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第三話
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ちょっとおじさんにムカついたけど、何とか村に入ることができた。身分証明云々のテンプレが発生しなかったのは、この村の規模がかなり小さいかららしい。
村の名前は『ドッカノ村』。名前を付けた奴を一発でいいからぶん殴ってやりたい気分だ。
「アヤメちゃんは、どうしてこの村へ?」
私は今、村唯一の商店でお茶を飲んでいる。というのも、さっきの空気が読めないおじさん『ハルク』さんがここの店主で私をお茶に誘ってくれたからだ。狼の群れを押し付けた形になったのを多少気不味く感じているらしい。ってか、名前的には彼が緑色になれば狼なんか楽々倒せそうなんだが……。
「特に目的は決めてないんです。でも色んな所を旅してみようと思ってます」
「そうか、だが大丈夫かい?まだ若いのに一人旅なんて……」
「まあ、腕には多少自信もありますから……あはは」
「確かに、魔物対策はしているみたいだからね。でもね、本当に怖いのは魔物以外だったりするよ?」
盗賊なんかのことだろうなぁ。まあ、それもテンプレっちゃテンプレか。でも、この体だからかな、さっき狼が迫って来た時もその死体を目の前にしても、驚くぐらいに動揺しなかったんだよね。大天使の魔法使ってみて、どうやら自分がテンプレ通りの『規格外』ってヤツだとわかっちゃったからかなぁ。
「そこも何とかなる……かな」
言葉を濁しつつ話題を切りかえ、ハルクさんから情報収集を行ってみる。
まず、この世界の名前なんて知らない。
まあ、そりゃそうだ。ラノベではすぐに異世界なんちゃらなんて名前が出るけど、じゃあ日本に異世界人が来たとして、「世界の名前は?」って聞かれたら「ない」って答える自信がある。
星の名前も同様。
文明レベルが中世風なのに「この星は……」なんて概念を一村人が持ってる訳ないじゃん。
あと、大天使で魔法が使えたから何となく察していたけど魔物がいて魔法が使えるファンタジー世界ってのはテンプレ通りみたいね。
国の名前は、ヴァルドフェルド公国。
獅子獣人の王が治める国だけど、獣人以外も普通に受け入れていて、確かに村人も多種多様っぽい。
因みにハルクさんが帽子を取ったら、あったよケモミミが!まあ、おじさんの頭にウサ耳なんて誰得だよって思ったけど、そこはポーカーフェイスで。
そうそう、異世界ものの定番『冒険者ギルド』はやっぱりあるんだって。ただ、こんな小さな村には支店が無いらしい。さっきの兵士や門番さんは、領主からの長期依頼を受けた冒険者なんだってさ。明らかに怪しい人じゃなければ誰でも村には入れるって言ってたけど、たいした権限のない冒険者ならそれも納得かな。本来の目的は、村への魔物の侵入を防ぐことらしいし。
「じゃあ、身分証も必要だし、まずはそのお、おの……」
「オノノコ町ね。あそこなら冒険者ギルドがあるし、旅の準備や情報も集まるだろうよ」
だから、この世界で地名付けたヤツ出てこーい!
「一週間ほどしたら、また仕入れに向かうんだが、良かったら乗って行くかい?」
そして一週間この村でのんびりもしくは魔物襲撃イベントですね。わかります。……だが断る!
「いえ、道さえ教えてもらえれば大丈夫です」
「そうかい。まあ、また村に寄ったら遊びにおいで」
「ええ、ありがとうございます」
だって、徒歩か飛んで行った方が間違いなく早そうだしね。
ハルクさんは、餞別にと保存食を少し分けてくれた。姿が見えなくなってからそっと開けたら、定番の干し肉とカラッカラに乾いた固いパンだったよ。
門番の人に訝しそうな顔で見送られながら村を出た私は、森に入ってからジョブチェンジし、再び空へと舞い上がった。
「ふう、冒険者ギルドが無かったのは想定外だったなあ。後、ハルクさんとこ以外に店が無いってのもマイナス……あれ?」
村からまだそれほど離れてない場所に魔物の集団が集まっているのが見える。よく見ればさっき倒した個体の数倍の大きさのフォレストウルフを中心にしておよそ数百の魔物がどこかに向かっているらしい。
「これは……ギルドで『素材の買取って頼めますか?』『はいどうぞ。ってかどんだけぇぇ!』『もうアンタはS級にしちゃう!』っていう王道パターンなのでは?じゅるり……」
……10分後。
ええ、わかっていました。わかっていましたとも!
