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守咲窓華、初恋の人。
1 マッチングでない初恋の人
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日常を取り戻して平凡と言ったらおかしいけど、窓華さんとの日本の生活が戻ってきた。まぁ、時差に悩まされることはなく、悩まされたのは日頃運動していなかったことによる筋肉痛だけだ。そんなときに窓華さんが話しかけてきた。
「呪には初恋の人って居ないの?その、マッチングとかじゃなくて、ビビッときてこの人が良いなみたいな……」
僕は朝食後のコーヒーを吹き出しそうになる。まぁ、服は支給されると言ってもいらないならばそのまま返却。これからも使いたいと思った服は洗濯して手元に置いておくシステムだ。僕はスーツを持っていなかったため、スーツは手元に置いている。今回コーヒーを吹きかけそうになった服はどっちでも良い服だ。
「急に何なんですか?」
「そういうこと、気になるだけだよぉ」
ようやく日常生活に戻ったというのに、窓華さんは何を考えているのだろう。そんなことを言う窓華さんはソファーでいつも通りだった。窓華さんはニュース番組を見ながらゲームをしていたが、ゲーム機をテーブルに置いた。そして僕に具体的にその内容を僕に話す。手ぶらになった窓華さんはソファーのクッションを抱きながら、そんな経験はないと分かるはずの僕に問いかけるのだった。
クッションカバーは屋台で買った品に変えられていてカラフルだった。いつも見ているニュースの三択クイズはどうやら終わっているようで、部屋着のまま窓華さんはだらだらと再放送のバラエティを見ていた。宅配ポストにはきっと配給も来ていると思うけど、予定がないから僕も部屋着のままで取りに行っていない。
「僕には居ませんね」
「それが私には居たんだよな!」
自信たっぷりに言うところが憎たらしい。僕に居ないと分かっての質問だから、窓華さんはとても得意げで腹が立つ。 確かに幼稚園のときに、この先生が好きぐらいの相手は居なかったわけではない。今は名前も知らない先生だ。
「それが旦那さんですか?」
「楓とは違うよ。マッチングと違った本物の恋だよ」
堂々と言う窓華さん。でも、結婚して子どもを産んで生活した相手は、初恋の人ではなかったのだ。
「初恋はマッチングではなくて?」
「そう、幼稚園のときの話なんだけどね」
僕は呆れてしまう。幼稚園のときに周りになかなか馴染めない僕を世話してくれた先生が好だったから、それと同じ感情だろう。
「あぁ、でも窓華さんのマッチングは不正解だったかもしれないですね。旦那さんも浮気してるじゃないですか。それに看取ってもくれないし」
「呪は酷いこと言うなぁ。でも、本当のことだよね。桜のためだけに知らないふりして結婚したままだけだったしさ」
「浮気していることを知っていて、どうして窓華さんは黙ってたんです?」
窓華さんはずけずけと話を進めるタイプだと僕は感じていたので、旦那さんの浮気を知っていて指摘しなかったことに驚いた。
「私達夫婦はマッチングでしょ?だからこの人しか私にはないんだろうなって。だからさ、良き妻を演じて黙ってたの。でも、耐えられなかった」
「それで旦那さんを残して死ぬことに思うことはないわけ?」
「桜には後悔はあるよ。でも楓にはないかな。浮気相手だって、桜の新しい母さん親になるかもしれないじゃない。そうなると責めることはできないかな」
にこにこしながらそんなことを言う窓華さんが僕は恐ろしく思った。窓華さんを裏切ったらきっと酷いことになる。
「それでさ、初恋の話聞きたい?」
窓華さんは話したくてウズウズしているようだったけれど、僕はそういうことには興味がなかった。きっと霞さんなら興味がある部類だろう。
「興味ないですね……」
「だからモテないんだよ」
「モテないことは認めますけど」
「あ、認めるんだ。まず私の話を聞きなさい」
モテない僕は窓華さんの初恋の話を無理やり聞くことになった。モテないと言っても詩乃は居るだけだし、僕はそこまで駄目なわけじゃないと思う。
「その人はね、泥団子の天才だったの」
僕は幼稚園のときに焼き物をしたことを思い出す。大事に飾っていたが、母さんが掃除のときに壊してしまった。そこまで良い思い出があるわけでもないし、何を作ったかなんて忘れてしまった。
「なんかね、幼稚園のときって粘土遊びとか砂遊びとかするでしょ?その粘土が保管してある教室を知っていて、それで盗んできて一緒に遊んだのよ」
「窃盗ですか?小さいときから窓華さんは悪い子だったんですね」
「酷いなぁ。探検家って言ってほしいよ」
僕は泥遊びが嫌いだったから、それが羨ましいとは思わない。
「その粘土を丸めて磨いてツヤツヤにして、それを集めてたの」
「集めるだけですか?」
「そんなわけないじゃん。集めて三時のおやつと交換とかしてた。まぁ、幼稚園内で使えるお金よね」
この時から、窓華さんは頭の回転が良かったみたいだ。僕なら考えつかない。
「窓華さんはどうしょうもない子どもだったんですね」
