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2章 リリスと闇の侯爵家
50 森の中でその二
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カサッと何かが動く音が耳に入る。
小鳥が近くに降りたのかしらと、リリスは音がした方に顔を向けた。
しかし、そこには何もなかった。
おかしいわねとリリスは首を傾げながらもとの場所で花を摘もうとすると、背後から腕が伸び抱きしめられた。
「会いたかった、リリス」
耳に直接吐息がかかる距離で何者かに囁かれる。
獣の臭いがした。
「いや…」
恐怖で一瞬、身体が動けなくなるが、せめてもと思いリリスは籠を投げつけた。
「…痛いな」
その瞬間、腕の拘束が緩む。
転がるように前へ出て距離をとった。
「誰なの!」
リリスは後ろを振り返る、そこには灰紫アッシュモーヴの瞳をギラつかせるワーウルフのグレイが立っていた。
ご機嫌そうにふわふわの狼のしっぽが揺れている。
「会いたかったぞ、リリス」
「狼…の魔族」
私は以前にされたことを思い出し、震える。
この胸には未だこの魔族につけられた、花嫁の印が刻まれていた。
心配したフルールとメルヒにも調べてもらったが、刻印が定着しすきてどうにもならなかったことを思い出す。
またこの魔族に何かされるかもしれないと不安がリリスを襲った。
「…どこか遠くに行ったのではなかったの?」
「そうだな、あの場では退散したが…。
花嫁をここに置いたままでは帰れない。
この森でリリスに会う機会を待っていた」
グレイはゆっくりとこちらに近づいてくる。
リリスは後ずさりしながら、来ないで心の中で繰り返す。
嫌悪の眼差しで灰紫の瞳を見つめると胸の刻印が熱を帯びた。
「…くっ」
リリスは苦痛に耐えながら胸を押さえる。
「この森は、案外快適でな。
不自由はなかったぞ。
妖精の作った抜け穴から容易に外に出れるしな」
苦しむリリスを不思議そうにグレイは見ている。
「それにしても、一人でこんな所に来るなんて不用心だな…。
狙われていることを忘れたのか?
花嫁自ら、俺様の近くへやって来るなんて…」
グレイはリリスが投げつけた籠から、散らばる花を一輪、手に取った。
鋭利な瞳を細め、うっすらと笑みを浮かべる。
「誘っているとしか、思えん」
手に持った花を握りつぶされた。
リリスは近づいてくるグレイから少しでも離れようとするが、胸の痛みが増して、動けなかった。
「…来ないで」
震える声が抵抗を意味する。
それを無視してグレイはリリスに触れ、覆いかぶさるように、草原に押し倒した。
動けないように腕で押さえつけられる。
「…っ!」
目前には野性的な美しい男の顔がある。
何も知らなければ、リリスだって見惚れてしまいそうな顔だ。
頭の上の狼の耳がピクリと動くのを見ると触りたくなる。
リリスは魔族の男の美しさには惑わされないようにと自分に言い聞かせた。
以前のように助けが来るかもしれないと思うが、メルヒは屋敷の中だ。
カラス達に期待しているが、気づいてくれるか分からない。
今は一人でこの状況を切り抜けなくてはいけない。
リリスはグレイを睨みつけた。
「強気な顔も、そそられるな。
いつまで、そうしていられるか…。
俺様を拒絶するとその印は痛むぞ」
胸の刻印がある場所にグレイは顔を埋める。
見えなくなっていた花嫁の刻印が浮かび上がった。
「…やめて」
「俺様の花嫁、リリス。
その身に流れる血と魔力は俺様のもの…」
ペロリと犬が顔を舐めるように、グレイは唇を貪る。
私の知ってる口付けはこのグレイにばかり与えられる。
本の中で読んだロマンチックなものじゃない。
こんなのは違うとぼんやりと過ぎ去るのを待った。
ひとしきり貪り満足したグレイが顔を上げる。
そこでグレイは変化に気づいた。
「ん…以前よりも味が濃くなっている。
どういうことだ?
