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斎藤福寿、普通の日々に苦しむ。
5 式部霞からの説教
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馴染みの焼肉屋に行ってこの日は寝た。焼き肉の煙の匂いがするスエットのままベッドに入りそのまま寝た。でもゲームのログインの四時には起きてしまう。スマホを持ってゲームを起動させようとして、それがないと思うと僕ままた寝た。次に起きると新しいスマホが鳴っている。霞さんからだった。
『もしもし』
『根暗君、おはよう。両親に何するか決めた?』
僕は昨日両親を責めてしまったことを反省している最中だった。僕は弱いからこの未来設計を人のせいにするしかできない。僕は最低の人間だと思う。
『昨日は焼肉に行ったかな?』
『あ、そこであのカード使ったってわけね。やっぱり根暗君も考えるのは親孝行になるよね』
『あのカードは使ってないし、親孝行でもないよ。寿管士になるって決まったこと、両親に八つ当たりしちゃったし』
素直に話す自分に驚いた。これからの僕には李さんと霞さんしか居ない。嘘で取り繕うようなことはしたくなかった。それにありのままの自分で居たい。霞さんの言うように根暗眼鏡で良いのだ。
『君、最低だね。私だって教員になりたかったけど我慢しているんだよ』
『そうだね、霞さんの言う通りだ』
『私なんて最悪よ?これから遺書に年齢を書いてないずっと古くて、よく分からない関係でも一応親族だけど話したこともない老人の面倒も見るの』
喜代也という不死身の薬が広まった今の時代で、死にたい年齢を書いた遺書を残していないなんて珍しい。年齢が書いていない人は一八0歳の誕生日に国家の人に頼んで殺しても良いことになっている。どういう人が来るのかは知らないが、この仕事だって僕みたいな国家公務員だ。この喜代也ができたからマザーができた。喜代也のせいで鎖国することになったりして日本は混乱した。だからマザーにすべてを任せることにした。これさえ日本が作らなかったら、僕はマザーに人生を決められることはなかった。だから普通の人よりも喜代也は不幸の薬だと感じていた。まぁ、あの薬とかぼかして言うまで毛嫌いしているわけじゃないけど。僕は寿命について詳しく聞いても良いかと黙っていたけれど、霞さんはそんな僕のことを気にせず話す。
『国の決める老人の寿命って一八0歳でしょ。それまで面倒みるとして、その時の私は四六歳よ。そこまでどういう人生を送るわけ?この仕事で?』
『霞さんは死にたい年齢を決めているんですか?』
遺書に書いた死にたい年齢を話すことは特に親しい間柄だけではなく、話に困ったときの話題でもある。僕は話に困ってこの話題を出した。霞さんも特に驚いた様子もなくそれに答える。
『沙妃さんはきりが良いからって一00歳にしているし、私も同じかな?』
『沙妃さん?』
『ママのことよ』
喜代也のせいで、老化が少し遅くなっている。これは論文などで確証された事実でもある。実際定年の年齢は一00歳だ。それなのに、きりが良いからという理由でその年齢に死のうとする人が多い。まぁ、社会保障とか年金制度が破綻した日本で生きていくのは辛いからだ。その遺書に書かれた年齢になっても、一八0歳の寿命と同じ職業の人が安楽死させる。喜代也を打った人は普通に死ぬこともできない。
『霞さんは母さん親を名前で呼ぶんだね』
『そうだけど何か問題ある?』
怖い口調で霞さんは答える。僕は問題はないです……と小声で答える。霞さんはそれを聞いてか聞かずか会話を続けた。
『私は沙妃さんと北海道旅行に行こうかなって思っているの』
『それは良いね』
『だって、もう旅行なんてできないかもしれないもん……』
急に霞さんがしんみりと言う。僕は遺書を書いているがそこまで病弱なわけでもなく元気で老人ホームに居る。だから遺書の通りに死ぬのだと思う。死ぬ年齢は相続で問題になるからタブーな話とされていた時期もあるが、今は普通に会話で出てくるような話題だ。僕は旅行までは考えていなかった。
『霞さん、楽しんできてね。それから僕をよろしく』
『旅行については楽しんでくるけどさ、私は根暗君の面倒は見ないよ』
年下の女の人に面倒を見てもらうつもりはない。でも僕は誰かにすがりたいほど弱っていたことも事実で、本心が漏れたと言っても良い。
『まぁ、これは軽い冗談だよ』
『そうだね、分かっているよ。私もよろしくね』
『僕もさ、頼りないけどよろしく』
