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鳥籠の扉が閉じる音
第三十三話「食事は大切だよ」
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―――君を、ここから離すつもりなんて、ないよ?
その言葉は、悪魔の宣告だった。
私を抱きしめる彼の腕は、もう優しいものではない。それは、獲物を捕らえた蜘蛛の糸であり、決して逃がすことのない鋼の枷だ。
彼は、私の絶望に満ちた顔を見て、心底楽しそうに、くすりと笑った。
「まさか、僕とこうして結ばれたのに、このままさよならするつもりやった、なんて言わんよね?」
その言葉に、私は反論できなかった。
彼の理屈の中では、体を繋げたのに一方的に去ろうとしている私の方が、「酷い」ことをしている裏切り者なのだ。その論理が、私の思考を麻痺させる。
「そんな、つもりじゃ……」
「じゃあ、どういうつもり?」
言葉に詰まる私を見て、彼は満足げに目を細めた。
そして、未だ私の体内にあった彼の熱が、再びその勢いを増し始める。
「や……っ、やめ……!」
抵抗しようとするも、私の身体は、まるで自分のものとは思えないほど、言うことを聞かなかった。
三日間の絶食が、完全に仇となっていた。飢餓状態の身体には、力なんて全く入らない。男女の圧倒的な力の差の前に、私の虚しい抵抗など、赤子の手をひねるより簡単なことだった。
「ほら」
私の耳元で、彼が優しく、諭すように囁く。
「だから言ったでしょう? 食事は、ちゃんと摂らなあかんよって」
その言葉が、悪魔の囁きに聞こえた。
彼は、私が弱り切るのを、全て見越していたのだ。
優しい声とは裏腹に、彼の動きは荒々しさを増していく。まるで、私の身体の全てを知り尽くしているかのように、的確に、執拗に、弱くて敏感な場所ばかりを突いてきた。
「なんで……っ」
「なんで、こんなことをするのかって?」
彼は、私の思考を読みながら、問いかける。
「それとも……なんで、僕がこんなに美緒ちゃんの身体を知ってるのか、不思議かな?」
その言葉に、はっとする。
そうだ。おかしい。初めてのはずなのに、彼はあまりにも、私のことを知りすぎていた。
「昨日と、一昨日の朝。身体に、違和感、なかった?」
―――あの、恐ろしい目覚め。
―――シーツを汚した、僅かな血と、白い液体。
「まさか……」
「初めてやと、痛いかなって思ってね。だから、飲み物に少しだけ薬を混ぜて、君がぐっすり眠ってる間に、先に慣らしておいてあげたんよ」
彼は、世界で最も恐ろしい秘密を、まるで親切な行いであったかのように、事もなげに語る。
「ごめんね? あまりにも無防備で可愛かったから、つい最後まで、しちゃったんやけど」
ああ………!!
そういう、ことだったのか。
あのコーヒーも、あの水も、あの優しさも、全てが、このための。
私の記憶がない場所で、私はとっくに、この男に、蹂躙されていたのだ。
真実という名の、あまりにも残酷な劇薬が、私の精神を完全に破壊した。
声にならない絶叫が、喉の奥で悲鳴を上げる。
「そんっ……ああああっ!」
ぐり、と奥を抉られ、私は二度、三度と大きく痙攣した。
熱いものが、再び身体の奥に注ぎ込まれる。
もう、何も考えられない。
ただ、彼の優しい声だけが、遠くに聞こえる。
声が枯れるほどに弄ばれ、私は、生暖かい感触を最後に、意識を手放した。
その言葉は、悪魔の宣告だった。
私を抱きしめる彼の腕は、もう優しいものではない。それは、獲物を捕らえた蜘蛛の糸であり、決して逃がすことのない鋼の枷だ。
彼は、私の絶望に満ちた顔を見て、心底楽しそうに、くすりと笑った。
「まさか、僕とこうして結ばれたのに、このままさよならするつもりやった、なんて言わんよね?」
その言葉に、私は反論できなかった。
彼の理屈の中では、体を繋げたのに一方的に去ろうとしている私の方が、「酷い」ことをしている裏切り者なのだ。その論理が、私の思考を麻痺させる。
「そんな、つもりじゃ……」
「じゃあ、どういうつもり?」
言葉に詰まる私を見て、彼は満足げに目を細めた。
そして、未だ私の体内にあった彼の熱が、再びその勢いを増し始める。
「や……っ、やめ……!」
抵抗しようとするも、私の身体は、まるで自分のものとは思えないほど、言うことを聞かなかった。
三日間の絶食が、完全に仇となっていた。飢餓状態の身体には、力なんて全く入らない。男女の圧倒的な力の差の前に、私の虚しい抵抗など、赤子の手をひねるより簡単なことだった。
「ほら」
私の耳元で、彼が優しく、諭すように囁く。
「だから言ったでしょう? 食事は、ちゃんと摂らなあかんよって」
その言葉が、悪魔の囁きに聞こえた。
彼は、私が弱り切るのを、全て見越していたのだ。
優しい声とは裏腹に、彼の動きは荒々しさを増していく。まるで、私の身体の全てを知り尽くしているかのように、的確に、執拗に、弱くて敏感な場所ばかりを突いてきた。
「なんで……っ」
「なんで、こんなことをするのかって?」
彼は、私の思考を読みながら、問いかける。
「それとも……なんで、僕がこんなに美緒ちゃんの身体を知ってるのか、不思議かな?」
その言葉に、はっとする。
そうだ。おかしい。初めてのはずなのに、彼はあまりにも、私のことを知りすぎていた。
「昨日と、一昨日の朝。身体に、違和感、なかった?」
―――あの、恐ろしい目覚め。
―――シーツを汚した、僅かな血と、白い液体。
「まさか……」
「初めてやと、痛いかなって思ってね。だから、飲み物に少しだけ薬を混ぜて、君がぐっすり眠ってる間に、先に慣らしておいてあげたんよ」
彼は、世界で最も恐ろしい秘密を、まるで親切な行いであったかのように、事もなげに語る。
「ごめんね? あまりにも無防備で可愛かったから、つい最後まで、しちゃったんやけど」
ああ………!!
そういう、ことだったのか。
あのコーヒーも、あの水も、あの優しさも、全てが、このための。
私の記憶がない場所で、私はとっくに、この男に、蹂躙されていたのだ。
真実という名の、あまりにも残酷な劇薬が、私の精神を完全に破壊した。
声にならない絶叫が、喉の奥で悲鳴を上げる。
「そんっ……ああああっ!」
ぐり、と奥を抉られ、私は二度、三度と大きく痙攣した。
熱いものが、再び身体の奥に注ぎ込まれる。
もう、何も考えられない。
ただ、彼の優しい声だけが、遠くに聞こえる。
声が枯れるほどに弄ばれ、私は、生暖かい感触を最後に、意識を手放した。
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