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第2章
41,魔法
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8人居た誘拐犯達を全員縛り上げると一番出血の酷い最初のやつが問題となった。
骨が飛び出ていて出血が酷いのだ。
このままでは死んでしまうかもしれない。かといって病院なんて知らないし、あるのはポーションと簡単な医療キットくらいだ。
骨が飛び出てるような重傷に果たしてLv1のポーションで効果があるのか……。
医療キットでは意味がないのは考えなくてもわかる。
一応腿の付け根あたりで止血はしているものの、フードを剥いだ汚れた顔も青からすでに土気色。やばいかもしれない。
「アル……。これやばいよね?」
「答えは是。おそらくあと20分と持たないかと思われます」
「えーと……病院とか」
「治療院の場所はエリザベートに尋ねれば答えてくれるでしょうが、おそらく誘拐を企てるような犯罪者は受け入れてもらえないかと愚考致します」
「黙ってればいいんじゃないかな?」
「治療院では治療を受ける前にチェックがあります。そこで罪人かどうかをチェックされ罪人の場合は治療を受けることができません」
「ありゃ……結構厳しいんだね」
「罪人はその場で殺されても文句が言えませんので」
「それは犯した罪によるんじゃ……」
「答えは是。軽い罪ならば殺されることはありません。ですが未遂とはいえ誘拐となると話は別となります」
「そっか……。でもこのままじゃ死ぬよね」
「答えは是。すぐにそうなるかと存じます」
誘拐犯でも放置して死なれるのは嫌だな。
この世界では誘拐するような罪人なら死んで当然みたいな感じなんだろうけど、オレはまだこの世界に来てから3日目だ。そういう風には見れない。
捕まえたのだって警察組織っぽい何かに突き出して罪を償わせるためだし、ここで死なれるのは俺の夢見と償いのためにもまずい。
そうだ、オレには回復魔法があるじゃないか。ポーションじゃ無理そうだし、治療院もいけないなら魔法を使えばいいじゃない!
怪我することなかったから使う機会もなかったし、練習ついでにちょうどいい。ただ最初の回復魔法の相手が重傷者でしかも自分を誘拐しようとした犯人なのがアレだけど……。
初級魔法:体力回復。
魔法はイメージだ。火や水はイメージで消費MPや形状、動作がすごく変わった。
体力回復も多分同じだろう。つまり回復したところ、綺麗な肌や骨の状態をイメージすればいいのだろうか。
綺麗な骨のイメージなんてわからない。せいぜい理科室で見たようなスケルトン君くらいなもんだ。
だがないよりはましだろう。
綺麗な骨と肌をイメージしながら初級魔法:体力回復を念じる。
初級魔法:火や初級魔法:水は念じてイメージ確定後にMPが抜けていくが、初級魔法:体力回復は違った。
かざしていた手からイメージと共に徐々にMPが抜けていく感じがする。不思議な感覚だ。
抜けていくイメージとMPが患部に到達すると男がすごい勢いで飛び跳ね出した。
「うわわああ……な、なに!?」
「ワタリ様、回復魔法は対象の傷を修復する際に同等の痛みを与えます。意識がなくともその痛みに体が直接反応致します」
「そ、そうなの……? やな回復魔法だなぁ……」
ゲームや漫画みたいに暖かい光で癒されるぅ~とかじゃないらしい。
まさか治すのに痛みを生じるとか……どんな鬼畜ゲーだよ。
でもやらないわけにはいかない。このままでは本当に死んでしまう。
「アル、押さえて!」
「畏まりました」
暴れる男をアルが押さえつけ初級魔法:体力回復を掛け続けて行く。
