気になって与一の影から少しだけ顔をのぞかせた。
くゆりの前に彼女の夫である渉が立っていた。彼がくゆりの頬を叩いたようだ。
渉はくゆりの顔を両手で挟み顔を近づけて何かを話していた。血気に盛るくゆりの目とは対照的に、その目は理知的だった。そんな夫婦のやり取りを、山路のじーさんと松葉が痛々しいものを見るような目で見守っている。
やがてくゆりが声を立てて泣きだした。山路のじーさんがくゆりはもう暴れないと判断したのか彼女から手を離した。支えを失った彼女はずるずるとへたり込む。
渉はすっとくゆりから離れると、陽向と与一のほうへ向かって歩いてきた。与一は咄嗟に陽向を背中に隠す。
「あの、陽向、さん?」
「……?」
「本日は、妻が多大なご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした」
「……」
「警察に突き出していただいて構いません。今回のことは、あなたのお気の済むように処罰をお願いいたします」
「……」
90度に頭を下げた渉の身体は震えていた。その震えはなんとなくくゆりを止められなかった渉自身へのふがいなさからきた怒りなのだろうと陽向は察する。
陽向は与一の影から出られなかった。
「帰って……」
「……しかし」
「帰って……ください。お願いします」
赦すとも、赦さないとも言わなかった。ただひたすら、彼らが傍にいること自体が怖かった。
「失礼します」
渉は歯切れ悪く告げると、くゆりに寄り添って歩き出した。彼らが神社から見えなくなるまで陽向はずっと警戒し続けていた。
姿が見えなくなって、ようやく陽向は安堵のため息をついた。
と同時に。陽向の中で昨日から張り詰め続けていた緊張が一気に切れた。地面がぐわんぐわんと揺れる。視界がぼやける。
陽向の体がふらつく。
「陽向!」
「北篠?!」
陽向がバランスを崩したのに気づき与一が咄嗟に身体を支えた。松葉と山路のじーさんが心配そうに陽向の表情を覗き込む。
「大丈夫かえ?」
「……はい」
与一に支えられてなんとか倒れずに済んだ。だがまともに歩けるかと問われればおそらく無理だろう。陽向は与一の袖をついっと引っ張った。
「陽向? どした?」
「ごめん、家、運んで……」
「ああ、悪い。気が利かなかった」
「手を貸そうか」
「いや大丈夫だ」
松葉の申し出を断り、与一は陽向に肩を貸して社務所に向かって歩き出した。松葉と山路のじーさんが陽向を心配してついてきてくれている。
与一に歩かせてもらう間、陽向はぼーっと足元を見ていた。
(これ……寝不足からきてたりするかな)
そういえば昨日寝てない。そのせいで疲れが一気に出たのかもしれない。
今はもう、与一に肩を借りて歩いているのか引きずってもらってるのかも怪しかった。襲われた恐怖から解放された途端、安堵しすぎて眠気を誘発したようだ。
自分たちの前を誰かが先行して歩いてくれている。その人物は玄関の前に付くと振り返った。
(ああ、鍵……鍵出さなきゃ)
陽向が朦朧とする意識の中ポケットをまさぐろうとする。指が鍵にに当たりチャラリと音を立てた。
その時だった。
がらり、と、玄関の開く音がする。
(……え?)
沈んでいく一方だった意識が浮上する。
ゆっくりと陽向が顔を上げると、たしかに玄関が開いていた。今日、社務所を出るとき確かに鍵をかけた気がしたのにかけ忘れたのだろうか。
誰かに導かれて与一が陽向を社務所の中に運び込む。
誰かが甲斐甲斐しく陽向の靴を脱がせた。ここからは通路が狭いからと言いながら陽向を抱き上げ、寝室として使っている部屋に運んでくれる。
(どうして……?)
山路のじーさん、松葉、それとも渉? いや、渉はない。彼はさっきくゆりと共に出ていった。となると山路のじーさんか松葉だ。
2人ともこの社務所の構造を知っていてもおかしくない。花桃一族と付き合いがあれば社務所くらい入ったことがあるだろう。
だが。
花桃一族から陽向が神社を買い取って6年強。陽向は社務所の中を見せていないはずだ。当然、陽向がどの部屋を寝室にしているかなど知るはずもないのに。
誰かが与一に退室を促す。2人分の足音が連れ立って部屋から出ていくのを足音で察した。
社務所の中から他人の気配が完全に消える。
陽向は眠ってしまいそうな自分を、頬を殴りつけて強制的に叩き起こした。何とか立ち上がって布団を這い出し玄関に向かう。鍵が閉まっているかを確認したかったのだ。
やはりというか鍵は開いていた。あんな騒ぎがあった後だ、閉まってないと怖くて仕方ない。陽向は鍵を閉めてもと来た道を辿ろうとして。
ふと、気づいてしまう。
(……あれ?)
