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最後の場所
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手がかりが無いまま3日が過ぎていた。
葉月は最後に何処へ導こうとしてくれていたのだろうか?
柚月と思い出の場所を思いつく限り、三日間で回ってみたが結局わからないままだった。
そして、今日も探し回っていたのだが、見つけることが出来ずにいた。
そもそも写真がないので場所が合っていたとしても確かめる術がなかった。
総司は車内の空気を入れ替えるために窓を開けた。
「全くわからないな」
「そうだね、それに時間がないって言ってたのも気になるよね、私達も急いだ方がいいのかな?」
総司は窓の外を眺めていた。
ヒントがなさ過ぎで見当がつかない。
「わからない、とりあえず今分かる事をまとめてみよう。
時間に関してだけど、葉月が亡くなってからカウントダウンが始まったと考えていいと思う。
亡くなる前は俺と合う約束をしていた訳だ。
けれど、亡くなったあとに急にやるべき事を見つけ、柚月の元へ箱を持って向った。
そして、その後、葉月は俺の記憶を取り戻すために、何処が最適か探していたのだろう」
「え?でも、それなら箱の中身の写真はどういうこと?
場所を決めてから、アルバムに写真を入れたんじゃないの?
場所を決める前に写真を決める事ってできなくない?」
柚月のいうとおりだ、けど、そもそも亡くなった人が何かをするということ自体おかしな話ではないのか?
総司はわけが分からなくなっていた。
「お手上げだ、全くわからない、そもそも亡くなった人が何かをするということ自体が理解できない」
「確かにね、信じられないよね
何かをしているってことはさ、お姉ちゃんはまだこの世にいるのかな?
会えないかな」
会えないかなの一言は、心の声が出てしまった。
もう会えないという事は二人とも分かっていた。
けれど、最後にどうしてもありがとうと直接伝えたいと思っていた。
でももう、それが叶うことはない。
自分達が今追いかけているのは、自分達が作り出した幻影なのではないだろうか?
常識的に考えれば、故人が導いてくれるなんてあり得ない。
あまりにも急なお別れを心が受け入れることが出来ずに、心のバランスを保つために見せている幻影なのではないか?
夢に亡くなった人が出てくるという話をテレビで放送していたりもするが、それも自分の夢の中で無意識に作り上げたストーリー通りに、亡くなった人が喋っているだけなのではないかと考えた事がある。
亡くなった人の言うとおりに動けば人生が好転した、みたい話もあるけれど。
それは自分に備わった第六感がショックのせいで開花しただけじゃないだろうか?
それで無意識に感じ取った未来を故人に喋らせて、あたかも助言のように受け取っているだけではないのか?
その方がまだしっくりくる。
私達も今、そういう状況に陥っているのかもしれないと柚月は思い始めていた。
「49日・・・・」
唐突に総司がつぶやいた。
「え?」
「49日だよ、柚月!地震があって何日目だ!」
柚月の両肩を両手で掴み、激しく揺すりながら聞いてくる。
総司は落ち着きを無くしてしまっていた。
「そうちゃん、落ち着いて!どうしたの?49日がなに?」
総司は両手を離して早口で説明した。
「葉月の言っていた時間の事だよ!
亡くなってから49日はこの世を彷徨ってるって言うだろ?
そのことを葉月は言っていたんじゃないか?
この49日の間にやるべき事をやらないといけないから時間がないと言ってたんじゃないか?」
柚月もここまで言われてのやっと気がついた。
「なるほど!そうかもしれない、えー、と今日で地震があってから・・・・・49日目だ」
「え!?今日?
やばいな、日が沈むまでに見つけないと・・・」
葉月はまだ居る。肉体を捨てて、魂だけになったけどまだこの世に居るはずだ。
最後の場所で待っている、そんな気がしてならなかった。
でも、どこだ?
散々探したけど見つからなかった。
結局、葉月の言う時間がなにか分かったところで場所のヒントにはならなかった。
葉月が最後に行きそうなところ。
どこだ、どこに行こうとする?
日が沈むまで、もう一時間を切ろうとしていた。
焦る中、必死に考える。
しかし、それを邪魔するように地震が再び襲ってきたのだ。
また、誰かの命が奪われる。
姉の命を奪った地震。
妻を奪った地震。
次は一体誰の命を奪っていくのだろう。
どれだけの命を奪ったら地震は収まるのだろう。
頼むから、もう収まってくれ。
建物が崩れていく、今回の揺れは余震というより本震なんじゃないか?
