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第一章
第一章3「魔法」
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ギルドで冒険者登録を済まし、二人は冒険の準備を始める。
「俺は、剣が使いたいな。リアはどうするつもりなんだ?」
「私は魔法を使ってみたいんだけど、さっき受付の人が詠唱してたよね?私たち何も詠唱とか知らないんだけど。どうすればいいと思う?」
「仲間を増やしてそいつに教えてもらうか、勉強するかが有力だと思う。」
「前者で。」
即答だ。勉強アレルギーかと思ったくらい。そんなものないと思うが。それにしても、前者後者で答えるやつなのか。案外気が合いそうな感じが――
「そうと決まったら仲間になってくれる人を探すよ!」
行動が早い、いいと思う時もあるが、厄介な性格である。
「プランはあるのか?」
「ないけど。その辺の人捕まえたらいけるんじゃね?」
「周りの人を巻き込むな。通報されたらどうするんだ。」
そう言うとリアは困った顔をしてこっちを見てくる。俺にもどうすればいいのか分からないのだが。
「第三の道として、人からパクるっていうのはある。多分詠唱は世界共通だと思うからな。多分。」
「それはダメでしょ。」
なんだこいつ。さっき周りを巻き込もうとした癖に。
「いったん魔法は諦めて―――」
と言い、剣を勧めようとしたとき、
「あんたら魔法が分からないのか?」
聞き覚えのある声がしたと思ったら、さっきの門番の人だった。全然気配を感じなかった。もしかしたら普通の人じゃないのかもしれない。あと仕事は?そんな心配をしながら、
「ああ、それで絶賛困り中だ。相方のほうが。」
門番の男はピッと視線を左に向け、眉間にしわを寄せる。
まずい、警戒されているかもしれない。めんどくさいことになる前に、
「でも、魔法なんて使いこなせるかも分からないし、魔法についてはまた今度にしようと思います。」
「使いこなせるか分からない~?」
まずい、罠を踏んだっぽい。
「まあそれなら良い。心を強く!頑張れよー。」
男は、門に向かって歩いていく。
決め台詞を言ったつもりなのか?確かに心の問題は日ごろの生活に密接な関係にある。だが、あいつがそんなこと考えて言ったとは到底思わない。
嫌なことを聞かされ状況が悪化する、ノーシーボ効果、その逆がプラシーボ効果だ。人は思い込みで死ぬという研究的なものを見て俺は正直そんなことがあるのかと疑っていた。
もしかしたら、自分も気持ちにこれからの生活が左右されてしまう可能性もゼロではないので、できるだけ楽観的に物事を考えていきたい。そんなこと思い出していると、
「何ボーっとしてんの?体調悪い?あと、なんで断ったの?」
リアが顔をのぞかせて聞いてくる。
「すまんすまん。ちょっと前のこと考えてた。それで、断った理由だが、勘だ。勘と言っても根拠はある。」
「どんな?」
「あいつ門番のやつだろ?」
「うん。」
「で、ストーカーされてたんだ。」
「確かに門番の人が町の中にいるのはおかしい、今は夜じゃなければ、真昼間だしね。」
「それが根拠だ。十分だろ?」
「うーん。その辺はよくわかんないけど。今は魔法をあきらめるとするよ。」
「助かる。お前も剣でいいか?」
「おけおけ。」
剣でいいんだ。うっかり、なにかこだわりがあるものだと勘違いしていた。余計な心配というやつか。
武器屋さんと思われる場所に着くと、そこには剣はもちろん、盾や槍、防具やアクセサリー的なものまでずらっと並べられていた。
「すげー!円だ!!」
と、リアが言う。
着目するとこそこ―!?とツッコミたいところだが、なんとなく嫌な予感がするので我慢する。それにしても俺が見た印象では、それぞれの武器、防具が、輝いていて、かっこいい、とかが第一印象なのだが、こいつ、リアは通貨から入るのか、なかなかに個性的だな。そう感心していると、
「そういえばさ、今何円持ってるんだっけ?」
あ、忘れてた。いや、もしかしたら優しい神様だったり?―――する!!ポケットの中に財布が入っていた。地球にいたころ、ポケットに財布を入れる行為などしたころなかったので、間違いなく神様というべきなのか、あのフランクな女性の仕業だ。次あったら感謝の意を伝えることにしよう。ってそれ死ぬってことになっちまうじゃねえか。
俺はなぜ心の中でノリツッコミをしているんだ。恥ずかしい。
自分の心の中を客観視した人は今までいただろうか。もしいなかったら俺こそが一位だと伝えたい。誰かに。
そんなことはいい、何円あるかという質問だったよな?えーと
財布の中を確かめる。
「ざっと50万くらいだと思う。あのよくわからん神様みたいな人が入れてくれてたみたいだ。」
「へー。って50万?!それやばくね。マジ神様神。」
何を当たり前のことを言ってるんだ。神様という熟語には神という漢字が使われている。
「―――。やっちゃいますか。」
と、リアは小声で独り言をつぶやく。
それを聞いた俺は冷や汗が出るほどに嫌な予感がして―――。
「ここに店にある一番いい奴。2セットください!」
よかった。俺が想像していた最悪の展開は同じ剣を買いまくるとか。ここからここまで全部下さいとかだった。リアが冷静になれない人だったら今頃その想像していた通りになっていたかもしれない。
その後しっかり回復薬などの前やったゲームでは叢とかに落ちていそうなものをたくさん買い、町を出た。
