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第4章
82,チョロイン
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複数転移を駆使した帰りの道中は行きよりも若干早く帰ることが出来た。
相変わらずGPSナビ顔負けの完璧な精度でラッシュの街までの方向を示してくれるアルに感謝だ。
彼がいなければ街道を目指してから戻るはめになっていただろう。
街道をぶっちぎってショートカットするように複数転移で移動できたのでその分短縮になったというわけだ。
予定よりも大分早く冒険者ギルドについたので混み始める前には依頼達成の報告を済ませることが出来た。
3つも受けていたので今回の稼ぎは結構な額になった。
その他にも荒地で倒した分の素材やビッグホーネットの蜜なども依頼分を渡してもまだまだ余るほどある。
今回の分配に関してだが、基本的にレーネさんは何も要らないという。
彼女は今回本当についてきただけで助言を少しした程度で戦闘もオレ達が担当していたし、移動に関してもオレの転移で済ませている。
解体の手伝いや助言が彼女の今回の働きだったのだが、普通はランクC以上の先輩が付き添いで来てくれるだけでも7割程度の報酬はもっていかれるのがこの世界だ。
ランクC以上の先輩がいるだけで安心感も、緊急事態への対応力も格段に違うからだ。
なのでオレ達もそれに倣って報酬の7割を渡そうと思っていたのだが断られてしまった。
まぁ予想の範囲内だ。
彼女にしてみれば何もしていないのと同然だし、やっとできた友人と一緒に依頼をしたいから着いて来たわけだし。
それにオレの実際の戦闘能力も確認したかったのだろう。
ランクAとは行かないまでもレーネさんと一緒に依頼をこなせるかどうかの確認のための。
【それでレーネさん的にはどうでしたか? 私は一緒に依頼をこなせそうですか?】
【はい! ワタリさんの実力ならランクBの依頼でも確実にやれると思います。
アルさんの防御技術も1級品ですし、戦闘能力に関して言えば私よりもあると思います】
レーネさんはずいぶんオレに高い評価をしてくれているようだ。
それにアルのこともべた褒めだ。オレからみても呆れるくらいにアルはすごいから当然といえば当然だけど、やはり褒められると嬉しい。
自分の事以上に嬉しいのはそれだけアルが大事だからだろう。
【でもいきなりランクBの依頼は受けられませんので、今回のように複数同時に受けても問題ない依頼をこなしていくのが近道だと思います】
【そうですね。早くランクAの依頼を受けられるようにしたいところですねぇ~】
【……貢献度は貰えませんが、依頼を手伝ってもらうというのは可能ではあるんですけどね……。
でもそれだとワタリさんにご迷惑をかけてしまいますし……】
【別に大丈夫ですよ? ランクは早くあげたいですけど、それに拘るつもりもないですし。
レーネさんが受けた依頼を私達が手伝えるのならいつでも言ってください】
【はい! その時はよろしくお願いします!】
フードに隠れた顔が一気に明るくなるのを感じるくらいレーネさんは喜んでくれたようだ。
白い外套の下で尻尾もぶんぶん振られているのがわかる。外套がすごく邪魔そう……。
【じゃあ、レーネさんの依頼を手伝う時は報酬は半分頂いてもいいですか?】
【はい! もちろんですよ!】
オレの言葉に何の躊躇もなくレーネさんは了承してくれる。なので次の行動も取りやすい。
【じゃあこれはレーネさんの取り分です】
【……ぇ?】
今回の3つの依頼の報酬の半額が入った小袋を押し付けるように渡すと、レーネさんの目は点になる。
まぁ当然だろう。さっきは報酬はいらないということで片がついたのだから。
でもオレはそれで終わらせる気などさらさらなかったのだ。
