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※第六話 ミントグリーンのブラジャー
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(確か、それほど散らかってないはずだ)
良治はマンションの自室の前で立ち止まった。
スボンのポケットにある、キーケースをまさぐる。
半歩後ろには、スーパーの袋を提げたゆりえがたたずんでいた。振り向かなくても、彼女がどぎまぎしているのがわかる。
がちゃり。
意を決して、鍵を開けて、中に入る。
そのまま入ろうとするゆりえを制して、リビングに飛び込むように入って雑誌類を片付ける。
ちょうど前日がゴミ出しの日なので、コンビニ弁当のガラやら、ビールの空き缶は捨てた後であった。
「ゆ、ゆりえさん、いいよ、入って」
「お、お邪魔します……キッチン、借りていいですか?」
「うん……道具、そろってたかなぁ」
「あ、大丈夫そう。さっさと作るから、待ってて、良治さん」
ガサガサと袋から食材を取り出して、小さなキッチンに向かうゆりえ。
心なしか、弾んでいるように見える。
リビングに自分と彼女の荷物をおいて、あぐらをかいた良治の腹が、マンガのような音を立てた。
雲が浦の駐車場でキスを交わしたゆりえが『別の場所でいちゃつきたい』とせがんで、駐車場を出た途端、良治の腹がぐぅぐぅと鳴り、彼女の爆笑を誘ったのだった。
甘い雰囲気が台無しだ、と落ち込む良治とうらはらに、ひとしきり笑ったゆりえは『頑張って漕いでくれたお礼に、自分が夕ご飯作る』と上機嫌で運転したのだった。
そして、良治のマンション近くのスーパーで、新婚夫婦のように食材を買い込んだのである。
彼女は料理が得意とは言っていない。結婚相談所のプロフィールでもそんな記述はなかった。ただ、年老いた彼女の両親に食事を作ることが多いので、定食屋で出てきそうなメニューくらいは作れるという。
「お塩はあるし、お醤油も大丈夫みたい……」
調理道具を洗いながら、調味料などを確認して、テキパキと動くゆりえを、良治は関心しながら眺めていた。
抜群とまで言えるスタイルではないが、ニット・セーターとタイトなスラックスという服装が、メリハリのある女体を連想させる。
袖まくりをした腕。キッチンの照明に照られ、すべすべとした肌があらわになる。
まめまめしく動くたび、ぽよぽよと弾む乳房。
キッチン下の調理道具や冷蔵庫から調味料を前かがみで取り出すたび、ぷりぷりと揺れるヒップ。
密着した時に感じた、弾力のある身体。
うなじから匂い立つ、艶めいて甘やかな体臭。ぽってりとして、とろけるような唇。
駐車場の出来事が生々しく思い出された。つい数時間前に手に感じた乳房の感触は、まだありありと残っている。
くすぶっている興奮のせいか、彼女の姿は艶めかしく、魅惑的に見える。
思い過ごしと頭でわかっているものの、良治には彼女が誘っているようにしか見えない。
ごくりと生唾を飲み込んだ。心なしか身体が興奮でわなわなと震えている。
鼓動が早くなり、呼吸も浅くなる。身体の奥はじわじわと火照り、空腹感は霧散してしまった。
のろのろと立ち上がり、キッチンのゆりえを見た。
ニコニコと調理道具を軽く洗っているだけなのに、彼女が振りまいているフェロモンが見える。
つとめて平静を装うが、ふぅふぅとした喘ぎは隠しようがなかった。
近づいてきた良治の気配を感じたゆりえが不思議そうに振り向く。
優しげで柔らかい笑顔。
彼女の表情のはしばしから、良治への好意がにじみ出る。
「良治さん、大丈夫よ。もう少し待ってて……きゃっ……どうしたの?」
ゆりえの背後に回った良治が、肩口に撫でるように手を添えると、ゆりえは小さな悲鳴をあげた。
「ご……ごめん……さっきのこと、思い出しちゃって……」
精いっぱい自制しながら、ゆりえの腰に手を回して背中に密着すると、彼女がピタリと動きを止めた。
そして、大きなため息をついて、彼女の頭がもたれかかる。
「うん……私も……気持ちよかったよ……」