玄関の傘立て。
この傘立てに、蛇の目の傘を差し込まなかっただろうか。
それにだ。
陽向が視線をやった先にも、やはり足りないものがある。
黒い狐のデモンストレーション。その置き土産の泣きウサギ夫婦のぬいぐるみがいなくなっていた。
そして開いていた玄関の鍵。
それらが一本の線となって繋がった瞬間、陽向の背中に冷たい汗が流れた。膝から力が抜け、玄関に座り込む。
入られている。日常的に、この社務所に。
さっきいた土地の人間の誰かが社務所の鍵を持っているのだ。
(あ……ああ……)
今、陽向の状況は芳しくない。くゆりのことで地域と対立してしまっている以上、与一以外のこの地域の人間全員が陽向を敵視していると考えたほうがいい。
そんな状況で、唯一安全だと思っていた社務所すら平然と入られているという事実が発覚する。陽向は身を守れる場すら確保出来ていない。
今度こそキャパオーバーだった。
陽向はその場に倒れこんだ。そのまま意識は暗闇の中に堕ちていく。
そうやって夜のルーティンをこなしても、いつまでたっても陽向は眠れなかった。
一日が濃厚過ぎた。
花桃の拒絶、拒否に伴い上がった杼ねの後代候補となる人間の名前。
文字にしてみればたったそれだけなのに、何もかもが全部陽向の心に圧し掛かった。
頭が破裂しそうにいたい。
心臓が鼓動を嫌がるほどに早鐘を打つ。
全てが陽向のせいだと責めさいなむ。
震える身体を抱きしめて、目だけ閉じて布団をかぶって。
そうしている間に夜が明けていた。
一睡もできないまま朝のルーティン開始のアラームを聞いたのは、人生で初めてのことだった。
布団を出て、嫌がる身体を無理に動かして水を浴びて。そんな気分だからと上から下まで真っ黒な服を身に着ける。眠っていない影響か、玄関から出たあと妙にしっかり鍵をかけたかを確認してから神社の清掃にとりかかる。
いつもの手入れの賜物か、今日はそんなに掃除しなくても汚れはなさそうだった。
掃き清めた木の葉をコンポストに捨てて。掃除道具を片して。
社務所に戻るその道すがら、ふと拝殿に目をやった。
買った時のまま、荘厳な姿で拝殿はそこにある。中も定期的に清掃しているから清潔なままだ。
そこに誰がおわすのかわからぬままずっと維持してきたけれど。
(あなたは、オレがお嫌いだった……のかな)
陽向は心の中で問いかける。
ここ数日で知ったことが重たすぎる。初めから知っていたら関わらなかったのにというレベルで辛すぎた。
それでも、血のつながらない家族との暖かい10年間を与えてくれたのもこの神社だ。
今まで見せてくれた幸せな夢のツケを支払えというのなら、せめて陽向の命で賄わせてほしかった。
(どうしてオレじゃダメなんですか?)
