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第二部
82.リアムとの思い出(後編)
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アレクシスはリアムの屋敷へ全速力で馬を駆けながら、かつてのリアムの言葉を思い出し、手綱を強く握りしめる。
(――ああ言っていたお前は、オリビアの療養のためだと、たった二年で海軍を辞めた。今思えば、既にお前はあのとき、俺に愛想を尽かしていたのだろう)
リアムが海軍に入ったのも、泳ぎを覚えたのも、全てはアレクシスのためだった。
だから、辞めるときも一瞬だった。
それでも軍自体を辞めなかったのは、未練が残っていたからか。
あるいは、アレクシスとの繋がりを残しておく必要があったからなのか。
アレクシスにはわからなかったが、ともかく、どうしてリアムが今回のような行動を起こしたのか。なぜエリスの噂を流したのか、直接話を聞かなければならない。
お前は俺を恨んでいるのかと。
オリビアを傷付けた俺に、復讐するつもりだったのか、と。
その為にエリスに近づいたのかと。
全ては、俺のせいなのか――と。
◇
「リアムは部屋か」
「――アレクシス殿下!? 突然どうなされたのですか……!」
「リアムを出せ。俺はあいつに用がある」
「……ッ」
アレクシスは無断で屋敷に踏み入ると、驚く使用人らを低い声で脅しつけ、真っ直ぐにリアムの部屋へと向かった。
途中、主人に忠実な侍従たちから、
「誰も通すなと言われております!」
「いくら殿下と言えどお通しすることはできません!」
と必死に止められたが、それらを全て力技で捻じ伏せて、アレクシスはリアムの部屋の前に立つ。
今ここで全てをはっきりさせなければという一心で、ドアノブを回す。
――そして。
「リアム。お前に話がある」
アレクシスは扉を開けた先、出窓に緩く腰を預け、引き攣った笑みで自分を見据えるリアムと、真っ向から対峙した。
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