そう思わせるぐらいに激しく、命の危機を感じた。
総司はこの時、走馬灯に近いものを見ていた。
それは焼けるように赤い、夕日の見える砂浜だった。
葉月は最後に何処へ導こうとしてくれていたのだろうか?
柚月と思い出の場所を思いつく限り、三日間で回ってみたが結局わからないままだった。
そして、今日も探し回っていたのだが、見つけることが出来ずにいた。
そもそも写真がないので場所が合っていたとしても確かめる術がなかった。
総司は車内の空気を入れ替えるために窓を開けた。
「全くわからないな」
「そうだね、それに時間がないって言ってたのも気になるよね、私達も急いだ方がいいのかな?」
総司は窓の外を眺めていた。
ヒントがなさ過ぎで見当がつかない。
「わからない、とりあえず今分かる事をまとめてみよう。
時間に関してだけど、葉月が亡くなってからカウントダウンが始まったと考えていいと思う。
亡くなる前は俺と合う約束をしていた訳だ。
けれど、亡くなったあとに急にやるべき事を見つけ、柚月の元へ箱を持って向った。
そして、その後、葉月は俺の記憶を取り戻すために、何処が最適か探していたのだろう」
「え?でも、それなら箱の中身の写真はどういうこと?
場所を決めてから、アルバムに写真を入れたんじゃないの?
場所を決める前に写真を決める事ってできなくない?」
柚月のいうとおりだ、けど、そもそも亡くなった人が何かをするということ自体おかしな話ではないのか?
総司はわけが分からなくなっていた。
「お手上げだ、全くわからない、そもそも亡くなった人が何かをするということ自体が理解できない」
「確かにね、信じられないよね
何かをしているってことはさ、お姉ちゃんはまだこの世にいるのかな?
会えないかな」
会えないかなの一言は、心の声が出てしまった。
もう会えないという事は二人とも分かっていた。
けれど、最後にどうしてもありがとうと直接伝えたいと思っていた。
でももう、それが叶うことはない。
自分達が今追いかけているのは、自分達が作り出した幻影なのではないだろうか?
常識的に考えれば、故人が導いてくれるなんてあり得ない。
あまりにも急なお別れを心が受け入れることが出来ずに、心のバランスを保つために見せている幻影なのではないか?
夢に亡くなった人が出てくるという話をテレビで放送していたりもするが、それも自分の夢の中で無意識に作り上げたストーリー通りに、亡くなった人が喋っているだけなのではないかと考えた事がある。
亡くなった人の言うとおりに動けば人生が好転した、みたい話もあるけれど。
それは自分に備わった第六感がショックのせいで開花しただけじゃないだろうか?
それで無意識に感じ取った未来を故人に喋らせて、あたかも助言のように受け取っているだけではないのか?
その方がまだしっくりくる。
私達も今、そういう状況に陥っているのかもしれないと柚月は思い始めていた。
「49日・・・・」
唐突に総司がつぶやいた。
「え?」
「49日だよ、柚月!地震があって何日目だ!」
柚月の両肩を両手で掴み、激しく揺すりながら聞いてくる。
総司は落ち着きを無くしてしまっていた。
「そうちゃん、落ち着いて!どうしたの?49日がなに?」
総司は両手を離して早口で説明した。
「葉月の言っていた時間の事だよ!
亡くなってから49日はこの世を彷徨ってるって言うだろ?
そのことを葉月は言っていたんじゃないか?
この49日の間にやるべき事をやらないといけないから時間がないと言ってたんじゃないか?」
柚月もここまで言われてのやっと気がついた。
「なるほど!そうかもしれない、えー、と今日で地震があってから・・・・・49日目だ」
「え!?今日?
やばいな、日が沈むまでに見つけないと・・・」
葉月はまだ居る。肉体を捨てて、魂だけになったけどまだこの世に居るはずだ。
最後の場所で待っている、そんな気がしてならなかった。
でも、どこだ?
散々探したけど見つからなかった。
結局、葉月の言う時間がなにか分かったところで場所のヒントにはならなかった。
葉月が最後に行きそうなところ。
どこだ、どこに行こうとする?
日が沈むまで、もう一時間を切ろうとしていた。
焦る中、必死に考える。
しかし、それを邪魔するように地震が再び襲ってきたのだ。
また、誰かの命が奪われる。
姉の命を奪った地震。
妻を奪った地震。
次は一体誰の命を奪っていくのだろう。
どれだけの命を奪ったら地震は収まるのだろう。
頼むから、もう収まってくれ。
建物が崩れていく、今回の揺れは余震というより本震なんじゃないか?
そう思わせるぐらいに激しく、命の危機を感じた。
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それは焼けるように赤い、夕日の見える砂浜だった。
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