杼ねは陽向ではダメだと言っていた。
要求された人を渡せないのなら、代わりに志蔵を差し出せという。
同じ使い潰すためだけの代替品なら陽向でいいではないか。
なのにどうして? 陽向の何が悪くて拒絶されているのか。陽向には理解できなかった。
じゃり、と、参道のほうから音がする。
こんな朝から誰だろう? 陽向は足音のする方へ振り返った。
そこには様々な物資をくくりつけたマウンテンバイクを押して歩いてくる男がいた。おそらく成人するかどうかくらいの歳の子で、細身に見えるが脚の筋肉はしっかりしているのが解る。神社への訪問客というよりは、マウンテンバイクで山の中を駆けていたらたまたまたどり着いた珍客というほうが近そうだ。
彼はやたら興味ありげに神社を見回していたが、拝殿の前に陽向がいるのに気づくとパッと喜色を浮かべて駆け寄ってきた。
「ねね、ここの神職さんです?」
「え……」
「俺ね、全国各地チャリで走り回って神社巡るの好きなん! ここ、地図に載ってなかった神社よな? どんな神社なん? 聞いてええ?」
「ええ……」
若いが故かキラキラした目でガンガングイグイくるその子に気圧され、陽向が半歩下がる。
陽向のことなど気に留めることもなく、男は堂々と参道の石畳にマウンテンバイクを停めると、携帯端末を取り出した。
「なな、写真撮ってええ? ええよな? めっちゃ撮りたいねん!! かまへん?」
「え? え??」
「ありがとう! 撮らせてもらうな!!」
彼は満面の笑みを浮かべてありがとーー! と叫ぶと、あろうことか陽向の肩を抱いて自撮りを始めた。呆気にとられているうちに何枚か撮られ、ハッとした陽向は男の手から逃れた。
「あ、あの!! あの、あの!!」
「え? どないかしたん?」
「こ、ここ、は」
「ココアくれるん?」
「ちゃう、ちゃんと聞いて!」
「あ、はい」
陽向が頼むと、彼は突然スンとして姿勢を正した。テンションの乱高下に陽向は風邪をひきそうだった。
「ここは、数年前買い取って以降は個人宅で、神社じゃないんです。私有地です。申し訳ないのですが、退去お願いします」
「まじ……か」
見つけた。
声には出さなかったが、彼の唇はそうハッキリと動いた。ということは彼は神社の関係者なのだろうか。
彼には何か裏がある。だがそれが陽向にどうかかわるかなんて知ったことではない。
とりあえず彼のハイテンションに巻き込まれて頭がパーンする前に彼には退去してもらうことにした。
「お引き取り願います」
「え……あ、はい。ごめーん、まさか神社型の個人宅がこんなところにあるとは思わなくって」
「?」
「おじゃーしあしたー! ごめんねマジで。迷い込んだのはガチで事故なんよ」
「う、うん」
彼はマウテンバイクに付けてあるスタンドを蹴り、車体を連れて歩き出した。彼がちゃんと出てくれるのを確認するため鳥居まで陽向も同行する。
彼は鳥居で立ち止まり、陽向に笑顔を向けた。
「またお邪魔するね」
「……」
「そんな、こんといてみたいな顔したら嫌なんやで。俺らはもう友達やろ?」
「……」
陽向が軽く睨むと、彼はあははと笑った。
「ほなね」
彼がバイクを押しながら歩き始める。嵐のような訪問者が出て行ってくれたことに陽向は胸を撫でおろした。
が。
(……え?)
遠ざかっていく彼とすれ違った人がいた。器用にバイクを押しつつ携帯端末を操作する彼はその人物の危険性に気付いていない。その人物も彼の存在は目に入っておらず真っ直ぐに陽向を目指して歩いてくる。ならば今は騒ぐべきではないと判断し、陽向は人物の注視に全力を注いだ。
花桃くゆりだった。
彼女は包丁を片手に鳥居に近づいてくる。陽向は確実に珍客がくゆりの視線から切れたのを確認して後退る。
くゆりが鳥居の下で立ち止まる。その目は明らかに血走っており、陽向を標的にしているのが明確に分かる。致死者と正対した時ですら感じたことのない恐怖に陽向の心が竦む。
けれど怯えている場合じゃない。ここで自分を守れるのは自分自身しかいないのだ。くゆりの一挙手一投足に集中してどう逃げるかを考える。
「うわああああああああ」
獣のような咆哮を上げてくゆりが走り出した。距離を詰めた彼女は振りかぶった包丁をめちゃくちゃに振り回す。陽向はただひたすら後退りながら凶刃から逃れる。
「うわあ、ああああ!! ああああああ」
くゆりは泣きながらさらに陽向を追い立てる。陽向はなんとか隙をついて、包丁を持つくゆりの手首を掴んだ。
「やめ、て!」
「うるさいわよ!!」
