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第二話
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「ふう、全くえらい目に遭ったよ」
自分で自然破壊をしたにしては身勝手な言葉である。
そんな破壊の権化……もとい踊り子は、スヴェン王国から『ローレル連邦』を超えた東の果て『ヴァルドフェルド公国』に入っていた。
眼下に小さな村があるのを確認した後、これもやっぱりテンプレよねと言いながら少し離れた小さな森の中に着陸する。
「さてさて、色々確認しとくかね……どれどれ?」
そう言って再びパネルを開く。そしてパラパラと各ジョブの内容と装備を確認していくのだが……。
「はぁー、やっぱ『踊り子はネカマ用キャラ』ってのも言い得て妙だねえ。だってこんなエロエロ装備、女性プレイヤーが選ぶはずないもん」
これはゲーム内で特に女性ユーザーから言われていた事。普段の自分とは違う自分で楽しめるのがゲームの醍醐味。とは言え私達のように特殊な理由で異性キャラを使う人を除けばほぼ大多数の女性が『可愛い』とか『綺麗』との理由で美少女やエルフなどの美女にキャラメイクする。
そして衣装もそのキャラのイメージを大事に作り上げていく場合がほとんどで、そういった女性ユーザーから見ても踊り子に用意された専用装備は、ちょっと突き抜け過ぎているのだ。
だからゲーム内で恥ずかしげもなく、というよりとことん過激な衣装を纏う踊り子キャラは、その中の人が『エロいキャラが見たい人』か『ネカマ(男性でありながら女性として振る舞うプレイヤー)』か『寄生(色気で強いパーティに取り入っておこぼれを狙う)』であろうと言われており、実際色んなフレに確認してもその傾向は強かった。
「まあ、幸運だったのはアヤメっちに専用装備以外にも不要なアイテム全部持たせてたって事かねえ」
私を含めて、いつも組んでたパーティメンバーは廃ゲーマーでもちろん廃課金者。ぶっちゃけるとアップデートやタイアップ、イベント新ガチャなんかが出てこない限りは、物資的には全く不自由していなかった。それでも様々なイベントやエリア攻略を何度も繰り返していれば、その入手アイテムも膨大な数になる訳で、それらは課金で最大まで容量を上げたサブ垢のアイテムボックスに全部投げ込み、クラン内で大盤振る舞い。それでも無くならなきゃキャラごとさようなら、なんて勿体無い事もしょっちゅうだった。
今回運が良かったのは、比較的レアなアイテムが入手出来る高難易度なエリアへの最速攻略のお供をさせていたこのキャラがかなり膨大なアイテムを所持したままであるという事だろう。これなら、共通装備をいくつか組み合わせれば、それなりに普通な格好が出来る……はずだ。うん。
「ジョブは……どうしよ?このまま大天使でいたらちょっとまずいよね。さっきからなんか体の周り常にキラキラしているし、頭の上に輪っかもあるしね。でもまた魔物に襲われるのもなんだし、せめて『剣舞師』くらいにはしておくかな。『戦巫女』も捨て難い……」
本来、踊り子は主に後方支援を得意とする所謂『バッファー』で通常に派生しても武器攻撃職にはならない。
ところが他の攻撃職との複合職や特定のイベントをクリアする事で武器攻撃職へと派生していくことが可能になるのだ。
例えば剣舞師であれば踊り子と『盗賊』。戦巫女なら踊り子からの派生職『巫女』と盗賊系統上級職『忍』(盗賊→下忍→忍者(女性はくノ一)→忍)との複合職となるのだが、そこに至るための難易度は一気に跳ね上がる。その結果、そこまでの手間をかけてまで初期に役に立たない踊り子を育てようと考える者はほんの一握りの変わり者に限定され、それらが踊り子をさらにネタキャラとして定着させる要因となってしまったのだ。
「よし、大体こんなもんかなー」
名前 アヤメ
