悲劇のさおり

如月麻衣子

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第二章

出勤

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早朝、アイボリー色の電車から一人の男が下りてきた。身長は165cmだが、猫背と小太りの体格から、見た目以上に周囲からは背が低く小柄にみられる事が多い。
彼の名は「飯田アキラ」。都内でビルのクリーニング会社「αクリーニング社」に努めている。
αクリーニング社の社長は、元は暴走族のリーダーをやっていたが父親の死をきっかけに父の会社を継いだ。当初は2000万円の借金があったが自らの努力で返済した。そんな事もありこの社長は、社会に受け入れられなかった不良少年を積極的に自らの会社に雇っていた。
飯田アキラもその一人である。彼は中学時代立て続けに女生徒3人をレイプした罪により少年院に送られた経緯を持つ。

また、アキラはプリーツスカートに対し異常に興奮してしまうという異常ともいうべき性癖を持っている。
この性癖のせいで彼はレイプ以外に、プリーツスカートを幾度となく他人の家に忍び込んでの窃盗を繰り返していた。

アキラがαクリーニング社に着き、ドアを開けると直ぐに「おせーよアキラ!!」との罵声が飛んだ。彼に罵声を浴びせたのは彼の10歳年上の先輩であり上司の「福田セイジ」である。
彼は秋田県出身で地元では手の付けられない不良であった。地元の工業高校を卒業したものの就職口はなく、隣町の組員たった5名のやくざの組に入った。
しかしこのような時代、経営的に続けられなくなり、組はセイジが入った4年後に解散。行く当てもなく東京で喧嘩にあけくれていたところを今の社長に
拾われた。今は更生しαクリーニングで主任という立場となり、しっかりと後輩の面倒を見ながら働いている。
「どうせアキラは女のスカート見て我慢できなくなってシコシコしてたんですよ!」もう一人のセイジの部下、三枝トモヒロが割って入る。

トモヒロは、アキラの5個上。身長は175cmで細長いイメージを持つ。トモヒロは普通の高校に通う普通の高校生だったが、200枚以上の女性の下着・・・それも白い下着ばかりを盗んでは自宅のベットの下に隠していた。それが母親に見つかり、慌てたトモヒロは母親をナイフで刺してしまった事ら少年院送りとなる。
母親の命に別状はなかったものの少年院から出ても両親の家には帰れず、そのままαクリーニングに住み込みで働く事となった。

「いや・・・セイジさん、トモヒロさん聞いてくださいよ。今朝、電車の中でオナニーしている女を見かけて。それが凄くって、すごくエッチなにおいがしてきて」
「でお前も電車の中でオナニーしてきたのか!」
「するわけないじゃないですが、トモヒロさん」
「二人とももういい、くだらねぇ話は・・・それよりも仕事の時間だ行くぞ!遅れてお客さんには迷惑かけるわけにはいかないからな」そうセイジに声をかけられた2人は、セイジと共に
カーペット清掃用の設備や工具が沢山入詰められた社有車の黒のハイエースに乗り込んだ。

「今日の一件目はどこだトモヒロ」
「えっと・・・神田の森山ビルに入っている、日本IRテックって会社ですね。ここから10分ぐらいで着いちゃいます。」
「ここを10時までに清掃終わらせれば、昼までには次の清掃先いけるなあぁ・・・」
セイジは独り言のように呟きながらハイエースを発信させた。

地下鉄の地上出口を出ると、さおりは足早に自らの会社、日本IRテックを目指した。
日本IRテックは、大手企業からITシステムを下請けし開発する企業である。年商は数億に上り、社員50名程度の会社としては良い業績を上げている。

さおりはこの会社で、開発部の管理職・・・つまりは課長という役職に付いている。彼女はこの若さで課長という役職に付けたのは
社長 黒沢マサシとの肉体関係がある。さおり自信、出世が欲しくてマサシと関係をもったわけではないが、結果的に出世の近道となった。

社長のマサシはさおりのファッションセンスが気に入っていた。つまり社長も根っからのプリーツスカーティスとなのである。今では服装の自由化の波に押され
女子社員の制服は廃止されたが、数年前までこの社長は自らの会社の制服に、黒かグレーのサイドプリーツスカートを採用していたほど彼もプリーツスカートを
愛してやまない変態なのである。

IDカードを通しドアを開ける一人のスレンダーな女性が日本IRテックの開発ルームに入ろうとしている。
「やっぱ今日は私一人かぁ・・・」独り言をつぶやく彼女の名前は、”さおり”。今日は明日、客先に提出予定の資料を作成する為に自らが務める会社に出社した。

自分の席に着くと、黒い鞄をサイドテーブルに置き、周囲に誰もいないことを改めて確認した後に
彼女は、チャコルグレーのプリーツ巻きスカートを自らの手でめくった。先ほど電車の中で自ら愛撫してしまった膣回りを確認する為に
「あちゃーーーやっちゃったよ私」ぐちゃぐちゃになった膣口を指で確認した、さおりは自らの過ちを反省していた。

スカートをめくりあげたまま、ストッキングとパンツを下ろし、膣の周りをティッシュで拭きとる。ふき取とうろするとクリトリスが敏感に反応し
また濡れてくる。なんとかふき取り終わると、ティッシュをゴミ箱に捨て、パンツとストッキングを履きなおした
「こんなところ男の人の前ではみせられないな」などと独り言を言っていると

ピッというIDカードを通す音と共にドアが開き、日直の警備員と共に、3人の清掃員が入ってきた。
”さおり”はあわてて、プリーツ巻きスカートを下ろす。
「αクリーニングの福田、三枝、飯田です。本日はよろしくお願いいたします。」といって、セイジ、トモヒロ、アキラの三名が”さおり”に近づいてきた・・・
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