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第一章
第一章4「洞窟での成長」
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洞窟に着き、またここに来たかと思い入口に足を踏み入れる。
この世界に来た時には一般的に敵と呼ばれているようなやつらには出会わなかった。いや、そもそも誰にも出会っていなかったな。
あの神が丸腰を俺たちを思って敵を排除してくれたと仮定して、ここに向かうことを決めた。
ただし、それは理由の一部である。本命の理由は、ここしか敵がスポーンしそうなところとして考えつかなかったからだ。
一応、周囲に警戒しながら、足音を聞くために耳をすませ、慎重に進んで3分くらい経ったが、一向に適が出てくる予感がしない。
はて、どうしよう。
「おいリア、敵いない説濃厚なんだが。」
「だから私は早速知らないところに冒険に行こうって言ったんだよ!」
ほんとにそんなことまで考えて言っていたのか?ただ単に早く冒険に行きたいだけではなかったのか。
そう思っていると、
「これ以上進んでも、意味ないと思うんだけど。」
「すまん。俺がミスったみたいだ。でも、なるべく町に近い方がいいと思うんだが。」
「いっぱい買ったのがそんなにすぐになくなるとは思わないけど。」
「そんなの気にしてない。俺が危惧しているのは剣の耐久値だ。剣を見て耐久値などは特に確認できないが、耐久値が無限なものがあるとは思えない。もし、剣を使い果たし、丸腰の状態で町が遠かったらどうする?」
「確かに、―――やっぱり魔法が必要になってくるよね。」
そっち?普通券を補充するために町の近くにいたほうがいいとかいう考えが思い浮かぶはずなんだが。
こいつまだ魔法を諦めてないな。
あの人ならもしかしたら――――。
「町に戻ろう。」
「戻るの?!」
「この世界の魔法は素人でも簡単に撃てる可能性がある。その可能性が間違っていたとしても、その可能性をつぶすことは重要だと思う。」
「正直何言ってるかわかんないけど、多分すごいこと言ってるっぽいから戻るよ。」
「ありがとう。」
なぜ理解できないかが分からない。
まるでクラスにいる頭の悪い子に数学を教えているみたいな感覚だ。
こんなに愚痴を思っているといつか爆発しそうだからこれくらいにしておこうかな。
またこの町、インティウムに戻ってきた。
俺が目的としている人物というのは、門番の男―――ではなく、受付の女性だ。
あの人なら優しそうだし何でも知っていそうだからという簡単な理由である。
「こんにちはー。」
「こんにちはー。ってどうされたんですか?」
受付の女性が目を丸くして聞いてくる。
「すみません、もしよかったらなんですけど、魔法について教えてもらったりできますか?自分ら魔法について生まれてから全く触れてきていないもんで。」
「そうなんですか!?魔法も知らずに冒険者登録をしていたということですよね。これは私が確認しなかったのも原因だからもちろん教えますよ!」
「ありがとうございます!早速いいですか?」
「やったー魔法だー!」
「―――説明しますね。」
リアのせいで受付の女性が若干顔を引きつってしまった。
「この世界の魔法には属性と階級というものがあります。まずに階級について説明しますね。階級というのは魔法自体の大きさ、威力を一番下の級、すなわち初級から、一番上の級、すなわち魔級まであります。私が知っている詠唱ですが、初級、中級、上級までしか知りません。おそらく国民のほとんどがそうだと思いますよ。初級の詠唱は、属性の詠唱のみです。中級の詠唱は属性の詠唱の前に、『イプ』をつけるだけです。中級を撃てるほどの才能、というと語弊がありますね、努力というのが正しいでしょうか。最後に上級です。上級の詠唱は、先ほどと同様、属性の詠唱の前に『マグ』をつける。上級を撃つには相当の努力が必要とされています。」
「なるほど。おいリア。理解してるのか?」
「ばっちりだよ。こういうのは好きだからね。」
「続いて属性についてです。この世界には 種類の属性があります。初めに炎。詠唱はフラマです。続いて氷。詠唱はグラシエス。続いて風。詠唱はベンツ。続いて光。詠唱はルックス。続いて闇。詠唱はテネブリス。最後にちょっと変化球ですが時。詠唱はテンプス。この『時』という魔法は使える人がいないと噂されている幻の魔法です。詠唱は謎です。別ジャンルとして治癒魔法があります。詠唱はクラシオ。かなり使う頻度が高い魔法です。このぐらいが魔法の基礎ですが、わかりましたか?」
「はい!ありがとうございました。時…というのは少し引っ掛かりますが、やっぱりあなたに頼ってよかったです!」
「私もそう思います。ありがとうございました!」
二人は感謝を述べる。
「いえいえ。私も魔法について話すのが楽しかったですから、気にしないでいいですよ。これから冒険者として頑張ってくださいね!」