年齢 15
ジョブ 戦巫女
レベル MAX
装備 精霊シリーズ(リボン、ローブ、チュニック、キュロット、ブーツ)
武器 ミスリル扇『白鷺』、小太刀『濡烏』
精霊シリーズは、ベージュを基調に各所に薄緑と紺のラインや装飾の入ったもの。ブーツは濃茶で見た目にはフード付きローブに膝丈のズボン、ロングブーツと言った感じだ。
「ってか、名前アヤメっちで確定なんだぁ。嫌じゃないけどなんか複雑。ん?……じゅ、じゅ、じゅううううううごおおおおおほほほほぉぉぉーーっ!」
サブ垢キャラの年齢設定なんか気にしたこともなかったけど、まさかの若返り転生とは……。まあ、キャラ転生の時点でまともじゃないのはお察しだけど……。
◆◆◆
「アヤメと言います。じゅ、15歳でふっ!痛っ噛んだぁ!だって恥ずかしぃーんだもん。くっ、練習練習……」
ブツブツと自己紹介の練習をしながら森から街道へと出た私。そんな私をテンプレさんが放っておいてくれるはずもなく……。
「おい、お嬢ちゃん!逃げろ、フォレストウルフだぁ!」
「アヤメと言います!15歳です!」
「何言ってんだ!早く逃げろ!」
「へっ?」
街道の村とは反対の方から、一台の馬車が猛スピードで駆けてくる。帽子を被り口髭を生やしたおじさんが御者をしており、必死の形相でこちらに向かって叫んでいた。
その後方を見れば……。
「なるほど、確かに狼ね。しかも緑色の体毛って……赤いきつねと緑は……たぬきじゃなかったっけ?」
そんなどうでもいいことを考えている私の脇を馬車が土埃を舞い上げながら通過した。おじさんは未だに何かを必死に叫んでいたけど、馬の蹄や車輪の音でよく聞こえない。
「まあ、異世界にビビってちゃ何にも始まらないし……一丁戦ってみましょかねぇ!」
鉄扇系統のレア武器、ミスリルで作られた白銀の扇子を両手に握る。
戦闘には、特定のクエストのみで数えるほどしか使っていなかった踊り子職。だけどその動きは知識として当然知っており、身体はすんなりとそれを行使した。
「舞扇技『旋風』!」
くるりくるりと体ごと回りながら、手に持つ白鷺をヒラリと振った。その姿は悪戯な風に舞う木の葉のようだ。
そして私の姿は、風のように狼達とすれ違い、彼らの後方でパチリと二つの扇子を閉じる。
次の瞬間、狼達の首がスッとずれて頭が地面に落ち、遅れて胴体もそれぞれ地に倒れた。
「また、つまらぬものを斬ってしまった……ぐ、ぐふふ、ぐふふふ。これ言ってみたかったんだよねぇ!」
その仕草や表情を誰かが見たならば、少女の外見とのギャップに恐らくドン引きする事だろう。幸いなのは、この場に誰もいなかった事だ。
ひとしきり初戦闘の余韻に浸った私は、フォレストウルフの死体を全てアイテムボックスに収納する。これは、この世界の物が収納出来るかの実験と、さっき考えた言い訳を後で使うための準備なのだ。
「おおーい!お、お嬢ちゃん無事だったのかい?」
街道を村まで歩いていると、さっきの御者のおじさんが兵士のような人を二人ほど連れて走ってくるのが見えた。まあ、「助ける気があるなら馬で来いよ」と思ったのは内緒である。
「ああ、ど、どうも……」
む、いかんいかん。ゲーム内でのチャットでしか人と会話してなかった弊害が……。落ち着け私。
「何だ?何ともないみたいじゃないか?」
「い、いや、俺は確かにフォレストウルフに……」
私が全く襲われた風ではなかったので、兵士二人に睨まれるおじさん。このままでも面白いけど、まあ助け舟を出しておきますか……。
「いましたよ狼」
「な、待て待て!報告ではフォレストウルフ三匹だぞ!じゃあ、何でお前は無事なんだ?」
ふふーん、来ましたなその質問!
「実は私……」
「ま、まさかお嬢ちゃん『魔物避けの香』でも持っていたのかい?」
「まも……ぅぅ……ええ、まあ」
なんて空気の読めないおじさんなんだろう。ここで被せてくるなんて、とんだオチ泥棒だよ!