【レーネさんの依頼を手伝う時には半額頂きます。ですので平等に私の依頼を手伝ってもらう時も半額お渡ししますよ?】
【で、でも……】
案の定渋るレーネさんにオレは必殺の殺し文句をしっかりと用意してあるので、にっこり笑顔で言い放った。
【私達は友達なんだから、平等に。ですよ?】
その効果は最早火を見るよりも明らかだ。
レーネさんのちょっと困っていた表情が、輝きを放つくらいに明るくなると共に真っ赤になる。
やっぱりこの可愛い人は白くて真っ赤な人だ。
【はい!】
真っ赤な顔でとても元気よく今までで1番の明るい念話で返事を返してくれた。
レーネさんとオレにはランクの大きな隔たりがある。
普通はランクが離れていれば報酬の大半をもっていかれるが、それが仲間、友人同士なら話は別だ。
まぁ中にはがめついヤツラもたくさんいるだろうが、ソレはそれだ。
オレ達にはレーネさん自身が認めるだけの能力があり、隔たりがあるのは経験とランクだけだ。
逆に言えば経験とランクを除けばあとはそこにあるのは彼女の足を引っ張るどころか助けることが出来る友人。
ならば対等に報酬だって平等。いや、むしろ平等でなければいけない。
報酬をもらわないというのは、この場合対等にすら見ていないということになるのだ。
対等にすら見ていないで何が友人なのか。
経験については防御面で非常に頼りになるアルがいるので致命的なものは回避できると確信がある。
つまりはそういうところでレーネさんを納得させてみたのだ。
ちょっと強引ではあるが、レーネさんはぼっち歴が非常に長いのでこういうことに免疫がない。なのでちょろ……素直なのである。
真っ赤になったのは本当に友人として自分のことを考えてくれているとわかったからだろう。
なかなか気恥ずかしいものだからね。決してオレの笑顔にやられたのではあるまい。決して。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そんなこんなで報酬の件についても話はついたし、これからも一緒に依頼をこなすことになった。
もちろんいつでも一緒というわけではない。
やはりランクの隔たりがあるので都合の合う時には積極的にPTを組むということで落ち着いたのだ。
とはいってもレーネさんは今後の依頼にもついてくる気が満々ではあるのだが。
明日はお休みだが、同じ時間帯で待ち合わせをしてギルド前で別れた。
オレ達はそのままネーシャを迎えにランカスター家に向かい、やっぱり若干早かったのもあり前回同様トトさんとお喋りに興じる。
「そういえばトトさん、この辺で桶とか樽とか売っているところってないですか? 雑貨屋さんなどで売ってるようなサイズではなくてもっと大きいのが欲しいのですが」
「桶や樽かい? そうだねぇ~。どのくらいのサイズかにもよるけど、雑貨屋に売ってないようなサイズでもある程度までのサイズだったらうちでも作れるよ?
もちろん費用は普通のサイズよりはかかるけど」
「あ、本当ですか? じゃあお願いしてもいいですか? サイズは――」
必要な情報をトトさんに伝えて、見積もりを出してもらうと思っていたよりも安く上がりそうだった。
特注といってもずいぶん安く済むみたいなのでついでに色々と追加のお願いをしている間にネーシャ達がやってきた。
今日も元気いっぱいのユユさんと共にオレの下に嬉しそうに駆け寄ってくるネーシャにほっこりする。
追加注文もすぐに終わり、トトさんに前払いをしてランカスター家を後にする。
少し赤味を帯びた宿への短い帰り道、終始笑顔のネーシャが今日ユユさんに教えてもらったことを元気いっぱいに話してくれる。
そんなネーシャとアルと両手を繋いで帰る道はあっという間だ。
実際短いのもあるけれど楽しい時間は早く過ぎるというのもあるだろう。
いつも通りにアルが装備を回収し、部屋着に着替える。
