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第3章
61,心配
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一歩店を出ればやはりそこは廃屋としか見えない物で、店内とのギャップにネーシャは再確認するようにその汚い外装を眺めている。弟子入りに緊張しているのかその表情はやはり少し堅い。
「ネーシャやれそう? 無理しなくてもいいからね?」
「は、はい! 大丈夫です! ユユさんすごく優しそうですし……。そ、そのゴーシュさんは……その、怖いですけど……。がんばります!」
「そっかそっか。まぁ最初は私とアルも一緒に行くから大丈夫だよ」
「はい!」
不安で固まっていた顔も安心させるように優しく言って微笑んであげれば大分和らいできたようだ。
ちなみに誰もあの格好については口に出さない。なぜか暗黙の了解のようになってしまっている。
「さて、帰ろうか」
背後の廃屋にしか見えない店をチラッと一瞥し、後にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌日、いつも通りに日課をこなし少しどんよりとした雲が出ているためマスターからも雨具か外套は持っていったほうがいいといわれたので、外套を出してランカスター魔道具店へと出発した。
「そういえばここに来てから雨ってはじめてかも」
「答えは是。今まで天候に恵まれていましたから1度も降っていません」
「その外套で大丈夫かな……。アル達のは撥水仕様で雨具兼任なのだけど……」
初心者セットに入っていた外套をアルが片手に持っている。アルもネーシャも外套を羽織っておらず、その手に2人とも持っているだけだ。
最初は羽織っていたのだが少し歩くと羽織ったままだと曇りだというのに気温が高く、ちょっと暑かったので脱いだばかりだったりする。
ランカスター魔道具店の裏路地に入ったらアイテムボックスに仕舞う予定だ。ちなみに予備で買っておいたオレの外套は撥水仕様だ。でもいつも初心者セットに入っていた外套を羽織っていたのでなんとなくこっちを出してしまった。
「この外套も撥水仕様となっていますので問題ないかと存じます」
「そっかー。でも雨降らないといいねぇ~、ネーシャ」
「は、はい……」
にこやかに話題を振ってみたんだが、どうもネーシャが堅い。
昨日も不安で緊張してエリザベートさんに心配されていたけど、まぁこういうのは誰でも通る道だ。
初めての職場なんだから緊張するのは仕方ない。
「大丈夫だよ、ネーシャ。慣れるまでは私達も近くにいるから」
「は、はい……」
うーん。やっぱり堅い。こういうときどうやって緊張を解すんだっけなぁ。
ランカスター魔道具店までの道のりで色々考えて実行してみたが、ネーシャの緊張は結局解けなかった。
本当に大丈夫だろうか。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おはようございまーす」
「失礼致します」
「お、おはようございましゅ」
あまりの緊張の為か挨拶ですら噛んでしまったネーシャが真っ赤だ。
頭頂部についている2つの耳もぺたんと萎れてしまい、しょっぱなから意気消沈してしまった。
「おっはよー。あれあれ、ネーシャちゃん元気ないねー? ちゃんとご飯食べたー?」
「おはようございます、ユユさん。今日はネーシャのことよろしくお願いします。ご飯はなんとか食べたんですけど、どうも緊張しちゃってるみたいで……」
「あはは、大丈夫だよ~。とって食ったりしないから。今日は初日だし、いきなり何か作れーなんていわないからまずは色々見てみようね~」
「は、はい!」
「それじゃ、ネーシャ頑張って来るんだよ~。私達はこっちにいるからね~」
「ネーシャ、自分の出来る範囲でやってきなさい」
「はい! 頑張ります!」
「じゃあ2人はここで待ってて~。もう少ししたらお父ちゃんかお兄ちゃんが来るから」