「大天使がオーバーキル過ぎるのはわかってたんだけどぉぉ……」
前回の失敗を踏まえて、今回は下位魔法の『戒めの光槍』をエリア拡大で使ってみたんだけど。やっぱこれでもあかんかったわ。
死屍累々と横たわる魔物の死骸。それらには全て光槍が穿った大きな穴が空いていてほとんど肉片状態。毛皮は焦げてるわ、牙や骨は粉々だわ、とても素材とは呼べないものばかり。
「まあ、途中でガの付くアニメのストライクで自由なロボット想像したら楽しくなって撃ちすぎたのは認めるけど……」
結局、奇跡的にあのリーダーっぽい個体は見事に頭部が消し飛んでいたものの、体と毛皮は何とか使えそうだったので、それだけを収納した後、他は全て集めて燃やしておきました。ちゃんちゃん。
◆◆◆
『魔物の氾濫』とは、魔境内部に於いて過剰に繁殖した魔物が魔境外に溢れ、近隣の魔物を巻き込んだ大きな群れと化して暴走する事である。凶暴化した魔物達は本能の赴くままにその進路上に存在する村を、街を、時には国すらも飲み込んで、奪い破壊し蹂躙して行く。
ヴァルドフェルド公国にある魔境『嘆きの断崖』から溢れたそんな魔物達がいた。彼らは近隣に生息する魔物達を攻撃して従え、今まさにスタンピードへと至るに足る勢力に育ちつつあったのだ。
しかも今回のスタンピードは、驚くほどに統率が取れたものであった。その為、冒険者や村人にその兆候さえ気付かせる事なく着実にその勢力を拡大出来たのだ。それらは全て優秀なる統率者である『キングフォレストウルフ』がいたからに他ならない。
しかし、そんな群れに小さな綻びが発生する。
進路上の村へ威力偵察に向かわせたフォレストウルフの上位種『グレートフォレストウルフ』三頭が帰って来なかったのだ。あんなちっぽけな村にあの三頭全てを倒せるだけの戦力が常駐しているとは考え難い。
何しろ冒険者ギルドの魔物の脅威度リストで言えばフォレストウルフはEランクだが、グレートフォレストウルフになればその脅威度はCランクまで跳ね上がる。つまり、倒すのにはCランク以上のパーティが必要になるという事だ。
心に生まれたほんの小さな不安要素をかき消すように、キングフォレストウルフは岩の上に立ち集まった魔物の群れを眼下に眺めた。その数、数百。まさに圧巻の光景である。
その心強い姿に不安は消え去り、いよいよあの小さな村を手始めに殺戮と蹂躙を開始する為、進軍の合図に遠吠えをしようと誇らしげに天を仰いだのだが……。
雄々しい遠吠えは発せられる事なく、その頭は突如飛来した光る槍に撃ち抜かれて爆散した。
そして、数分の後にはその配下も悉く肉片と化し、このスタンピードは誰に気付かれる事なく、ひっそりと終了してしまったのであった。
そんな大事とは知らずに救世主的な活躍をしていた天然破壊者もとい踊り子は……。
「やっぱりキラとアスランは王道。ああん、でもムウさんも捨てがたい。あとツンデレのイザークも私的にはアリなのよねえ……ハアハア」
やっぱり残念な腐女子だったそうな……。ブレないねえ。
村の名前は『ドッカノ村』。名前を付けた奴を一発でいいからぶん殴ってやりたい気分だ。
「アヤメちゃんは、どうしてこの村へ?」
私は今、村唯一の商店でお茶を飲んでいる。というのも、さっきの空気が読めないおじさん『ハルク』さんがここの店主で私をお茶に誘ってくれたからだ。狼の群れを押し付けた形になったのを多少気不味く感じているらしい。ってか、名前的には彼が緑色になれば狼なんか楽々倒せそうなんだが……。
「特に目的は決めてないんです。でも色んな所を旅してみようと思ってます」
「そうか、だが大丈夫かい?まだ若いのに一人旅なんて……」
「まあ、腕には多少自信もありますから……あはは」
「確かに、魔物対策はしているみたいだからね。でもね、本当に怖いのは魔物以外だったりするよ?」
盗賊なんかのことだろうなぁ。まあ、それもテンプレっちゃテンプレか。でも、この体だからかな、さっき狼が迫って来た時もその死体を目の前にしても、驚くぐらいに動揺しなかったんだよね。大天使の魔法使ってみて、どうやら自分がテンプレ通りの『規格外』ってヤツだとわかっちゃったからかなぁ。
「そこも何とかなる……かな」
言葉を濁しつつ話題を切りかえ、ハルクさんから情報収集を行ってみる。
まず、この世界の名前なんて知らない。
まあ、そりゃそうだ。ラノベではすぐに異世界なんちゃらなんて名前が出るけど、じゃあ日本に異世界人が来たとして、「世界の名前は?」って聞かれたら「ない」って答える自信がある。
星の名前も同様。
文明レベルが中世風なのに「この星は……」なんて概念を一村人が持ってる訳ないじゃん。
あと、大天使で魔法が使えたから何となく察していたけど魔物がいて魔法が使えるファンタジー世界ってのはテンプレ通りみたいね。
国の名前は、ヴァルドフェルド公国。
獅子獣人の王が治める国だけど、獣人以外も普通に受け入れていて、確かに村人も多種多様っぽい。
因みにハルクさんが帽子を取ったら、あったよケモミミが!まあ、おじさんの頭にウサ耳なんて誰得だよって思ったけど、そこはポーカーフェイスで。
そうそう、異世界ものの定番『冒険者ギルド』はやっぱりあるんだって。ただ、こんな小さな村には支店が無いらしい。さっきの兵士や門番さんは、領主からの長期依頼を受けた冒険者なんだってさ。明らかに怪しい人じゃなければ誰でも村には入れるって言ってたけど、たいした権限のない冒険者ならそれも納得かな。本来の目的は、村への魔物の侵入を防ぐことらしいし。
「じゃあ、身分証も必要だし、まずはそのお、おの……」
「オノノコ町ね。あそこなら冒険者ギルドがあるし、旅の準備や情報も集まるだろうよ」
だから、この世界で地名付けたヤツ出てこーい!