「それで……キッチンで嬉しそうに動くゆりえさんが……すごくキレイに見えて……ガマン出来なくなって……」
「見えただけ、ですか?」
「いや……キレイで、素敵だ」
「ありがとう……んんんっ、り、良治さん……あ、あわてちゃ、イヤ……」
調理道具を洗っている途中の彼女は手がふさがって身動きが取れない。
狙ったわけではなかったが、ゆりえは無抵抗な体勢で、良治の唇を受け入れた。
はぁ、という艶めかしい吐息をついて、洗いかけのフライパンを流しに置くと、身体の向きを変え、良治にしがみついた。
「り、良治さんのせいですよ……私……ご飯のあとにいちゃいちゃしたかったのに……」
「食事のあとまで、ガマンできた? ゆりえさん」
「もうっ……聞かないで……あんなに気持ちいいキスしたくせに……あんんんっ、んんん……」
ちゅっ、ちゅちゅっ、くちゅちゅっ。
深く濃厚なキスで、お互いの想いを確かめ合った。
顔を離すと唇から糸のように唾液が伸びる。
ゆりえは良治の胸に顔をうずめた。
濡れた手のまま、シャツを握りしめたので、じわりと湿った感触が良治の肌に伝わる。
「も、もう……良治さんが欲しくなっちゃう……」
「お、俺も……」
「あううっ……お耳……良治さんの息がかかって……あんんんっ……感じちゃうぅぅぅ」
はふはふっと耳たぶを甘噛みすると、ゆりえはびくん、と大きく身体を震わせた。
見上げる彼女は、はにかみながら蕩けた笑顔を浮かべた。自分を受け入れてくれた嬉しさと、女の本能を解き放った、優艶な笑顔であった。
湖の駐車場での暗がりではわからなかったが、あの時、乳房をこねられて悶えた表情は、今と同じに違いない。
愛おしい。
彼女が打ち明けてくれた傷も、悲しみも。きっと良治に告げずに抱えていることだってあるに違いない。
年老いた彼女の両親。まだ元気ときいているが、うかがい知れない苦労があるだろう。
彼女のぬくもりと吐息。良治は夢中でゆりえの唇を吸い、抱きしめる。
(ゆりえさんの……そばにいたい。いてほしい……)
自分を受け入れてもらうなんて、おこがましい。
ただ、彼女が抱えている『荷物』をほんの少し、自分も肩代わり出来たら。
「良治さん……良治さん……私……私……あむぅっ、んんんっ……はぁぁぁ」
「俺、ゆりえさんが、ほしい……今すぐ……んんんっ」
「しゃ、シャワー、しなくて平気?」
「俺、ゆりえさんの匂いですごく興奮しているから……」
「私も……良治さんの匂い……ドキドキしちゃうの」
「それでも、シャワー浴びるの?」
「いじ……わるぅ……んんんっ、んんんっ、あむぅっ……」
くちゅくちゅっ、むちゅっ、ぴちゅっ。
良治にしがみつくゆりえの身体が、キスのたびに脱力し、プルプルと震える。
背中を撫で回す彼女の手が、興奮と快楽の高まりを雄弁に語っていた。
数時間前、駐車場の暗がりでもみくだした、彼女の乳房を再び手に収める。
くすぶっていた欲望が再燃したので、すでに乳首はコリコリになっているのが服越しで分かった。
身体の奥底からじんじんと熱くなり、睾丸が収縮して徐々に肉筒が充血していく。
バストをこねながら、ニットをまくり、すべすべとした肌に触れると、ゆりえは身をくねらせて喘ぐ。
「り、良治さん……身体が……身体が熱いです」
「ぬ、脱がせてあげたい……いいよね」
「うん……良治さんなら……いい。ううん、良治さんじゃなきゃ、イヤです……ほ……本当は、こうしてくれるの……待ってた」
ゆりえは良治に身を委ね、キスを重ねながら、ニット・セーター、ダークブラウンのスラックスを丁寧に脱がせた。
彼女を一枚、また一枚、裸に近づけていく。手指から彼女の体温を感じながら、ハッとした。
(そうだ……ゆりえさん、俺を待ってたんだ……)
彼女の好きな画家、高遠みゆきが参加している展覧会。良治の好きな写真家の石橋康人の個展。
郊外の国立公園のいちょう通り。少しマイナーなテーマパーク。この娘と何度デートを重ねたのだろう。
忙しい仕事の合間のデート。良治は楽しいだけで充分であったが、ゆりえはそれ以上の気持ちが募っていたのだ。
ぱさり、ぱさり、ふぁさっ。
