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4話
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戦闘が終わり、担任から解説が始まる。
「いいか!まず最初のあの尋常でない動きは、身体魔法といって!…………」
俺は首の後ろについている魔石を取り出す。
そして、魔石を握りしめ、魔力を充填していく。
「あの、質問なんですけど。
魔石の魔力ってあんな一瞬で無くなるものなんですか?」
「うーーーん、それについてはだな……」
担任は少し思案したあと、俺の方を向いて、
「じゃあ雑木!説明してみろ!」
といきなり話を振られた。
俺は多少面倒になりながらも、説明を始める。
「最後のは、防魔服に張り巡らされているその魔線を使いました。
そいつは魔力を一方向に流すことの出来るもので、人の意思がなくても魔力を与えるだけで勝手に流れていく。
その特性上、魔線は常に円環状になっていて、一部分でもちぎれると魔力が循環しなくなり、防魔服はその機能を停止する」
語っていったが、見せた方が早いと思い、俺は砂埃を支配して、魔線紛いのものを作る。
それに大して俺は、その砂埃の流れの途中に手を翳す。
すると、流れていた砂埃は俺の手元で慣性を失い、地面に落ちていく。
「こんな感じで、その流れのところに魔力を送り込んで相殺すれば、魔力がすぐなくなる」
それを聞いたクラスのみんなは、納得したように頷く。
「まぁ、魔力が少なくても、やりようによっては君達は手も足も出ることなく、倒される可能性があるんだ」
そこで担任は、真剣なトーンで話し始める。
「だから、だ」
俺は肩を叩かれる。
後ろにいるのは誰だ?と思いながら振り向く、そこには、担任の姿があった。
おそらくクラスメイトの人も驚いているだろう。
速すぎる。
「それじゃあ、これから防魔服の性能について話をしていく!
防魔服を知らないものは確実に魔戦はさせられない!
心して覚えてくれ!」
その言葉に、呆気にとられていたクラスメイト達も、気合を入れたような声を出す。
「南部と雑木はどうする?!
見たところ二人とも実践を終えた後だから、無理して参加することは無いぞ!」
その言葉に、俺はもうカッスカスになってきた魔力を考え、
「じゃあ俺は辞退で……」
「私はやります」
「ほう、じゃあ雑木はそこら辺のどこか邪魔にならないところで見学していてくれ」
そう言い、担任は南部に魔石を出すように催促し、俺はそこら辺に座ることにした。
どうやら担任は南部に誰かと組むように言ったらしく、南部は茶髪で大きい目の…………南部の魔法を消したことに驚いたやつと、練習を始めた。
「おう、雑木、元気してたか?」
「担任でしょうあんたは……」
隣に座ってきたのは、担任。
その口振りは、いつもと違い、少し軽い感じの口調。
そして内容は、まるで俺と友人であったかのような話し方。
「お前が南部のあれを消した時は驚いたよ」
「別に難しいことはしてないです。
見えないものを見えないように消しただけだし」
「…………あのふたり」
言われずともわかるその対象は、茶髪が一生懸命南部に対して会話をしている。
対する南部は、露骨に不機嫌な感じで茶髪と話す。
「分かってる」
「波切の方は分からない。
聞いたことのない苗字、特に目立った功績もなし。
なのに、あの時、リアクションをした」
「まぁ、支配張ってたとかありそうですし、いまは様子見に留めておきましょう」
「うむ、しかし雑木」
少し、担任の纏う空気が変わった。
懐かしいような、それでいてもう触れることのないであろうと思っていた空気。
「貴様、どこが本気だ?」
「………………あなたの思うところですよ」
そんな空気を断ち切りたく、俺は担任に、皮肉で返してみると、
「ふむ、ならばやっちゃんに聞いてみようか」
「やっちゃんこそ教えてくれないと思うよ」
どうやら勘違いしているのか……。
やっちゃんの名前を出せば動くというものじゃない。
まぁ、やっちゃんには大変世話になったから、逆らえないのも事実だが、
「ま、そうだな、ーーーー」
「…………それはちょっと不意打ちじゃないですか?」
耳元で囁かれた言葉。
……まさか俺の渾名まで知っているとは……。
流石に何をしてるかまではバレないだろうが、確実にマークはされてたんだな、と思っていると。
「これ以上は調べないし、これを元に雑木を利用するつもり等は毛頭無い」
担任は歩いて練習を行っているみんなの元へ歩き始める。
「さぁ!まずは痛みに慣れるぞ!」
その言葉に、やっぱり戦場をくぐり抜けてきたものなのだと、再認識する。
俺は満タンになった魔石を手の中で転がしながら、仰向けになった。
「話してほしい」