「もちろんです。あなたに教えてもらったことを生かし、最強の冒険者になろうと思います!」
「私もですー!」
そう言いギルドを出た。
この世界に来た時には一般的に敵と呼ばれているようなやつらには出会わなかった。いや、そもそも誰にも出会っていなかったな。
あの神が丸腰を俺たちを思って敵を排除してくれたと仮定して、ここに向かうことを決めた。
ただし、それは理由の一部である。本命の理由は、ここしか敵がスポーンしそうなところとして考えつかなかったからだ。
一応、周囲に警戒しながら、足音を聞くために耳をすませ、慎重に進んで3分くらい経ったが、一向に適が出てくる予感がしない。
はて、どうしよう。
「おいリア、敵いない説濃厚なんだが。」
「だから私は早速知らないところに冒険に行こうって言ったんだよ!」
ほんとにそんなことまで考えて言っていたのか?ただ単に早く冒険に行きたいだけではなかったのか。
そう思っていると、
「これ以上進んでも、意味ないと思うんだけど。」
「すまん。俺がミスったみたいだ。でも、なるべく町に近い方がいいと思うんだが。」
「いっぱい買ったのがそんなにすぐになくなるとは思わないけど。」
「そんなの気にしてない。俺が危惧しているのは剣の耐久値だ。剣を見て耐久値などは特に確認できないが、耐久値が無限なものがあるとは思えない。もし、剣を使い果たし、丸腰の状態で町が遠かったらどうする?」
「確かに、―――やっぱり魔法が必要になってくるよね。」
そっち?普通券を補充するために町の近くにいたほうがいいとかいう考えが思い浮かぶはずなんだが。
こいつまだ魔法を諦めてないな。
あの人ならもしかしたら――――。
「町に戻ろう。」
「戻るの?!」
「この世界の魔法は素人でも簡単に撃てる可能性がある。その可能性が間違っていたとしても、その可能性をつぶすことは重要だと思う。」
「正直何言ってるかわかんないけど、多分すごいこと言ってるっぽいから戻るよ。」
「ありがとう。」
なぜ理解できないかが分からない。
まるでクラスにいる頭の悪い子に数学を教えているみたいな感覚だ。
こんなに愚痴を思っているといつか爆発しそうだからこれくらいにしておこうかな。
またこの町、インティウムに戻ってきた。
俺が目的としている人物というのは、門番の男―――ではなく、受付の女性だ。
あの人なら優しそうだし何でも知っていそうだからという簡単な理由である。
「こんにちはー。」
「こんにちはー。ってどうされたんですか?」
受付の女性が目を丸くして聞いてくる。
「すみません、もしよかったらなんですけど、魔法について教えてもらったりできますか?自分ら魔法について生まれてから全く触れてきていないもんで。」
「そうなんですか!?魔法も知らずに冒険者登録をしていたということですよね。これは私が確認しなかったのも原因だからもちろん教えますよ!」
「ありがとうございます!早速いいですか?」
「やったー魔法だー!」
「―――説明しますね。」
リアのせいで受付の女性が若干顔を引きつってしまった。
「この世界の魔法には属性と階級というものがあります。まずに階級について説明しますね。階級というのは魔法自体の大きさ、威力を一番下の級、すなわち初級から、一番上の級、すなわち魔級まであります。私が知っている詠唱ですが、初級、中級、上級までしか知りません。おそらく国民のほとんどがそうだと思いますよ。初級の詠唱は、属性の詠唱のみです。中級の詠唱は属性の詠唱の前に、『イプ』をつけるだけです。中級を撃てるほどの才能、というと語弊がありますね、努力というのが正しいでしょうか。最後に上級です。上級の詠唱は、先ほどと同様、属性の詠唱の前に『マグ』をつける。上級を撃つには相当の努力が必要とされています。」
「なるほど。おいリア。理解してるのか?」
「ばっちりだよ。こういうのは好きだからね。」
「続いて属性についてです。この世界には 種類の属性があります。初めに炎。詠唱はフラマです。続いて氷。詠唱はグラシエス。続いて風。詠唱はベンツ。続いて光。詠唱はルックス。続いて闇。詠唱はテネブリス。最後にちょっと変化球ですが時。詠唱はテンプス。この『時』という魔法は使える人がいないと噂されている幻の魔法です。詠唱は謎です。別ジャンルとして治癒魔法があります。詠唱はクラシオ。かなり使う頻度が高い魔法です。このぐらいが魔法の基礎ですが、わかりましたか?」
「はい!ありがとうございました。時…というのは少し引っ掛かりますが、やっぱりあなたに頼ってよかったです!」
「私もそう思います。ありがとうございました!」
二人は感謝を述べる。
「いえいえ。私も魔法について話すのが楽しかったですから、気にしないでいいですよ。これから冒険者として頑張ってくださいね!」
「もちろんです。あなたに教えてもらったことを生かし、最強の冒険者になろうと思います!」
「私もですー!」
そう言いギルドを出た。
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