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第6章
114,孤児院エリザ
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「「「「よろしくお願いします、お嬢様!」」」」
大合唱のような何十人もの声がまるで練習したかのように揃って放たれる。
目の前にはズラッと整列した子供達。
先頭にいるエリザベートさんがニコニコ笑顔で、実にご満悦のご様子だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
元顎邸――現キリサキ邸の敷地には改装が済んで、金ぴかだったとても直視できない見た目からやっとまともになった屋敷があり、広い敷地に数棟の3階建ての建物が新たに建設されている。
この新しい建物にはかなりの数の部屋があり、まず4人部屋が大多数を占め、その部屋にはベッドが4つ、机が4つ、クローゼットが2つある。単純な4人部屋だ。
少数の2人部屋と1人部屋にも同じように家具が設置してあるが4人部屋と部屋の面積が同じなので大分広い。
この寮のような建物は何かというと、孤児院である。
正確には孤児ばかりを引き取るわけではないが、似たようなものだ。
オレはネーシャを引き取った時に自分の力が及ぶ範囲であれば同じような境遇の子を助けたいと思っていた。
あの時にはネーシャを1人引き取るのが限界だったけれど。
では今は?
エリザベートさんが先頭に立ち、幾人もの賛同者と共に練り上げられた計画がこの孤児院である。
元々エリザベートさんは奴隷という制度に疑問を持っていた。
もちろん労働力として有用であるということは理解している。犯罪を犯したものへの刑罰としても有用であるのも確か。
だからこそ疑問を持ちつつもあまり動けなかった。
お金の問題というのも多分にあったのだけど。
望まず奴隷になった者を解放したとして、その人達はその後にどうやって生きていけばいいのか。
人が生きるということは金がかかるということだ。
ではその金はどこから出るのか。
1人2人ならオレがネーシャを家族同然として迎えているようになんとかなるかもしれない。
でもそれも数が増えればそうもいかない。
当然ラッシュの街に孤児院がないわけではない。
だがやはり収容数というものがあり、どうしても限界がある。
エリザベートさんもギルドマスターの力を使って孤児院拡張を何度も行ったそうだ。
その過程でエリザベートさんを知らないラッシュの街の住人はいないというまでになったのだがそれはまた別の話。
それほどの有名人になるほどの活動を行ったエリザベートさんでも実際に救えた奴隷の数は両手を少し超える程度だったそうだ。
だがそれは仕方ない事なのかもしれない。
ギルドマスターの力もそう何度も使えるものではないし、あのジジイの事だから孫であるエリザベートさんにでも力を貸すためには当然何かしらの要求をしていたようだし。
エリザベートさんがギルドで働いていたのもその要求の1つだ。
エリザベートさんが何十年もかけて頑張った結果でもこれである。
ではなぜ何十年もかけてもこの程度でしかないのか。いやエリザベートさんはかなり頑張った方だ。
ギルドマスターの力で奴隷をかなり安く買い上げても、ネーシャの時とは違いあそこまで極端に安くなる事はなかった。
引き取り先の孤児院もすでに満杯であったのもあり、孤児院拡張にもギルドマスターの力を使ったが急激な拡張もなかなか難しいものがあった。
少しずつ孤児院を拡張し、奴隷を買い上げ、本当に少しずつ成果を出した結果なのだ。
結局の所問題点は当時のギルドマスターの力がある程度値切るくらいしか効果がなかったこと。
資金はエリザベートさんのポケットマネーとほんの少しの寄付で成り立っていた事。
まぁ結局、金だ。
というわけでエリザベートさんからいきなり土下座されたときは引いたし、そのまま喋ろうとする彼女をソファーに座らせて話を聞いた後には否やはなかった。