翌日から、俺は南部小雪と、波切冬児という人物について、見誤っていたことに盛大に後悔するのは、仕方が無いことだった。
「いいか!まず最初のあの尋常でない動きは、身体魔法といって!…………」
俺は首の後ろについている魔石を取り出す。
そして、魔石を握りしめ、魔力を充填していく。
「あの、質問なんですけど。
魔石の魔力ってあんな一瞬で無くなるものなんですか?」
「うーーーん、それについてはだな……」
担任は少し思案したあと、俺の方を向いて、
「じゃあ雑木!説明してみろ!」
といきなり話を振られた。
俺は多少面倒になりながらも、説明を始める。
「最後のは、防魔服に張り巡らされているその魔線を使いました。
そいつは魔力を一方向に流すことの出来るもので、人の意思がなくても魔力を与えるだけで勝手に流れていく。
その特性上、魔線は常に円環状になっていて、一部分でもちぎれると魔力が循環しなくなり、防魔服はその機能を停止する」
語っていったが、見せた方が早いと思い、俺は砂埃を支配して、魔線紛いのものを作る。
それに大して俺は、その砂埃の流れの途中に手を翳す。
すると、流れていた砂埃は俺の手元で慣性を失い、地面に落ちていく。
「こんな感じで、その流れのところに魔力を送り込んで相殺すれば、魔力がすぐなくなる」
それを聞いたクラスのみんなは、納得したように頷く。
「まぁ、魔力が少なくても、やりようによっては君達は手も足も出ることなく、倒される可能性があるんだ」
そこで担任は、真剣なトーンで話し始める。
「だから、だ」
俺は肩を叩かれる。
後ろにいるのは誰だ?と思いながら振り向く、そこには、担任の姿があった。
おそらくクラスメイトの人も驚いているだろう。
速すぎる。
「それじゃあ、これから防魔服の性能について話をしていく!
防魔服を知らないものは確実に魔戦はさせられない!
心して覚えてくれ!」
その言葉に、呆気にとられていたクラスメイト達も、気合を入れたような声を出す。
「南部と雑木はどうする?!
見たところ二人とも実践を終えた後だから、無理して参加することは無いぞ!」
その言葉に、俺はもうカッスカスになってきた魔力を考え、
「じゃあ俺は辞退で……」
「私はやります」
「ほう、じゃあ雑木はそこら辺のどこか邪魔にならないところで見学していてくれ」
そう言い、担任は南部に魔石を出すように催促し、俺はそこら辺に座ることにした。
どうやら担任は南部に誰かと組むように言ったらしく、南部は茶髪で大きい目の…………南部の魔法を消したことに驚いたやつと、練習を始めた。
「おう、雑木、元気してたか?」
「担任でしょうあんたは……」
隣に座ってきたのは、担任。
その口振りは、いつもと違い、少し軽い感じの口調。
そして内容は、まるで俺と友人であったかのような話し方。
「お前が南部のあれを消した時は驚いたよ」
「別に難しいことはしてないです。
見えないものを見えないように消しただけだし」
「…………あのふたり」
言われずともわかるその対象は、茶髪が一生懸命南部に対して会話をしている。
対する南部は、露骨に不機嫌な感じで茶髪と話す。
「分かってる」
「波切の方は分からない。
聞いたことのない苗字、特に目立った功績もなし。
なのに、あの時、リアクションをした」
「まぁ、支配張ってたとかありそうですし、いまは様子見に留めておきましょう」
「うむ、しかし雑木」
少し、担任の纏う空気が変わった。
懐かしいような、それでいてもう触れることのないであろうと思っていた空気。
「貴様、どこが本気だ?」
「………………あなたの思うところですよ」
そんな空気を断ち切りたく、俺は担任に、皮肉で返してみると、
「ふむ、ならばやっちゃんに聞いてみようか」
「やっちゃんこそ教えてくれないと思うよ」
どうやら勘違いしているのか……。
やっちゃんの名前を出せば動くというものじゃない。
まぁ、やっちゃんには大変世話になったから、逆らえないのも事実だが、
「ま、そうだな、ーーーー」
「…………それはちょっと不意打ちじゃないですか?」
耳元で囁かれた言葉。
……まさか俺の渾名まで知っているとは……。
流石に何をしてるかまではバレないだろうが、確実にマークはされてたんだな、と思っていると。
「これ以上は調べないし、これを元に雑木を利用するつもり等は毛頭無い」
担任は歩いて練習を行っているみんなの元へ歩き始める。
「さぁ!まずは痛みに慣れるぞ!」
その言葉に、やっぱり戦場をくぐり抜けてきたものなのだと、再認識する。
俺は満タンになった魔石を手の中で転がしながら、仰向けになった。
「話してほしい」
翌日から、俺は南部小雪と、波切冬児という人物について、見誤っていたことに盛大に後悔するのは、仕方が無いことだった。
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