アルが押さえているにも関わらず激しく痙攣して、痛みで意識が戻るがその痛みでまた気絶するという拷問のような光景は現実逃避しなければ見ているのが辛いくらいだ。歯を食いしばって折れそうなくらいの音と口端から溢れてくる泡がさらにきつい。
現実逃避をするように男の激しい動きから目を背ければ、残った光景は神秘的な物だった。
抜けていくMPとイメージがものすごいけれど見る見るうちに骨が元に戻っていく。
まるでスロー逆再生をしているかのような光景だ。
ズボンに染み込んだ血は戻らないみたいだけど、それは仕方ないだろう。そこまでは期待していない。
満タンだったMPがなくなりかけ慌てて月陽の首飾りからMPを全快まで補給して、更に8割近く減った頃、飛び出ていた骨は完全に元に戻り破けているズボンから覗く患部も傷1つ残らず無事治すことができた。
まぁあとは後遺症とか感染症とかか? そこまでは面倒見る気は無い。今この場で死ななければいいのだ。そのあとのことなど知ったことではない。
誘拐を企てたんだそのくらいのリスクは背負ってもらおう。むしろ死ななかっただけ儲け物だと思ってくれたまえ。
「さすがは我が主。このアル、感服致しました」
「え、あーうん? まぁうまくできた……よね?」
「答えは是。見たところ完璧に治療を行えております。これならば後遺症も残らず、むしろ以前より丈夫にすらなったと存じます。
さすがは我が主。初級魔法:体力回復でここまでの治療を行える者は非常に稀にございます」
「そうなんだ。なんとなく治ったところをイメージしながらやってたんだけど、MPをどんどん消費されるしちょっとびっくりはしたよ」
「恐らく大量のMPがイメージを補完したものかと愚考致します。
ですがそのイメージも明確な知識を持っていなければ、あれほどの重傷をここまで完璧に治すことはできません。
ワタリ様の知識には感服するばかりにございます」
「そ、そうかなぁ……あはは」
知識なんて簡単な人体構造くらいしか知らないし、一般常識レベルだと思ってたけどなぁ。でもこっちでは違うんだな。オレくらいの知識があればMPに任せて重傷でも治療できる。しかも初級ではって言ってたから中級以上ならもっと楽に治療できるんだろう。
それにしても後遺症すらなしとは、魔法ってすごいな。
治療が完了した男の顔色は土気色から蒼白に戻っていた。血も多少補給されるのかな?
顔色も多少ましになったのでこれなら大丈夫だろう。
縛り上げた全員を一箇所に集めていると、何か凄まじい音が接近してくるのがわかった。
元来た道の方から砂煙を上げて接近してくるのは長い髪を水平にまで靡かせた尖った耳のあの人。
かなりの速度で接近してくると地面に無理やり足を叩きつけて急ブレーキをする。
その急ブレーキでもなかなか速度が落ちず一直線に跡が残ってしまったほどだ。
「はぁはぁッ! ワタリちゃん怪我は!? 無事!? どこか痛いところない!?」
「え、あ、はい……。大丈夫です」
振り乱した髪が玉の様な汗で張り付いてちょっと怖いエリザベートさんに両肩を捕まれて一息で問い詰められた。
「ほんとに!? ほんとに? よかったぁ……」
無事だという返事を聞いたエリザベートさんがへなへなと崩れ落ちる。
誘拐されそうになったことは言っていないのだが、どうやって知ったんだろうか。
「あのエリザベートさん……どうしてこっちに?」
「……え……? だってPTいきなり解散するし、こんな裏通りにワタリちゃんみたいな可愛い子が歩いてたら絶対襲われると思って全力疾走してきたの!」
「そ、そうなんですか……。まぁ確かに襲われましたけど」
「え! あ! こいつら!?」
「はい、捕まえましたけど、視界内に居たヤツラだけなので全員かどうかはわかりません」
「そ、そっか……。アル君やるじゃないの!」
立ち上がったエリザベートさんにうんうん、と頷かれながら肩をぽんぽんされるアル。
コレは一体どういうことですか?
