幼女と執事が異世界で

天界

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第7章

128,魔導師

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 昨日のカレーアンドチョコケーキ祭りは大好評だった。
 翌朝には子供達から笑顔で次のカレー祭りはいつですか、お嬢様! という言葉が挨拶より先に来たくらいだ。もちろん瞳をキラキラに輝かせて。

 これなら週1くらいでカレー曜日でも作ってあげたら喜ばれるかもしれない。いや嬉し泣きくらいのレベルかもしれない。
 そんなことをエリザベートさんに話したらすごく乗り気だったので本当にカレー曜日が出来るかもしれない。
 むしろラッシュの街では食べた事がない――というかウイユベールには存在しない?――カレーなのでお店を開いたら繁盛するんじゃないだろうか。
 ルーもアル特製の色んな種類の香辛料をミックスしたものだし、そうそう真似される事もない。
 それにシーフードやチキン、ポーク、ビーフ、グリーンにスープ。
 様々なカレーの種類を知っているオレがいるんだ。まず負けないし、繁盛するだろう。
 カレー屋さんの話で盛り上がったりはしたが、お店を出すかどうかまでは結局詰めなかった。だってただの思いつきだし。

 もしかしたらエリザベートさんが本当にやるかもしれないけど、そのときはそのときで色んなカレーを教えてあげればいいだろう。
 オレは基本的に食べる方に回りたい。






      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 レーネさんの合流までまだ1日ある。
 今日は買い物の予定もないし、ネーシャをランカスター家に送ったあとは暇だ。
 あ、暇じゃない。
 武器防具に魔結晶を仕込む案件があった。
 あ、Lvアップしてゲットしたポイントの使い道も考えないと。
 あ、アルもLvアップしているからポイント増えてるし、拡張できちゃうのかな?

 なんだ。まだ色々やることあったわ。
 とりあえず簡単なところから終わらせていこう。


 屋敷の2階のテラスから子供達の様子を眺めながら紅茶のお代わりを淹れてくれているアルに問いかける。


「アル~。ポイントって溜まった?」

「答えは否。アイテムボックス拡張Lv7にはポイントが100必要となります。
 現在は89ポイントですのでまだ足りません」

「もうちょっとかー……。ってかアルいくつになったの?」

「BaseLv60になりました」


 BaseLv60……。
 確かこの間58だったから2つ上がったのか。
 オレは結局6つ上がったからやっぱりこのくらいになると上がりづらいんだな。
 聞いてなかったけどレーネさんはいくつあがったんだろう。アルで2つってことは1つくらいかな。上がってないとは思わない。

 残り11ポイントだから4つLvアップすればアイテムボックス拡張もLv7になるのか……。
 一体どれだけ容量が増えるんだろう……。むしろそんなに本当にどうするんだ……。いや確かに昨日のカレーの材料の購入には便利だったけど、あれならLv4でも十分足りたはずだ。
 本当にどこに向かっているんだ、アル……。


 とりあえずアルのポイントは足りない、ということがわかった。
 89ポイントもあって足りないとか酷い話だけどそれだけ拡張される量も多いんだろう。
 出来ればアイテムボックスの拡張はもう終わりにしてHPを上げるなり違うスキルを取得するなりして生存確率を上げて欲しい所だ。
 でもアル曰く、アルの固定職業である執事はアル専用で普通の職業の執事とは違ってLvアップごとに様々な恩恵が多く得られる。
 そのため普通にステータス増加系のスキルを取得する必要がないくらいHPは上昇しているらしい。
 あの盾技術もその中の1つなのかもしれないし、器用も恩恵を受けているだろう。
 だってアルってものすごい器用だし、繊細なタッチとかも絶妙で素晴らしいんだもの。……何がとは言わないけど。

 あ、職業といえば魔法使いがLv30になってなんか新しい職業ゲットしてたな。
 上位職の魔導師Lv1だ。
 上位職は複数の職業を一定以上のLvに上げなければゲットできない。もしくは特定の条件をこなす必要性があったりする。
 例えば騎士なんかが特定条件が必要な職だ。

 魔導師は魔法使いのLvと魔法の熟練度の合計だったかな?
 図書館で読んだ本に書いてあったようななかったような。うろ覚えすぎる。

 まぁゲットしたんだからいいだろう。

 久しぶりにクラスチェンジで職を変えてみよう。
 でも魔法使いLv30の恩恵が30の大台に乗ったからなのかすごい増えてるし、変える意味あるのかな。
 まぁ上位職なんだから育てたら魔法使いを追い越すだろうけど。


      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 職業:魔法使いLv30

 所持職業
 町民Lv1:-
 戦士Lv1:筋力小上昇 回復力小上昇 固有スキル:タフネス
 冒険者Lv1:筋力小上昇 器用小上昇 固有スキル:リターンゲート
 治癒師Lv12:回復力小上昇 固有スキル:治癒の心得
 魔法使いLv30:MP小上昇 回復力中上昇 固有スキル:MP回復量小上昇
 魔導師Lv1:MP中上昇 回復力大上昇 魔力中上昇 固有スキル:MP回復量中上昇