衣服を軽くたたんで、少し離れた床において振り返る。
キッチンには、ミントグリーンの下着姿のゆりえが、興奮と恥ずかしさが入り混じった表情で、たたずんでいた。
良治の視線を感じたのか、うつむきながら、胸とパンティを手で隠し、もじもじとする。
抜群のスタイル、とは言えないけど、適度にメリハリのきいた身体は週刊誌のグラビアよりも生々しく、いやらしい。
「あ、あんまり……ジロジロ見ないで……やっぱり……恥ずかしい」
「……」
「り……良治さん?」
「ごめん……綺麗な姿で……見惚れてしまった」
小さな唸り声をあげて、頬を赤らめたゆりえは良治にしがみつき、ぽこぽこと彼の胸を叩く。
恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった行動が、たまらなく愛おしい。
良治は彼女の握られた手を包み込むように掴むと、しゃぶりつくようにキスをして、そのまま唇をゆりえのなめらかな肌に重ねた。
頬、喉元、肩、鎖骨。
汗ばんだ肌をついばむたびに、ゆりえは身体をいやらしくくねらせ、興奮と火照りを振りまいた。
そして、お互いの手指を絡ませてギュッと握りしめている。
ぴちゅっ、ぴちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅっ。
「んっ、んんんっ……んっ……はっ、はぁぁぁっ……もっと、もっと……良治さん……」
「もっと、どうしてほしいの?」
「いっぱい、キスして……触ってほしいの……すごい、感じちゃうの……」
「うん……俺も……ゆりえさんとこうしていると、めちゃくちゃ気持ちいい」
ゆりえは握りしめていた手をほどき、良治の股間をさすった。
いきりたった男根が、突然触られてびくんびくんと波打って硬化する。
「良治さん、感じてる♪ 嬉しいな」
「うううっ、ゆりえさん、手付きがいやらしい……」
ほどかれた良治の手は、彼女のにバストに伸び、弾力のある乳房を揉みしだきながら、指でブラをめくりあげた。
カチカチになっている乳首を摘んで指でもてあそぶと、ゆりえは大きく仰け反り、うっとりとした瞳で良治を見つめる。
もっとしてほしい、さらに良治を誘う優艶な視線であった。
良治はマンションの自室の前で立ち止まった。
スボンのポケットにある、キーケースをまさぐる。
半歩後ろには、スーパーの袋を提げたゆりえがたたずんでいた。振り向かなくても、彼女がどぎまぎしているのがわかる。
がちゃり。
意を決して、鍵を開けて、中に入る。
そのまま入ろうとするゆりえを制して、リビングに飛び込むように入って雑誌類を片付ける。
ちょうど前日がゴミ出しの日なので、コンビニ弁当のガラやら、ビールの空き缶は捨てた後であった。
「ゆ、ゆりえさん、いいよ、入って」
「お、お邪魔します……キッチン、借りていいですか?」
「うん……道具、そろってたかなぁ」
「あ、大丈夫そう。さっさと作るから、待ってて、良治さん」
ガサガサと袋から食材を取り出して、小さなキッチンに向かうゆりえ。
心なしか、弾んでいるように見える。
リビングに自分と彼女の荷物をおいて、あぐらをかいた良治の腹が、マンガのような音を立てた。
雲が浦の駐車場でキスを交わしたゆりえが『別の場所でいちゃつきたい』とせがんで、駐車場を出た途端、良治の腹がぐぅぐぅと鳴り、彼女の爆笑を誘ったのだった。
甘い雰囲気が台無しだ、と落ち込む良治とうらはらに、ひとしきり笑ったゆりえは『頑張って漕いでくれたお礼に、自分が夕ご飯作る』と上機嫌で運転したのだった。
そして、良治のマンション近くのスーパーで、新婚夫婦のように食材を買い込んだのである。
彼女は料理が得意とは言っていない。結婚相談所のプロフィールでもそんな記述はなかった。ただ、年老いた彼女の両親に食事を作ることが多いので、定食屋で出てきそうなメニューくらいは作れるという。
「お塩はあるし、お醤油も大丈夫みたい……」
調理道具を洗いながら、調味料などを確認して、テキパキと動くゆりえを、良治は関心しながら眺めていた。
