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第一章
第一章5「冒険」
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改めて、冒険を始めた二人はこの素晴らしい町インティウムを出て、これからどうしようと話し合いをしている。
「地図とかもらっておいたほうがよかったな。ここがどこか全く分からない。」
「確かにねー。なんとなく北は寒くて、南は暑いみたいな印象あるんだけどセイナはどう思う?」
「ここかどんな世界かもわからないが、太陽はあるから地域によって温度の差や生活の差はありそうだな。」
「地理の授業みたいなのしないで。吐き気がする。」
「常識だぞ?」
それにしてもこれからどうしよう。また街に戻って地図をもらいに行くのはめんどくさいし、もしギルドに行くなら図々しい感じにみられる気がする。
いつもの勘で左、すなわち西に行くのが俺が心の中で思っている意見なんだが、リアが反対してきそうな感じがするから、他の考え方で決めようと思う。
「自分たちで地図を作るっていうのはどう?」
おおー。なんかゲーマーらしい考え方だな。でも確かにそれは普通に楽しそう。
「いいんじゃないか?冒険のモチベに繋がるしな。」
「えっ。賛成してくれるのちょっと意外。」
「そうか?それよりどっちに進むとかはどう決める?」
「セイナ決めていいよ。」
「じゃあ西で。」
「それっていつもの勘ってやつ?」
「なんでわかった?」
こいつに心の中を読まれるのはちょっとダルイっていうか不快っていうか。
よく分からない勘で西に進むことを決めた二人は、50万をほぼ使い購入した装備一式、詳しく言うと剣、身軽な防具、あれ?50万でこんだけ?まさか―――。
「セイナ、どうしたの?」
「おいリア、お前何か無駄遣いしたよな?」
「えっ?えっ?なん、なんのこと?えっ。」
明らかに様子がおかしくなった。嘘つくの下手すぎないか?
「いつか何かしらの形で返してもらうからな。」
「はいー。」
そんな、気が引き締めることとは無縁の会話をして、西に出発した。なにかがあることを祈って。
30程経ち、遠くを指さし、はしゃぐのは、
「セイナ!あれモンスターじゃない?!あのスライムみたいなの!」
「そうみたいだな。でもスライムだからって気を抜くなよ。スライムが最強のモンスターっていう世界の可能性もゼロではないからなー。」
「まかせときな!」
リアは剣を天高く振りかざし、スライムの右上の部分から左下の部分まで斬る。予定だった。
剣がスライムの左上の部分に少し刃が入った瞬間、スライムが消えたのだ。
そして、少し後ろからその戦闘を見ていたセイナは違和感を覚え、
「リア!下がれ!!」
「わかっっっ―――。」
た。それを言い終わる前にスライムがリアの背後を取り、―――――背中に、―――――引っ付いた。
「え?」
明らかにセイナが言っていた説が当たってしまったと思っていたリアは背中が少し重くなっただけでなにも痛いところがという圧倒的違和感に気づき、背中にいるスライムを見て――――。
それと同タイミング、自分の冗談で言っていたことが本当になったのか?それよりリアを助けなければ、と思い少し震える足を前に進めて、リアのもとに。
「なにこれ!めっちゃかわいい!」
「は?」
確かにリアの背中にまるでペットのように引っ付いている。敵対MOBではないのか?そしたらこの世界の敵対MOBは―――――。
「俺の勘が当たらなくてよかった。敵対していないようだな。連れてくか。」
「ほんとに?!じゃあ名前はベスにしよう!」
そう嬉しそうにリアは命名した。
「由来は?――――、もしかしてあのゲームか?」
「よくわかったね!これから一緒だよベス!」
「――――」
このスライムに発声機能はないらしい。あったら怖いが。
それにしても、このスライムさっきどうやってリアの背後を取ったんだ?俯瞰で見ていた俺でも目で追えなかった速度だったぞ。ますますこの世界がよくわからなくなってきた。
