それぞれの幸せな時間

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草抜きボランティア

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最近毎日同じことの繰り返しだ、旦那を見送り、息子を幼稚園に預け、家事をしているうちに一日が終わる。
せっかくの休日も家で寝そべりながらせんべいを食べ、テレビのバラエティー番組を見てるだけ。
全く、いつからこんなありきたりでつまらない主婦になってしまったのだろう。
まぁ平和なのに越したこともないが、こうも毎日代わり映えのしない生活が続くと気が滅入る、なにかこの生活を変える方法はないものか?
頭の中で色々考えながら食器洗いや洗濯をする、毎日している事なので、脳を働かせなくても手が覚えてくれている。
一通りの家事を終わらせ、ポストになにか入ってないかチェックしてみた。
パカッ
「ん?」
いつものように物件や弁当屋のチラシが何枚か入っている中、いかにも手書きで書いてコピーしましたみたいな紙が入っていた。

草抜きボランティア募集
桜がポツポツと咲いてきて、春の訪れを感じる中、皆様いかがお過ごしでしょうか?
この度、この町をどこの地区よりも美しくするための草抜きボランティアチームを結成しようと考えております。
草を抜き終わったあとは、近くのカフェでほっと一息つきませんか?
あなたのご加入を心よりお待ちしています。
地域美化委員会

へぇ~、この町に地域美化委員会なるものがあったことを初めて知る。
なるほど、ちょうど休日は退屈していた事だし、草抜きでもして地域に貢献するのはいいかもしれない。
早速私はチラシに書いてあった電話番号に電話をし、草抜きボランティアに参加した。

「いやぁ~、意外と大変なんですね、草抜きって」
「そうですねぇ、毎日家にいてばかりだからか、腰にきますよぉ」
日曜日、私は草抜きボランティアに参加していた、以外にも歳が近い人が多く、和気あいあいと草抜きを楽しんでいた。
「そういえば春夏さんって、お子さんは何歳くらいなんですか?」
私と同い年の菊さんが話しかけてきた。
「今年で4歳になります、もうひたすらに元気いっぱいで、目を離したらすぐに泥んこになっちゃうんですよぉ」
「あははは、分かります分かります、私も4歳になる息子がいるんですけど、宝物を見つけたって言ってダンゴムシとか持って帰って来ちゃうんですよね、怒るのもアレだし、ほんと困っちゃいますよ」
菊さんは私と同じく4歳になる男の子のお子さんがいるらしく、私との趣味もあうこともあり、お互いに話し込んでしまった。
「はーい、それでは雑草抜きを終了したいと思いまーす、本日はありがとうございましたー、会長の元で冷えたジュースを配布しておりますので、よろしければ一列にお並びくださーい」
雑草抜きボランティアの副リーダーがメガホンで呼びかける。
「あら、もう終わっちゃったのね、なんだか話してたらあっという間だったわ」
「そうねぇ、私こんなに人と話したの久しぶりだわ」
菊さんとはなんだか初対面ではないような気がする、昔からの友達だったような、そんな気さえしてくる。
「このあと、ちょっとカフェにでも行きませんか?もっと春夏さんとおしゃべりしたいな」
「まぁ!いいですね、ちょうど近くに美味しいケーキがあるカフェがあるんですよ」
なんだか昔の自分に若返った気がする、友達と喋りながら下校していた時みたい。
気持ちいい汗をかき、友達と一緒にだべるのは、いくつになっても楽しいものだ。
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