抜群とまで言えるスタイルではないが、ニット・セーターとタイトなスラックスという服装が、メリハリのある女体を連想させる。
袖まくりをした腕。キッチンの照明に照られ、すべすべとした肌があらわになる。
まめまめしく動くたび、ぽよぽよと弾む乳房。
キッチン下の調理道具や冷蔵庫から調味料を前かがみで取り出すたび、ぷりぷりと揺れるヒップ。
密着した時に感じた、弾力のある身体。
うなじから匂い立つ、艶めいて甘やかな体臭。ぽってりとして、とろけるような唇。
駐車場の出来事が生々しく思い出された。つい数時間前に手に感じた乳房の感触は、まだありありと残っている。
くすぶっている興奮のせいか、彼女の姿は艶めかしく、魅惑的に見える。
思い過ごしと頭でわかっているものの、良治には彼女が誘っているようにしか見えない。
ごくりと生唾を飲み込んだ。心なしか身体が興奮でわなわなと震えている。
鼓動が早くなり、呼吸も浅くなる。身体の奥はじわじわと火照り、空腹感は霧散してしまった。
のろのろと立ち上がり、キッチンのゆりえを見た。
ニコニコと調理道具を軽く洗っているだけなのに、彼女が振りまいているフェロモンが見える。
つとめて平静を装うが、ふぅふぅとした喘ぎは隠しようがなかった。
近づいてきた良治の気配を感じたゆりえが不思議そうに振り向く。
優しげで柔らかい笑顔。
彼女の表情のはしばしから、良治への好意がにじみ出る。
「良治さん、大丈夫よ。もう少し待ってて……きゃっ……どうしたの?」
ゆりえの背後に回った良治が、肩口に撫でるように手を添えると、ゆりえは小さな悲鳴をあげた。
「ご……ごめん……さっきのこと、思い出しちゃって……」
精いっぱい自制しながら、ゆりえの腰に手を回して背中に密着すると、彼女がピタリと動きを止めた。
そして、大きなため息をついて、彼女の頭がもたれかかる。
「うん……私も……気持ちよかったよ……」
「それで……キッチンで嬉しそうに動くゆりえさんが……すごくキレイに見えて……ガマン出来なくなって……」
「見えただけ、ですか?」
「いや……キレイで、素敵だ」
「ありがとう……んんんっ、り、良治さん……あ、あわてちゃ、イヤ……」
調理道具を洗っている途中の彼女は手がふさがって身動きが取れない。
狙ったわけではなかったが、ゆりえは無抵抗な体勢で、良治の唇を受け入れた。
はぁ、という艶めかしい吐息をついて、洗いかけのフライパンを流しに置くと、身体の向きを変え、良治にしがみついた。
「り、良治さんのせいですよ……私……ご飯のあとにいちゃいちゃしたかったのに……」
「食事のあとまで、ガマンできた? ゆりえさん」
「もうっ……聞かないで……あんなに気持ちいいキスしたくせに……あんんんっ、んんん……」
ちゅっ、ちゅちゅっ、くちゅちゅっ。
深く濃厚なキスで、お互いの想いを確かめ合った。
顔を離すと唇から糸のように唾液が伸びる。
ゆりえは良治の胸に顔をうずめた。
濡れた手のまま、シャツを握りしめたので、じわりと湿った感触が良治の肌に伝わる。
「も、もう……良治さんが欲しくなっちゃう……」
「お、俺も……」
「あううっ……お耳……良治さんの息がかかって……あんんんっ……感じちゃうぅぅぅ」
はふはふっと耳たぶを甘噛みすると、ゆりえはびくん、と大きく身体を震わせた。
見上げる彼女は、はにかみながら蕩けた笑顔を浮かべた。自分を受け入れてくれた嬉しさと、女の本能を解き放った、優艶な笑顔であった。
湖の駐車場での暗がりではわからなかったが、あの時、乳房をこねられて悶えた表情は、今と同じに違いない。
愛おしい。
彼女が打ち明けてくれた傷も、悲しみも。きっと良治に告げずに抱えていることだってあるに違いない。
年老いた彼女の両親。まだ元気ときいているが、うかがい知れない苦労があるだろう。
彼女のぬくもりと吐息。良治は夢中でゆりえの唇を吸い、抱きしめる。
(ゆりえさんの……そばにいたい。いてほしい……)
自分を受け入れてもらうなんて、おこがましい。
ただ、彼女が抱えている『荷物』をほんの少し、自分も肩代わり出来たら。
「良治さん……良治さん……私……私……あむぅっ、んんんっ……はぁぁぁ」