そしてさっそくトレーニングだ。
ついさっきトトさんに注文した物を有効活用できるように、復習も兼ねてである。
初級魔法:風と初級魔法:水と初級魔法:火を思い描く通りに駆使してトレーニングを始める。
オレがトレーニングを始めれば、アルは装備の点検と必要があれば修繕、ネーシャは今日もお勉強だ。
瞬く間に時間が過ぎ、いつも通りにエリザベートさんが合流して割と静かだった部屋が騒がしくなる。
でも嫌な騒がしさではなく、それはとても安心する心地よいものだ。
もうエリザベートさんが居るのは日常となっているし、いないとちょっと物足りない。
いつも通りにマスターの美味しい夕食をみんなでわいわい食べて食休みをたっぷりとると筋トレタイムだ。
エリザベートさんもネーシャも、アル以外の全員で一緒にトレーニングを始める。
筋力増加を外しているオレが1番最初にばてるが、回復力は増加させてあるのですぐに復帰して結局1番回数をこなしているのはオレになる。
2人も全身汗だくで床に敷いた厚手の布の上に寝そべって荒い息を整えているが、オレの筋トレはまだまだ続く。
ばててはすぐに回復してまたばてる。なんともいえないエンドレスな筋トレはアルが止めるまで行われる。
アルが止めるのは大体開始から1時間経過した辺りだ。
その辺で止めてくれるようにオレが予めお願いしているのもある。さすがに回復力が高すぎるのでエンドレスすぎるので制限しているのだ。
ちなみに筋トレは苦にならない。編み物に比べれば遥かにマシだ。いつままででも続けていられるくらいだ。
生前も筋トレは趣味だったので今生でも変わらないようだ。
筋トレが終わればアルの浄化でさっぱりしつつ、恒例のステータス確認だ。
そろそろトレーニングを始めてから大分経つので上がっていてもおかしくない。
最近確認するときにちょっとドキドキして密かな楽しみになっている。
「さぁ~て上がってるかなぁ~?」
「そんなに簡単には上がらないのよ~? でもそんなワクワクしてるワタリちゃんも可愛いわぁ~」
「お嬢様、ファイトです!」
浄化でさっぱりしてオレのベッドの枕に顔を埋めてごろごろしていたエリザベートさんが、枕に半分顔を埋めたままうつ伏せになってそう言ってくる。
その間もやっぱりごろごろするのはやめない辺りが実にエリザベートさんらしい。
ネーシャは相変わらずよくわからない応援をしている。でも可愛いので何も問題ない。
そんなネーシャにほっこりしつつも、ステータスの筋力を見ると念願の変化が起こっていた。
「1アップきたー!」
「おめでとうございます、ワタリ様」
「えぇー! 本当に!? おめでとう、ワタリちゃん!」
「お嬢様すごいです! おめでとうございます!」
「ありがとう~みんなぁ~。毎日のトレーニングの成果が遂に実を結んだよ~」
筋力の横に凛然と輝く#(+1)。
実際には輝いてはいないけれど、感覚的にはもう光が溢れんばかりの勢いだ。
しばらくの間ニヤニヤとステータスウィンドウ眺めて過し、気づいた時にはいつの間にかエリザベートさんの膝の上に移動させられていた。
いつもならアルが妨害するはずなのだが、どうやら今回はエリザベートさんに軍配が上がったようだ。
たまにエリザベートさんがアルの妨害を掻い潜ってオレを可愛がるのである程度慣れてはいるが、やっぱり柔らかい女性らしさにちょっとドキドキしてしまう。
オレの好みはネーシャばりの貧乳のはずなのだが、エリザベートさんのメロンも最近悪くないと思えてきてしまっている。
このぽわぽわぷるんぷるんがですね……。
エリザベートさんがリズムよく体を揺するのでそれに合わせて揺れるぽわぽわがぷるんぷるんしてるわけですよ。もう後頭部が天国状態なのは仕方ないと思うのですよ。