そんなエリザベートさんなので当然ながらお金はきちんと返す、と言ってくれたけどそこは却下した。
だってオレもやろうと思ってたし。
そうと決まれば後は早かった。
今のギルドマスターの力はネーシャの時の値切りでわかっているように結構絶大。
そのための証書を腱鞘炎になるくらいギルドマスターに発行させるのはエリザベートさんに任せた。
オレは自分の敷地に孤児院を建設することを決めて、エンタッシュに人選を任せてさっそく実行。
このときに少々あったのはまた今度ということで。
まずは住居を作らない事にはどうしようもないけれど、その間にもネーシャのように死にそうになっている子がいるかもしれないので発行させた証書をエリザベートさんの賛同者――彼女が解放した奴隷の子達――に持たせ各奴隷商を回ってもらった。
孤児院建設は金にものを言わせた人海戦術で急ピッチで進められた。
同時に屋敷の改装も行っていたが、こちらの方は使用人達に任せている。屋敷の近くには一切立ち入り禁止だからだ。色々とあるし……。
なので孤児院から屋敷まではちょっと離れている。
まぁ100人以上が住む予定の場所なんでそれなりに騒がしくなるだろうからちょうどいい。
孤児院も完成し、家具の搬入も済んだのはエリザベートさんの土下座から2週間くらい経っての事だった。
はっきりいってこれだけの建物を2週間で作り上げるというのはかなりすごいと思う。
まぁそれだけの金を払っているので当然なのだけど。
もちろん欠陥住宅では困るのでその辺も信頼できる人を紹介してもらっている。あぁもちろんここでも腱鞘炎のジジイの力を有効活用している。
こうしてエリザベートさんの計画はどんどん形になっていき、ラッシュの孤児院の10倍以上の規模の孤児院がキリサキ邸の敷地に完成した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「じゃあ運営は順調なんですね」
「うん! それもこれも全部ワタリちゃんのおかげだよ!
もうなんてお礼を言っていいかわからないくらい!
……お礼に私を好きにしていいよ……きゃっ」
頬を朱に染めてくねくねしているナニカから目を逸らして窓の外を眺める。
そこには大量の洗濯物が干されている光景が見えたり、青空教室が開かれていたりしている。
遊んでいる子供達の姿は今はない。
この孤児院――孤児院エリザには厳しいルールがある。
今の所全員が奴隷だが、必要なルールだ。
奴隷であった子供達を解放した場合、どうしても人攫いの脅威が付きまとってしまう。
すでに所有権が確定している奴隷の場合は所有権を変更するのが難しい。
なので人攫いもそんな面倒な奴隷をさらうようなことはしない。
すぐに解放しないのも彼らの安全を確保する為には必要な事なのだ。
孤児院は敷地内にあっても街に一切でないというのはありえない。
常に集団行動を取らせているとはいっても、護衛をつけるにも限界がある。
彼らにはしっかりとした生活基盤を確保してもらう必要がある。ずっと孤児院で暮らすことはできないのだから。
必要な知識と技術を身につけてもらい、彼ら自身の力で自分を買い戻してもらう事にした。
とはいっても自分を買い戻すのは最終的な目標であり、その間に自活できる知識と技術を見につけてもらうことになるだろう。
そのためのルールが孤児院エリザに作られた。
孤児院エリザではまず4人部屋に入る。
年齢的に小さい子と大きい子が同数になるように性格や技量など様々なことを考慮にいれて組み分けを作っている。
当然ながら大きい子は小さい子の面倒を見るという事だ。
人が生活する上で発生する様々な仕事を全員に分担して適材適所で部屋ごとに組み分けされたグループごとに割り振っていく。
その仕事をこなすのは孤児院に住む上での前提条件。
とはいっても酷使されるわけではなく、十分な休憩も食事も与えている。まぁこの辺は当然だ。
前提条件以外では個人個人の資質にあう作業をしてもらう。