行く先は、最初にスポーンした洞窟だ。なぜかといえば、経験値的なものが欲しいから、それだけである。
「俺は、剣が使いたいな。リアはどうするつもりなんだ?」
「私は魔法を使ってみたいんだけど、さっき受付の人が詠唱してたよね?私たち何も詠唱とか知らないんだけど。どうすればいいと思う?」
「仲間を増やしてそいつに教えてもらうか、勉強するかが有力だと思う。」
「前者で。」
即答だ。勉強アレルギーかと思ったくらい。そんなものないと思うが。それにしても、前者後者で答えるやつなのか。案外気が合いそうな感じが――
「そうと決まったら仲間になってくれる人を探すよ!」
行動が早い、いいと思う時もあるが、厄介な性格である。
「プランはあるのか?」
「ないけど。その辺の人捕まえたらいけるんじゃね?」
「周りの人を巻き込むな。通報されたらどうするんだ。」
そう言うとリアは困った顔をしてこっちを見てくる。俺にもどうすればいいのか分からないのだが。
「第三の道として、人からパクるっていうのはある。多分詠唱は世界共通だと思うからな。多分。」
「それはダメでしょ。」
なんだこいつ。さっき周りを巻き込もうとした癖に。
「いったん魔法は諦めて―――」
と言い、剣を勧めようとしたとき、
「あんたら魔法が分からないのか?」
聞き覚えのある声がしたと思ったら、さっきの門番の人だった。全然気配を感じなかった。もしかしたら普通の人じゃないのかもしれない。あと仕事は?そんな心配をしながら、
「ああ、それで絶賛困り中だ。相方のほうが。」
門番の男はピッと視線を左に向け、眉間にしわを寄せる。
まずい、警戒されているかもしれない。めんどくさいことになる前に、
「でも、魔法なんて使いこなせるかも分からないし、魔法についてはまた今度にしようと思います。」
「使いこなせるか分からない~?」
まずい、罠を踏んだっぽい。
「まあそれなら良い。心を強く!頑張れよー。」
男は、門に向かって歩いていく。
決め台詞を言ったつもりなのか?確かに心の問題は日ごろの生活に密接な関係にある。だが、あいつがそんなこと考えて言ったとは到底思わない。
嫌なことを聞かされ状況が悪化する、ノーシーボ効果、その逆がプラシーボ効果だ。人は思い込みで死ぬという研究的なものを見て俺は正直そんなことがあるのかと疑っていた。
もしかしたら、自分も気持ちにこれからの生活が左右されてしまう可能性もゼロではないので、できるだけ楽観的に物事を考えていきたい。そんなこと思い出していると、
「何ボーっとしてんの?体調悪い?あと、なんで断ったの?」
リアが顔をのぞかせて聞いてくる。
「すまんすまん。ちょっと前のこと考えてた。それで、断った理由だが、勘だ。勘と言っても根拠はある。」
「どんな?」
「あいつ門番のやつだろ?」
「うん。」
「で、ストーカーされてたんだ。」
「確かに門番の人が町の中にいるのはおかしい、今は夜じゃなければ、真昼間だしね。」
「それが根拠だ。十分だろ?」
「うーん。その辺はよくわかんないけど。今は魔法をあきらめるとするよ。」
「助かる。お前も剣でいいか?」
「おけおけ。」
剣でいいんだ。うっかり、なにかこだわりがあるものだと勘違いしていた。余計な心配というやつか。
武器屋さんと思われる場所に着くと、そこには剣はもちろん、盾や槍、防具やアクセサリー的なものまでずらっと並べられていた。
「すげー!円だ!!」
と、リアが言う。
着目するとこそこ―!?とツッコミたいところだが、なんとなく嫌な予感がするので我慢する。それにしても俺が見た印象では、それぞれの武器、防具が、輝いていて、かっこいい、とかが第一印象なのだが、こいつ、リアは通貨から入るのか、なかなかに個性的だな。そう感心していると、
「そういえばさ、今何円持ってるんだっけ?」
あ、忘れてた。いや、もしかしたら優しい神様だったり?―――する!!ポケットの中に財布が入っていた。地球にいたころ、ポケットに財布を入れる行為などしたころなかったので、間違いなく神様というべきなのか、あのフランクな女性の仕業だ。次あったら感謝の意を伝えることにしよう。ってそれ死ぬってことになっちまうじゃねえか。
俺はなぜ心の中でノリツッコミをしているんだ。恥ずかしい。
自分の心の中を客観視した人は今までいただろうか。もしいなかったら俺こそが一位だと伝えたい。誰かに。
そんなことはいい、何円あるかという質問だったよな?えーと
財布の中を確かめる。
「ざっと50万くらいだと思う。あのよくわからん神様みたいな人が入れてくれてたみたいだ。」
「へー。って50万?!それやばくね。マジ神様神。」
何を当たり前のことを言ってるんだ。神様という熟語には神という漢字が使われている。
「―――。やっちゃいますか。」
と、リアは小声で独り言をつぶやく。
それを聞いた俺は冷や汗が出るほどに嫌な予感がして―――。
「ここに店にある一番いい奴。2セットください!」
よかった。俺が想像していた最悪の展開は同じ剣を買いまくるとか。ここからここまで全部下さいとかだった。リアが冷静になれない人だったら今頃その想像していた通りになっていたかもしれない。
その後しっかり回復薬などの前やったゲームでは叢とかに落ちていそうなものをたくさん買い、町を出た。
行く先は、最初にスポーンした洞窟だ。なぜかといえば、経験値的なものが欲しいから、それだけである。
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