「了解です。ユユさん、ネーシャのことよろしくお願いします」
「まっかせて!」
予定通りにネーシャをユユさんに預け、オレ達は店番をすることに。
同行するといってもそこは弟子でもないオレ達は工房に入ることも見学することも許されない。
そこで出来るだけネーシャを安心させるため、店番をするということでお店で待っていることにしたのだ。
店番といっても日に1人くるかどうかという来客状況なので基本的にやることはない。
「じゃあさっそく用意しようか」
「畏まりました」
なのでオレ達はしっかり暇つぶしの道具を持ってきていたりする。
最初は店内の魔道具でも見せてもらっていようかと思ったのだが、初日でも5時間くらいは働く予定なので絶対暇をもてあますことになるのは目に見えているというわけだ。
アイテムボックスから毛玉と棒を4本取り出す。
もうお分かりだろうが、編み物だ。
だが編み物を馬鹿にしてはいけない。これも器用度アップトレーニングの一環なのだ。
本当は刺繍とか縫い物がいいんだそうだが、どうもオレはこの類の物が苦手のようで器用増加を外した状態では指に針の穴が出来すぎて回復魔法を使うはめになったくらいだ。
もちろん器用増加をつけた状態ならすいすいできる。針の穴はちょっと減ったくらいだが。
すいすい出来ても、それじゃあ意味がない。この際なので穴が空くのは気にしない方向で。
いくつか妥協してなんとか行き着いたのがこの編み物なのだ。
まぁまだ全然できないんだけどね……。
「おう、おはよう。ん? なんだ、編み物か。まぁ店番っても客がまったくこねぇからな。暇つぶしと訓練と両方兼ねてるわけか」
「おはようございます、ゴーシュさん。そちらがユユさんのお兄さんですか?」
「おはよう、初めまして。ユユの兄でゴーシュの息子で鍛冶師をやってるトトだよ。よろしくね。君達の事は親父から聞いてるよ。
あの爺さんの黒狼石の短剣に選ばれるなんてすごいよ。今度是非僕の作ったのも試して欲しいよ」
「改めましてワタリ・キリサキです。こっちがアルです。機会があったら是非見せてください」
「ほんと!? じゃあ今すぐ持ってくるよ!」
「馬鹿野郎! とっとと仕事しろ!」
「うひゃ。ごめんね、ワタリちゃん。親父がうるさいからもうちょっと待ってね」
「とっとと行け! 馬鹿息子が!」
「うっひゃー!」
ゴーシュさんに怒鳴られて逃げるように奥に走っていくトトさんだが、さり気無く振り返ってサムズアップしていく辺り手馴れたもんだ。
「まったく、あのお調子もんが……。あれでも俺の跡を継ぐだけの実力は持ってるんだがなぁ……。どうもいまいち職人気質ってもんがねぇ……」
「あはは……。いいじゃないですか、本人は楽しそうですよ?」
「まぁな。あと5,6年もしたら俺の腕に追いつきそうなくらい鍛冶師としての才能をもってやがる」
「すごいですねぇ……。ゴーシュさんの作品はどれも1級品ばかりですし、トトさんも才能ある人なんですね」
「まぁ……な。ゴホン。と、とりあえず店番は客が来たらそこのベルを鳴らしてくれればいい。すぐに誰か店のもんが来るだろう。あとはそいつに任せてくれればいい。
おまえさん方は基本的にそれ以外はくつろいでくれていても構わねぇ。売り物も壊さなきゃ手にとって見ても構わんぞ。気に入ったのがあったら割引いてやる」
「わかりました、ありがとうございます。ネーシャのことよろしくお願いします」
「おう、任せろ。つっても相手するのはユユだ。間違っても怒鳴ったりしねぇから安心しろ。
あいつは職人としての腕はいいのに、職人特有の短気さがまったくないからな。
うちの息子娘はほんとに職人っぽくないやつばっかりだ」
「あはは……」
やはり思っていた通り職人というのは短気な生き物なようだ。短気というか気難しいという方が合ってる気がするが、本人がそういうんだからそうなんだろう。
なんともいえないので愛想笑いで誤魔化したが、ネーシャにとってはいい環境であることに違いない。