そんな感触に蕩けそうになっていると、どこぞの仙人がおっぱいに貴賎なし、とお告げを告げていったような気がするがこれではレーネさんのことをちょろ……素直とは言えないと思う今日この頃だった。
相変わらずGPSナビ顔負けの完璧な精度でラッシュの街までの方向を示してくれるアルに感謝だ。
彼がいなければ街道を目指してから戻るはめになっていただろう。
街道をぶっちぎってショートカットするように複数転移で移動できたのでその分短縮になったというわけだ。
予定よりも大分早く冒険者ギルドについたので混み始める前には依頼達成の報告を済ませることが出来た。
3つも受けていたので今回の稼ぎは結構な額になった。
その他にも荒地で倒した分の素材やビッグホーネットの蜜なども依頼分を渡してもまだまだ余るほどある。
今回の分配に関してだが、基本的にレーネさんは何も要らないという。
彼女は今回本当についてきただけで助言を少しした程度で戦闘もオレ達が担当していたし、移動に関してもオレの転移で済ませている。
解体の手伝いや助言が彼女の今回の働きだったのだが、普通はランクC以上の先輩が付き添いで来てくれるだけでも7割程度の報酬はもっていかれるのがこの世界だ。
ランクC以上の先輩がいるだけで安心感も、緊急事態への対応力も格段に違うからだ。
なのでオレ達もそれに倣って報酬の7割を渡そうと思っていたのだが断られてしまった。
まぁ予想の範囲内だ。
彼女にしてみれば何もしていないのと同然だし、やっとできた友人と一緒に依頼をしたいから着いて来たわけだし。
それにオレの実際の戦闘能力も確認したかったのだろう。
ランクAとは行かないまでもレーネさんと一緒に依頼をこなせるかどうかの確認のための。
【それでレーネさん的にはどうでしたか? 私は一緒に依頼をこなせそうですか?】
【はい! ワタリさんの実力ならランクBの依頼でも確実にやれると思います。
アルさんの防御技術も1級品ですし、戦闘能力に関して言えば私よりもあると思います】
レーネさんはずいぶんオレに高い評価をしてくれているようだ。
それにアルのこともべた褒めだ。オレからみても呆れるくらいにアルはすごいから当然といえば当然だけど、やはり褒められると嬉しい。
自分の事以上に嬉しいのはそれだけアルが大事だからだろう。
【でもいきなりランクBの依頼は受けられませんので、今回のように複数同時に受けても問題ない依頼をこなしていくのが近道だと思います】
【そうですね。早くランクAの依頼を受けられるようにしたいところですねぇ~】
【……貢献度は貰えませんが、依頼を手伝ってもらうというのは可能ではあるんですけどね……。
でもそれだとワタリさんにご迷惑をかけてしまいますし……】
【別に大丈夫ですよ? ランクは早くあげたいですけど、それに拘るつもりもないですし。
レーネさんが受けた依頼を私達が手伝えるのならいつでも言ってください】
【はい! その時はよろしくお願いします!】
フードに隠れた顔が一気に明るくなるのを感じるくらいレーネさんは喜んでくれたようだ。
白い外套の下で尻尾もぶんぶん振られているのがわかる。外套がすごく邪魔そう……。
【じゃあ、レーネさんの依頼を手伝う時は報酬は半分頂いてもいいですか?】
【はい! もちろんですよ!】
オレの言葉に何の躊躇もなくレーネさんは了承してくれる。なので次の行動も取りやすい。
【じゃあこれはレーネさんの取り分です】
【……ぇ?】
今回の3つの依頼の報酬の半額が入った小袋を押し付けるように渡すと、レーネさんの目は点になる。
まぁ当然だろう。さっきは報酬はいらないということで片がついたのだから。
でもオレはそれで終わらせる気などさらさらなかったのだ。
【レーネさんの依頼を手伝う時には半額頂きます。ですので平等に私の依頼を手伝ってもらう時も半額お渡ししますよ?】
【で、でも……】
案の定渋るレーネさんにオレは必殺の殺し文句をしっかりと用意してあるので、にっこり笑顔で言い放った。