「あ、そういうこと言うのはさすがに酷い」
「でも、そうじゃないですか。偽札みたいなもの作って」
「偽札じゃないよ。クーポンって言ってよ」
「勝手に健全にしないでください」
窓華さんはそんな彼が好きだった。好意を持っていた。そんな微笑ましい話は僕にはなかったから惨めに感じた。
「呪には初恋の人って居ないの?その、マッチングとかじゃなくて、ビビッときてこの人が良いなみたいな……」
僕は朝食後のコーヒーを吹き出しそうになる。まぁ、服は支給されると言ってもいらないならばそのまま返却。これからも使いたいと思った服は洗濯して手元に置いておくシステムだ。僕はスーツを持っていなかったため、スーツは手元に置いている。今回コーヒーを吹きかけそうになった服はどっちでも良い服だ。
「急に何なんですか?」
「そういうこと、気になるだけだよぉ」
ようやく日常生活に戻ったというのに、窓華さんは何を考えているのだろう。そんなことを言う窓華さんはソファーでいつも通りだった。窓華さんはニュース番組を見ながらゲームをしていたが、ゲーム機をテーブルに置いた。そして僕に具体的にその内容を僕に話す。手ぶらになった窓華さんはソファーのクッションを抱きながら、そんな経験はないと分かるはずの僕に問いかけるのだった。
クッションカバーは屋台で買った品に変えられていてカラフルだった。いつも見ているニュースの三択クイズはどうやら終わっているようで、部屋着のまま窓華さんはだらだらと再放送のバラエティを見ていた。宅配ポストにはきっと配給も来ていると思うけど、予定がないから僕も部屋着のままで取りに行っていない。
「僕には居ませんね」
「それが私には居たんだよな!」
自信たっぷりに言うところが憎たらしい。僕に居ないと分かっての質問だから、窓華さんはとても得意げで腹が立つ。 確かに幼稚園のときに、この先生が好きぐらいの相手は居なかったわけではない。今は名前も知らない先生だ。
「それが旦那さんですか?」
「楓とは違うよ。マッチングと違った本物の恋だよ」
堂々と言う窓華さん。でも、結婚して子どもを産んで生活した相手は、初恋の人ではなかったのだ。
「初恋はマッチングではなくて?」
「そう、幼稚園のときの話なんだけどね」
僕は呆れてしまう。幼稚園のときに周りになかなか馴染めない僕を世話してくれた先生が好だったから、それと同じ感情だろう。
「あぁ、でも窓華さんのマッチングは不正解だったかもしれないですね。旦那さんも浮気してるじゃないですか。それに看取ってもくれないし」
「呪は酷いこと言うなぁ。でも、本当のことだよね。桜のためだけに知らないふりして結婚したままだけだったしさ」
「浮気していることを知っていて、どうして窓華さんは黙ってたんです?」
窓華さんはずけずけと話を進めるタイプだと僕は感じていたので、旦那さんの浮気を知っていて指摘しなかったことに驚いた。
「私達夫婦はマッチングでしょ?だからこの人しか私にはないんだろうなって。だからさ、良き妻を演じて黙ってたの。でも、耐えられなかった」
「それで旦那さんを残して死ぬことに思うことはないわけ?」
「桜には後悔はあるよ。でも楓にはないかな。浮気相手だって、桜の新しい母さん親になるかもしれないじゃない。そうなると責めることはできないかな」
にこにこしながらそんなことを言う窓華さんが僕は恐ろしく思った。窓華さんを裏切ったらきっと酷いことになる。
「それでさ、初恋の話聞きたい?」
窓華さんは話したくてウズウズしているようだったけれど、僕はそういうことには興味がなかった。きっと霞さんなら興味がある部類だろう。
「興味ないですね……」
「だからモテないんだよ」
「モテないことは認めますけど」
「あ、認めるんだ。まず私の話を聞きなさい」
モテない僕は窓華さんの初恋の話を無理やり聞くことになった。モテないと言っても詩乃は居るだけだし、僕はそこまで駄目なわけじゃないと思う。
「その人はね、泥団子の天才だったの」
僕は幼稚園のときに焼き物をしたことを思い出す。大事に飾っていたが、母さんが掃除のときに壊してしまった。そこまで良い思い出があるわけでもないし、何を作ったかなんて忘れてしまった。
「なんかね、幼稚園のときって粘土遊びとか砂遊びとかするでしょ?その粘土が保管してある教室を知っていて、それで盗んできて一緒に遊んだのよ」
「窃盗ですか?小さいときから窓華さんは悪い子だったんですね」
「酷いなぁ。探検家って言ってほしいよ」
僕は泥遊びが嫌いだったから、それが羨ましいとは思わない。
「その粘土を丸めて磨いてツヤツヤにして、それを集めてたの」
「集めるだけですか?」
「そんなわけないじゃん。集めて三時のおやつと交換とかしてた。まぁ、幼稚園内で使えるお金よね」
この時から、窓華さんは頭の回転が良かったみたいだ。僕なら考えつかない。
「窓華さんはどうしょうもない子どもだったんですね」
「あ、そういうこと言うのはさすがに酷い」
「でも、そうじゃないですか。偽札みたいなもの作って」
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