ゴーシュさんも仕事を始めるため工房の方に行くとオレ達もさっそく編み物を開始する。
だがやはりネーシャのことが気になってしまいあまり集中できない。
過保護だとは思うけど心配なものは心配なのだから仕方ない。
「アル~、ネーシャ大丈夫かな?」
「答えは是。今日は初日にございます。ユユ殿も言っておりましたので無茶はしないと存じます。
ワタリ様は少しネーシャに対して過保護すぎるかと苦言を呈させて頂きます」
「うっ……。まぁ自覚はしてるよ……。でもやっぱり心配だよ」
普段からかなりネーシャに甘く、心配ばかりしているオレだけどついにアルに怒られてしまった。
ネーシャの過去を思えば心配するなという方が無理だけど、心配ばかりしていてはネーシャを信用していないのと同じだ。
まだまだ自立には早いけど、行く行くは1人で色々出来るようにはなってほしい。
ネーシャには鍛冶神の加護があり、きっと鍛冶師としての適性があるんだろう。ゴーシュさんの師匠も加護持ちだっていってたし、もしかしたら歴史に名を残すようなすごい鍛冶師になるかもしれない。
とはいってもまだまだやっぱり心配なのは変わらない。
「あぁ……。大丈夫かなぁ……。怒られたりしてないかなぁ……」
「ユユ殿の気性は相当温和かと存じます。初めての弟子とも言っていました。
ネーシャのことについて説明もしてありますので、彼女が萎縮するようなことはしないと存じます」
「そうだけど~……心配だよなぁ~」
「ワタリ様……。まずは手も動かしましょう。一向に進んでおられません」
「うっ……。ご、ごめん……。教えてもらってる立場なのに……」
「いえ、ワタリ様に知識をお渡しするのが私の役目。これは私にとって最高の瞬間にございます」
「あ、う……。よし、わかった。ネーシャも心配だけど、今は自分のことだよね。さぁやろう!」
「畏まりました。そこは違います、こうです」
「あうっ」
アルにとっての最高の瞬間を心配ばかりして潰すわけにもいかない。ネーシャも大事だけどアルも大事だ。
でも……アルぅ……。
難しいんだってば……。縫い物よりは指に穴が空かないだけマシだけど編み物って難しいんだってばー!
「ネーシャやれそう? 無理しなくてもいいからね?」
「は、はい! 大丈夫です! ユユさんすごく優しそうですし……。そ、そのゴーシュさんは……その、怖いですけど……。がんばります!」
「そっかそっか。まぁ最初は私とアルも一緒に行くから大丈夫だよ」
「はい!」
不安で固まっていた顔も安心させるように優しく言って微笑んであげれば大分和らいできたようだ。
ちなみに誰もあの格好については口に出さない。なぜか暗黙の了解のようになってしまっている。
「さて、帰ろうか」
背後の廃屋にしか見えない店をチラッと一瞥し、後にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌日、いつも通りに日課をこなし少しどんよりとした雲が出ているためマスターからも雨具か外套は持っていったほうがいいといわれたので、外套を出してランカスター魔道具店へと出発した。
「そういえばここに来てから雨ってはじめてかも」
「答えは是。今まで天候に恵まれていましたから1度も降っていません」
「その外套で大丈夫かな……。アル達のは撥水仕様で雨具兼任なのだけど……」
初心者セットに入っていた外套をアルが片手に持っている。アルもネーシャも外套を羽織っておらず、その手に2人とも持っているだけだ。
最初は羽織っていたのだが少し歩くと羽織ったままだと曇りだというのに気温が高く、ちょっと暑かったので脱いだばかりだったりする。
ランカスター魔道具店の裏路地に入ったらアイテムボックスに仕舞う予定だ。ちなみに予備で買っておいたオレの外套は撥水仕様だ。でもいつも初心者セットに入っていた外套を羽織っていたのでなんとなくこっちを出してしまった。
「この外套も撥水仕様となっていますので問題ないかと存じます」