本当はゲーム内でのただのゴミアイテム『臭い袋』を魔物が嫌がる臭いだって言って誤魔化そうとしてたんだけどね……。
まあ、ともあれ話が落ち着き村の門に到着した私についに練習の成果を見せる場面がやって来た。
「一応、確認させてくれ。名前は?」
門番の兵士が質問する。よし、言うぞ。
「私は……」
「ああ、この子はアヤメってんだ。確か15って言ってたな」
こんのオヤジィィィィーッ!
自分で自然破壊をしたにしては身勝手な言葉である。
そんな破壊の権化……もとい踊り子は、スヴェン王国から『ローレル連邦』を超えた東の果て『ヴァルドフェルド公国』に入っていた。
眼下に小さな村があるのを確認した後、これもやっぱりテンプレよねと言いながら少し離れた小さな森の中に着陸する。
「さてさて、色々確認しとくかね……どれどれ?」
そう言って再びパネルを開く。そしてパラパラと各ジョブの内容と装備を確認していくのだが……。
「はぁー、やっぱ『踊り子はネカマ用キャラ』ってのも言い得て妙だねえ。だってこんなエロエロ装備、女性プレイヤーが選ぶはずないもん」
これはゲーム内で特に女性ユーザーから言われていた事。普段の自分とは違う自分で楽しめるのがゲームの醍醐味。とは言え私達のように特殊な理由で異性キャラを使う人を除けばほぼ大多数の女性が『可愛い』とか『綺麗』との理由で美少女やエルフなどの美女にキャラメイクする。
そして衣装もそのキャラのイメージを大事に作り上げていく場合がほとんどで、そういった女性ユーザーから見ても踊り子に用意された専用装備は、ちょっと突き抜け過ぎているのだ。
だからゲーム内で恥ずかしげもなく、というよりとことん過激な衣装を纏う踊り子キャラは、その中の人が『エロいキャラが見たい人』か『ネカマ(男性でありながら女性として振る舞うプレイヤー)』か『寄生(色気で強いパーティに取り入っておこぼれを狙う)』であろうと言われており、実際色んなフレに確認してもその傾向は強かった。
「まあ、幸運だったのはアヤメっちに専用装備以外にも不要なアイテム全部持たせてたって事かねえ」
私を含めて、いつも組んでたパーティメンバーは廃ゲーマーでもちろん廃課金者。ぶっちゃけるとアップデートやタイアップ、イベント新ガチャなんかが出てこない限りは、物資的には全く不自由していなかった。それでも様々なイベントやエリア攻略を何度も繰り返していれば、その入手アイテムも膨大な数になる訳で、それらは課金で最大まで容量を上げたサブ垢のアイテムボックスに全部投げ込み、クラン内で大盤振る舞い。それでも無くならなきゃキャラごとさようなら、なんて勿体無い事もしょっちゅうだった。
今回運が良かったのは、比較的レアなアイテムが入手出来る高難易度なエリアへの最速攻略のお供をさせていたこのキャラがかなり膨大なアイテムを所持したままであるという事だろう。これなら、共通装備をいくつか組み合わせれば、それなりに普通な格好が出来る……はずだ。うん。
「ジョブは……どうしよ?このまま大天使でいたらちょっとまずいよね。さっきからなんか体の周り常にキラキラしているし、頭の上に輪っかもあるしね。でもまた魔物に襲われるのもなんだし、せめて『剣舞師』くらいにはしておくかな。『戦巫女』も捨て難い……」
本来、踊り子は主に後方支援を得意とする所謂『バッファー』で通常に派生しても武器攻撃職にはならない。
ところが他の攻撃職との複合職や特定のイベントをクリアする事で武器攻撃職へと派生していくことが可能になるのだ。
例えば剣舞師であれば踊り子と『盗賊』。戦巫女なら踊り子からの派生職『巫女』と盗賊系統上級職『忍』(盗賊→下忍→忍者(女性はくノ一)→忍)との複合職となるのだが、そこに至るための難易度は一気に跳ね上がる。その結果、そこまでの手間をかけてまで初期に役に立たない踊り子を育てようと考える者はほんの一握りの変わり者に限定され、それらが踊り子をさらにネタキャラとして定着させる要因となってしまったのだ。