【私達は友達なんだから、平等に。ですよ?】
その効果は最早火を見るよりも明らかだ。
レーネさんのちょっと困っていた表情が、輝きを放つくらいに明るくなると共に真っ赤になる。
やっぱりこの可愛い人は白くて真っ赤な人だ。
【はい!】
真っ赤な顔でとても元気よく今までで1番の明るい念話で返事を返してくれた。
レーネさんとオレにはランクの大きな隔たりがある。
普通はランクが離れていれば報酬の大半をもっていかれるが、それが仲間、友人同士なら話は別だ。
まぁ中にはがめついヤツラもたくさんいるだろうが、ソレはそれだ。
オレ達にはレーネさん自身が認めるだけの能力があり、隔たりがあるのは経験とランクだけだ。
逆に言えば経験とランクを除けばあとはそこにあるのは彼女の足を引っ張るどころか助けることが出来る友人。
ならば対等に報酬だって平等。いや、むしろ平等でなければいけない。
報酬をもらわないというのは、この場合対等にすら見ていないということになるのだ。
対等にすら見ていないで何が友人なのか。
経験については防御面で非常に頼りになるアルがいるので致命的なものは回避できると確信がある。
つまりはそういうところでレーネさんを納得させてみたのだ。
ちょっと強引ではあるが、レーネさんはぼっち歴が非常に長いのでこういうことに免疫がない。なのでちょろ……素直なのである。
真っ赤になったのは本当に友人として自分のことを考えてくれているとわかったからだろう。
なかなか気恥ずかしいものだからね。決してオレの笑顔にやられたのではあるまい。決して。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そんなこんなで報酬の件についても話はついたし、これからも一緒に依頼をこなすことになった。
もちろんいつでも一緒というわけではない。
やはりランクの隔たりがあるので都合の合う時には積極的にPTを組むということで落ち着いたのだ。
とはいってもレーネさんは今後の依頼にもついてくる気が満々ではあるのだが。
明日はお休みだが、同じ時間帯で待ち合わせをしてギルド前で別れた。
オレ達はそのままネーシャを迎えにランカスター家に向かい、やっぱり若干早かったのもあり前回同様トトさんとお喋りに興じる。
「そういえばトトさん、この辺で桶とか樽とか売っているところってないですか? 雑貨屋さんなどで売ってるようなサイズではなくてもっと大きいのが欲しいのですが」
「桶や樽かい? そうだねぇ~。どのくらいのサイズかにもよるけど、雑貨屋に売ってないようなサイズでもある程度までのサイズだったらうちでも作れるよ?
もちろん費用は普通のサイズよりはかかるけど」
「あ、本当ですか? じゃあお願いしてもいいですか? サイズは――」
必要な情報をトトさんに伝えて、見積もりを出してもらうと思っていたよりも安く上がりそうだった。
特注といってもずいぶん安く済むみたいなのでついでに色々と追加のお願いをしている間にネーシャ達がやってきた。
今日も元気いっぱいのユユさんと共にオレの下に嬉しそうに駆け寄ってくるネーシャにほっこりする。
追加注文もすぐに終わり、トトさんに前払いをしてランカスター家を後にする。
少し赤味を帯びた宿への短い帰り道、終始笑顔のネーシャが今日ユユさんに教えてもらったことを元気いっぱいに話してくれる。
そんなネーシャとアルと両手を繋いで帰る道はあっという間だ。
実際短いのもあるけれど楽しい時間は早く過ぎるというのもあるだろう。
いつも通りにアルが装備を回収し、部屋着に着替える。
そしてさっそくトレーニングだ。
ついさっきトトさんに注文した物を有効活用できるように、復習も兼ねてである。
初級魔法:風と初級魔法:水と初級魔法:火を思い描く通りに駆使してトレーニングを始める。