と言って電話を切った。あれだけ強く見えた霞さんにも、悩むことがなるのだろうなと思うと、人の子なのかと思った。いや、今まで鬼の子どもだと思っていたってわけでもないが、僕は霞さんほど強くないと思った。でも、霞さんだってこの仕事をあてがわれて悩む部分はあるのだ。僕と同じだ。台所からご飯よという母さんの声が聞こえてきたので、僕もその声に従った。
『もしもし』
『根暗君、おはよう。両親に何するか決めた?』
僕は昨日両親を責めてしまったことを反省している最中だった。僕は弱いからこの未来設計を人のせいにするしかできない。僕は最低の人間だと思う。
『昨日は焼肉に行ったかな?』
『あ、そこであのカード使ったってわけね。やっぱり根暗君も考えるのは親孝行になるよね』
『あのカードは使ってないし、親孝行でもないよ。寿管士になるって決まったこと、両親に八つ当たりしちゃったし』
素直に話す自分に驚いた。これからの僕には李さんと霞さんしか居ない。嘘で取り繕うようなことはしたくなかった。それにありのままの自分で居たい。霞さんの言うように根暗眼鏡で良いのだ。
『君、最低だね。私だって教員になりたかったけど我慢しているんだよ』
『そうだね、霞さんの言う通りだ』
『私なんて最悪よ?これから遺書に年齢を書いてないずっと古くて、よく分からない関係でも一応親族だけど話したこともない老人の面倒も見るの』
喜代也という不死身の薬が広まった今の時代で、死にたい年齢を書いた遺書を残していないなんて珍しい。年齢が書いていない人は一八0歳の誕生日に国家の人に頼んで殺しても良いことになっている。どういう人が来るのかは知らないが、この仕事だって僕みたいな国家公務員だ。この喜代也ができたからマザーができた。喜代也のせいで鎖国することになったりして日本は混乱した。だからマザーにすべてを任せることにした。これさえ日本が作らなかったら、僕はマザーに人生を決められることはなかった。だから普通の人よりも喜代也は不幸の薬だと感じていた。まぁ、あの薬とかぼかして言うまで毛嫌いしているわけじゃないけど。僕は寿命について詳しく聞いても良いかと黙っていたけれど、霞さんはそんな僕のことを気にせず話す。
『国の決める老人の寿命って一八0歳でしょ。それまで面倒みるとして、その時の私は四六歳よ。そこまでどういう人生を送るわけ?この仕事で?』
『霞さんは死にたい年齢を決めているんですか?』
遺書に書いた死にたい年齢を話すことは特に親しい間柄だけではなく、話に困ったときの話題でもある。僕は話に困ってこの話題を出した。霞さんも特に驚いた様子もなくそれに答える。
『沙妃さんはきりが良いからって一00歳にしているし、私も同じかな?』
『沙妃さん?』
『ママのことよ』
喜代也のせいで、老化が少し遅くなっている。これは論文などで確証された事実でもある。実際定年の年齢は一00歳だ。それなのに、きりが良いからという理由でその年齢に死のうとする人が多い。まぁ、社会保障とか年金制度が破綻した日本で生きていくのは辛いからだ。その遺書に書かれた年齢になっても、一八0歳の寿命と同じ職業の人が安楽死させる。喜代也を打った人は普通に死ぬこともできない。
『霞さんは母さん親を名前で呼ぶんだね』
『そうだけど何か問題ある?』
怖い口調で霞さんは答える。僕は問題はないです……と小声で答える。霞さんはそれを聞いてか聞かずか会話を続けた。
『私は沙妃さんと北海道旅行に行こうかなって思っているの』
『それは良いね』
『だって、もう旅行なんてできないかもしれないもん……』
急に霞さんがしんみりと言う。僕は遺書を書いているがそこまで病弱なわけでもなく元気で老人ホームに居る。だから遺書の通りに死ぬのだと思う。死ぬ年齢は相続で問題になるからタブーな話とされていた時期もあるが、今は普通に会話で出てくるような話題だ。僕は旅行までは考えていなかった。
『霞さん、楽しんできてね。それから僕をよろしく』
『旅行については楽しんでくるけどさ、私は根暗君の面倒は見ないよ』
年下の女の人に面倒を見てもらうつもりはない。でも僕は誰かにすがりたいほど弱っていたことも事実で、本心が漏れたと言っても良い。
『まぁ、これは軽い冗談だよ』
『そうだね、分かっているよ。私もよろしくね』
『僕もさ、頼りないけどよろしく』
と言って電話を切った。あれだけ強く見えた霞さんにも、悩むことがなるのだろうなと思うと、人の子なのかと思った。いや、今まで鬼の子どもだと思っていたってわけでもないが、僕は霞さんほど強くないと思った。でも、霞さんだってこの仕事をあてがわれて悩む部分はあるのだ。僕と同じだ。台所からご飯よという母さんの声が聞こえてきたので、僕もその声に従った。
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