「そっかー。でも雨降らないといいねぇ~、ネーシャ」
「は、はい……」
にこやかに話題を振ってみたんだが、どうもネーシャが堅い。
昨日も不安で緊張してエリザベートさんに心配されていたけど、まぁこういうのは誰でも通る道だ。
初めての職場なんだから緊張するのは仕方ない。
「大丈夫だよ、ネーシャ。慣れるまでは私達も近くにいるから」
「は、はい……」
うーん。やっぱり堅い。こういうときどうやって緊張を解すんだっけなぁ。
ランカスター魔道具店までの道のりで色々考えて実行してみたが、ネーシャの緊張は結局解けなかった。
本当に大丈夫だろうか。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おはようございまーす」
「失礼致します」
「お、おはようございましゅ」
あまりの緊張の為か挨拶ですら噛んでしまったネーシャが真っ赤だ。
頭頂部についている2つの耳もぺたんと萎れてしまい、しょっぱなから意気消沈してしまった。
「おっはよー。あれあれ、ネーシャちゃん元気ないねー? ちゃんとご飯食べたー?」
「おはようございます、ユユさん。今日はネーシャのことよろしくお願いします。ご飯はなんとか食べたんですけど、どうも緊張しちゃってるみたいで……」
「あはは、大丈夫だよ~。とって食ったりしないから。今日は初日だし、いきなり何か作れーなんていわないからまずは色々見てみようね~」
「は、はい!」
「それじゃ、ネーシャ頑張って来るんだよ~。私達はこっちにいるからね~」
「ネーシャ、自分の出来る範囲でやってきなさい」
「はい! 頑張ります!」
「じゃあ2人はここで待ってて~。もう少ししたらお父ちゃんかお兄ちゃんが来るから」
「了解です。ユユさん、ネーシャのことよろしくお願いします」
「まっかせて!」
予定通りにネーシャをユユさんに預け、オレ達は店番をすることに。
同行するといってもそこは弟子でもないオレ達は工房に入ることも見学することも許されない。
そこで出来るだけネーシャを安心させるため、店番をするということでお店で待っていることにしたのだ。
店番といっても日に1人くるかどうかという来客状況なので基本的にやることはない。
「じゃあさっそく用意しようか」
「畏まりました」
なのでオレ達はしっかり暇つぶしの道具を持ってきていたりする。
最初は店内の魔道具でも見せてもらっていようかと思ったのだが、初日でも5時間くらいは働く予定なので絶対暇をもてあますことになるのは目に見えているというわけだ。
アイテムボックスから毛玉と棒を4本取り出す。
もうお分かりだろうが、編み物だ。
だが編み物を馬鹿にしてはいけない。これも器用度アップトレーニングの一環なのだ。
本当は刺繍とか縫い物がいいんだそうだが、どうもオレはこの類の物が苦手のようで器用増加を外した状態では指に針の穴が出来すぎて回復魔法を使うはめになったくらいだ。
もちろん器用増加をつけた状態ならすいすいできる。針の穴はちょっと減ったくらいだが。
すいすい出来ても、それじゃあ意味がない。この際なので穴が空くのは気にしない方向で。
いくつか妥協してなんとか行き着いたのがこの編み物なのだ。
まぁまだ全然できないんだけどね……。
「おう、おはよう。ん? なんだ、編み物か。まぁ店番っても客がまったくこねぇからな。暇つぶしと訓練と両方兼ねてるわけか」
「おはようございます、ゴーシュさん。そちらがユユさんのお兄さんですか?」
「おはよう、初めまして。ユユの兄でゴーシュの息子で鍛冶師をやってるトトだよ。よろしくね。君達の事は親父から聞いてるよ。
あの爺さんの黒狼石の短剣に選ばれるなんてすごいよ。今度是非僕の作ったのも試して欲しいよ」
「改めましてワタリ・キリサキです。こっちがアルです。機会があったら是非見せてください」
「ほんと!? じゃあ今すぐ持ってくるよ!」
「馬鹿野郎! とっとと仕事しろ!」
「うひゃ。ごめんね、ワタリちゃん。親父がうるさいからもうちょっと待ってね」