これだけで、力が満ちていく…」
うっとりとした表情でグレイはリリスをを見つめた。
見つめられると金縛りにあったかのように身体が動かなくなる。
「やはり、良い拾い物だな。
黒髪に赤い瞳の美しい顔の女。
…はて、どこかで聞いたような特徴だな」
何か気にかかることがあったのか、グレイは考える仕草をする。
こちらを押さえつける力が弱まったので、リリスは這ってグレイから逃げ出そうとした。
少し離れると胸の刻印が離れることを抗議するように、ズキズキと傷んだ。
先程の口付けのせいか身体も重くなっている。
また魔力を奪われたのだろう。
「そうだ、思い出したぞ」
逃げ出そうとしたリリスにグレイはすっと近づく。
腕を掴みひっぱると、重力のまま後ろに倒れたリリスを再び抱き抱えた。
「何処へ行く?」
「あっ…」
そのまま、横抱きにされ顔を覗き込まれた。
「たまたま歩いていた街で、黒い髪に赤い瞳を持つ令嬢が誘拐されたと騒ぎになっていた。
報奨金までついていたぞ」
探るような視線を向けられる。
「俺様の花嫁は人間共が探している侯爵令嬢と特徴が随分一致しているな」
その言葉にリリスはビクリと身体震えた。
グレイのことも恐ろしいが、この震えは別の震えだ。
「本人か?」
グレイが目を細める。
探されることは分かってはいたが、実際に探されていると聞くと現実味が増してくる。
グレイの言葉に不安が広がった。
この一ヶ月の間は何事もなく過ごすことが出来た。
これから先もそうであって欲しいと願っていたけれど、難しいのかもしれない。
「違う。
私は、誘拐なんてされてない」
「本人にしろ、違うにしろ、どっちにしたって、その特徴と一致しているリリスは人の世では生きずらいだろうな。
人は金に目を眩ませると何をするか分からない」
その話を聞き、さらに不安になる。
「素直になれば、その印は痛むことはないぞ。
ここの魔術師よりも上手く、隠し守ってやろう。
俺様の花嫁だから、だれにも渡さない。
だから、俺様と来るがいい。
今なら無理矢理連れていくことも可能そうだな」
今この場でこの魔族に誘拐されてしまった方が、家からは逃げられるのではないだろうか?という考えがよぎる。
しかし魔族との結婚から逃げて、違う魔族の嫁にされる。
それだと何から逃げているのか分からなくなってしまう。
やりたいことを見つけられず、魔族との結婚が恐ろしくて逃げ出したはずなのに。
「私、あなたとは行かないわ」
睨むようにグレイを見る。
胸の痛みが身体を貫くが、押し殺して我慢した。
リリスはここで、なりたいものを見つけたのだ。
魔術書の修復師になる。
これを叶えられなくなるのは嫌だ。
「私のやりたいことはこの場所にあるの。
邪魔しないで」
「じゃあ、無理矢理連れていくこととしよう…」
低く獰猛な声がリリスの耳元で囁かれた。
横抱きにされて支えられていた、腕の力が強くなる。
「俺様の花嫁の印が刻まれている以上、お前は俺様のものだ」
やっぱり、自分勝手な恐ろしい魔族だとリリスは思った。
外の様子を教えてくれてのは有難いが、このままではどこかに連れていかれてしまう。
「カァ、カァ、カァ」
聞き馴染みのあるカラスの鳴き声が遠くから近づいてくる。
グレイの顔の隙間から見える空に、一羽のカラスが見えた。
小鳥が近くに降りたのかしらと、リリスは音がした方に顔を向けた。
しかし、そこには何もなかった。
おかしいわねとリリスは首を傾げながらもとの場所で花を摘もうとすると、背後から腕が伸び抱きしめられた。
「会いたかった、リリス」
耳に直接吐息がかかる距離で何者かに囁かれる。
獣の臭いがした。
「いや…」
恐怖で一瞬、身体が動けなくなるが、せめてもと思いリリスは籠を投げつけた。
「…痛いな」
その瞬間、腕の拘束が緩む。
転がるように前へ出て距離をとった。
「誰なの!」
リリスは後ろを振り返る、そこには灰紫アッシュモーヴの瞳をギラつかせるワーウルフのグレイが立っていた。
ご機嫌そうにふわふわの狼のしっぽが揺れている。
「会いたかったぞ、リリス」
「狼…の魔族」
私は以前にされたことを思い出し、震える。
この胸には未だこの魔族につけられた、花嫁の印が刻まれていた。
心配したフルールとメルヒにも調べてもらったが、刻印が定着しすきてどうにもならなかったことを思い出す。
またこの魔族に何かされるかもしれないと不安がリリスを襲った。
「…どこか遠くに行ったのではなかったの?」
「そうだな、あの場では退散したが…。
花嫁をここに置いたままでは帰れない。
この森でリリスに会う機会を待っていた」
グレイはゆっくりとこちらに近づいてくる。
リリスは後ずさりしながら、来ないで心の中で繰り返す。
嫌悪の眼差しで灰紫の瞳を見つめると胸の刻印が熱を帯びた。
「…くっ」
リリスは苦痛に耐えながら胸を押さえる。
「この森は、案外快適でな。
不自由はなかったぞ。
妖精の作った抜け穴から容易に外に出れるしな」
苦しむリリスを不思議そうにグレイは見ている。
「それにしても、一人でこんな所に来るなんて不用心だな…。
狙われていることを忘れたのか?
