【完結】【R18】同窓会で会った元クラスメイトたちが、とてつもなくエロい件

船橋ひろみ

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第6章 〜 重なり合う艶華(つやばな)たち 〜

第6章 〜 重なり合う艶華たち 2 〜

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 八重樫清美やえがしきよみは、腕時計をチラ見してため息をついた。
 窓際の席で、通りを眺める。時刻は21時を回っているが、金曜日ということもあり、楽しげな人々が行き交っている。

「ねぇ、隼人くん、あの娘、まだ捕まってるのかな?」

 コーヒーをすすっている戸塚隼人に、上目遣いでにじり寄ると、アルコールの匂いがぷぅんと漂った。
 清美の言う「あの娘」とは、親友の九門佳苗であった。その佳苗は、朝日オアシスの社員主催の送別会に主役として出席している。西葛銀行からコンサルとして派遣されていた彼女は、契約期間満了とともに、西葛銀行経由で、もともとの所属である親会社の四ツ葉銀行に戻ることになったのだ。
 今朝、「二次会をどうにか断るので、親しい清美と隼人でこじんまりと飲みたい」と、佳苗から二人に連絡があった。単なる送別会の参加者でしかない隼人は、シレっと途中で一次会を抜け、待ち合わせの喫茶店で清美と一緒に佳苗を待つ、という段取りなのであった。

「清美に『今向かっている』って連絡来たんだろ? じきに来るよ」

 少し赤らんだ顔の恋人は、彼女の肩をポンポンと叩き、視線を通りに移した。
 待ち合わせに間に合うようにと、どうにか仕事をやりくりして、喫茶店についたのが20時過ぎ。少し待つと隼人がやってきて、さしたる会話もなく、ぼんやりと待ち人が現れるのを待っている。
 目の前にある空のビールグラスをもてあそびながら、大きくため息をついた。

 本当なら、このまま隼人と一緒に濃密な時間を過ごしたい。

 ただ、佳苗は佳苗で、多忙である。
 今日くらいしか会うチャンスがないのは、清美自身も理解はしているが、気持ちがついて行かない。
 数週間前、異動に関する引っ越しやあいさつ回りでスケジュールが埋まってしまった、と嘆いていた様子を考えれば、しばらく会えなくなってしまうのは、容易に推測できる。
 隼人と二人きりじゃないのはちょっと残念だけど、彼も佳苗も大切な人であることには変わりない。その三人で楽しく飲むのである。そんなことを思うと、清美から自然と笑みがこぼれた。

「……お、ようやく主役の登場だ」

 隼人に肩をゆすられて、人通りに目を凝らす。
 ネイビーのスーツに身を包んだ佳苗がスタスタと歩いている。赤い顔で少し疲れた表情であるが、足取りも確かだ。窓際の清美と隼人を見つけると、嬉しそうに小走りで近づく。

「やっと抜け出せた……待たせちゃったね」

「佳苗、お疲れ様。二次会のお店は決まっているの?」

 佳苗は嬉しそうにうなづくと、通りを快活に歩き始めた。顔を見合わせて清美と隼人が後に続く。
 いつもだったら、彼と手を繋いで歩くのだが、今日は三人だ。なるべく恋人に身体を寄せて歩くに留める。

 後に続くと、だんだんと通りから外れ、店も少なくなってきた。本当にお店があるのか疑問と思うと同時に、清美にはある考えが浮かんだ。佳苗を二人だけの時の呼び方に変えて呼び止める。

「ねぇ、、どこかコンビニに寄ってお酒買わなくて大丈夫?」

「清美ちゃん……九門はお店知ってるって言ってたじゃないか」

、買わなくて良いよ。頂いたお酒とかたくさんあるし、おつまみも昨日買ってある」

 佳苗も清美に特別な呼び方で返して、変わらない歩調で前を進む。
 程なくして、見慣れた茶色いマンションが見えてきた。エントランスにフクロウをあしらった『オウルハイツ』と書かれた看板もいつもとどおりだ。

(カナのお家で飲むの、久しぶりだな……)

 慣れない建物にキョロキョロする隼人の手を引いて、佳苗の後に続く。
 静まり返った廊下に三人の足音が響く。心なしか弾んだ足取りなのは気のせいだろうか。

「ヨミィがこの間来たときより、だいぶ殺風景になっちゃってねぇ」

 ラベンダー色のマリメッコ柄ルームウェアに着替えた部屋の主に招き入れられた二人は、用意されたクッションにおずおずと座る。
 チョコレートの小袋が転がっている濃藍の小さなローボードと、何着かのスーツが架かった無機質なハンガーラック。淡いピンクのドレッサーテーブルにはノートパソコンと化粧品が雑然と置かれているのは、前回と変わらない。
 前回と違うのは、部屋の隅に積まれている、荷造りされた状態の引っ越し会社のロゴが入ったダンボールである。会おうと思えばまた会えるのはわかっているのに、ダンボールを眺めていると胸が締め付けられる。

「おまたせ。あなた達、お酒もおつまみもまだあるから、遠慮しないでね」

 清美と佳苗がテキパキとした手付きでローボードにグラスとワインボトル、チーズやスモークサーモンといった定番のおつまみが並ぶと、ニコニコしながら乾杯をしてグイッとグラスをあおる。すかさず佳苗がトポトポとワインを継ぎ足した。
 なみなみと注がれたワイングラスをチラリと眺めた清美は、一口飲んで大きく息を吐き出した。一気に呼気かアルコール臭くなっているのがわかる。隼人と佳苗は一次会帰りで『出来上がっている』。
 自分も早いところ酔っ払って、楽しく親友をねぎらいたいのだ。そして、彼女が再び離れていく寂しい気持ちをアルコールで流してしまいたいのである。