小さい子といっても最低でもオレよりは年上の子ばかりだ。つまり最低7歳以上。最高で12歳。
7歳から10歳くらいまでの子とそれ以上の子でも希望する子には賛同者の人達が教師役となり、青空教室で学んでもらっている。
一般的な読み書きと算数程度だけど。
その他の子供達はエリザベートさんが腱鞘炎のジジイからふんだくってきた安全な仕事をさせている。
両手が腱鞘炎になるまで書かせた証書のおかげで様々な仕事先が手に入ったのでそれぞれのやりたいことが見つかればいいのだけど。
仕事をして得た賃金は孤児院エリザに半分が入って半分は子供達の取り分となる。
奴隷の、しかも子供がお金を得られるというのは破格以上にありえない事だが、孤児院エリザではこれがルールだ。
とはいってもお金をそのまま与えるのではなく、孤児院エリザ独自のポイントとして蓄積されることになっている。
必要に応じてそのポイントを換金して使用することを許している。経済観念を養うためではあるが買い食いなどは許していない。
その辺はエリザベートさんがものすごく厳しいのだ。買い食いくらいいいじゃないかと思うがダメらしい。
ちなみに青空教室に出席してもポイントがもらえる。働くよりは少ないが小さい子でもきちんとポイントを溜められるようにしているのだ。
成績が良い子にはより多くのポイントが与えられるようになっていて、体が弱くても頭が良い子なんかが不利にならないようにしてある。
体が弱くて頭も弱い子は……まぁその辺はエリザベートさんに任せているので大丈夫だろう。
そんな感じに最終的に自分自身を買い取ってもらうことになるわけだが、買い取り金額は個人個人で当然違う。
買い取れる時期も違い、エリザベートさんの最終判断が下った者のみが自由になれるというわけだ。
まぁ今の所計画上では問題があるようなものはない。エリザベートさんが作った計画なんだから当然といえば当然だけど。
食事は毎日3食。仕事に行っている子も含めてきちんと自由時間もあり、過酷な労働は絶対させないし安全も確保している。
奴隷としてそのまま売られていれば、毎日の食事どころか命の保証すらなかったのだから天と地ほどの差があるといっていい。
まぁ毎日エリザベートさんも子供達に囲まれて幸せそうにしているし、問題ないのではないだろうか。
それでも夕方頃になると必ずオレ達のところに来るんだけどね。
あ、ついでにエリザベートさんは冒険者ギルドで特別職員になっている。
孤児院の方に力を入れたいということで週1か2くらいの出勤になっている。
これも腱鞘炎を無理やり治して書かせた証書のおかげだが、半分以上はエリザベートさんを頼りにしているギルド職員の引きとめによるところが大きい。
意外とエリザベートさんは冒険者ギルドになくてはならない人だったようだ。
大合唱のような何十人もの声がまるで練習したかのように揃って放たれる。
目の前にはズラッと整列した子供達。
先頭にいるエリザベートさんがニコニコ笑顔で、実にご満悦のご様子だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
元顎邸――現キリサキ邸の敷地には改装が済んで、金ぴかだったとても直視できない見た目からやっとまともになった屋敷があり、広い敷地に数棟の3階建ての建物が新たに建設されている。
この新しい建物にはかなりの数の部屋があり、まず4人部屋が大多数を占め、その部屋にはベッドが4つ、机が4つ、クローゼットが2つある。単純な4人部屋だ。
少数の2人部屋と1人部屋にも同じように家具が設置してあるが4人部屋と部屋の面積が同じなので大分広い。
この寮のような建物は何かというと、孤児院である。
正確には孤児ばかりを引き取るわけではないが、似たようなものだ。
オレはネーシャを引き取った時に自分の力が及ぶ範囲であれば同じような境遇の子を助けたいと思っていた。
あの時にはネーシャを1人引き取るのが限界だったけれど。
では今は?