スライムと出会って1時間ほど西に進むと町が見えてきた。
「町が見えた―!!!!」
相変わらずテンションが高いリアだった。
「地図とかもらっておいたほうがよかったな。ここがどこか全く分からない。」
「確かにねー。なんとなく北は寒くて、南は暑いみたいな印象あるんだけどセイナはどう思う?」
「ここかどんな世界かもわからないが、太陽はあるから地域によって温度の差や生活の差はありそうだな。」
「地理の授業みたいなのしないで。吐き気がする。」
「常識だぞ?」
それにしてもこれからどうしよう。また街に戻って地図をもらいに行くのはめんどくさいし、もしギルドに行くなら図々しい感じにみられる気がする。
いつもの勘で左、すなわち西に行くのが俺が心の中で思っている意見なんだが、リアが反対してきそうな感じがするから、他の考え方で決めようと思う。
「自分たちで地図を作るっていうのはどう?」
おおー。なんかゲーマーらしい考え方だな。でも確かにそれは普通に楽しそう。
「いいんじゃないか?冒険のモチベに繋がるしな。」
「えっ。賛成してくれるのちょっと意外。」
「そうか?それよりどっちに進むとかはどう決める?」
「セイナ決めていいよ。」
「じゃあ西で。」
「それっていつもの勘ってやつ?」
「なんでわかった?」
こいつに心の中を読まれるのはちょっとダルイっていうか不快っていうか。
よく分からない勘で西に進むことを決めた二人は、50万をほぼ使い購入した装備一式、詳しく言うと剣、身軽な防具、あれ?50万でこんだけ?まさか―――。
「セイナ、どうしたの?」
「おいリア、お前何か無駄遣いしたよな?」
「えっ?えっ?なん、なんのこと?えっ。」
明らかに様子がおかしくなった。嘘つくの下手すぎないか?
「いつか何かしらの形で返してもらうからな。」
「はいー。」
そんな、気が引き締めることとは無縁の会話をして、西に出発した。なにかがあることを祈って。
30程経ち、遠くを指さし、はしゃぐのは、
「セイナ!あれモンスターじゃない?!あのスライムみたいなの!」
「そうみたいだな。でもスライムだからって気を抜くなよ。スライムが最強のモンスターっていう世界の可能性もゼロではないからなー。」
「まかせときな!」
リアは剣を天高く振りかざし、スライムの右上の部分から左下の部分まで斬る。予定だった。
剣がスライムの左上の部分に少し刃が入った瞬間、スライムが消えたのだ。
そして、少し後ろからその戦闘を見ていたセイナは違和感を覚え、
「リア!下がれ!!」
「わかっっっ―――。」
た。それを言い終わる前にスライムがリアの背後を取り、―――――背中に、―――――引っ付いた。
「え?」
明らかにセイナが言っていた説が当たってしまったと思っていたリアは背中が少し重くなっただけでなにも痛いところがという圧倒的違和感に気づき、背中にいるスライムを見て――――。
それと同タイミング、自分の冗談で言っていたことが本当になったのか?それよりリアを助けなければ、と思い少し震える足を前に進めて、リアのもとに。
「なにこれ!めっちゃかわいい!」
「は?」
確かにリアの背中にまるでペットのように引っ付いている。敵対MOBではないのか?そしたらこの世界の敵対MOBは―――――。
「俺の勘が当たらなくてよかった。敵対していないようだな。連れてくか。」
「ほんとに?!じゃあ名前はベスにしよう!」
そう嬉しそうにリアは命名した。
「由来は?――――、もしかしてあのゲームか?」
「よくわかったね!これから一緒だよベス!」
「――――」
このスライムに発声機能はないらしい。あったら怖いが。
それにしても、このスライムさっきどうやってリアの背後を取ったんだ?俯瞰で見ていた俺でも目で追えなかった速度だったぞ。ますますこの世界がよくわからなくなってきた。
スライムと出会って1時間ほど西に進むと町が見えてきた。
「町が見えた―!!!!」
相変わらずテンションが高いリアだった。
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