「!!」
叫ぶと同時にくゆりの脚がひなたのみぞおちに突き刺さる。強烈な一撃を浴びた陽向は耐えきれず吹っ飛ばされた。起き上がろうとした陽向の上にくゆりがまたがり、包丁を逆手に持ち替えて振り下ろす。陽向は包丁が喉に突き刺さるより前になんとかくゆりの手を捕らえた。
「なに、す、んの」
「あんたでしょ!! あんたなんでしょあたしの赤ちゃんになんかしたの!!」
「赤ちゃん……?」
くゆりが体重をかけてくる。陽向は包丁の切っ先が首に当たらぬよう軌道をそらす。気づいたくゆりは再び包丁を振り上げようとするが、陽向がなんとか動きを妨害する。
「やっとできたのよ。やっと来てくれた赤ちゃんなのよ!! なのに、あんたがなんかしたんでしょ? 奇形だって言われたわ! 堕ろせって言われたのよ!!」
「できるわけ……」
「狙うならあたしでよかったでしょ!! どうして赤ちゃんになんかしたのよ!! 答えて!! 答えなさいよ!!」
「!!」
緊張した陽向の手がくゆりの手から外れてしまった。瞬間、包丁が一気に陽向に迫る。
包丁は陽向の首の僅か1cm横に突き刺さった。恐怖で震えながら、同時に逃げるチャンスだと冷静な頭が判断を下す。
だがどう逃げたものか。陽向にのしかかるのが男なら思い切り蹴とばして転がしてやれるが、くゆりはその腹に子供を孕んでいる。乱暴なことはできない。
咄嗟に思い付いたのは包丁の処分だった。陽向は包丁の持ち手を抑え、それを執念深く握るくゆりの手をバチンバチン叩いた。
「痛いのよ!!」
くゆりが包丁から手を離し思い切り手を振り上げる。
「やめなされ!!」
彼女の脇にしわがれた両腕が差し込まれる。腕の主はくゆりをホールドすると無理やり後ろに引きずりながら立ちあがらせるように陽向の上からくゆりをどかした。
くゆりが肩越しに腕の主を睨みつける。
くゆりを止めてくれたのは山路のじーさんだった。恰好からして町内清掃のお迎えに来ようとしていたようだ。
「放しなさいよ!! あんたには関係ないでしょ山路の叔父さん!!」
「やめなさい、やめなさいくゆりちゃん!!」
「放して! 放してよ!!」
陽向はどうしていいか解らずただ震えていた。だが、ふと視界の中に包丁が残っているのに気づく。
(あれをくゆりがまた手にしたら……)
今しがたまでくゆりの目には陽向しか映っていなかった。だが今は山路のじーさんが見えてしまっている。
陽向は包丁を拾い上げると、拝殿の下に向かって投げつけた。高床式で上げているおかげで包丁は拝殿の床下部分に綺麗に収まる。
「陽向! くー姉!」
「北條!!」
2つの声と3つの足音が駆けつけてくる。2つはくゆりの傍で止まり、もう1つは陽向を立ち上がらせて背中に庇った。与一だった。
与一は肩越しに振り返り、陽向を見る。
「無事か陽向」
「……ん」
陽向が頷くと少しだけホッとした顔で頷いてくれた。
2人の前ではいまだにくゆりが獣じみた声で吠え続けている。殺してやる、殺してやる!! その言葉が陽向の恐怖をあおり続ける。諫めている声は松葉のものだ。与一と2人、駆けつけてくれたようだ。
そんな時だった。
パン、と、皮を張る音がした。その音がくゆりの叫び声を止めた。
静かになった。陽向は気になって与一の影から少しだけ顔をのぞかせた。
くゆりの前に彼女の夫である渉が立っていた。彼がくゆりの頬を叩いたようだ。
渉はくゆりの顔を両手で挟み顔を近づけて何かを話していた。血気に盛るくゆりの目とは対照的に、その目は理知的だった。そんな夫婦のやり取りを、山路のじーさんと松葉が痛々しいものを見るような目で見守っている。
やがてくゆりが声を立てて泣きだした。山路のじーさんがくゆりはもう暴れないと判断したのか彼女から手を離した。支えを失った彼女はずるずるとへたり込む。
渉はすっとくゆりから離れると、陽向と与一のほうへ向かって歩いてきた。与一は咄嗟に陽向を背中に隠す。
「あの、陽向、さん?」
「……?」
「本日は、妻が多大なご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした」
「……」
「警察に突き出していただいて構いません。今回のことは、あなたのお気の済むように処罰をお願いいたします」
「……」
90度に頭を下げた渉の身体は震えていた。その震えはなんとなくくゆりを止められなかった渉自身へのふがいなさからきた怒りなのだろうと陽向は察する。
陽向は与一の影から出られなかった。
「帰って……」