「8人かー……。あれ? 首輪持ってないの? だめだよ、アル君。犯罪者を捕まえたらしっかり首輪でロックしておかないと」
未だ全員気絶したままの縛り上げられた男達を確認したエリザベートさんが困ったような表情でアルに言う。
首輪ってあの騎士達が使ったヤツか。さすがにこんなに早く必要になるとは思わなかったから購入していない。
そんなことを思っているとエリザベートさんは自分のアイテムボックスから先日もみた首輪を取り出し慣れた手つきで操作を行っていく。
あっという間に全員の頭の上にウィンドウを出現させる。
さすがギルド職員。こういうことも慣れているのか。
「まぁ首輪はちょっと高いけど、犯罪者を相手にする場合は必須よ。
それと縄ほどいても大丈夫よ。もう逃げられないから」
「そうなんですか?」
「えぇ、ロックされると身体能力がすごく下がるし、意思も薄弱になってうまく考えられなくなるから逃亡されることもないわ」
「へぇ~……すごいアイテムですね」
なんとこの首輪、意識にすら働きかけるようだ。身体能力も予想通り下がるようだし恐ろしいアイテムだな。
「でもこんな首輪が悪用されたら危ないんじゃ?」
「それは大丈夫よ。体力が一定以下に下がっているか、完全に叩きのめして心を折ってないと使えないから」
「なるほど」
でもそれだけじゃ悪用はいくらでも出来ると思うけど……。
でも、とりあえず不意打ちで首輪をつけられても大丈夫だということはわかったからよしとしよう。
その後エリザベートさんに捕まえた犯罪者は騎士団に突き出せば報奨金がもらえるということを教えてもらったので近くの騎士団詰め所まで連れて行くことにした。
もちろん再度PT編成してPTは組みなおした。
解散ができるのはリーダーだけなのでリーダー委譲はエリザベートさんがちょっと渋ったけどちゃんと俺をリーダーにしてから向かうことはできた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
日も大分傾いてきている。
詰め所に連れて行って報奨金を貰ってそのあと残りの奴隷商を回ったら夜になってしまうな。
ここからは別れずに行くとエリザベートさんが主張するので分担もできない。
襲われたのが彼女の中ではかなりの大問題だったようだ。
ちなみになんとなく流れ的に誘拐犯を倒したのがオレだとはいい出せなかった。
まぁ別に問題もないので構わないが。
日が暮れ始めた道を頭の上にウィンドウを出した8人の汚い男達を連れて歩く。
拘束は手だけを縛っているが誰も逃げ出そうとはしない。それどころかどこを見ているのかもわからないような焦点の定まらない瞳でぼんやりとした表情のまま言われるがままに歩いている。
首輪の効果が絶大すぎてちょっと怖い。
11人の大所帯で北門通りを少し歩くと騎士団詰め所と書かれた大きな看板がついた3階建ての石造りの建物が見えてきた。
骨が飛び出ていて出血が酷いのだ。
このままでは死んでしまうかもしれない。かといって病院なんて知らないし、あるのはポーションと簡単な医療キットくらいだ。
骨が飛び出てるような重傷に果たしてLv1のポーションで効果があるのか……。
医療キットでは意味がないのは考えなくてもわかる。
一応腿の付け根あたりで止血はしているものの、フードを剥いだ汚れた顔も青からすでに土気色。やばいかもしれない。
「アル……。これやばいよね?」
「答えは是。おそらくあと20分と持たないかと思われます」
「えーと……病院とか」
「治療院の場所はエリザベートに尋ねれば答えてくれるでしょうが、おそらく誘拐を企てるような犯罪者は受け入れてもらえないかと愚考致します」
「黙ってればいいんじゃないかな?」
「治療院では治療を受ける前にチェックがあります。そこで罪人かどうかをチェックされ罪人の場合は治療を受けることができません」
「ありゃ……結構厳しいんだね」
「罪人はその場で殺されても文句が言えませんので」
「それは犯した罪によるんじゃ……」
「答えは是。軽い罪ならば殺されることはありません。ですが未遂とはいえ誘拐となると話は別となります」
「そっか……。でもこのままじゃ死ぬよね」
「答えは是。すぐにそうなるかと存じます」
誘拐犯でも放置して死なれるのは嫌だな。
この世界では誘拐するような罪人なら死んで当然みたいな感じなんだろうけど、オレはまだこの世界に来てから3日目だ。そういう風には見れない。
捕まえたのだって警察組織っぽい何かに突き出して罪を償わせるためだし、ここで死なれるのは俺の夢見と償いのためにもまずい。
そうだ、オレには回復魔法があるじゃないか。ポーションじゃ無理そうだし、治療院もいけないなら魔法を使えばいいじゃない!