花嫁自ら、俺様の近くへやって来るなんて…」
グレイはリリスが投げつけた籠から、散らばる花を一輪、手に取った。
鋭利な瞳を細め、うっすらと笑みを浮かべる。
「誘っているとしか、思えん」
手に持った花を握りつぶされた。
リリスは近づいてくるグレイから少しでも離れようとするが、胸の痛みが増して、動けなかった。
「…来ないで」
震える声が抵抗を意味する。
それを無視してグレイはリリスに触れ、覆いかぶさるように、草原に押し倒した。
動けないように腕で押さえつけられる。
「…っ!」
目前には野性的な美しい男の顔がある。
何も知らなければ、リリスだって見惚れてしまいそうな顔だ。
頭の上の狼の耳がピクリと動くのを見ると触りたくなる。
リリスは魔族の男の美しさには惑わされないようにと自分に言い聞かせた。
以前のように助けが来るかもしれないと思うが、メルヒは屋敷の中だ。
カラス達に期待しているが、気づいてくれるか分からない。
今は一人でこの状況を切り抜けなくてはいけない。
リリスはグレイを睨みつけた。
「強気な顔も、そそられるな。
いつまで、そうしていられるか…。
俺様を拒絶するとその印は痛むぞ」
胸の刻印がある場所にグレイは顔を埋める。
見えなくなっていた花嫁の刻印が浮かび上がった。
「…やめて」
「俺様の花嫁、リリス。
その身に流れる血と魔力は俺様のもの…」
ペロリと犬が顔を舐めるように、グレイは唇を貪る。
私の知ってる口付けはこのグレイにばかり与えられる。
本の中で読んだロマンチックなものじゃない。
こんなのは違うとぼんやりと過ぎ去るのを待った。
ひとしきり貪り満足したグレイが顔を上げる。
そこでグレイは変化に気づいた。
「ん…以前よりも味が濃くなっている。
どういうことだ?
これだけで、力が満ちていく…」
うっとりとした表情でグレイはリリスをを見つめた。
見つめられると金縛りにあったかのように身体が動かなくなる。
「やはり、良い拾い物だな。
黒髪に赤い瞳の美しい顔の女。
…はて、どこかで聞いたような特徴だな」
何か気にかかることがあったのか、グレイは考える仕草をする。
こちらを押さえつける力が弱まったので、リリスは這ってグレイから逃げ出そうとした。
少し離れると胸の刻印が離れることを抗議するように、ズキズキと傷んだ。
先程の口付けのせいか身体も重くなっている。
また魔力を奪われたのだろう。
「そうだ、思い出したぞ」
逃げ出そうとしたリリスにグレイはすっと近づく。
腕を掴みひっぱると、重力のまま後ろに倒れたリリスを再び抱き抱えた。
「何処へ行く?」
「あっ…」
そのまま、横抱きにされ顔を覗き込まれた。
「たまたま歩いていた街で、黒い髪に赤い瞳を持つ令嬢が誘拐されたと騒ぎになっていた。
報奨金までついていたぞ」
探るような視線を向けられる。
「俺様の花嫁は人間共が探している侯爵令嬢と特徴が随分一致しているな」
その言葉にリリスはビクリと身体震えた。
グレイのことも恐ろしいが、この震えは別の震えだ。
「本人か?」
グレイが目を細める。
探されることは分かってはいたが、実際に探されていると聞くと現実味が増してくる。
グレイの言葉に不安が広がった。
この一ヶ月の間は何事もなく過ごすことが出来た。
これから先もそうであって欲しいと願っていたけれど、難しいのかもしれない。
「違う。
私は、誘拐なんてされてない」
「本人にしろ、違うにしろ、どっちにしたって、その特徴と一致しているリリスは人の世では生きずらいだろうな。
人は金に目を眩ませると何をするか分からない」
その話を聞き、さらに不安になる。
「素直になれば、その印は痛むことはないぞ。
ここの魔術師よりも上手く、隠し守ってやろう。
俺様の花嫁だから、だれにも渡さない。
だから、俺様と来るがいい。
今なら無理矢理連れていくことも可能そうだな」
今この場でこの魔族に誘拐されてしまった方が、家からは逃げられるのではないだろうか?という考えがよぎる。
しかし魔族との結婚から逃げて、違う魔族の嫁にされる。
それだと何から逃げているのか分からなくなってしまう。
やりたいことを見つけられず、魔族との結婚が恐ろしくて逃げ出したはずなのに。
「私、あなたとは行かないわ」
睨むようにグレイを見る。
胸の痛みが身体を貫くが、押し殺して我慢した。
リリスはここで、なりたいものを見つけたのだ。
魔術書の修復師になる。
これを叶えられなくなるのは嫌だ。
「私のやりたいことはこの場所にあるの。
邪魔しないで」
「じゃあ、無理矢理連れていくこととしよう…」
低く獰猛な声がリリスの耳元で囁かれた。
横抱きにされて支えられていた、腕の力が強くなる。
「俺様の花嫁の印が刻まれている以上、お前は俺様のものだ」
やっぱり、自分勝手な恐ろしい魔族だとリリスは思った。
外の様子を教えてくれてのは有難いが、このままではどこかに連れていかれてしまう。
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