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2章 リリスと闇の侯爵家
69 エリカの衝撃
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「あれはダミアンお兄様?」
屋敷のなかを歩いていると、いつもとは違う光景にエリカは足をとめた。
お兄様に少し強く出すぎてしまったかしらと反省をして、お兄様の様子が気になって屋敷の中を探していた。
そんな折に、珍しい光景を見た。
ダミアンお兄様が見知らぬ女と歩いている。
これはとても珍しい光景だ。
ダミアンお兄様は現在二十二歳になる。
次期侯爵となるダミアンお兄様にはたくさんの縁談が来ているのだか、どの令嬢にもお兄様は会っていない。
夜会など舞踏会がある日はお兄様を狙う令嬢が少しでも気に入られようと話しかけているが、微笑みを浮かべて適当に相打ちをして何処かに行方をくらますことが定番となっていた。
ダミアンお兄様の心の中には”薔薇姫”がすでに存在していて、どの令嬢も越えることができないのが、私としては残念なところだ。
薔薇姫じゃない誰か他の令嬢に心変わりした方が、お兄様も以前のように優しいお兄様に戻るかもしれないのに…。
ダミアンお兄様は薔薇姫以外の女性との接触を嫌っている。
女性が近くによることすら拒むお兄様がなぜとエリカは不思議に思うのだった。
目を凝らしてエリカはダミアンお兄様の隣にいる女の様子を眺める。
褐色の肌に灰色の髪、とんがった耳はエリカが今まで見たことがないものだ。
「…魔族の方?」
視線に気づいたのか魔族の女がこちらを振り返る。
見つかってはいけないと、エリカは建物の影に隠れた。
「魔族の王子様方の従者かしら?
それにしても、すごい格好をしているのね…。
寒くはないのかしら?」
女の肌や見た目にばかりに気を取られていたが、あの格好はどういうことだろうか。
女が着ている服装に眉を寄せる。
あんなに露出が多い服を着るなんてはしたないわ。
それになんだか、ところどころ服が乱れていた。
この方向は薔薇姫の塔から出てきてるのよね?
ダミアンお兄様が薔薇姫の部屋に他の女を招き入れるなんて想像がつかないが、あの服装を見る限り何かあったのかもしれない。
あの部屋は今は無人だものね。
想像を巡らせたエリカは恥ずかしくなる。
「…いけないのだわ、私ったら」
頭をぶんぶん横に振り、冷静になろうとする。
淑女たるもの慎み深く優雅でなければと教わってきたエリカには女の服装や行動が刺激的すぎた。
エリカは魔族について学んできたことを思い浮かべる。
魔族の種族性についても、調べていたので多少ならわかる。
あの女はきっとダークエルフだ。
長い寿命を持ち、魔術に長けた種族。
魔族というものは本能に忠実な種族であると本には書いてあった。
この国にもエルフは住んでいるが、それとは違う種族。
あの女からは溢れ出る色欲の欲望を感じる。
「ダミアンお兄様はあの女と手を組んだということかしら?」
にわかには信じ難い出来事だが、実際エリカの眼前で女は親しげにダミアンの腕にしだれがかっている。
艶やかな微笑みはダミアンお兄様に向けられていた。
いつものお兄様ならば穢らわしいと罵倒しながら女の手を振り腹って怒ってどこかに行ってるところなのに…。
それを黙って許している。
「…嘘よね?」
信じられないことが起きていることは確かた。
この状況、あの魔族がお兄様に手を貸したとみていいだろう。
重要な情報を持っていたのかもしれない。
そしてそれをダミアンお兄様は受け入れている。
ならば、エリカは先手を打つために考えなくてはいけない。
お兄様よりも薔薇姫を先に見つけなくてはならない。
薔薇姫に会うとお兄様は変わってしまうから。
「絶対にお兄様を薔薇姫に会わせないようにしなくては…」
屋敷のなかを歩いていると、いつもとは違う光景にエリカは足をとめた。
お兄様に少し強く出すぎてしまったかしらと反省をして、お兄様の様子が気になって屋敷の中を探していた。
そんな折に、珍しい光景を見た。
ダミアンお兄様が見知らぬ女と歩いている。
これはとても珍しい光景だ。
ダミアンお兄様は現在二十二歳になる。
次期侯爵となるダミアンお兄様にはたくさんの縁談が来ているのだか、どの令嬢にもお兄様は会っていない。
夜会など舞踏会がある日はお兄様を狙う令嬢が少しでも気に入られようと話しかけているが、微笑みを浮かべて適当に相打ちをして何処かに行方をくらますことが定番となっていた。
ダミアンお兄様の心の中には”薔薇姫”がすでに存在していて、どの令嬢も越えることができないのが、私としては残念なところだ。
薔薇姫じゃない誰か他の令嬢に心変わりした方が、お兄様も以前のように優しいお兄様に戻るかもしれないのに…。
ダミアンお兄様は薔薇姫以外の女性との接触を嫌っている。
女性が近くによることすら拒むお兄様がなぜとエリカは不思議に思うのだった。
目を凝らしてエリカはダミアンお兄様の隣にいる女の様子を眺める。
褐色の肌に灰色の髪、とんがった耳はエリカが今まで見たことがないものだ。
「…魔族の方?」
視線に気づいたのか魔族の女がこちらを振り返る。
見つかってはいけないと、エリカは建物の影に隠れた。
「魔族の王子様方の従者かしら?
それにしても、すごい格好をしているのね…。
寒くはないのかしら?」
女の肌や見た目にばかりに気を取られていたが、あの格好はどういうことだろうか。
女が着ている服装に眉を寄せる。
あんなに露出が多い服を着るなんてはしたないわ。
それになんだか、ところどころ服が乱れていた。
この方向は薔薇姫の塔から出てきてるのよね?
ダミアンお兄様が薔薇姫の部屋に他の女を招き入れるなんて想像がつかないが、あの服装を見る限り何かあったのかもしれない。
あの部屋は今は無人だものね。
想像を巡らせたエリカは恥ずかしくなる。
「…いけないのだわ、私ったら」
頭をぶんぶん横に振り、冷静になろうとする。
淑女たるもの慎み深く優雅でなければと教わってきたエリカには女の服装や行動が刺激的すぎた。
エリカは魔族について学んできたことを思い浮かべる。
魔族の種族性についても、調べていたので多少ならわかる。
あの女はきっとダークエルフだ。
長い寿命を持ち、魔術に長けた種族。
魔族というものは本能に忠実な種族であると本には書いてあった。
この国にもエルフは住んでいるが、それとは違う種族。
あの女からは溢れ出る色欲の欲望を感じる。
「ダミアンお兄様はあの女と手を組んだということかしら?」
にわかには信じ難い出来事だが、実際エリカの眼前で女は親しげにダミアンの腕にしだれがかっている。
艶やかな微笑みはダミアンお兄様に向けられていた。
いつものお兄様ならば穢らわしいと罵倒しながら女の手を振り腹って怒ってどこかに行ってるところなのに…。
それを黙って許している。
「…嘘よね?」
信じられないことが起きていることは確かた。
この状況、あの魔族がお兄様に手を貸したとみていいだろう。
重要な情報を持っていたのかもしれない。
そしてそれをダミアンお兄様は受け入れている。
ならば、エリカは先手を打つために考えなくてはいけない。
お兄様よりも薔薇姫を先に見つけなくてはならない。
薔薇姫に会うとお兄様は変わってしまうから。
「絶対にお兄様を薔薇姫に会わせないようにしなくては…」
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