エリザベートさんが先頭に立ち、幾人もの賛同者と共に練り上げられた計画がこの孤児院である。
元々エリザベートさんは奴隷という制度に疑問を持っていた。
もちろん労働力として有用であるということは理解している。犯罪を犯したものへの刑罰としても有用であるのも確か。
だからこそ疑問を持ちつつもあまり動けなかった。
お金の問題というのも多分にあったのだけど。
望まず奴隷になった者を解放したとして、その人達はその後にどうやって生きていけばいいのか。
人が生きるということは金がかかるということだ。
ではその金はどこから出るのか。
1人2人ならオレがネーシャを家族同然として迎えているようになんとかなるかもしれない。
でもそれも数が増えればそうもいかない。
当然ラッシュの街に孤児院がないわけではない。
だがやはり収容数というものがあり、どうしても限界がある。
エリザベートさんもギルドマスターの力を使って孤児院拡張を何度も行ったそうだ。
その過程でエリザベートさんを知らないラッシュの街の住人はいないというまでになったのだがそれはまた別の話。
それほどの有名人になるほどの活動を行ったエリザベートさんでも実際に救えた奴隷の数は両手を少し超える程度だったそうだ。
だがそれは仕方ない事なのかもしれない。
ギルドマスターの力もそう何度も使えるものではないし、あのジジイの事だから孫であるエリザベートさんにでも力を貸すためには当然何かしらの要求をしていたようだし。
エリザベートさんがギルドで働いていたのもその要求の1つだ。
エリザベートさんが何十年もかけて頑張った結果でもこれである。
ではなぜ何十年もかけてもこの程度でしかないのか。いやエリザベートさんはかなり頑張った方だ。
ギルドマスターの力で奴隷をかなり安く買い上げても、ネーシャの時とは違いあそこまで極端に安くなる事はなかった。
引き取り先の孤児院もすでに満杯であったのもあり、孤児院拡張にもギルドマスターの力を使ったが急激な拡張もなかなか難しいものがあった。
少しずつ孤児院を拡張し、奴隷を買い上げ、本当に少しずつ成果を出した結果なのだ。
結局の所問題点は当時のギルドマスターの力がある程度値切るくらいしか効果がなかったこと。
資金はエリザベートさんのポケットマネーとほんの少しの寄付で成り立っていた事。
まぁ結局、金だ。
というわけでエリザベートさんからいきなり土下座されたときは引いたし、そのまま喋ろうとする彼女をソファーに座らせて話を聞いた後には否やはなかった。
そんなエリザベートさんなので当然ながらお金はきちんと返す、と言ってくれたけどそこは却下した。
だってオレもやろうと思ってたし。
そうと決まれば後は早かった。
今のギルドマスターの力はネーシャの時の値切りでわかっているように結構絶大。
そのための証書を腱鞘炎になるくらいギルドマスターに発行させるのはエリザベートさんに任せた。
オレは自分の敷地に孤児院を建設することを決めて、エンタッシュに人選を任せてさっそく実行。
このときに少々あったのはまた今度ということで。
まずは住居を作らない事にはどうしようもないけれど、その間にもネーシャのように死にそうになっている子がいるかもしれないので発行させた証書をエリザベートさんの賛同者――彼女が解放した奴隷の子達――に持たせ各奴隷商を回ってもらった。
孤児院建設は金にものを言わせた人海戦術で急ピッチで進められた。
同時に屋敷の改装も行っていたが、こちらの方は使用人達に任せている。屋敷の近くには一切立ち入り禁止だからだ。色々とあるし……。
なので孤児院から屋敷まではちょっと離れている。
まぁ100人以上が住む予定の場所なんでそれなりに騒がしくなるだろうからちょうどいい。
孤児院も完成し、家具の搬入も済んだのはエリザベートさんの土下座から2週間くらい経っての事だった。
はっきりいってこれだけの建物を2週間で作り上げるというのはかなりすごいと思う。
まぁそれだけの金を払っているので当然なのだけど。
もちろん欠陥住宅では困るのでその辺も信頼できる人を紹介してもらっている。あぁもちろんここでも腱鞘炎のジジイの力を有効活用している。
こうしてエリザベートさんの計画はどんどん形になっていき、ラッシュの孤児院の10倍以上の規模の孤児院がキリサキ邸の敷地に完成した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「じゃあ運営は順調なんですね」
「うん! それもこれも全部ワタリちゃんのおかげだよ!
もうなんてお礼を言っていいかわからないくらい!