怪我することなかったから使う機会もなかったし、練習ついでにちょうどいい。ただ最初の回復魔法の相手が重傷者でしかも自分を誘拐しようとした犯人なのがアレだけど……。
初級魔法:体力回復。
魔法はイメージだ。火や水はイメージで消費MPや形状、動作がすごく変わった。
体力回復も多分同じだろう。つまり回復したところ、綺麗な肌や骨の状態をイメージすればいいのだろうか。
綺麗な骨のイメージなんてわからない。せいぜい理科室で見たようなスケルトン君くらいなもんだ。
だがないよりはましだろう。
綺麗な骨と肌をイメージしながら初級魔法:体力回復を念じる。
初級魔法:火や初級魔法:水は念じてイメージ確定後にMPが抜けていくが、初級魔法:体力回復は違った。
かざしていた手からイメージと共に徐々にMPが抜けていく感じがする。不思議な感覚だ。
抜けていくイメージとMPが患部に到達すると男がすごい勢いで飛び跳ね出した。
「うわわああ……な、なに!?」
「ワタリ様、回復魔法は対象の傷を修復する際に同等の痛みを与えます。意識がなくともその痛みに体が直接反応致します」
「そ、そうなの……? やな回復魔法だなぁ……」
ゲームや漫画みたいに暖かい光で癒されるぅ~とかじゃないらしい。
まさか治すのに痛みを生じるとか……どんな鬼畜ゲーだよ。
でもやらないわけにはいかない。このままでは本当に死んでしまう。
「アル、押さえて!」
「畏まりました」
暴れる男をアルが押さえつけ初級魔法:体力回復を掛け続けて行く。
アルが押さえているにも関わらず激しく痙攣して、痛みで意識が戻るがその痛みでまた気絶するという拷問のような光景は現実逃避しなければ見ているのが辛いくらいだ。歯を食いしばって折れそうなくらいの音と口端から溢れてくる泡がさらにきつい。
現実逃避をするように男の激しい動きから目を背ければ、残った光景は神秘的な物だった。
抜けていくMPとイメージがものすごいけれど見る見るうちに骨が元に戻っていく。
まるでスロー逆再生をしているかのような光景だ。
ズボンに染み込んだ血は戻らないみたいだけど、それは仕方ないだろう。そこまでは期待していない。
満タンだったMPがなくなりかけ慌てて月陽の首飾りからMPを全快まで補給して、更に8割近く減った頃、飛び出ていた骨は完全に元に戻り破けているズボンから覗く患部も傷1つ残らず無事治すことができた。
まぁあとは後遺症とか感染症とかか? そこまでは面倒見る気は無い。今この場で死ななければいいのだ。そのあとのことなど知ったことではない。
誘拐を企てたんだそのくらいのリスクは背負ってもらおう。むしろ死ななかっただけ儲け物だと思ってくれたまえ。
「さすがは我が主。このアル、感服致しました」
「え、あーうん? まぁうまくできた……よね?」
「答えは是。見たところ完璧に治療を行えております。これならば後遺症も残らず、むしろ以前より丈夫にすらなったと存じます。
さすがは我が主。初級魔法:体力回復でここまでの治療を行える者は非常に稀にございます」
「そうなんだ。なんとなく治ったところをイメージしながらやってたんだけど、MPをどんどん消費されるしちょっとびっくりはしたよ」
「恐らく大量のMPがイメージを補完したものかと愚考致します。
ですがそのイメージも明確な知識を持っていなければ、あれほどの重傷をここまで完璧に治すことはできません。
ワタリ様の知識には感服するばかりにございます」
「そ、そうかなぁ……あはは」
知識なんて簡単な人体構造くらいしか知らないし、一般常識レベルだと思ってたけどなぁ。でもこっちでは違うんだな。オレくらいの知識があればMPに任せて重傷でも治療できる。しかも初級ではって言ってたから中級以上ならもっと楽に治療できるんだろう。
それにしても後遺症すらなしとは、魔法ってすごいな。
治療が完了した男の顔色は土気色から蒼白に戻っていた。血も多少補給されるのかな?