オレがトレーニングを始めれば、アルは装備の点検と必要があれば修繕、ネーシャは今日もお勉強だ。
瞬く間に時間が過ぎ、いつも通りにエリザベートさんが合流して割と静かだった部屋が騒がしくなる。
でも嫌な騒がしさではなく、それはとても安心する心地よいものだ。
もうエリザベートさんが居るのは日常となっているし、いないとちょっと物足りない。
いつも通りにマスターの美味しい夕食をみんなでわいわい食べて食休みをたっぷりとると筋トレタイムだ。
エリザベートさんもネーシャも、アル以外の全員で一緒にトレーニングを始める。
筋力増加を外しているオレが1番最初にばてるが、回復力は増加させてあるのですぐに復帰して結局1番回数をこなしているのはオレになる。
2人も全身汗だくで床に敷いた厚手の布の上に寝そべって荒い息を整えているが、オレの筋トレはまだまだ続く。
ばててはすぐに回復してまたばてる。なんともいえないエンドレスな筋トレはアルが止めるまで行われる。
アルが止めるのは大体開始から1時間経過した辺りだ。
その辺で止めてくれるようにオレが予めお願いしているのもある。さすがに回復力が高すぎるのでエンドレスすぎるので制限しているのだ。
ちなみに筋トレは苦にならない。編み物に比べれば遥かにマシだ。いつままででも続けていられるくらいだ。
生前も筋トレは趣味だったので今生でも変わらないようだ。
筋トレが終わればアルの浄化でさっぱりしつつ、恒例のステータス確認だ。
そろそろトレーニングを始めてから大分経つので上がっていてもおかしくない。
最近確認するときにちょっとドキドキして密かな楽しみになっている。
「さぁ~て上がってるかなぁ~?」
「そんなに簡単には上がらないのよ~? でもそんなワクワクしてるワタリちゃんも可愛いわぁ~」
「お嬢様、ファイトです!」
浄化でさっぱりしてオレのベッドの枕に顔を埋めてごろごろしていたエリザベートさんが、枕に半分顔を埋めたままうつ伏せになってそう言ってくる。
その間もやっぱりごろごろするのはやめない辺りが実にエリザベートさんらしい。
ネーシャは相変わらずよくわからない応援をしている。でも可愛いので何も問題ない。
そんなネーシャにほっこりしつつも、ステータスの筋力を見ると念願の変化が起こっていた。
「1アップきたー!」
「おめでとうございます、ワタリ様」
「えぇー! 本当に!? おめでとう、ワタリちゃん!」
「お嬢様すごいです! おめでとうございます!」
「ありがとう~みんなぁ~。毎日のトレーニングの成果が遂に実を結んだよ~」
筋力の横に凛然と輝く#(+1)。
実際には輝いてはいないけれど、感覚的にはもう光が溢れんばかりの勢いだ。
しばらくの間ニヤニヤとステータスウィンドウ眺めて過し、気づいた時にはいつの間にかエリザベートさんの膝の上に移動させられていた。
いつもならアルが妨害するはずなのだが、どうやら今回はエリザベートさんに軍配が上がったようだ。
たまにエリザベートさんがアルの妨害を掻い潜ってオレを可愛がるのである程度慣れてはいるが、やっぱり柔らかい女性らしさにちょっとドキドキしてしまう。
オレの好みはネーシャばりの貧乳のはずなのだが、エリザベートさんのメロンも最近悪くないと思えてきてしまっている。
このぽわぽわぷるんぷるんがですね……。
エリザベートさんがリズムよく体を揺するのでそれに合わせて揺れるぽわぽわがぷるんぷるんしてるわけですよ。もう後頭部が天国状態なのは仕方ないと思うのですよ。
そんな感触に蕩けそうになっていると、どこぞの仙人がおっぱいに貴賎なし、とお告げを告げていったような気がするがこれではレーネさんのことをちょろ……素直とは言えないと思う今日この頃だった。
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