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世界で三番目くらいに気まずい瞬間
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「休日とかなにしてるの?」
「……漫画とか小説を読んだりしてるかな」
「どっかに遊びに行ったりは?」
「基本しないかな」
「…えっと、最近美冬と仲いいみたいだけど、どう思ってるのかな~みたいな」
なんて返せばいいんだそれ。
普通の友達だよ。とか返せばいいのか?
とは言っても普通を知らない私が軽々しく普通とか言い始めちゃうのはとても違和感がある。
というか明らかに普通ではない。
頼みこまれて友達になるなんて、始まり方としては限りなく普通に遠い。
そりゃもう日本とブラジルぐらいには。
いや、そんなうまいことも言えてないけど……
まあ、私が頭の中でそんな議論をしても、結論として出るのは私の中の普通か、もしくは私の考える世間一般の普通のどちらかしか出てこない。
つまり、私が1人で考えてる間はどうしても色眼鏡を外せない。
私でなくてもそうだと思うけど、世間が狭い自分のような人間だとなおさらだ。
だからなるべく率直に返す。
「どうって言われても……」
「そうだよね、そんなこと聞かれても困るよね。 ごめんね。 変なこと聞いちゃって」
「別に」
いや、どうするのこの空気。
正直逃げ出したい。
というかこんなことになったのは美冬のせいなのに、張本人ここに在らず。
どうして私がお通夜のような雰囲気の中、どうしようもなくなっているか、それは少し前に遡る。
私たちは少々変わった形で友達になったが、劇的に何かが変わるわけでもなく。
たまに話をしたり、一緒に帰るように誘われたりするからそれについていくような、いたって健全な友達関係だった。
私はたいてい話を聞く側だけど、別に悪いものではない。
私の話なんて大抵つまらないものだし、自分自身の話になってしまうから。
それに対して、美冬の話は結構面白い。
大げさに言うと、ある種のファンタジー的な面白さがある。
誰かが惚れた腫れたの話とか、何の興味もなかったけど聞いてみると何気にいける。
クラスのあの人があの人とあれなんだ~ みたいな。
さすがにクラス外のことは何も知らないけど、どっかのクラスに女好きの人が居るから気を付けてとか言われたり。
本当にそんな人いるんだ!
みたいな驚きがあって悪くない。
私から積極的に知りに行こうとは思わないけど。
ともあれ、世界は勝手に続いているもので、美冬と繋がったということは勝手にその先との架け橋ができてしまったということ。
人間関係というものはたくさんの回路のようになっていて、勝手に切り離すことは難しい。
自分が意図していなくても知らないところで繋がっていたりする。
だから、美冬の友達が私に声をかけてくることは予想できた悪い未来の一つだった。
しかも、その原因が美冬にあるとなれば文句の一つでも言ってやりたい。
事の発端はいつものように美冬が一緒に帰ろうと声をかけてきたこと。
そう、友達を連れて。
私の視点から見たら「3人組の敵が現れた」みたいなテロップが出ていた。
その内の1人は私の味方のはずなんだけど。
今日は断ってさっさと帰ろうかな、と思っていると事件が起こった。
美冬が私に「ちょっと待ってて、私お手洗いに行ってくる」と言って教室から出て行ってしまったのである。
返事をする間もなくスーっと居なくなってしまったので私はフリーズしたままだった。
出ていくときに美冬の友達と目くばせをしていたのも見えた。
大方、「仲良くやってね」といったところだろうか。
私がそういうの苦手なのは知っていると思うんだけどな。
ちょっとした恨み節が出てしまうのはもう仕方がない。
とりあえずしゃべりにくい雰囲気にして帰ってくるのを待とうか。
と、思ったところでいきなりプライベートアタックが来た。
私に一般的な会話の振りが通じると思うな。
わざと潰してるわけじゃないけど会話を広げられる気がしない。
あと別に彼女たちのプライベートをわざわざ聞きたいとも思わないのが悲しい私の性。
ああ、そういえば名前知らなかった。
さすがに名前は知りたい、というか聞いておいた方が後々いいだろう。
「あの、2人は何と読んだらいい?」
私がそう言うと、2人はハッとしたような表情になった後嬉々として話始めた。
「「私は」」
あ、被った。
お互いにどうぞどうぞみたいなことし始めているし、仲いいな。
ちょっと微笑ましい。
どういうやり取りがあったかはよくわからないが、私の左に立っている小さめの子から話してくれるらしい。
「宮野雫です! 大体雫って呼ばれるけど、呼びたいあだ名があったらそれで呼んでね」
どういうアピールなのか、警察官がする敬礼みたいに右手を頭に当てている。
続いては、右の身長と胸がでかい人の番だろう。
おっとりした感じだけど眼鏡はかけてない。
先の自己紹介にちょっと頷いて目線を右に向ける。
「安城咲でーす。私も普通に咲って呼ばれてるからそれでよろしく!」
「よろしく」
2人は身体的特徴こそ真逆だが、お似合いなのが見て取れる。
「美冬から聞いたかもしれないけど、西野春香。」
「春香で良い?」
「いいよ」
また会話がなくなりそうだなー
というか美冬遅いなー
と思っていると咲が話し始めた。
「さっきは変な質問してごめんね? 実は美冬から頼まれてたんだよね」
「頼まれてた?」
「ちょっと! それ言ったらだめでしょ!」
「???」
「もういいでしょ。 こんなこと柄じゃないから」
「そうかもしれないけど…」
何もわからないんだけど……
置いてけぼりの私はまた一つ心の中で美冬に文句を言った。
「……漫画とか小説を読んだりしてるかな」
「どっかに遊びに行ったりは?」
「基本しないかな」
「…えっと、最近美冬と仲いいみたいだけど、どう思ってるのかな~みたいな」
なんて返せばいいんだそれ。
普通の友達だよ。とか返せばいいのか?