「よし、大体こんなもんかなー」
名前 アヤメ
年齢 15
ジョブ 戦巫女
レベル MAX
装備 精霊シリーズ(リボン、ローブ、チュニック、キュロット、ブーツ)
武器 ミスリル扇『白鷺』、小太刀『濡烏』
精霊シリーズは、ベージュを基調に各所に薄緑と紺のラインや装飾の入ったもの。ブーツは濃茶で見た目にはフード付きローブに膝丈のズボン、ロングブーツと言った感じだ。
「ってか、名前アヤメっちで確定なんだぁ。嫌じゃないけどなんか複雑。ん?……じゅ、じゅ、じゅううううううごおおおおおほほほほぉぉぉーーっ!」
サブ垢キャラの年齢設定なんか気にしたこともなかったけど、まさかの若返り転生とは……。まあ、キャラ転生の時点でまともじゃないのはお察しだけど……。
◆◆◆
「アヤメと言います。じゅ、15歳でふっ!痛っ噛んだぁ!だって恥ずかしぃーんだもん。くっ、練習練習……」
ブツブツと自己紹介の練習をしながら森から街道へと出た私。そんな私をテンプレさんが放っておいてくれるはずもなく……。
「おい、お嬢ちゃん!逃げろ、フォレストウルフだぁ!」
「アヤメと言います!15歳です!」
「何言ってんだ!早く逃げろ!」
「へっ?」
街道の村とは反対の方から、一台の馬車が猛スピードで駆けてくる。帽子を被り口髭を生やしたおじさんが御者をしており、必死の形相でこちらに向かって叫んでいた。
その後方を見れば……。
「なるほど、確かに狼ね。しかも緑色の体毛って……赤いきつねと緑は……たぬきじゃなかったっけ?」
そんなどうでもいいことを考えている私の脇を馬車が土埃を舞い上げながら通過した。おじさんは未だに何かを必死に叫んでいたけど、馬の蹄や車輪の音でよく聞こえない。
「まあ、異世界にビビってちゃ何にも始まらないし……一丁戦ってみましょかねぇ!」
鉄扇系統のレア武器、ミスリルで作られた白銀の扇子を両手に握る。
戦闘には、特定のクエストのみで数えるほどしか使っていなかった踊り子職。だけどその動きは知識として当然知っており、身体はすんなりとそれを行使した。
「舞扇技『旋風』!」
くるりくるりと体ごと回りながら、手に持つ白鷺をヒラリと振った。その姿は悪戯な風に舞う木の葉のようだ。
そして私の姿は、風のように狼達とすれ違い、彼らの後方でパチリと二つの扇子を閉じる。
次の瞬間、狼達の首がスッとずれて頭が地面に落ち、遅れて胴体もそれぞれ地に倒れた。
「また、つまらぬものを斬ってしまった……ぐ、ぐふふ、ぐふふふ。これ言ってみたかったんだよねぇ!」
その仕草や表情を誰かが見たならば、少女の外見とのギャップに恐らくドン引きする事だろう。幸いなのは、この場に誰もいなかった事だ。
ひとしきり初戦闘の余韻に浸った私は、フォレストウルフの死体を全てアイテムボックスに収納する。これは、この世界の物が収納出来るかの実験と、さっき考えた言い訳を後で使うための準備なのだ。
「おおーい!お、お嬢ちゃん無事だったのかい?」
街道を村まで歩いていると、さっきの御者のおじさんが兵士のような人を二人ほど連れて走ってくるのが見えた。まあ、「助ける気があるなら馬で来いよ」と思ったのは内緒である。
「ああ、ど、どうも……」
む、いかんいかん。ゲーム内でのチャットでしか人と会話してなかった弊害が……。落ち着け私。
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まあ、ともあれ話が落ち着き村の門に到着した私についに練習の成果を見せる場面がやって来た。
「一応、確認させてくれ。名前は?」
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