「……しかし」
「帰って……ください。お願いします」
赦すとも、赦さないとも言わなかった。ただひたすら、彼らが傍にいること自体が怖かった。
「失礼します」
渉は歯切れ悪く告げると、くゆりに寄り添って歩き出した。彼らが神社から見えなくなるまで陽向はずっと警戒し続けていた。
姿が見えなくなって、ようやく陽向は安堵のため息をついた。
と同時に。陽向の中で昨日から張り詰め続けていた緊張が一気に切れた。地面がぐわんぐわんと揺れる。視界がぼやける。
陽向の体がふらつく。
「陽向!」
「北篠?!」
陽向がバランスを崩したのに気づき与一が咄嗟に身体を支えた。松葉と山路のじーさんが心配そうに陽向の表情を覗き込む。
「大丈夫かえ?」
「……はい」
与一に支えられてなんとか倒れずに済んだ。だがまともに歩けるかと問われればおそらく無理だろう。陽向は与一の袖をついっと引っ張った。
「陽向? どした?」
「ごめん、家、運んで……」
「ああ、悪い。気が利かなかった」
「手を貸そうか」
「いや大丈夫だ」
松葉の申し出を断り、与一は陽向に肩を貸して社務所に向かって歩き出した。松葉と山路のじーさんが陽向を心配してついてきてくれている。
与一に歩かせてもらう間、陽向はぼーっと足元を見ていた。
(これ……寝不足からきてたりするかな)
そういえば昨日寝てない。そのせいで疲れが一気に出たのかもしれない。
今はもう、与一に肩を借りて歩いているのか引きずってもらってるのかも怪しかった。襲われた恐怖から解放された途端、安堵しすぎて眠気を誘発したようだ。
自分たちの前を誰かが先行して歩いてくれている。その人物は玄関の前に付くと振り返った。
(ああ、鍵……鍵出さなきゃ)
陽向が朦朧とする意識の中ポケットをまさぐろうとする。指が鍵にに当たりチャラリと音を立てた。
その時だった。
がらり、と、玄関の開く音がする。
(……え?)
沈んでいく一方だった意識が浮上する。
ゆっくりと陽向が顔を上げると、たしかに玄関が開いていた。今日、社務所を出るとき確かに鍵をかけた気がしたのにかけ忘れたのだろうか。
誰かに導かれて与一が陽向を社務所の中に運び込む。
誰かが甲斐甲斐しく陽向の靴を脱がせた。ここからは通路が狭いからと言いながら陽向を抱き上げ、寝室として使っている部屋に運んでくれる。
(どうして……?)
山路のじーさん、松葉、それとも渉? いや、渉はない。彼はさっきくゆりと共に出ていった。となると山路のじーさんか松葉だ。
2人ともこの社務所の構造を知っていてもおかしくない。花桃一族と付き合いがあれば社務所くらい入ったことがあるだろう。
だが。
花桃一族から陽向が神社を買い取って6年強。陽向は社務所の中を見せていないはずだ。当然、陽向がどの部屋を寝室にしているかなど知るはずもないのに。
誰かが与一に退室を促す。2人分の足音が連れ立って部屋から出ていくのを足音で察した。
社務所の中から他人の気配が完全に消える。
陽向は眠ってしまいそうな自分を、頬を殴りつけて強制的に叩き起こした。何とか立ち上がって布団を這い出し玄関に向かう。鍵が閉まっているかを確認したかったのだ。
やはりというか鍵は開いていた。あんな騒ぎがあった後だ、閉まってないと怖くて仕方ない。陽向は鍵を閉めてもと来た道を辿ろうとして。
ふと、気づいてしまう。
(……あれ?)
玄関の傘立て。
この傘立てに、蛇の目の傘を差し込まなかっただろうか。
それにだ。
陽向が視線をやった先にも、やはり足りないものがある。
黒い狐のデモンストレーション。その置き土産の泣きウサギ夫婦のぬいぐるみがいなくなっていた。
そして開いていた玄関の鍵。
それらが一本の線となって繋がった瞬間、陽向の背中に冷たい汗が流れた。膝から力が抜け、玄関に座り込む。
入られている。日常的に、この社務所に。
さっきいた土地の人間の誰かが社務所の鍵を持っているのだ。
(あ……ああ……)
今、陽向の状況は芳しくない。くゆりのことで地域と対立してしまっている以上、与一以外のこの地域の人間全員が陽向を敵視していると考えたほうがいい。
そんな状況で、唯一安全だと思っていた社務所すら平然と入られているという事実が発覚する。陽向は身を守れる場すら確保出来ていない。
今度こそキャパオーバーだった。
陽向はその場に倒れこんだ。そのまま意識は暗闇の中に堕ちていく。
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