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第一
求婚から逃走
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...えっ...と......
俺は、ハロスさんに何を言われた?
妻になってくれ?
...........は?
「...は?」
「答えてくれ...カーティル」
「ちょっと待ってください......はい?」
妻になってくれって......結婚してくれってことか?
........ん?
この世界では当たり前のことだろうけど...
「あ...あの...」
「どうしたんだい?」
「俺たち...まだ出会って間もないですよ?」
「分かってる......でも、俺はカーティルと共に生きていきたい」
おーい
そんな告白は最も釣り合う奴に言ってくれ~
え?なんで俺?
ハロスさんにとったらガキみたいな俺に告白と...か......
...だいたい身長差がかなりあるんですけど
.......自分で言ってて虚しくなる...
なんで伸びなかった......俺の体
「もしかして、見た目のことを気にしてる?大丈夫だよ。カーティルは小柄だけど肉付きはいいし抱きしめやすい...何より抱っこできるからそれがまたいい」
「.........嫌味かよ...」
肉付きがいいだと?
俺の体のどこに脂肪が付いてる!?
そりゃ、筋肉が付きにくい体質だけど、頑張ってトレーニングして少しはつけたんだぞ!?
こっちに来てからは俺と同じぐらいの身長と体型はまだ見てねぇんだよ!
...どいつもこいつも、綺麗に筋肉着いてるし、俺よりずっと背が高いし......
......はぁ...明日から、またトレーニングしよ
「カーティル...答えてくれ」
まっすぐな視線...迷いのない言葉...
でもな......
俺は、伴侶になる気なんてこれっぽっちもない。でも、断れる感じがしない
「...やっぱ、答えなくていいや......嫌でも俺のにする」
そう言ってハロスさんが顔を近づけてきた。なにをされるか...一瞬分からなかったけど...
......キスされる...
その考えがよぎった瞬間、俺はハロスさんを殴ってしまった。顔ではなく、鳩尾あたりを思いっきり殴ってしまった
小さい頃、よくケンカをしていて負けそうになるといつも相手の鳩尾を殴るなり蹴るなりして逃げてた。その癖が未だ抜けてないらしい
魔族...それも魔王に効くかは分からないけど
「ぐっ........く...」
うずくまって唸っているから効いている...
今ならにげだせるだろう!速く逃げ出そう!
「す、すすみません!!でも俺、ハロスさんの伴侶になんてなれません!!」
それだけ言って、窓を突き破って脱出した。ドアから逃げることも考えたけど鍵がかけられているし、見た目からして硬い樹木で作られているだろうし...
なにより見張りが居たらその時点で終わりだ
窓から飛び出したけど、かなりの高さがあった。さすがにこの高さなら骨折するなぁ
呑気に思ったら腕輪が光ってスピーアが出てきた
「──ラリック様!!」
「スピーア...」
「ラリック様の部屋へ転送します!!」
********************
スピーアに腕を掴まれて、光に包まれたと思ったら一瞬にして俺が泊まっている宿の食堂にいた。辺りを見わたして誰も居ないことを確認してから、座りこんでいるスピーアの顔をのぞき込んだ
「スピーア?......大丈夫?」
「...えぇ...ただ震えが止まらないだけです......転送魔法がうまくいってよかった...」
魔王並みの魔力を持っているスピーアがこうなるなんて...
やっぱり、一族の王なんだ...
でも、そんな王がなんで俺ごときに告白してきたんだ?
「...すみません......少しばかり休ませていただきます...」
「あ......うん。ごめんね...助けてくれてありがとう、スピーア」
「...ラリック様、お気をつけください...では」
気をつける?追っ手のことかな?
それについては大丈夫だ。例え来たとしても今度は警戒を怠らないようにしてやる!
俺は、ハロスさんに何を言われた?
妻になってくれ?
...........は?
「...は?」
「答えてくれ...カーティル」
「ちょっと待ってください......はい?」
妻になってくれって......結婚してくれってことか?
........ん?
この世界では当たり前のことだろうけど...
「あ...あの...」
「どうしたんだい?」
「俺たち...まだ出会って間もないですよ?」
「分かってる......でも、俺はカーティルと共に生きていきたい」
おーい
そんな告白は最も釣り合う奴に言ってくれ~
え?なんで俺?
ハロスさんにとったらガキみたいな俺に告白と...か......
...だいたい身長差がかなりあるんですけど
.......自分で言ってて虚しくなる...
なんで伸びなかった......俺の体
「もしかして、見た目のことを気にしてる?大丈夫だよ。カーティルは小柄だけど肉付きはいいし抱きしめやすい...何より抱っこできるからそれがまたいい」
「.........嫌味かよ...」
肉付きがいいだと?
俺の体のどこに脂肪が付いてる!?
そりゃ、筋肉が付きにくい体質だけど、頑張ってトレーニングして少しはつけたんだぞ!?
こっちに来てからは俺と同じぐらいの身長と体型はまだ見てねぇんだよ!
...どいつもこいつも、綺麗に筋肉着いてるし、俺よりずっと背が高いし......
......はぁ...明日から、またトレーニングしよ
「カーティル...答えてくれ」
まっすぐな視線...迷いのない言葉...
でもな......
俺は、伴侶になる気なんてこれっぽっちもない。でも、断れる感じがしない
「...やっぱ、答えなくていいや......嫌でも俺のにする」
そう言ってハロスさんが顔を近づけてきた。なにをされるか...一瞬分からなかったけど...
......キスされる...
その考えがよぎった瞬間、俺はハロスさんを殴ってしまった。顔ではなく、鳩尾あたりを思いっきり殴ってしまった
小さい頃、よくケンカをしていて負けそうになるといつも相手の鳩尾を殴るなり蹴るなりして逃げてた。その癖が未だ抜けてないらしい
魔族...それも魔王に効くかは分からないけど
「ぐっ........く...」
うずくまって唸っているから効いている...
今ならにげだせるだろう!速く逃げ出そう!
「す、すすみません!!でも俺、ハロスさんの伴侶になんてなれません!!」
それだけ言って、窓を突き破って脱出した。ドアから逃げることも考えたけど鍵がかけられているし、見た目からして硬い樹木で作られているだろうし...
なにより見張りが居たらその時点で終わりだ
窓から飛び出したけど、かなりの高さがあった。さすがにこの高さなら骨折するなぁ
呑気に思ったら腕輪が光ってスピーアが出てきた
「──ラリック様!!」
「スピーア...」
「ラリック様の部屋へ転送します!!」
********************
スピーアに腕を掴まれて、光に包まれたと思ったら一瞬にして俺が泊まっている宿の食堂にいた。辺りを見わたして誰も居ないことを確認してから、座りこんでいるスピーアの顔をのぞき込んだ
「スピーア?......大丈夫?」
「...えぇ...ただ震えが止まらないだけです......転送魔法がうまくいってよかった...」
魔王並みの魔力を持っているスピーアがこうなるなんて...
やっぱり、一族の王なんだ...
でも、そんな王がなんで俺ごときに告白してきたんだ?
「...すみません......少しばかり休ませていただきます...」
「あ......うん。ごめんね...助けてくれてありがとう、スピーア」
「...ラリック様、お気をつけください...では」
気をつける?追っ手のことかな?
それについては大丈夫だ。例え来たとしても今度は警戒を怠らないようにしてやる!
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