顔色も多少ましになったのでこれなら大丈夫だろう。
縛り上げた全員を一箇所に集めていると、何か凄まじい音が接近してくるのがわかった。
元来た道の方から砂煙を上げて接近してくるのは長い髪を水平にまで靡かせた尖った耳のあの人。
かなりの速度で接近してくると地面に無理やり足を叩きつけて急ブレーキをする。
その急ブレーキでもなかなか速度が落ちず一直線に跡が残ってしまったほどだ。
「はぁはぁッ! ワタリちゃん怪我は!? 無事!? どこか痛いところない!?」
「え、あ、はい……。大丈夫です」
振り乱した髪が玉の様な汗で張り付いてちょっと怖いエリザベートさんに両肩を捕まれて一息で問い詰められた。
「ほんとに!? ほんとに? よかったぁ……」
無事だという返事を聞いたエリザベートさんがへなへなと崩れ落ちる。
誘拐されそうになったことは言っていないのだが、どうやって知ったんだろうか。
「あのエリザベートさん……どうしてこっちに?」
「……え……? だってPTいきなり解散するし、こんな裏通りにワタリちゃんみたいな可愛い子が歩いてたら絶対襲われると思って全力疾走してきたの!」
「そ、そうなんですか……。まぁ確かに襲われましたけど」
「え! あ! こいつら!?」
「はい、捕まえましたけど、視界内に居たヤツラだけなので全員かどうかはわかりません」
「そ、そっか……。アル君やるじゃないの!」
立ち上がったエリザベートさんにうんうん、と頷かれながら肩をぽんぽんされるアル。
コレは一体どういうことですか?
「8人かー……。あれ? 首輪持ってないの? だめだよ、アル君。犯罪者を捕まえたらしっかり首輪でロックしておかないと」
未だ全員気絶したままの縛り上げられた男達を確認したエリザベートさんが困ったような表情でアルに言う。
首輪ってあの騎士達が使ったヤツか。さすがにこんなに早く必要になるとは思わなかったから購入していない。
そんなことを思っているとエリザベートさんは自分のアイテムボックスから先日もみた首輪を取り出し慣れた手つきで操作を行っていく。
あっという間に全員の頭の上にウィンドウを出現させる。
さすがギルド職員。こういうことも慣れているのか。
「まぁ首輪はちょっと高いけど、犯罪者を相手にする場合は必須よ。
それと縄ほどいても大丈夫よ。もう逃げられないから」
「そうなんですか?」
「えぇ、ロックされると身体能力がすごく下がるし、意思も薄弱になってうまく考えられなくなるから逃亡されることもないわ」
「へぇ~……すごいアイテムですね」
なんとこの首輪、意識にすら働きかけるようだ。身体能力も予想通り下がるようだし恐ろしいアイテムだな。
「でもこんな首輪が悪用されたら危ないんじゃ?」
「それは大丈夫よ。体力が一定以下に下がっているか、完全に叩きのめして心を折ってないと使えないから」
「なるほど」
でもそれだけじゃ悪用はいくらでも出来ると思うけど……。
でも、とりあえず不意打ちで首輪をつけられても大丈夫だということはわかったからよしとしよう。
その後エリザベートさんに捕まえた犯罪者は騎士団に突き出せば報奨金がもらえるということを教えてもらったので近くの騎士団詰め所まで連れて行くことにした。
もちろん再度PT編成してPTは組みなおした。
解散ができるのはリーダーだけなのでリーダー委譲はエリザベートさんがちょっと渋ったけどちゃんと俺をリーダーにしてから向かうことはできた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
日も大分傾いてきている。
詰め所に連れて行って報奨金を貰ってそのあと残りの奴隷商を回ったら夜になってしまうな。
ここからは別れずに行くとエリザベートさんが主張するので分担もできない。
襲われたのが彼女の中ではかなりの大問題だったようだ。
ちなみになんとなく流れ的に誘拐犯を倒したのがオレだとはいい出せなかった。
まぁ別に問題もないので構わないが。
日が暮れ始めた道を頭の上にウィンドウを出した8人の汚い男達を連れて歩く。
拘束は手だけを縛っているが誰も逃げ出そうとはしない。それどころかどこを見ているのかもわからないような焦点の定まらない瞳でぼんやりとした表情のまま言われるがままに歩いている。
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11人の大所帯で北門通りを少し歩くと騎士団詰め所と書かれた大きな看板がついた3階建ての石造りの建物が見えてきた。
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