……お礼に私を好きにしていいよ……きゃっ」
頬を朱に染めてくねくねしているナニカから目を逸らして窓の外を眺める。
そこには大量の洗濯物が干されている光景が見えたり、青空教室が開かれていたりしている。
遊んでいる子供達の姿は今はない。
この孤児院――孤児院エリザには厳しいルールがある。
今の所全員が奴隷だが、必要なルールだ。
奴隷であった子供達を解放した場合、どうしても人攫いの脅威が付きまとってしまう。
すでに所有権が確定している奴隷の場合は所有権を変更するのが難しい。
なので人攫いもそんな面倒な奴隷をさらうようなことはしない。
すぐに解放しないのも彼らの安全を確保する為には必要な事なのだ。
孤児院は敷地内にあっても街に一切でないというのはありえない。
常に集団行動を取らせているとはいっても、護衛をつけるにも限界がある。
彼らにはしっかりとした生活基盤を確保してもらう必要がある。ずっと孤児院で暮らすことはできないのだから。
必要な知識と技術を身につけてもらい、彼ら自身の力で自分を買い戻してもらう事にした。
とはいっても自分を買い戻すのは最終的な目標であり、その間に自活できる知識と技術を見につけてもらうことになるだろう。
そのためのルールが孤児院エリザに作られた。
孤児院エリザではまず4人部屋に入る。
年齢的に小さい子と大きい子が同数になるように性格や技量など様々なことを考慮にいれて組み分けを作っている。
当然ながら大きい子は小さい子の面倒を見るという事だ。
人が生活する上で発生する様々な仕事を全員に分担して適材適所で部屋ごとに組み分けされたグループごとに割り振っていく。
その仕事をこなすのは孤児院に住む上での前提条件。
とはいっても酷使されるわけではなく、十分な休憩も食事も与えている。まぁこの辺は当然だ。
前提条件以外では個人個人の資質にあう作業をしてもらう。
小さい子といっても最低でもオレよりは年上の子ばかりだ。つまり最低7歳以上。最高で12歳。
7歳から10歳くらいまでの子とそれ以上の子でも希望する子には賛同者の人達が教師役となり、青空教室で学んでもらっている。
一般的な読み書きと算数程度だけど。
その他の子供達はエリザベートさんが腱鞘炎のジジイからふんだくってきた安全な仕事をさせている。
両手が腱鞘炎になるまで書かせた証書のおかげで様々な仕事先が手に入ったのでそれぞれのやりたいことが見つかればいいのだけど。
仕事をして得た賃金は孤児院エリザに半分が入って半分は子供達の取り分となる。
奴隷の、しかも子供がお金を得られるというのは破格以上にありえない事だが、孤児院エリザではこれがルールだ。
とはいってもお金をそのまま与えるのではなく、孤児院エリザ独自のポイントとして蓄積されることになっている。
必要に応じてそのポイントを換金して使用することを許している。経済観念を養うためではあるが買い食いなどは許していない。
その辺はエリザベートさんがものすごく厳しいのだ。買い食いくらいいいじゃないかと思うがダメらしい。
ちなみに青空教室に出席してもポイントがもらえる。働くよりは少ないが小さい子でもきちんとポイントを溜められるようにしているのだ。
成績が良い子にはより多くのポイントが与えられるようになっていて、体が弱くても頭が良い子なんかが不利にならないようにしてある。
体が弱くて頭も弱い子は……まぁその辺はエリザベートさんに任せているので大丈夫だろう。
そんな感じに最終的に自分自身を買い取ってもらうことになるわけだが、買い取り金額は個人個人で当然違う。
買い取れる時期も違い、エリザベートさんの最終判断が下った者のみが自由になれるというわけだ。
まぁ今の所計画上では問題があるようなものはない。エリザベートさんが作った計画なんだから当然といえば当然だけど。
食事は毎日3食。仕事に行っている子も含めてきちんと自由時間もあり、過酷な労働は絶対させないし安全も確保している。
奴隷としてそのまま売られていれば、毎日の食事どころか命の保証すらなかったのだから天と地ほどの差があるといっていい。
まぁ毎日エリザベートさんも子供達に囲まれて幸せそうにしているし、問題ないのではないだろうか。
それでも夕方頃になると必ずオレ達のところに来るんだけどね。
あ、ついでにエリザベートさんは冒険者ギルドで特別職員になっている。
孤児院の方に力を入れたいということで週1か2くらいの出勤になっている。
これも腱鞘炎を無理やり治して書かせた証書のおかげだが、半分以上はエリザベートさんを頼りにしているギルド職員の引きとめによるところが大きい。
意外とエリザベートさんは冒険者ギルドになくてはならない人だったようだ。
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