「とっとと行け! 馬鹿息子が!」
「うっひゃー!」
ゴーシュさんに怒鳴られて逃げるように奥に走っていくトトさんだが、さり気無く振り返ってサムズアップしていく辺り手馴れたもんだ。
「まったく、あのお調子もんが……。あれでも俺の跡を継ぐだけの実力は持ってるんだがなぁ……。どうもいまいち職人気質ってもんがねぇ……」
「あはは……。いいじゃないですか、本人は楽しそうですよ?」
「まぁな。あと5,6年もしたら俺の腕に追いつきそうなくらい鍛冶師としての才能をもってやがる」
「すごいですねぇ……。ゴーシュさんの作品はどれも1級品ばかりですし、トトさんも才能ある人なんですね」
「まぁ……な。ゴホン。と、とりあえず店番は客が来たらそこのベルを鳴らしてくれればいい。すぐに誰か店のもんが来るだろう。あとはそいつに任せてくれればいい。
おまえさん方は基本的にそれ以外はくつろいでくれていても構わねぇ。売り物も壊さなきゃ手にとって見ても構わんぞ。気に入ったのがあったら割引いてやる」
「わかりました、ありがとうございます。ネーシャのことよろしくお願いします」
「おう、任せろ。つっても相手するのはユユだ。間違っても怒鳴ったりしねぇから安心しろ。
あいつは職人としての腕はいいのに、職人特有の短気さがまったくないからな。
うちの息子娘はほんとに職人っぽくないやつばっかりだ」
「あはは……」
やはり思っていた通り職人というのは短気な生き物なようだ。短気というか気難しいという方が合ってる気がするが、本人がそういうんだからそうなんだろう。
なんともいえないので愛想笑いで誤魔化したが、ネーシャにとってはいい環境であることに違いない。
ゴーシュさんも仕事を始めるため工房の方に行くとオレ達もさっそく編み物を開始する。
だがやはりネーシャのことが気になってしまいあまり集中できない。
過保護だとは思うけど心配なものは心配なのだから仕方ない。
「アル~、ネーシャ大丈夫かな?」
「答えは是。今日は初日にございます。ユユ殿も言っておりましたので無茶はしないと存じます。
ワタリ様は少しネーシャに対して過保護すぎるかと苦言を呈させて頂きます」
「うっ……。まぁ自覚はしてるよ……。でもやっぱり心配だよ」
普段からかなりネーシャに甘く、心配ばかりしているオレだけどついにアルに怒られてしまった。
ネーシャの過去を思えば心配するなという方が無理だけど、心配ばかりしていてはネーシャを信用していないのと同じだ。
まだまだ自立には早いけど、行く行くは1人で色々出来るようにはなってほしい。
ネーシャには鍛冶神の加護があり、きっと鍛冶師としての適性があるんだろう。ゴーシュさんの師匠も加護持ちだっていってたし、もしかしたら歴史に名を残すようなすごい鍛冶師になるかもしれない。
とはいってもまだまだやっぱり心配なのは変わらない。
「あぁ……。大丈夫かなぁ……。怒られたりしてないかなぁ……」
「ユユ殿の気性は相当温和かと存じます。初めての弟子とも言っていました。
ネーシャのことについて説明もしてありますので、彼女が萎縮するようなことはしないと存じます」
「そうだけど~……心配だよなぁ~」
「ワタリ様……。まずは手も動かしましょう。一向に進んでおられません」
「うっ……。ご、ごめん……。教えてもらってる立場なのに……」
「いえ、ワタリ様に知識をお渡しするのが私の役目。これは私にとって最高の瞬間にございます」
「あ、う……。よし、わかった。ネーシャも心配だけど、今は自分のことだよね。さぁやろう!」
「畏まりました。そこは違います、こうです」
「あうっ」
アルにとっての最高の瞬間を心配ばかりして潰すわけにもいかない。ネーシャも大事だけどアルも大事だ。
でも……アルぅ……。
難しいんだってば……。縫い物よりは指に穴が空かないだけマシだけど編み物って難しいんだってばー!
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