「おぉ、今日のヨミィはグイグイ行くねぇ」

 つられて佳苗も早いピッチで飲み始めた。人の気も知らないで、と言いかけたが、おどけた裏では清美と同じ気持ちなのだろう。愛する親友の気持ちが痛いほどわかる。マイペースに飲んでいた隼人は、いつの間にか二人のグラスにワインを継ぎ足す係になってしまった。自分のペースに付き合ってくれないのは少し不満だけど、恋人のお酌も悪くない。

「……だからぁ、テリオスの社長が慌てるから、藤澤さんが困ってんじゃん、ねぇ?  戸塚くん」

 ローボードに空き瓶や空き缶、空の袋が増えてきた。
 口調が怪しくなってきた佳苗に絡まれ、隼人は苦笑しながら相槌を打っている。きっと今回の彼女の『本当の仕事』に関する話なのだろう。
 清美は『朝日オアシスがどこかの会社を買収する、と佳苗はその件でこちらに期間限定で出向した』程度しか知らない。『藤澤さん』というのは、朝日オアシスのシステム部の課長さんだそうだ。
 二人の会話から、相手先の会社のシステム部が、外注してた会社をさっさと契約終了にして切ってしまったことで、将来的な経営統合に必要なデータに関するノウハウが相手先に残っておらず、藤澤課長が大変な目に合ってるらしい、ということは理解できた。

「でさぁ、ようやくアルテミス情報に藤澤さんがコンタクトできたけど、あのシステムを一番知ってる七瀬課長って、どっかに左遷とばされたらしいんだわ……おかげで専門外のアタシも巻き込まれて大変だよ、もぅ……」

「カナ、会社がなんで慌てて外注さんを切ったりするの?」

 トロンとした目で清美に振り向くと、しなだれかかるようににじり寄ってきた。

「いい質問ねぇ……あのね、外注さんをやめて社員さんで回すことで、コスト下がるでしょ。そうすると、利益があがるから、見た目上はしっかりした利益を出している企業に見えるわけ。テリオスフーズの社長としては、どうせ朝日オアシスに買収されるから、少しでも売る価格を上げたいでしょ?」

 かなり酔ってはいるが、ちゃんと頭は回っているのは実に佳苗らしい。細かい説明は省いて清美でも理解しやすいように話してくれた。要はテリオスフーズの社長が儲けたいので、後先考えずにコストカットしたということだ。
 佳苗が調査してみると、業績が下がり始めたあたりから、至るところで無謀なコストカットがあり、業務が立ち行かず現場の負担が激増し、退職者も増えていたという。

「あれ、九門、酒もつまみもなくなったみたいだぞ、コンビニ行ってくるわ」

 キッチンから隼人が顔をのぞかせた。腰を浮かしかけた清美は苦笑した彼に手で制される。
 隣にしなだれかかった部屋の主は、清美に身体を預けており、どのみち立てる体勢ではない。ややゆっくりとした足取りで、部屋から出ると廊下の足音が遠ざかる。

 話しが一段落し、部屋は静まりかえり、二人の身じろきする音しか聞こえない。
 佳苗は清美によりかかり、肩に頭を乗せて擦り付ける。アルコール混じりの甘い香りがする。
 ふわりと手が握られ、もう片方の手でデコルテラインあたりを人差し指で撫でながら、おねだりされる。

「ふにゃあ……ヨミィ、ナデナデしてにゃあ……」

「カナ……隼人くん、じき帰ってくるから……今日は、ね?」

 子供をあやすように髪を撫でて、甘える佳苗をたしなめる。昔から、ふたりきりの時は、彼女は猫のように甘えるのが常であった。そして、多忙の度合いで、甘え方も比例して激しくなるのも昔からだ。

 心臓がバクン、大きく鼓動した。佳苗が清美にしか見せない妖しい上目遣い。
 これをされてしまうと、どうしても断れなくなる。甘えん坊の顎を柔らかく撫でて、そっと抱きしめる。

「……しょうがないなぁ。少しだけだよ……お仕事頑張ったんだね、カナ……」

「ふにゅにゅぅ……嬉しい……ヨミィ、だいしゅきぃ……大変だったにゃあ」

 すっかり牝猫となった佳苗は、愛する親友に嬉しそうに頬ずりする。
 猫と違うのは、頬ずりした後に、唇を重ねてきたことだ。軽い接吻の後、見つめ合って笑い合うと、深く唇を重ねる。

 ぷちゅっ、くちゅっ、ちゅちゅちゅっ。ちゅうぅぅっ。

「あぁあん、か、カナ……は、早いよ……私、まだ……」

 佳苗が清美の乳房を揉みしだきながら、衣服越しに乳首をつまむ。
 身体をビクンビクンと波打たせる相手の抗議を唇を被せて、続く言葉をシャットアウトする。
 を感じながら、手元のスマホで、隼人に『酔いを醒ますから、そっちもしばらく外にいて』とかろうじてメッセージを打つと、清美は牝猫の舌を絡め取って吸い上げる。

「んんっ……にゃん……むちゅぅ……ヨミィ……」

 うっとりとした表情で佳苗に見つめられ、何かが弾けた。まだるっこしいとばかりにメガネを外し、ブラウスを脱ぎ捨てて、ローズピンクのブラジャーだけになる。

「ヨミィ、かわいいにゃあ……カナ、しゅごく嬉しい」

 小躍りするように、佳苗はルームウェアをぽんと脱ぎ捨て、レモンイエローのブラジャー姿になる。
 お互い見つめ合うと、火照った身体を抱きしめ合い、濃厚に唇と舌を絡め合う。

 隼人が帰ってくるまで。
 限られた時間を理解しあっている二人は、愛おしい親友の身体を激しく貪り始めた。
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