その「好き」はどこまで本気ですか?

沙夜

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華やかな嘘と本当の涙

目が合ってしまった

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化粧室の扉を開け、再び喧騒の中へと戻る。深呼吸を一つして、私は無理やり口角を上げた。エイミーは、すぐに見つかった。

「おそーい! もう、朱音の分のカクテルまで飲んじゃうところだったわよ」
「ごめんごめん。ありがとう、取っといてくれて」

エイミーからグラスを受け取り、一口飲む。甘くて冷たい液体が、乾いた喉を潤していった。私は努めて明るく振る舞い、エイミーや、その場で紹介された彼女の友人たちとの会話に加わる。

けれど、どうしても、視線が吸い寄せられてしまう。
会場の隅で、談笑するグループ。その中心にいる、サイラスとジュリア。
仲睦まじいその光景を見るたびに、胸に小さな棘が刺さるのを感じた。私はその痛みを振り払うように、カクテルのグラスを立て続けに空にした。

「芸能人のパーティーって言っても、結局私たちが話すのって一般人ばっかりだね」

誰かがそう言って笑う。確かにその通りだった。私が「芸能人の知り合いなんて、いるわけないし」と苦笑していると、私たちのグループに、一人の男性が声をかけてきた。エイミーの友人と知り合いらしく、彼もまたモデルなのだという。

「やあ、久しぶり。今日はそっちのチームで来てるんだ?」

そんな会話を、私はどこか遠くに聞いていた。
その、瞬間までは。

男性が指した「チーム」に、彼がいた。
雑談の輪の中で、サイラスが、ふと、こちらを向いた。
そして、ばったりと目が合ってしまった。

彼の瞳が、驚きに見開かれる。
私も、息を呑んだまま固まる。失恋を自覚した直後。そして、あの日以来、初めて顔を合わせる、最悪のタイミング。
気まずさに、すぐに視線を逸らしてしまう。

けれど、彼は躊躇なく、私の方へと歩いてきた。彼の革靴が、私の視界の端に入る。

「朱音。……来てたのか」

すぐ側で聞こえた、驚きを隠せない、低い声。
私は、逃げ場のないまま、ゆっくりと顔を上げた。
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