「俺、ゆりえさんが、ほしい……今すぐ……んんんっ」
「しゃ、シャワー、しなくて平気?」
「俺、ゆりえさんの匂いですごく興奮しているから……」
「私も……良治さんの匂い……ドキドキしちゃうの」
「それでも、シャワー浴びるの?」
「いじ……わるぅ……んんんっ、んんんっ、あむぅっ……」
くちゅくちゅっ、むちゅっ、ぴちゅっ。
良治にしがみつくゆりえの身体が、キスのたびに脱力し、プルプルと震える。
背中を撫で回す彼女の手が、興奮と快楽の高まりを雄弁に語っていた。
数時間前、駐車場の暗がりでもみくだした、彼女の乳房を再び手に収める。
くすぶっていた欲望が再燃したので、すでに乳首はコリコリになっているのが服越しで分かった。
身体の奥底からじんじんと熱くなり、睾丸が収縮して徐々に肉筒が充血していく。
バストをこねながら、ニットをまくり、すべすべとした肌に触れると、ゆりえは身をくねらせて喘ぐ。
「り、良治さん……身体が……身体が熱いです」
「ぬ、脱がせてあげたい……いいよね」
「うん……良治さんなら……いい。ううん、良治さんじゃなきゃ、イヤです……ほ……本当は、こうしてくれるの……待ってた」
ゆりえは良治に身を委ね、キスを重ねながら、ニット・セーター、ダークブラウンのスラックスを丁寧に脱がせた。
彼女を一枚、また一枚、裸に近づけていく。手指から彼女の体温を感じながら、ハッとした。
(そうだ……ゆりえさん、俺を待ってたんだ……)
彼女の好きな画家、高遠みゆきが参加している展覧会。良治の好きな写真家の石橋康人の個展。
郊外の国立公園のいちょう通り。少しマイナーなテーマパーク。この娘と何度デートを重ねたのだろう。
忙しい仕事の合間のデート。良治は楽しいだけで充分であったが、ゆりえはそれ以上の気持ちが募っていたのだ。
ぱさり、ぱさり、ふぁさっ。
衣服を軽くたたんで、少し離れた床において振り返る。
キッチンには、ミントグリーンの下着姿のゆりえが、興奮と恥ずかしさが入り混じった表情で、たたずんでいた。
良治の視線を感じたのか、うつむきながら、胸とパンティを手で隠し、もじもじとする。
抜群のスタイル、とは言えないけど、適度にメリハリのきいた身体は週刊誌のグラビアよりも生々しく、いやらしい。
「あ、あんまり……ジロジロ見ないで……やっぱり……恥ずかしい」
「……」
「り……良治さん?」
「ごめん……綺麗な姿で……見惚れてしまった」
小さな唸り声をあげて、頬を赤らめたゆりえは良治にしがみつき、ぽこぽこと彼の胸を叩く。
恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった行動が、たまらなく愛おしい。
良治は彼女の握られた手を包み込むように掴むと、しゃぶりつくようにキスをして、そのまま唇をゆりえのなめらかな肌に重ねた。
頬、喉元、肩、鎖骨。
汗ばんだ肌をついばむたびに、ゆりえは身体をいやらしくくねらせ、興奮と火照りを振りまいた。
そして、お互いの手指を絡ませてギュッと握りしめている。
ぴちゅっ、ぴちゅっ、ちゅぱっ、ちゅちゅっ。
「んっ、んんんっ……んっ……はっ、はぁぁぁっ……もっと、もっと……良治さん……」
「もっと、どうしてほしいの?」
「いっぱい、キスして……触ってほしいの……すごい、感じちゃうの……」
「うん……俺も……ゆりえさんとこうしていると、めちゃくちゃ気持ちいい」
ゆりえは握りしめていた手をほどき、良治の股間をさすった。
いきりたった男根が、突然触られてびくんびくんと波打って硬化する。
「良治さん、感じてる♪ 嬉しいな」
「うううっ、ゆりえさん、手付きがいやらしい……」
ほどかれた良治の手は、彼女のにバストに伸び、弾力のある乳房を揉みしだきながら、指でブラをめくりあげた。
カチカチになっている乳首を摘んで指でもてあそぶと、ゆりえは大きく仰け反り、うっとりとした瞳で良治を見つめる。
もっとしてほしい、さらに良治を誘う優艶な視線であった。
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