「一週間ほどしたら、また仕入れに向かうんだが、良かったら乗って行くかい?」
そして一週間この村でのんびりもしくは魔物襲撃イベントですね。わかります。……だが断る!
「いえ、道さえ教えてもらえれば大丈夫です」
「そうかい。まあ、また村に寄ったら遊びにおいで」
「ええ、ありがとうございます」
だって、徒歩か飛んで行った方が間違いなく早そうだしね。
ハルクさんは、餞別にと保存食を少し分けてくれた。姿が見えなくなってからそっと開けたら、定番の干し肉とカラッカラに乾いた固いパンだったよ。
門番の人に訝しそうな顔で見送られながら村を出た私は、森に入ってからジョブチェンジし、再び空へと舞い上がった。
「ふう、冒険者ギルドが無かったのは想定外だったなあ。後、ハルクさんとこ以外に店が無いってのもマイナス……あれ?」
村からまだそれほど離れてない場所に魔物の集団が集まっているのが見える。よく見ればさっき倒した個体の数倍の大きさのフォレストウルフを中心にしておよそ数百の魔物がどこかに向かっているらしい。
「これは……ギルドで『素材の買取って頼めますか?』『はいどうぞ。ってかどんだけぇぇ!』『もうアンタはS級にしちゃう!』っていう王道パターンなのでは?じゅるり……」
……10分後。
ええ、わかっていました。わかっていましたとも!
「大天使がオーバーキル過ぎるのはわかってたんだけどぉぉ……」
前回の失敗を踏まえて、今回は下位魔法の『戒めの光槍』をエリア拡大で使ってみたんだけど。やっぱこれでもあかんかったわ。
死屍累々と横たわる魔物の死骸。それらには全て光槍が穿った大きな穴が空いていてほとんど肉片状態。毛皮は焦げてるわ、牙や骨は粉々だわ、とても素材とは呼べないものばかり。
「まあ、途中でガの付くアニメのストライクで自由なロボット想像したら楽しくなって撃ちすぎたのは認めるけど……」
結局、奇跡的にあのリーダーっぽい個体は見事に頭部が消し飛んでいたものの、体と毛皮は何とか使えそうだったので、それだけを収納した後、他は全て集めて燃やしておきました。ちゃんちゃん。
◆◆◆
『魔物の氾濫』とは、魔境内部に於いて過剰に繁殖した魔物が魔境外に溢れ、近隣の魔物を巻き込んだ大きな群れと化して暴走する事である。凶暴化した魔物達は本能の赴くままにその進路上に存在する村を、街を、時には国すらも飲み込んで、奪い破壊し蹂躙して行く。
ヴァルドフェルド公国にある魔境『嘆きの断崖』から溢れたそんな魔物達がいた。彼らは近隣に生息する魔物達を攻撃して従え、今まさにスタンピードへと至るに足る勢力に育ちつつあったのだ。
しかも今回のスタンピードは、驚くほどに統率が取れたものであった。その為、冒険者や村人にその兆候さえ気付かせる事なく着実にその勢力を拡大出来たのだ。それらは全て優秀なる統率者である『キングフォレストウルフ』がいたからに他ならない。
しかし、そんな群れに小さな綻びが発生する。
進路上の村へ威力偵察に向かわせたフォレストウルフの上位種『グレートフォレストウルフ』三頭が帰って来なかったのだ。あんなちっぽけな村にあの三頭全てを倒せるだけの戦力が常駐しているとは考え難い。
何しろ冒険者ギルドの魔物の脅威度リストで言えばフォレストウルフはEランクだが、グレートフォレストウルフになればその脅威度はCランクまで跳ね上がる。つまり、倒すのにはCランク以上のパーティが必要になるという事だ。
心に生まれたほんの小さな不安要素をかき消すように、キングフォレストウルフは岩の上に立ち集まった魔物の群れを眼下に眺めた。その数、数百。まさに圧巻の光景である。
その心強い姿に不安は消え去り、いよいよあの小さな村を手始めに殺戮と蹂躙を開始する為、進軍の合図に遠吠えをしようと誇らしげに天を仰いだのだが……。
雄々しい遠吠えは発せられる事なく、その頭は突如飛来した光る槍に撃ち抜かれて爆散した。
そして、数分の後にはその配下も悉く肉片と化し、このスタンピードは誰に気付かれる事なく、ひっそりと終了してしまったのであった。
そんな大事とは知らずに救世主的な活躍をしていた天然破壊者もとい踊り子は……。
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