人嫌い騎士長様は異世界でモテモテ

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第一

初めは森の中

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鳥のさえずる声と木々の揺らぐ音で目が覚めた。ゆっくり起き上がってみると...


「...森の中かよ」


まぁ、いきなり町とか城内とか、人目に付くところも嫌だけど...
とりあえず回りを見てみたけど、木ばっか...
森だから当たり前か


「起きたようですね」 


「うぉっ!びっくった......」


いきなりの呼びかけに驚いて、少し後ずさってしまった。声のした方を見てると俺よりも背の高いイケメンが居た...
人間が苦手な俺でさえも見惚れてしまうほどのイケメンだ


「初めまして。私、神より貴男に付くことになりましたスピーアと申します。カーティル様...でよろしいでしょうか?」


「......ラリック...」


「....はい?」


「カーティルは...あだ名みたいなもんで...俺の本名は...ラリック・マハーヴィーラ」


「さようでございますか。早速ですがラリック様、神よりあなたへプレゼントされたスキルについて説明いたします」


あ、スキルってもんを着けてもらったんだっけ...
でも...なぁ...
見た目がいくら綺麗でも、スピーアは人間だ
距離を取りたくなる。ゆっくり距離をとろうとしたらスピーアが思い出したかのように笑い出した


「あぁ、私は人間族ではありません。そもそもこの世界に人間族はごく少数です」


「...は?...人間族?少ない?」


「少ない、ではなくごく少数です。この世界は様々な人種が住んでいる世界です。」


「どういうことだ?」


「人間族は遙か昔に多種族に迫害され年々数を減らしていきました。人間族は差別が大好きでしたからね...」


「まぁ...そうだな」


心当たりは、ある。国王も副騎士長も民達も、見た目が異質ってだけで明らかな態度をする。俺も町に行くと離れているところで悪口言われてたから...
ん?
てことは、スピーアは何だ?ついでに俺も何だ?


「私は魔族でラリック様は人間族です。しかし、まとう魔力が人間族ではないのでラリック様自身が話さなければバレません」


「...マゾク?」


「魔族とは貴男の世界で言う悪魔のような存在です。私は魔王と同じ魔力を持っていますが、それは貴男をお守りするための防衛魔力が高いだけなのです」


「ふ~ん......あ、悪い...スキル...だっけ?話してくれるか?」


話が離れてしまった...のか?
でも、あれだな、人間じゃないって分かると結構安心するもんだな。落ち着いて話を聞くことは大切なことだ


「では、説明いたします。神があなたへ贈ったスキルは三つ
一つ目は鑑定能力です。鑑定したい相手を見ながら脳内で鑑定と念じてください。そうすれば相手の種族・年齢・属性魔力・好きなタイプなどを教えてくれます
二つ目は万能魔力です。この世界では魔法が当たり前です。しかし...」


「...なんだよ...」


「...三つ目は...愛の庇護です...」


「...愛の.......庇護?」


「はい。他者から愛されることです。特にあなたは...この世界ではかなりの美人になります...あ、言い忘れましたがこの世界では女性はおりません。両性ならいますが...」


はい?
美人?女がいない?
はぁ!?
何気に大切なこと言い忘れてるし!!


「あ...あの......一つ良いですか?」


「何ですか?」


「...何でそんなスキルついたの?それに、何で女がいないの?ついでに子供とかどうなってんの?」


「はい。スキルについてはわかりません。女性しかいない件は昔、女性にしか感染しない不治の病が流行り、百年前には全種族の女性は亡くなってしまいました。子供に関してはペアとなった片側の男性に妊娠薬を飲み、擬似子宮を作り子供を作ります...しかし」


「...ん?」


「しかし、妊娠薬は劇薬に近いもので飲む相手と薬が合わなければならないのです。その妊娠薬で擬似子宮を作れる男性は二割ほどです」


「......あ、俺も薬は合わな...」


「合いますよ。神がそのように体を作り替えましたから」



Oh.......



俺はこれからどすればいい?


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