とは言っても普通を知らない私が軽々しく普通とか言い始めちゃうのはとても違和感がある。
というか明らかに普通ではない。
頼みこまれて友達になるなんて、始まり方としては限りなく普通に遠い。
そりゃもう日本とブラジルぐらいには。
いや、そんなうまいことも言えてないけど……
まあ、私が頭の中でそんな議論をしても、結論として出るのは私の中の普通か、もしくは私の考える世間一般の普通のどちらかしか出てこない。
つまり、私が1人で考えてる間はどうしても色眼鏡を外せない。
私でなくてもそうだと思うけど、世間が狭い自分のような人間だとなおさらだ。
だからなるべく率直に返す。
「どうって言われても……」
「そうだよね、そんなこと聞かれても困るよね。 ごめんね。 変なこと聞いちゃって」
「別に」
いや、どうするのこの空気。
正直逃げ出したい。
というかこんなことになったのは美冬のせいなのに、張本人ここに在らず。
どうして私がお通夜のような雰囲気の中、どうしようもなくなっているか、それは少し前に遡る。
私たちは少々変わった形で友達になったが、劇的に何かが変わるわけでもなく。
たまに話をしたり、一緒に帰るように誘われたりするからそれについていくような、いたって健全な友達関係だった。
私はたいてい話を聞く側だけど、別に悪いものではない。
私の話なんて大抵つまらないものだし、自分自身の話になってしまうから。
それに対して、美冬の話は結構面白い。
大げさに言うと、ある種のファンタジー的な面白さがある。
誰かが惚れた腫れたの話とか、何の興味もなかったけど聞いてみると何気にいける。
クラスのあの人があの人とあれなんだ~ みたいな。
さすがにクラス外のことは何も知らないけど、どっかのクラスに女好きの人が居るから気を付けてとか言われたり。
本当にそんな人いるんだ!
みたいな驚きがあって悪くない。
私から積極的に知りに行こうとは思わないけど。
ともあれ、世界は勝手に続いているもので、美冬と繋がったということは勝手にその先との架け橋ができてしまったということ。
人間関係というものはたくさんの回路のようになっていて、勝手に切り離すことは難しい。
自分が意図していなくても知らないところで繋がっていたりする。
だから、美冬の友達が私に声をかけてくることは予想できた悪い未来の一つだった。
しかも、その原因が美冬にあるとなれば文句の一つでも言ってやりたい。
事の発端はいつものように美冬が一緒に帰ろうと声をかけてきたこと。
そう、友達を連れて。
私の視点から見たら「3人組の敵が現れた」みたいなテロップが出ていた。
その内の1人は私の味方のはずなんだけど。
今日は断ってさっさと帰ろうかな、と思っていると事件が起こった。
美冬が私に「ちょっと待ってて、私お手洗いに行ってくる」と言って教室から出て行ってしまったのである。
返事をする間もなくスーっと居なくなってしまったので私はフリーズしたままだった。
出ていくときに美冬の友達と目くばせをしていたのも見えた。
大方、「仲良くやってね」といったところだろうか。
私がそういうの苦手なのは知っていると思うんだけどな。
ちょっとした恨み節が出てしまうのはもう仕方がない。
とりあえずしゃべりにくい雰囲気にして帰ってくるのを待とうか。
と、思ったところでいきなりプライベートアタックが来た。
私に一般的な会話の振りが通じると思うな。
わざと潰してるわけじゃないけど会話を広げられる気がしない。
あと別に彼女たちのプライベートをわざわざ聞きたいとも思わないのが悲しい私の性。
ああ、そういえば名前知らなかった。
さすがに名前は知りたい、というか聞いておいた方が後々いいだろう。
「あの、2人は何と読んだらいい?」
私がそう言うと、2人はハッとしたような表情になった後嬉々として話始めた。
「「私は」」
あ、被った。
お互いにどうぞどうぞみたいなことし始めているし、仲いいな。
ちょっと微笑ましい。
どういうやり取りがあったかはよくわからないが、私の左に立っている小さめの子から話してくれるらしい。
「宮野雫です! 大体雫って呼ばれるけど、呼びたいあだ名があったらそれで呼んでね」
どういうアピールなのか、警察官がする敬礼みたいに右手を頭に当てている。
続いては、右の身長と胸がでかい人の番だろう。
おっとりした感じだけど眼鏡はかけてない。
先の自己紹介にちょっと頷いて目線を右に向ける。
「安城咲でーす。私も普通に咲って呼ばれてるからそれでよろしく!」
「よろしく」
2人は身体的特徴こそ真逆だが、お似合いなのが見て取れる。
「美冬から聞いたかもしれないけど、西野春香。」
「春香で良い?」
「いいよ」
また会話がなくなりそうだなー
というか美冬遅いなー
と思っていると咲が話し始めた。
「さっきは変な質問してごめんね? 実は美冬から頼まれてたんだよね」
「頼まれてた?」
「ちょっと! それ言ったらだめでしょ!」
「???」
「もういいでしょ。 こんなこと柄じゃないから」
「そうかもしれないけど…」
何もわからないんだけど……
置いてけぼりの私はまた一つ心の中で美冬に文句を言った。
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