      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 久しぶりのクラスチェンジの画面は以前見たときより大分賑やかになっていた。
 まぁ職業増えたんだし当たり前だけど。

 魔導師は思ったよりもすごい。
 能力が全体的に上昇しているし、魔法使いにはなかった魔力中上昇がついている。
 これなら転職してLvを上げたら相当恩恵を得られるだろう。
 固有スキルなんてものもあるのもすっかり忘れていた。魔法使いのはパッシブ効果だから問題なかっただろうけど。
 魔導師の固有スキルは魔法使いの上位互換なのでパッシブ効果となり、特に意識しなくても良い。
 MP回復量が増えるのはいいことだし、問題ない。
 まぁ最近はMPタンクが豊富なのでMPの回復量はほとんど気にしなくなっているのだけど。


 とりあえず転職は確定だろう。
 以前行った操作通りにクラスチェンジを済ませ、ステータスを確認するとさすがに魔法使いLv30の時よりは少ないとはいえ、Lv1にしてはすごい恩恵だ。
 上位職は上位というだけあってLv1でも十分な恩恵がもらえるようだ。
 まぁそうでなければ転職したてはステータスがかなり減じられてしまうことになり、転職しづらくなってしまうだろう。
 それでもやはり減る事は減る。
 回復量は10も減ったし、MPは3減った。
 それでもLv1だからすぐLvは上がるだろうから問題ないだろう。まだ回復力は合計100以上あるし。


 さてクラスチェンジも終わったし、次は取得したポイントだな。
 ポイントは42。
 結構ある。いやかなりある。いや、状態異常回復系魔法と複数転移Lv1を外して筋力強化Lv3を取得しているからそれを戻して残ったのは29ポイント。

 あれ? 計算と合わない。
 もしかしてBaseLv41以降はポイント取得量が上がってる?
 BaseLv41以降を3じゃなくて4とするなら計算は合う。
 しかし図書館にはこの情報はなかった。もしかしたら見逃していただけかもしれないが。あるいはBaseLv41以上という高Lvに達する人が少なくてあまり出回っていない情報なのかもしれない。
 しかしポイントはこの世界――ウイユベールでは強さに直結する重大なモノだ。
 BaseLv41以上になる人が少ないとはいえ、情報が出回っていないとは思えない。やはりただ見逃しただけだろう。

 しかしこれでこれからのLvアップはもらえるポイント量も増えて楽しみが増えた。






      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 さてではこの29ポイントをどうするか、だ。
 とりあえずは回復力の数値を調整して……。4ポイント消費。残り25。
 ステータス系はLv10以上は出てきてないし、魔法も変化なし。
 今回のような状況ならレーネさんの強化が出来る筋力強化や敏捷強化なんかが有力か。
 でも取得できるのはLv2が限界。
 しかもLv2の取得だとどちらか1つだし、どうせならステータスが倍化するLv3が欲しい。
 今回みたいに複数転移や状態異常回復系を外せば取得できるからそれほど気にするほどでもないかもしれないけど。

 必要に応じて取得するか、劣化するが常時使用できるようにするか……。
 どうせすぐLvも上がるだろうから少し溜めてLv3を一気に取得するか。
 それまではステータスにでも振っておこう。
 他に取りたいスキルもないし。取りたいスキルが出たらまた変更すればいいだけだしな。
 なんて便利なスキルリセット、ステータスリセット。最高すぎる。

 残りの25ポイントのうち20ポイントを回復力に振って140にして、残りをMPに振っておいた。
 相変わらず回復力が飛びぬけているが問題ない。むしろまだまだ足りない。
 理想は戦闘中でもスタミナが回復していくくらいの量だ。
 一体どれだけ必要なのかはわからないが。とりあえず200程度ではダメだったのは確認済みだ。
 1度全部リセットして回復力に全部つぎ込んで必要量を確認してみたい気もするが、なんだか怖いのでやめておいた。
 500とか600とか必要だったら絶望しそうだし。


 これで今出来るようなことは大体終わったかな?
 さて次は鍛冶屋で魔結晶の仕込みか。
 エンタッシュには腕の良い魔結晶を仕込める鍛冶屋を探しておいてもらったので彼に聞けばすぐに行けるだろう。

 紅茶の残りを飲み干すと席を立つ。
 庭では子供達が元気に洗濯物を洗ったり干したり、青空教室で真剣に勉強していたりしていて実に微笑ましい。


「アル、エンタッシュは今どこ?」

「ロビーにて使用人達の監督をしているようです」

「んじゃいこっか」

「畏まりました」


 差し出される手を握る。
 いつもの温かさと安心感に子供達の微笑ましい光景を見たこととは別に頬が緩む。

 さぁ装備品の強化に向かおう。
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